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人形情報紙
ベベ通信55
vol.55'03/6月 BYまりりん石原
ホームページバージョン

 

「ベベ通信」は、もともと通信販売商品に同封する為に発行している人形情報のフリーペーパーです.
これは、そこから抜粋したホームページバージョンです.

耳の痛い話です

こうやって、HPを立ち上げていますが、私はもともとパソコンとかのアレルギー、すごく脳の相性が悪いです。ようやく少し慣れましたが、思えば苦労の連続。今回は、パソコン・HPにまつわる苦労話です。気分が滅入るかもしれませんので、現在、ハッピーでお暇な方のみ、お読みください。

 

パソコン&HP事始め

 通販をFAXと郵送だけで受け付けていたとき、前々からHPを作ってくださいという要望がありました。

 2000年の秋、パソコンを買う&初心者パソコン教室(6回)&HPを作る、の3つが、ほぼ同時にやってきました。つまり、インターネットを見たり、メールのやり取りするといった、遊びの時間をほとんど置くことなく、いきなりこの世界に突入です。初心者パソコン教室に行ったからといって、もちろんHP製作はまだまだ先の話なので、当時中学生だったいとこの女の子(この年にして、すでにベテラン)に、冬休みを利用してHPを作ってもらうことになりました。

 いとこはバンバン作るので、私はぼ〜〜と見ているだけ。今やどうやって作ったのかもわかりません。とりあえず、3MB程度の小さいHPを作り、2001年の1月1日にオープンのはこびとなりました。ちなみにこの時点では、もちろんまだタグなどわからないので(今でもそうですが)、ノートパソコン(Win’98)の「編集」を押すと自動的に現れるツールで日記などを編集・更新していました。コワゴワです。

 それで、まだオンラインカタログがなかったので(最終的目標でした)、いとこの春休みを利用して、カタログを作ってもらい、4月からカタログもオープン。以来、つい最近まで、このHPを原型として、増殖していきました。

 

 2002年、パソコンをデスクトップ(WinXP)に買い換えたら、今までの編集が「ワード編集」でしか、できなくなったのです。「XP」をお使いの方ならわかるでしょうが、この方法で編集すると、何故か画像がどんどんコピーされ、どんどん重くなってしまうのです。しかも、拡張子の[E]のマークが「W」になってしまう。実際はウェブ上では異常がないため、そのままでしたが、とても気になる。ちなみに、「ソース」を開けるとタグがごっちゃごちゃのぐっちゃぐちゃ!

 これではなんだかなあ、ということで、新しく作り直してもらい、今に至るわけです。

 

パソコンとは相性が悪い

 単にすぐフリーズさせるといった、物理的なものではなく、精神的に、相性が悪いような気がします。インターネットなど、「もうひとつのこの世」という感じ。表面的には「良心で成り立っている」とはいいつつ、悪くてずる賢い奴らが、悪いことに使っている、という感じがあったのです。

 さすがに単純にそこまではいかなくとも、そういう気質は、いまだに感じます。面と向かっては絶対言わないこともいえてしまうし、「ネットっぽい行動」って、たくさんありませんか?

 私が感じた嫌だなあ、と思うこと・・・・

 

(私のところに来る)質問メールまたはBBS。

自分で考える力が低下していると思う。どこかのサイトのBBSに質問を入れれば、親切な誰かが、いつの間にか、答えを入れてくれます。

私の常識としては、他人に質問をするときは、先ず、自分がこういう人間で、どういう状況で、こういう風にやってみたけど出来なくて、どうすればいいんでしょうか」という、質問者の方が文字数が多い質問になると思うのですが、逆の場合がとても多い。たとえば「こんにちは。これをこうするにはどうすればいいのですか?」だけとか。これだと、答える方が、あらゆる可能性を想定して長々とした答えを用意しなければならない。たとえそれを書いたとしても、それに対する謝辞は、ほとんどなし。また、無視をすれば、悪口サイトに書かれちゃう。

 「自分の手札は教えないけど、他人の手札は知りたい」という、ワガママな信念の人は、以前は一部の強烈なオタクの特徴だったのだけど、こういう人、ネットの世界にはとても多いですね。

以前、メールで「とある材料(カタログの商品)の仕入先を教えて欲しい」と言われ、「苦労して開拓したものだから教えられない。がんばって解いた数学の計算の答えだけ聞くようなものでしょう。」と返したら、ボロカスなメールが返ってきましたね。きっとこの人は、常にそういう方法で、誰かに聞き、誰かは「いいですよ。ここで仕入れました」と、教えてくれていたんでしょうね。そういうの、「良心で成り立っている」と言わないでしょうが。

ネット人間って、みんな、ダメと言われる(拒否される・態度を問われるなど)ことを、異常に嫌っているように思える。実社会は、否定(試験失敗、失恋、仕事の失敗など)されるのは普通にあること。だからこそ、「もうひとつのこの世」くらい、好き勝手に、傍若無人に行っちゃうんでしょうか。

 

著作権やオリジナルって何ぞや

 ネットの世界には限りませんが、以前、私の小さな作品(粘土にちりめんを張った小物)を、作品展で買った人が、自分の作品展で、全く同じもの(型取りしたもののようです・・・しかも明らかに安い布で、ヘタ!)を販売していました。まさか、私が来るとは思っていなかったでしょうけど、問い詰めたら、「委託販売です」と、汗だくの紫色の顔で弁解してました。また別のとき、人形をひっくりかえされて、中を調べようとした人もいました。恥ずかしいですね。会場で傍若無人なのは、私の親くらいの世代ばかりです。

 縮緬細工を専門にやっていた人に聞いたところ、その世界では「パクリは当たり前」だと言います。作品展に出すと、あっという間に真似され、ひどい人になると、購入もせず、「メジャーとメモを持参して、会場でサイズを測る」というつわものまでいるとか。ひかえるように言うと、「あんたも誰かの真似でしょ」と言われるのだとか。全く、著作権ってのは、どこに行ってしまったのでしょう。

 ドールイベントで、私が作ったキットそっくりな“キットのようなもの”を販売している人がいたとの、複数の目撃情報がありました。「真似されるのは一流の証拠」と言いますが、やっぱりそれとこれとは話が違う。

 

 パクリとは、リスペクトやオマージュとは全く違うものです。好きだから似てしまうのは仕方がないことだし、ものを作る以上、当たり前かもしれない。でも、パクリは利益だけを考えて真似することで、そこに愛は存在しません。自分で気がつかないのですから、余計悪いです。

 ネットの世界も、希薄ですね。著作権。画像は簡単にコピーして自分のパソコンにしまって置けるし。さすがに、今のところ悪質な被害はありませんが、意外に、こういう話を聞いて、あらためて「え、だめなの」と思う人もいるのではないかと思います。

 

オークション

 ネットオークションは便利だし楽しいし、私も買う方だけですが、利用します。ただ、このオークションのおかげで転売ヤーが横行し、本当に欲しい人が変えない現象が少なからずあります(例えば、ブライス・ドール)。また、とある人気ブランド名で検索すると、90%が偽ブランドに行き着きます。もちろん、規約では違法ですが、そこまでは管理者の目・手が回らないのでしょう。

 私も現在、少々これに悩まされています。オリジナル商品は、どうしても数が少ないため限定販売になってしまうのですが、転売ヤー横行を阻止するため、これらの商品の転売・オークション出品を禁じています。にもかかわらず、オリジナル商品(アクリルアイ)販売の際、一部の人によるオークション出品が数件、ありました。警告を送っても、はじめから「悪いこと」の意識のない人には通じないようです。ただ、誰が出品しているのかは、ほぼわかっています。当然、次回からはこちらとはお付き合いはできません。次回、どんなに欲しいものがあっても、お譲りできませんので、心して下さい。

 

私がネットを嫌いな理由

 ここでは書けないのですが、少なからず、こういう販売の仕事をしている以上、商売敵の妨害はあるものです。最近も、アクリルアイの件で妨害(というか、何と言うか・・・)を受けたばかりでちょっと嫌な気分になっているのです。きっと、もうすぐ、私の作ったアクリルアイ、スリープアイにそっくりなものが(・・・私が考えたオーダーメイドグラスアイにそっくりなカラーが売られるようになったのと同じく)、手軽に買えるようになると思いますよ!でも、私が先にいた、と言うことは、どうぞ忘れないでください。

 

 話しが最初に戻りますが、ネットでオンラインにいる限り、世界中からのアクセス、コンタクト、質問、そして妨害があります。これが、私がインターネットの世界に行くことの、もっとも躊躇していた理由です。

好きでこの仕事(当初は仕事とも思ってませんでした)を、採算度外視で細々とやっていたのですが、インターネットへ世界を広げると、その分だけ、入ってくるものよりも疲労やストレスが増えますから、本当は、HPはやりたくなかったのです。酷いことがあるたび、何度も、辞めようと思いました。

私はもともと、人形を作る手段として、材料を他の人に頒布する方法を考えましたが、現在ではこの仕事の合間に人形を作る生活に逆転しました。

ただ、本当に必要としている人々からの応援に支えられ、今まで耐えてこられました。私は、いつでもこの仕事を辞める(人に譲る)つもりでいるのですが。

 

 日本人は、慣習でしょうが、「お店の人は客が何といっても聞き入れてくれるものだ」と思っている風潮にあります。つまり、お店の人の立場は、常にお客さんよりも、下にいるのです。私はそう思いません。店も客も対等です。お互いがお互いの立場をわきまえていれば、トラブルは起きないと思うのですが、こんな心遣いも、ネットの世界には希薄なようです。

 


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆今月のギャラリー☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「ビジュウ」

58cm ・20th C boy ・その1

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