モヘアの取り扱いについて
現在、アトリエベベでは通販をお休みさせていただいておりますが、いそべはいろいろと材料の研究や、外国のウェブサイトなどを回って、珍しいものを探しております。
今回、会員限定の10月下旬の臨時通販お取り寄せで、モヘア(かせ、ブレイド、ヴィスコースモヘア)のご紹介をさせていただきました。皆様の使用のご感想をいただき、それによっては今後の本オープン時には、再度、取り扱いの候補にさせていただきたいと思います。
今号のベベ通信では、各素材の特徴と、扱いご注意をまとめさせていただきました。
●モヘア、モヘアブレイド
これは、モヘア(山羊毛)100%を細い糸にし、「ホワイト」以外は染めてあります。モヘアは昔から、細くて、人形のヘアには最高級です。毛糸のモヘアはつむいでありますが、こちらはつむいでない、いわば「すが」の状態ですので、切れやすいのが短所です。切れないよう、くしやブラシは極力避け、そのままのふわっとした質感を生かしてください。
また、もともと天然素材なので、完全なストレートではなく、「ストレート」という商品名でもゆるやかなウェーブが、癖毛のようにあります(ですから、市松人形のような完全なストレートの髪型をお望みの場合、モヘアは適していません)。
ブレイド(編み)は、編んで均一なウェーブをかけてあります(商品は、引っ張って編みをほどいてください)。
★適したつけ方(べべ通信の過去号もご参照ください)
熱には比較的強いので、ボンドで端を固めた束を作りながら人形の頭に張っていくこともできますが、小分けしたり、作業していくと、切れたり抜けたり、ロスが多いです。モヘアはなるべくいじらない方が良いです。一番簡単な方法@がおすすめです。
頭が小さければ、方法Aでもいいでしょう。また、方法Aと方法Bを併用すれば、多少大きい頭でもはげることはないと思います。
ブレイドもほとんど扱い方は同じです。ウェーブのほぐし具合でふわふわ具合も変わりますが、あまりほぐしすぎると、やはり、切れやすいのでご注意ください。
また、モヘアは水になじみにくいので、水に溶かす染料には染まりにくいです。白をうすいピンクや紫などに染めることはできます。ただし、風合いが変わることも考えられますので、少量だけ試すなど、扱いにはご留意ください。
モヘアかせ使用例(方法@)(カラー:ブロンド)
●ビスコースモヘア
これは、化繊モヘア(Modacrylic Mohair)といわれているものです。ビスコース素材は、日本では“人絹”と呼ばれ、絹のような風合いを持つ化繊として古くから知られています。アメリカでは化繊モヘアは多いです。これは、推測ですが、アメリカの衣食住に関するものにはあらゆる天然素材に代わる人工素材の商品があり、これは、コスト、環境保護、あるいはポリシー(ベジタリアンと同じ考え)ではないかと思われます。
今回扱ったビスコースモヘアは、モヘアの代品というより、また独特のものであると思います。糸は細く、とても光沢があります。ふわっとしていて、やや切れやすいです。
★適したつけ方(べべ通信の過去号もご参照ください)
扱い方はモヘアとほとんど同じですが、滑って落ちやすいので、ややロスが多いです。方法@〜Bまで、使うことができます。
ビスコースモヘアかせ使用例(方法B)(カラー:シルバー)
●カラー絹すが(日本製)
これは、これまで扱っていた絹すが糸とほぼ同じなのですが、糸がやや細く、カラーが豊富です。絹すがを均一に染めるのは意外に難しいものです。また、絹すがは“日本人の望む、毛先までストレート”を満たしている素材です。特に日本的な人形には欠かせません。歯ブラシなどでよく梳かすと、つやも出ます。切れにくく、軽いので、同じグラムの他の素材より、量も多いようです。
★適したつけ方(べべ通信の過去号もご参照ください)
方法@〜Bまで、使うことができます。
絹すが使用例(方法B)(カラー:黒)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆髪のつけ方ガイド☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
基本的に、パーマやスタイリングは水でじゅうぶんですが、人間用のムースやスプレーも使えます。ずっと乾かないような種類のジェルやワックスは、あまり向いていません。
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方法@
束の長さの真ん中をミシンで縫い(うすい髪を挟むと縫いやすいです)、厚みの真ん中を割って突合せにし、アイロンで抑え、人形の頭頂にボンドで張る方法です。
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方法A
人形の頭頂に直径1cm程度の穴を開け、丸く束ねたモヘアをさしこみ、360度行き渡るようにアイロンで押さえれば、出来上がりです。
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方法B
髪を適宜とり、端にボンドを付け、固めて髪束をいくつか作ります。この束を頭に2〜3段、巻きます。
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頭頂は「方法A」でやっても良いし、束を分け目に沿って突合せにつければ、分け目のある髪型も可能です。
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