もう梅雨ですねー。人形製作にとっては梅雨はいやな季節です。
実は梅雨に限らず、それずれの季節によって、気を付けなければならないこと、適していない作業があります.
うまくいかないのは、季節のせいかもしれません.
私も人形を作り始めてあしかけ13年になりますが、いつも感じていた季節的な弊害を取り上げてみました.
向いている,向いていないをあげましたが,工夫していかに克服するかがポイントです.
春
春は、人形製作に最も適した季節と言えましょう.
うららかで穏やかな陽気で、天気のいい日は本当は行楽日和なのですが、人形日和でもあります.
個人的に言えば,花粉症がひどい時期なので,また別に辛いんですが.
●向いている作業…粘土の塑像,胡粉練り,胡粉塗り,石膏モールド(型)製作、型抜きなど全般に向いているといえる
●向いていない作業…しいて言えば,雨の日/晴れの日、寒い日/温かい日が予測できないので、注意.
梅雨
言わずと知れた、梅雨は雨でじめじめした季節.
しかし、乾燥しているよりも湿気があるほうが良い作業もあります.
●向いている作業…粘土の塑像、胡粉練り
●向いていない作業…桐塑/木の粘土の保存(カビが生えやすい)
克服方法…冷蔵庫に入れて保存する.
それでも2,3週間が限度.カビが生えるとざらっとした感じに変質する.塑像にはさほど問題ないが,中までカビが生える。
その乾いた桐塑/木の粘土をサンドペーパーで磨くとカビの胞子が舞い上がり,それを吸うと健康に良くないので注意.
塗り(乾きにくい、胡粉が腐りやすい)
実は,塗りには湿気のほかに低気圧が大敵.理由は,低気圧だと泡が立ちやすく消えにくく,ぼつぼつとした肌になりやすい.
克服方法…湿っぽい方が胡粉は練りやすい.冷蔵庫で保存して梅雨の晴れ間に塗る.
石膏モールド型取り(乾きにくい、完全に乾かないと割れたり型抜きができない)
克服方法…なるべく梅雨時は避けたい。モールドはすぐには使えないが,完全に乾かせば,質的には問題はない.
夏
●向いている作業…比較的全ての作業に向いている.ラドールなら直射日光を当ててもでも問題ない.ただし,暑いと塑像のさい、表面の粘土がひび割れやすい.
秋
●向いている作業…全般的に向いている。
●向いていない作業…雨が続くような時は,梅雨とほぼ同じ対応を.
冬
●向いている作業…塗り(太平洋側は晴れて乾燥しているので,乾きやすい.ただし,気温が低いと乾きにくいので,室内を暖めること)
●向いていない作業…粘土の塑像(表面は乾燥してひび割れるが、中は乾きにくい)
克服方法…ヒーター(電熱器)を設置して,乾かす。
胡粉練り(乾燥しているため練りにくく,水分量が難しい)
克服方法…できれば真冬は慣れない人は失敗しやすいので避けたほうがいいが,加える水をお湯にする.あとは経験によって克服できる. |