5月21日(月曜日)
時差ぼけか、かなり早めに目が覚める、外はまだ小雨っぽい。なんかあったかい・・・ちょっと梅雨のような感じだ。
散歩を兼ねて出かける。ホテルからライブ会場のあるGRAND REX(グランレックス)まで歩いてみた。約10分。当然、まだ何の喧騒もない。このあたり、大通りはクラブや飲み屋が多く、夜はかなり賑わう。すぐ近くには娼婦街のサンドニ通りなんかもあるので、あまり治安がいいともいえないのだけど、大通りにいる限りは人通りも車も多いので、襲われりはないと思う・・・。
今日は月曜日なのでサントゥーアン(クリニャンクール)の蚤の市がやっているので行ってみるが、あまり店も開いていないし(どちらかというと月曜はオープンが遅め)めぼしいものはない。バスで再び街中に出る。
パリ右岸の2大デパート、プランタンとギャラリー・ラファイエットに行く。まあ、見るだけ。一応、パリはファッションのおされ発信地だからね〜〜。ああ、ブランド品に興味なくてよかった。
ちなみにプランタンの2階(日本式3階)に、ジャン・ポール・エヴァン、メゾン・ド・ショコラ、ラデュレという3強お菓子屋さんが入っているので、お土産がここのスペースで一気に買えます。私も今回はチョコレート&スイーツ・マニアになろうと思い、甘いものを積極的に食べています。
ふだんのワタシをご存知の方なら「マーガレットに甘いもの?」と思うくらい、ワタシはふだん甘いものを食べません。むしろ好きじゃないって言っていたくらい。でも、せっかくパリに来たんだから食べなきゃ。それよりも、甘いものを欲している感じ。
今回の旅行はものすごい食欲です。膨大なエネルギーを消費し、その反動で膨大なエネルギーを取り入れている感じ。去年はうつ病っぽくて全く食事がのどを通らなかったのが信じられないくらいの食欲です。
遅めのランチは、ホテルの近くのChertier(シャルティエ)。ここは超有名ビストロ。100年以上前に建てられたデコラティブで、映画にも使われたビストロなのに、安い。しかも一人で入ってもそんなに違和感がない(いつも混んでいるから相席になるけど)。今回も、おじさんと相席になった・・・まるでカップルみたいよ。
カップルといえば、ひとつはなれた一番隅のあまりいい席じゃない場所に、1組の日本人カップルがいた。メニューを時間をかけて読んでいるので、多分慣れない新婚旅行だろうな〜と思ったんだが。今回の旅行、ワタシは「にこやか」をモットーとしている。そのほうがオンナ一人旅、なにかとうまくいくもんだ。その日本人カップルも放っておけばよかったんだが、なんとなく話しかけてしまった。
「ご旅行ですか?いいですね〜。」
すると2人はニコリともせず顔を見合わせて、「いや、留学中・・・」と返しました。
え、まじで。ギャルソンにオーダーする、そのカタカナ発音で留学中?留学中なのに日本人同士でつるんじゃうの?ワタシは昔、語学のために日本人とは距離を置いていたよ(まあ、そのぶん日本人の友人はできなかったけどさ)。
なんでパリにいる日本人ってのはそろいもそろって感じワルイんだろうねえ。
変な席、オーダーも遅い、料理も遅い、ワタシより前にいたのに、ワタシのほうがさっさと済まして出てきちゃいました。どうもパリに留学するような日本人って、スカすのがパリっぽいと思っているらしい。いや、そんなことないからさ。誰だって、感じのいいほうがいいに決まっているじゃん。・・・まあ、一生わかりそうもないな、アノ人たち。
ちなみにワタシが食べたのは子牛のロースト・ポテト添え&ハーフボトル・ワイン。
3時頃、ホテルに帰る。まだライブまで時間があるけど、休憩して、支度。いったんお風呂に入る。いいよね〜。ワイン飲んで昼風呂。髪を整えて、化粧をして、着物を着る。多分今日は夕食を食べる暇がないと思うので、エネルギーの元として、さっき買ったチョコレートをバッグにしのばせる。貴重品は持たず、バッグに携帯とカメラとフィギュアとうちわだけ入れて・・・。気合い一発、さあ、出発だよ!
遠慮気味に、これがワタシです。初公開です。鏡なので着物のあわせが逆・・・死人みたい。イメージ違いましたか?
★ライブinパリ!★
19:30に入場、20:00開演予定です。日本よりやや遅いですよ。ちなみにフランスでは映画館や劇場にはほとんど、その席まで案内してくれる女性の係がいる(要チップ)。まあ、ワタシはわかっちゃいるけど、最前列、クリス前です。ステージまでは3mくらいあるかな。3階まである席に客もほとんど入り、20:00を過ぎたけどなかなか始まりそうもない。それどころか、まだ舞台上を設営確認するスタッフがうろうろ。
あとでHPに書いてあったそうだけが、今日ドイツからの移動中、機材バスが接触事故を起こしてだいぶ設営が遅れたとのこと。昨日、今日、明日、と全部開催国が違う・・・。忙しすぎじゃないの?
そのうち観客がワーワー騒ぎだした。ちょっと怖いくらい。やはり男性率が多いので、なんか低音が響く。パリはラティーノの血も入っているから、かなり熱狂的だ。みんな足を踏み鳴らし、もうちょっとで暴動か!?とヒヤヒヤしていたら、20:30ちょい過ぎに開演!
開演と同時に、座っていた観客が立ち上がり、ステージの直前まで行った。もちろんワタシも!席はクリス前だったけど、ほぼ中央に陣取った。ただ、ステージから50cmくらい離れていないと、警備のおじさんに「マダム・・・(首を横身振る)」と怒られる。
セットリストは、奇しくも今日発売されたライブDVD「Cubism」とほぼ同じだと思うが(日本版は6月20日に発売延期!)、「God willing」で2組のニール&クリス・コスプレ登場のあと、本人登場!ぎゃ〜〜〜〜!割れる歓声。いつものように2人は握手してポジションに着く。
ち、近いっす!!
ニールの瞳が、ブリリアントなペールブルーなのー!!!ひえ〜〜〜〜。感動!
I CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU!!
クリスは意外に小柄、細い。華奢で男の子みたい。ああ、たまに鼻を触るのが癖なのよね〜〜!
「We are the Pet Shop Boys」は「Nous
somme les Pet Shop Boys」とフランス語で歌う。・・・それなら「NY
city boy」のフランス語バージョン「Paris city boy」をやってほしかった。けっこうバラエティに富んだ選択だけど、なぜかアルバム「Nightlife」(ワタシが大好きな)からの選曲はないのよね・・・。
もう、一番いいポジショニングですよぉ。
まわりは男ばっかし
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オープニング。
クリスの本物は写っていません
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観客のテンションがすごい。ノリノリで歌い、踊り、歓声を飛ばす。もちろんワタシだって負けちゃいないよ!PSBを最初ッからオンタイムで聞いている80年代ディスコ世代をなめるな〜〜!もう、最大限に目立つよう、見てもらえるよう、手を振る!日本じゃ女としちゃ規格外の大きさなのに、ここじゃ大男に埋もれてる〜〜!
あ、でも、急いで立ち上がって場所をとったので、うちわを席に忘れてきてしまった!! 不覚っ!今さらは取りに戻れない。仕方ない、太古の昔からヤマトのオンナは愛する男に”袖を振る”と言います。せいいっぱい袖、振ったよ!
ニールは動きまくるのでブレブレ
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クリスは動きが少ないのでブレない
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ニールは、ちょっとしゃがんで観客席最前列に手を出すの。握りたい!あ〜〜〜こっちもやって〜!来たー!
ぎゃ〜!他の男にトラれたー!もうちょっと手が長けりゃいいのに〜!触ってーーー!
デカく生まれついて人生このかた、1度だってデカかったことをおトクだと思ったことなんてなかった。でも、このときだけは、あと5cm背が高く、あと5cm手が長ければいいのに!と願った!
パニナロ歌うクリス・・・照
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「Dreaming of Queen」は喪服っぽい
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アコースティックなHome & Dry
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黄クリスが青クリスに変身
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写真撮ってばかりじゃライブを楽しめないので、これくらいがせいいっぱい。
(写真の腕は悪いけど、これでどのくらい近くにいたかわかってもらえたかしら?)
ワタシとニール&クリスの間には、誰もいないの!歌いまくって、踊りまくって、3人の世界なの!
「I love you」って言いまくる。投げキスを投げまくる。ワタシの愛は通じたかしら?
一度だけ、手を思いっきり振ったら、クリスが振り返してくれたよ!(まあ、ちょっと手を上げる程度ですが)
ワタシにだよね!?となりのニーチャンにじゃないよね!(クリスはサングラスで表情が見えづらいの・・・)
2時間踊りまくり、くたくたに。蒸し暑かったので化粧も落ちたし、着物の中はサウナ状態。でも、着物・・・見てくれたかなあ。
いつもは「The Sodom & Gomorrah show」でいったん終了、リクエストコールで「So
hard」「It’s a sin」[Go west」で大演壇なんですが、観客がまだ大歓声で、2人は再び登場。ちなみにニールはスカルのTシャツ、クリスは最初の黄色パーカーに着替えている。ニールがクリスの耳元で何か囁くと、クリスがキーボードを弾きだした。おおっ、「Being
boring」だ。しんみり終わるね。寂しくなっちゃう。涙が出ちゃう。こんなに近くで生を見れて、幸せだよ。
開演が遅れたせいか、もともとフランス人が熱いのか、なかなかみんな帰らないし、お酒飲んで騒いでいて、ちょっと恐かった。
ライブ後、劇場の前の歩道は帰らない人で黒山の人だかり。みんな出待ちしている・・・ひえ〜、100人以上いるよ!騒いでいるよ!私は少し遠くから見ていたけど、大丈夫なのか。
1時間くらいしたところで、係の人が出てきて、「みなさんもう帰ってください!BOYSはもう帰りました!」と、叫んでいる。え〜〜。
プチ暴徒化したファンたちにもみくちゃにされると警備上不都合なので、本当に別の出口から出てしまったのか、帰らせるための嘘なのかはわからなかったけど、それで90%はゾロゾロと散り始めた。ワタシは粘った。もしかしたら嘘かもしれないし。何のためにパリまで来たんだ。ずっと機材搬出を見ていたが、本当に2人はいなそうだ、結局、ワタシ意外誰も待っている人はいなくなり、道路は清掃局の深夜番が回ってきて、そこらじゅうを洗い流していく。彼らには、私がどう見えただろうか。旦那様に置いてきぼりを食らった哀れなゲイシャにでも見えただろうか。
とっくに午前様・・・搬出もそろそろ終わりそうだ・・・仕方ない、あきらめるか・・・。某所お墨付きの「日本一オタクなPSBファン」(?)でも、大人の事情には勝てないのだ・・・。泣。
10分の道のりを歩いて帰る道すがら、3人の酔っ払いにナンパされた。
ワタシがハグしたいのはお前じゃねーよ!!帰れ!死ね!
ホテルのドアは12時過ぎると施錠されるんだっけ・・・。一応”にこやかに”ドアをたたいてフロントを起こし、一人になった部屋で凹む。着物脱ぎ散らして、お風呂入って、ビールをあおる。坑うつ剤と睡眠薬を飲み、そのまま寝る。
出待ちのバカー。泣・・・
つくづく、なんでワタシってこうなっちゃったかなあ。
もっと軽い気持ちで見られないかなあ。スペシャルすぎるんだよね。ハッピーとアンハッピーのふり幅が単純に大きすぎる。もし「縁」というものがあって、ワタシがここにいるのなら、中途半端な縁じゃなく、もう少し濃い縁をお願いしたい…普通のファンレベルを超えるのは、そりゃ凡人にはできないってことか。
PSB、人気ありすぎるよ!愛されすぎよ!愛が多すぎて、行き場がなくなって、そこらじゅうで跳ね回り、回転し、朽ち果てているのが見えるよ!
ファンどもよ、もう少し感情を抑えたまえ。
わたしもか?
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