Margaretの部屋/5月
パリ&ロンドン一人旅

行動編T


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2007年、ワタシのThe Sodom & Gomorrah show の幕開け

 2007年2月下旬、私はパリのPSBライブのチケットをFNACのサイトで購入してしまった。これが、最前列の席である。これは神様がくれた幸運に違いない。最前列じゃなかったら、行こうだなんて思わなかったかも知れない。
 それから3ヶ月は、私の「Go to t
he Sodom and Gomorrah show」が始まった。長いようで短い3ヶ月だった。今回は一人旅だ。20年前に一人旅をやったことがないわけじゃないけど、久々、しかもうつを患ってひきこもりになって以来、初めて一人で旅行に行く。・・・できるだろうかという不安のほうが大きかったが、同じくらいの”ライブに行きたい”という気持ちもあった。つまり、ものすごい躁と鬱、“感情の振り幅”という、精神的によくない状態を3ヶ月もキープしての準備だった。あるときは2人に会えるヨロコビに思いをはせて妄想し、着ていく着物をチョイスし歌の練習をし、一方では、ギリギリまで探していた同行者は結局見つからず、一人で行く不安を抱え、凹んでナーバスになり・・・。その繰り返しだった。
でも、やっぱりニール&クリスに会いたい、という気持ちがすべてを上回ってしまったのだ・・・。

 しかし、濃い3ヶ月はあっという間に過ぎ、物ごとは驚くほど順調に恐るべきスピードで進んで行き、ついに前日の夜になった。

*注:今回のマーガレット1人旅は、女性の一人旅としてはかなりキケンなこともしております。しかし、一応マーガレットはパリに住んでいた経験があるし、ロンドンもけっこう知っているので、無茶もしております。日本人に見えないとか、女に見えないとかのメリットもあります。治安に関しては、お読みのかわいい日本人乙女の皆さんは、海外で私のような行動はあまり真似しないでくださいね。


 

 


 5月20日(日曜日)

 私の5月20日は31時間あった。

 朝3:00起き。最後の荷物チェック、猫の餌やり、ウェブのチェック。4:30に家を出る。近くの東名バス停(中部国際
港直行バス)まで送ってもらい、無事、バスに乗り、約3時間でセントレアへ。
 セントレアは国際線では初めて。成田に比べると小さいけど、コンパクトでわかりやすいかも。飛行機のチケットは自分でJALのサイトで買ったが、最近、eチケットというやつは自分でチェックインができてすごく便利になっている。あっけないほど簡単に飛行機に乗れてしまった。10:00離陸。パリまで12時間の直行便だ。けっこう混んでいて、満席状態だ(セントレアからはパリ直行とフランクフルト直行の2便しかヨーロッパ直行がないからかも)。

スカイデッキから海の方向を臨む・・・

 ヨーロッパ(アメリカでも)に行くとき、私にとって、最初の飛行機ですべての旅行の体調が左右される。去年はロンドン行きのヴァージンアトランティックでほとんど眠れず、旅行中体調不良でひどい目にあった。今回は事前に心療内科で睡眠薬をもらっておいて、飛行機に乗る前に飲んでおいたので、ほとんどバク睡。映画も見ず、ご飯を食べたのすら覚えていないけど、気がつけばあと2時間ほどでパリだ。ラッキー。

 時差-7時間で、15:00にパリ着。
 2年半前、パリ&バルセロナに来たとき、
ユーロを使いきれない分が余って持っていたので、今回は換金せず。高いものはカードで買うつもり。どちらにせよ、いまのユーロ・ポンド高なので、そんなに買い物はしないつもりだ。
 パリ・シャルル・ドゴール
港からロワシー・バスに乗って中心地オペラ座まで約1時間。港からしばらくは、高速道路は味気ない。どこの国でもそんな感じだが、なんとなく港が“悲しい・寂しい”イメージがあるのは、こんな近代的かつ殺風景な車窓だからじゃないだろうか・・・。モンマルトルの丘が見えると、ようやくパリを感じる。
 オペラ座でバスを降りると、ああ、まさしくいつものパリ。ここから徒歩5分ほどのホテルまで歩く。

★パリのホテルについて★

 ホテルはパリもロンドンも、特に日本のホテル予約サイトを通さずに(体験談とか参考にしたけど)直接メールで予約した。特にパリのホテルはライブ会場から歩いていける場所に絞って予約した。
 ホテルってのは、ピンキリであって、それこそ上を見れば1泊10万円の部屋も少なくない。ワタシの言うところの“いいホテル”とは、安くて立地や設備がいい、つまりエコノミークラス・レベルでの“コストパフォーマンスの良さ=いいホテル”である。コストの上限がいくらでもいい、という人には参考にならないでしょう。そこのところよろしく。なお、ヨーロッパでのシングル・ステイはかなり肩身が狭いです。どうしてもシングルはダブルやツインと変わらないくらい高いです。シングルが屋根裏だったり、シャワールームだけだったり、シングルルームがないホテルすらある。ただでさえ
ユーロ高、最も頭を悩ますところ。だけど快適なステイにはホテルは重要なのだ。

 さて、パリのホテルは「ペルティエ・オスマン・オペラ」という26室のプチホテル。’04年版の「地球の歩き方」に載ってはいるものの、どこの予約サイトでも扱ってはいなかった。でも、「地球の歩き方」読者割引があり、朝食も別料金だったのでここに予約を入れた。メールで予約したが、返事が早いのも高感度が高かった。実際に行ってみると、フロントのお兄さん&おじさんは英語が話せるし、めちゃくちゃ笑顔がさわやかで(フランス人にしては珍しい)、1日で私の部屋番号を覚えてくれて、さっと笑顔で鍵を渡してくれる。
2つ★だが、それ以上の価値は十分。いままで泊まった3つ★よりも快適だった。

 肝心の部屋は。シングルルームって実は泊まったことがない。おおっ、ダブルルームだ!広い。ツインでこれより死ぬほど狭い部屋に泊まったことは何度もあるよ(そういう狭いのは、だいたいツアーの「ホテルは当社指定Dクラス」とかがそれ)。ありがたいことに広いバス・タブもあり、ドライヤーもある。セーフティ・ボックス、テレビ、ミニバー(冷蔵庫)まで完備。こりゃ、ラッキーかも。6階なので、眺めもいい。唯一の欠点は、古い建物なので窓(2重)がきっちり閉まらないこと。冬はちょっとつらいかも。あと、たべかけのお菓子を蟻に食べられた。

 ロビーにはパソコンもあり(15分2
ユーロだけど、お兄さんはいつもおまけしてくれていた)、小さいけど清潔で、行き届いたホテル。かなり気に入りました。エレベーターが2人乗りなのは、パリの小さめのホテルなら当然です。
 これで68
ユー(約11,000円・・・ダブルだけどシングル価格)は、立地と設備を考えれば、エコノミー最高レベルではないでしょうか。次もここにします。ツインに2人で泊まっても一人7〜8,000円で泊まれそうです。
 ちなみに地下鉄の駅やバス停も近くて、パリ最大のデパート、ギャラリー・ラファイエットまで徒歩5分はポイント高し。近所にはカフェやお店もたくさんあります(隣は「やまだや」という焼き鳥屋でした)。


なんとなくアメリの部屋っぽい?


窓枠のとこに2人のフィギュア置いてみる


 さて、部屋が快適なことに満足し、スーツケースを解く。まだ5時。今のパリは10時くらいにならないと夜っぽくなりません。でも今日は日曜日なので、スーパーやお店があまり開いていない。とりあえず開いている率の大きいシャンゼリゼに行く。近くのメトロ(地下鉄)で1週間定期券を買う。たいがい旅行者は10枚の回数券(カルネ)を使うけど、すぐなくなってしまうので、週はじめにパリに到着するなら、絶対定期券がトク。ただし、小さい顔写真を用意する必要がある。でも、持っているとメトロもバスも載り放題で、絶対べンリ。
 シャンゼリゼのFNAC(CD/DVD、本、プレイガイド)に行って、予約してあったコンサートのチケットを発券してもらう。ついでにフレンチのDVDを買う(ただしDVDは日本と方式が違うので、パソコンで再生可能)
 夕食も調達。FNACの並びのパン屋PAULでサンドイッチを買い、さらに向かい側の老舗ケーキ店LADUREE(ラデュレ)でミルファイユ(ミルフィーユのこと・・・発音が微妙に違う。”ミルフィーユ”だと「女子1000人」の意味になる)をアンポルテ(お持ち帰り)。本当はこの店はマカロンで有名なのだけど。


マーガレットinパリ・・・やや小雨


今日の買い物。
左上から時計回りに、ミレーヌ・ファルメールのDVD、
定期(カルトオランジュ)、ラデュレのミルファイユ、
ポールのローストビーフ・サンドウィッチ

 今日はこのくらいにして、早めに休む。明日が本番なので・・・。
ちなみにパリは10時くらいまで夕方の感じ。なかなか暗くならない。




 

 


5月21日(月曜日)

 時差ぼけか、かなり早めに目が覚める、外はまだ小雨っぽい。なんかあったかい・・・ちょっと梅雨のような感じだ。
 散歩を兼ねて出かける。ホテルからライブ会場のあるGRAND REX(グランレックス)まで歩いてみた。約10分。当然、まだ何の喧騒もない。このあたり、大通りはクラブや飲み屋が多く、夜はかなり賑わう。すぐ近くには娼婦街のサンドニ通りなんかもあるので、あまり治安がいいともいえないのだけど、大通りにいる限りは人通りも車も多いので、襲われりはないと思う・・・。
 今日は月曜日なのでサントゥーアン(クリニャンクール)の蚤の市がやっているので行ってみるが、あまり店も開いていないし(どちらかというと月曜はオープンが遅め)めぼしいものはない。バスで再び街中に出る。
 パリ右岸の2大デパート、プランタンとギャラリー・ラファイエットに行く。まあ、見るだけ。一応、パリはファッションのおされ発信地だからね〜〜。ああ、ブランド品に興味なくてよかった。
 ちなみにプランタンの2階(日本式3階)に、ジャン・ポール・エヴァン、メゾン・ド・ショコラ、ラデュレという3強お菓子屋さんが入っているので、お土産がここのスペースで一気に買えます。私も今回はチョコレート&スイーツ・マニアになろうと思い、甘いものを積極的に食べています。

 ふだんのワタシをご存知の方なら「マーガレットに甘いもの?」と思うくらい、ワタシはふだん甘いものを食べません。むしろ好きじゃないって言っていたくらい。でも、せっかくパリに来たんだから食べなきゃ。それよりも、甘いものを欲している感じ。
 今回の旅行はものすごい食欲です。膨大なエネルギーを消費し、その反動で膨大なエネルギーを取り入れている感じ。去年はうつ病っぽくて全く食事がのどを通らなかったのが信じられないくらいの食欲です。

 遅めのランチは、ホテルの近くのC
hertier(シャルティエ)。ここは超有名ビストロ。100年以上前に建てられたデコラティブで、映画にも使われたビストロなのに、安い。しかも一人で入ってもそんなに違和感がない(いつも混んでいるから相席になるけど)。今回も、おじさんと相席になった・・・まるでカップルみたいよ。
 カップルといえば、ひとつはなれた一番隅のあまりいい席じゃない場所に、1組の日本人カップルがいた。メニューを時間をかけて読んでいるので、多分慣れない新婚旅行だろうな〜と思ったんだが。今回の旅行、ワタシは「にこやか」をモットーとしている。そのほうがオンナ一人旅、なにかとうまくいくもんだ。その日本人カップルも放っておけばよかったんだが、なんとなく話しかけてしまった。

「ご旅行ですか?いいですね〜。」
 すると2人はニコリともせず顔を見合わせて、「いや、留学中・・・」と返しました。
え、まじで。ギャルソンにオーダーする、そのカタカナ発音で留学中?留学中なのに日本人同士でつるんじゃうの?ワタシは昔、語学のために日本人とは距離を置いていたよ(まあ、そのぶん日本人の友人はできなかったけどさ)。
 なんでパリにいる日本人ってのはそろいもそろって感じワルイんだろうねえ。
 変な席、オーダーも遅い、料理も遅い、ワタシより前にいたのに、ワタシのほうがさっさと済まして出てきちゃいました。どうもパリに留学するような日本人って、スカすのがパリっぽいと思っているらしい。いや、そんなことないからさ。誰だって、感じのいいほうがいいに決まっているじゃん。・・・まあ、一生わかりそうもないな、アノ人たち。
 ちなみにワタシが食べたのは子牛のロースト・ポテト添え&ハーフボトル・ワイン。

 3時頃、ホテルに帰る。まだライブまで時間があるけど、休憩して、支度。いったんお風呂に入る。いいよね〜。ワイン飲んで昼風呂。髪を整えて、化粧をして、着物を着る。多分今日は夕食を食べる暇がないと思うので、エネルギーの元として、さっき買ったチョコレートをバッグにしのばせる。貴重品は持たず、バッグに携帯とカメラとフィギュアとうちわだけ入れて・・・。気合い一発、さあ、出発だよ!


遠慮気味に、これがワタシです。初公開です。鏡なので着物のあわせが逆・・・死人みたい。イメージ違いましたか?

★ライブinパリ!★

 19:30に入場、20:00開演予定です。日本よりやや遅いですよ。ちなみにフランスでは映画館や劇場にはほとんど、その席まで案内してくれる女性の係がいる(要チップ)。まあ、ワタシはわかっちゃいるけど、最前列、クリス前です。ステージまでは3mくらいあるかな。3階まである席に客もほとんど入り、20:00を過ぎたけどなかなか始まりそうもない。それどころか、まだ舞台上を設営確認するスタッフがうろうろ。
 あとでHPに書いてあったそうだけが、今日ドイツからの移動中、機材バスが接触事故を起こしてだいぶ設営が遅れたとのこと。昨日、今日、明日、と全部開催国が違う・・・。忙しすぎじゃないの?
 そのうち観客がワーワー騒ぎだした。ちょっと怖いくらい。やはり男性率が多いので、なんか低音が響く。パリはラティーノの血も入っているから、かなり熱狂的だ。みんな足を踏み鳴らし、もうちょっとで暴動か!?とヒヤヒヤしていたら、20:30ちょい過ぎに開演!
 開演と同時に、座っていた観客が立ち上がり、ステージの直前まで行った。もちろんワタシも!席はクリス前だったけど、ほぼ中央に陣取った。ただ、ステージから50cmくらい離れていないと、警備のおじさんに「マダム・・・(首を横身振る)」と怒られる。
 セットリストは、奇しくも今日発売されたライブDVD「Cubism」とほぼ同じだと思うが(日本版は6月20日に発売延期!)、「God willing」で2組のニール&クリス・コスプレ登場のあと、本人登場!ぎゃ〜〜〜〜!割れる歓声。いつものように2人は握手してポジションに着く。

 ち、近いっす!!

ニールの瞳が、ブリリアントなペールブルーなのー!!!ひえ〜〜〜〜。感動!
I CAN’T TAKE MY EYES OFF
YOU!!
クリスは意外に小柄、細い。華奢で男の子みたい。ああ、たまに鼻を触るのが癖なのよね〜〜!

 「We are t
he Pet Shop Boys」は「Nous somme les Pet Shop Boys」とフランス語で歌う。・・・それなら「NY city boy」のフランス語バージョン「Paris city boy」をやってほしかった。けっこうバラエティに富んだ選択だけど、なぜかアルバム「Nightlife」(ワタシが大好きな)からの選曲はないのよね・・・。


もう、一番いいポジショニングですよぉ。
まわりは男ばっかし


オープニング。
クリスの本物は写っていません

観客のテンションがすごい。ノリノリで歌い、踊り、歓声を飛ばす。もちろんワタシだって負けちゃいないよ!PSBを最初ッからオンタイムで聞いている80年代ディスコ世代をなめるな〜〜!もう、最大限に目立つよう、見てもらえるよう、手を振る!日本じゃ女としちゃ規格外の大きさなのに、ここじゃ大男に埋もれてる〜〜!
 あ、でも、急いで立ち上がって場所をとったので、うちわを席に忘れてきてしまった!! 不覚っ!今さらは取りに戻れない。仕方ない、太古の昔からヤマトのオンナは愛する男に”袖を振る”と言います。せいいっぱい袖、振ったよ!


ニールは動きまくるのでブレブレ


クリスは動きが少ないのでブレない

ニールは、ちょっとしゃがんで観客席最前列に手を出すの。握りたい!あ〜〜〜こっちもやって〜!来たー!
ぎゃ〜!他の男にトラれたー!もうちょっと手が長けりゃいいのに〜!触ってーーー!

 デカく生まれついて人生このかた、1度だってデカかったことをおトクだと思ったことなんてなかった。でも、このときだけは、あと5cm背が高く、あと5cm手が長ければいいのに!と願った!


パニナロ歌うクリス・・・照


「Dreaming of Queen」は喪服っぽい

 


アコースティックなHome & Dry


黄クリスが青クリスに変身

写真撮ってばかりじゃライブを楽しめないので、これくらいがせいいっぱい。
(写真の腕は悪いけど、これでどのくらい近くにいたかわかってもらえたかしら?)
ワタシとニール&クリスの間には、誰もいないの!歌いまくって、踊りまくって、3人の世界なの!
「I love  you」って言いまくる。投げキスを投げまくる。ワタシの愛は通じたかしら?
一度だけ、手を思いっきり振ったら、クリスが振り返してくれたよ!(まあ、ちょっと手を上げる程度ですが)
ワタシにだよね!?となりのニーチャンにじゃないよね!(クリスはサングラスで表情が見えづらいの・・・)


 2時間踊りまくり、くたくたに。蒸し暑かったので化粧も落ちたし、着物の中はサウナ状態。でも、着物・・・見てくれたかなあ。
 いつもは「T
he Sodom & Gomorrah show」でいったん終了、リクエストコールで「So hard」「It’s a sin」[Go west」で大演壇なんですが、観客がまだ大歓声で、2人は再び登場。ちなみにニールはスカルのTシャツ、クリスは最初の黄色パーカーに着替えている。ニールがクリスの耳元で何か囁くと、クリスがキーボードを弾きだした。おおっ、「Being boring」だ。しんみり終わるね。寂しくなっちゃう。涙が出ちゃう。こんなに近くで生を見れて、幸せだよ。

 開演が遅れたせいか、もともとフランス人が熱いのか、なかなかみんな帰らないし、お酒飲んで騒いでいて、ちょっと恐かった。
 ライブ後、劇場の前の歩道は帰らない人で黒山の人だかり。みんな出待ちしている・・・ひえ〜、100人以上いるよ!騒いでいるよ!私は少し遠くから見ていたけど、大丈夫なのか。
 1時間くらいしたところで、係の人が出てきて、「みなさんもう帰ってください!BOYSはもう帰りました!」と、叫んでいる。え〜〜。
プチ暴徒化したファンたちにもみくちゃにされると警備上不
合なので、本当に別の出口から出てしまったのか、帰らせるための嘘なのかはわからなかったけど、それで90%はゾロゾロと散り始めた。ワタシは粘った。もしかしたら嘘かもしれないし。何のためにパリまで来たんだ。ずっと機材搬出を見ていたが、本当に2人はいなそうだ、結局、ワタシ意外誰も待っている人はいなくなり、道路は清掃局の深夜番が回ってきて、そこらじゅうを洗い流していく。彼らには、私がどう見えただろうか。旦那様に置いてきぼりを食らった哀れなゲイシャにでも見えただろうか。
 とっくに午前様・・・搬出もそろそろ終わりそうだ・・・仕方ない、あきらめるか・・・。某所お墨付きの「日本一オタクなPSBファン」(?)でも、大人の事情には勝てないのだ・・・。泣。

 10分の道のりを歩いて帰る道すがら、3人の酔っ払いにナンパされた。
 ワタシがハグしたいのはお前じゃねーよ!!帰れ!死ね!
 ホテルのドアは12時過ぎると施錠されるんだっけ・・・。一応”にこやかに”ドアをたたいてフロントを起こし、一人になった部屋で凹む。着物脱ぎ散らして、お風呂入って、ビールをあおる。坑うつ剤と睡眠薬を飲み、そのまま寝る。

出待ちのバカー。泣・・・

 つくづく、なんでワタシってこうなっちゃったかなあ。
もっと軽い気持ちで見られないかなあ。スペシャルすぎるんだよね。ハッピーとアンハッピーのふり幅が単純に大きすぎる。もし「縁」というものがあって、ワタシがここにいるのなら、中途半端な縁じゃなく、もう少し濃い縁をお願いしたい…普通のファンレベルを超えるのは、そりゃ凡人にはできないってことか。
 PSB、人気ありすぎるよ!愛されすぎよ!愛が多すぎて、行き場がなくなって、そこらじゅうで跳ね回り、回転し、朽ち果てているのが見えるよ!
 ファンどもよ、もう少し感情を抑えたまえ。

 わたしもか?



 


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