Margaretの部屋/2009年6月
マンチェスター&ロンドン一人旅
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マーガレットのブログ日記




 6月22(月曜日)

 実質の最終日。馴れて来たころに帰らなければならないのは、旅行者のさだめ…。

 今日も朝からPSBツアー開催予定。勝手にブルー・プラーク(歴史的記念場所を表すプレート)を貼りまくります。
 バスでエレファント&キャッスル駅に向かう。「London」のPV2人がストリート・ミュージシャンみたいに、ギターとミニ・キーボードで演奏していた場所を探しに。う〜ん。でも、地下道(Subway)が、PVと違うなぁ。PVでは壁が殺風景だったけど、Subwayはペイントされて、カラフル。6年の間に、多分、塗りなおされたのだろう…仕方なく、納得。ウォータールー駅まで少し戻り、テムズ河畔を歩く。「West End girls」っぽくね。どんどん西に歩いて行くと、対岸にビッグ・ベンと国会議事堂が見えてくる。一番ロンドンっぽい風景。

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ダリ博物館の前のダリのレプリカから見るビッグ・ベン。なんとなくこれを見ないとロンドンに来た気がしない…もう最終日だけど。

 テムズ河を渡って、再び東に戻ると、今度はトラファルガー広場の方に行く。途中、エンバンクメント・ガーデン(PSBの「Survivor」に登場する)がある。この近く、Charring Cross駅の近くには、「Was worth is it?」のPVPSBが去年もチャリティー・ライブをやったゲイ・クラブ「Heaven」があるはずなのだけど…地下から行くらしいけど、結局、まだ午前中のため、店を見つけることができなかった、残念。いつか、誰か(ゲイのお友達)に連れて行ってほしいなぁ。

 2004年にPSBが「戦艦ポチョムキン」の無料ライブをやったトラファルガー広場に出る。ここの一角のナショナル・ギャラリーとナショナル・ポートレート・ギャラリーも必見。前に来た時は、ショップにPSBのポートレイト(エリック・ワトソンが撮った写真)が売っていたのだけど、今回はみつからない。まあいいや。ジュリアン・オピーのBlurのベスト・アルバム・ジャケットの原画が見れれば。

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こちらは、1999年のNightlifeツアーのセット・デザインを手がけた建築家、ザハ・ハディットのポートレート。

 ところで、72日からのナショナル・ポートレート・ギャラリーの企画展は、「Gay icons」。これ、見たい。PSBのポートレートは出品されるのかしら。
出品予定…
Francis Bacon and David Hockney, civil rights campaigner Harvey Milk, writers Quentin Crisp, Joe Orton, Daphne Du Maurier, Patricia Highsmith and Walt Whitman, composer Pyotr Tchaikovsky, musicians k.d. lang, Will Young and Village People, entertainers Ellen DeGeneres, Kenneth Williams and Lily Savage, and Nelson Mandela and Diana, Princess of Wales…など。ゲイ・アイコンって言っても、故ダイアナ妃が入っていたりと、解釈はさまざま。

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http://www.npg.org.uk/

 さらに東に行くと、サヴォイ・シアターがある。普通はミュージカルやクラシックをやっているけど、1996年にPSBSomewhereライブをやった場所。こういう小さい劇場でライブを見てみたい。併設のサヴォイ・ホテルの中にあるレストラン、サヴォイ・グリルもよくニールが使っているらしい。

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 さらにコヴェント・ガーデンまで行き、月曜恒例のアンティーク・マーケットを見る。あまり目ぼしいものはなく、さらにGO EAST、セント・ポール寺院でバスを降り、ミレニアム・ブリッジを渡る。

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ここも「London」のPV2人がプレイしていたところ。対岸はテート・モダン。ニールは、ここで開催されるターナー賞の審査員に名を連ねるだけあって、ここの企画展にはよく顔を出す。今日は会うことはないと思うけど(今夜はアムステルダムでライブだからね)。特別見たい企画展はなかったけど、せっかくだからアートに触れておこう。

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テート・モダン7階のレストランは、ちょっと高いけど、美味しいのでおすすめ。フィッシュ&チップスも高級なCod(たら)を使っていて、めちゃくちゃ美味しい。チップス(フライドポテト)も、なんてクリーミー…(ただし、後で胸やけして薬飲みます、ワタシ)。エール・ビールがフルーティ。今回は食べなかったけど、ティラミスもすごく美味しかった。あと、ウエイターのお兄さんがイケメンです。人のこと”マダム”って呼びます(礼儀的にはかなり正しい)

 ランチの後、地下鉄でスローン・スクエアへ。ここを上がれば、Kings Road。かつては60年代パンクの発祥の地であり、80年代はニールとクリスが出会い、今はおしゃれなショッピング・ストリート。残念ながら2人が出会った音楽パーツ店はいまは多分もうないのだけど、1981年8月19日、クリスに声をかけられたニール(地元住民)は、クリスをお茶に誘い、行きつけのカフェで電話番号交換(すごく緊張したらしい。ホント、ナンパの出会いみたいス)。そこがCaf
é Picasso。まだちゃんとあります(ひさしのカラーが前と変わったような…)

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あと、Kings RoadM&S。ニールはいまだにこのあたり(チェルシー)に住んでいるらしいので、ここで買い物している可能性ありますから。ここでバイトしてれば、いつかはニールに会えるかなぁ。

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 さて、ここらでミニツアー。1980年代前半、ニールが22番のバスに乗り、Kings RoadからCarnaby Streetのスマッシュ・ヒッツに通勤していたルートをバス・ツアーしてみましょう。「Heart」はこのバスの中で書いたそうよ。

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来た来た。ピカデリー・サーカス行き。ちなみに19番のバスでもほぼ同じルートを通るので、OKです。

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 デパートのピーター・ジョーンズを曲がると、ブランド店が軒を連ねるスローン・ストリート。オスカー・ワイルドが男娼たちと乱交パーティ開いていたホテル・カドカン。ワイルドを始め、多くの文学者がチェルシーに住んでいたから、ニールはチェルシーに魅了されているんだと思う。

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 おしゃれデパート、ハーヴェイ・ニコルズ。ここを曲がると、グリーンパークを通って、ピカデリー着。所要約20分。バスを降り、Carnaby Streetまで5分ほど歩く。Carnaby Streetは、モッズ発祥のストリートで、70年代から現在まで、おしゃれな店や人が多い。

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 PUMAショップの上が、スマッシュ・ヒッツのオフィスだった(現在スマッシュ・ヒッツは廃刊のため当然オフィスもない)。ここの3階だか4階から、ニールはいつも下を通るかわいい男の子を眺めていたそうだ(本人がそう言ってたからホント)。できた曲が「Later tonight

 さらに北に行くと、リバティ・プリントで有名なデパート、リバティに突き当たる。左に曲がってまっすぐ行くとトッテナム・コート・ロード駅。いま、新しい鉄道駅ができるとかで、全体に工事中。有名なライブハウスAstoriaも跡形もない。Astoria閉鎖には常連のクリスも嘆いていた。併設のゲイ・バーG-A-Yは、Heavenと合併したらしい。(Googleのストリート・ビューでは、今でもAstoriaを見ることができます。)

 Carnaby Streetの数本東にあるBerwick streetは、中古レコード・ショップが多い。一応PSBのレアCDを探すけど、それなりの価格。スタジオ・デモ・アルバムが一枚250£(40,000)とか。ワタシがモノ・コレクターだったら買うかもしれないけどねぇ…。拝むだけ。

 南に下ると、レインボー・フラッグはためくゲイ・ストリートであるOld Compton streetがあり(このあたり、Soho全体がゲイ・タウンと言えなくもないけど)、突っ切ると中華街。何故か中華街ド真ん中のGerrard street 48番地の地下にあったDive barは、「West End girlsに出てくるゲイ・バーだ(たいがいの日本語訳は「Dive bar」を「バーに潜む」と誤訳されているけど)。今はもうないけど、かつてイレージャーのアンディ・ベルもバーテンをしていた。結局48番地はNew Chinaという中華レストランになっている。ブルー・プラークをつけるべきだわ。

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あと、左はニール行きつけのレストラン、「The Ivy」ね。このあたりも、夜に賑わう街です。

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ローリング・ストーンズのロン・ウッドの描いた「The Ivy」に集うセレブ達。真ん中下にいるのがニール(だと思う、多分)

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 このあたり、レスター・スクエア駅周辺は劇場街でもある。今夜は「プリシラ」のウエスト・エンド・ミュージカル、Priscilla Queen of the Desert - The Musical
を見ることになっている。チケットはすでにネットで取ってあるんだけど…こういうのは、すごくいい世の中だよね、20年前はロンドンに行ってから劇場かボックス・オフィスで当日チケット買うから、見れるかどうかすら危うく、良い席なんて到底望めなかったもの。今回は2階席の一番前だから、よく見えた。開演は1930だから、何か軽く食事を…と思ったけど、ランチのF&Cのせいで胸やけがして、食べる気がしない。会場のパレス劇場の近くのケーキショップ&ティールームMason Bertaux(28 Greek Street Soho, London W1D 5DD)で、紅茶を。ここはゲイ・ストリートのOld Compton streetの入口にあり、店員の男の子もどう見てもゲイ。前に来た時は、おばさんの店員だったこともあるけど。

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内装はかわいい。何故か壁にスカルの模様も、10代のゴス乙女っぽい。

57日のTwitterに、クリス(撮影)とニール(笑顔)とトムちん(元彼)のゲイ3()で乙女ちっくな内装のケーキ屋さんでお茶する様子が。この写真一枚で、ゲイの複雑かつシンプルな、時空を超えたパラドキシカルな関係性が読み取れるわね。行きの飛行機の中で見た「Milk」の、ミルクと元彼との、別れても続く家族的な関係を思い出した。

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Mason Bertauxの隣のThe Coach &Horsesでも、プライベートでニール&クリスは飲みに来ていたこともあった。なんか、地元のゲイ・タウンにフツーにふらっと遊びに行っているのが凄いな。って、顔がバレるでしょう、囲まれるでしょう、有名人なんだから。

「プリシラ」はご存じのとおり、映画がオリジナルで、オーストラリアの3人のショー・ドラーグ・クィーンのロード・ムーヴィー。ロンドンに来る前にはシドニーでの上演が先でした。

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 「プリシラ」の主役はバスだから、バスは舞台でどうするんだろっって思ったら、ちゃんと1台、出て来た〜〜。すごい。衣装もゴージャスなのを何百着も使っていて、さすがに世界に誇るウエスト・エンドです。日本ではミュージカルや演劇の観客は、2030代女性で占められているけど、相変わらずロンドンの観客はおっさん率が高い。今回もワタシの両隣はおっさん(右隣はご夫婦、左隣はおっさん同士)、どちらもお酒飲みながら大盛り上がりで大爆笑してました。寛容な社会ねぇ〜〜〜。

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 出演者がみんな本物のドラーグ・クィーンに見える!すげ〜上手いの。主演(ミッチ役)の俳優さんは、2年前に「Rocky horror show」ロンドン公演のフランク’ン・フルターも演じたらしい。スターす。

 映画では、主人公の一人、アダムがベタなABBAファンで、ABBAの楽曲も使われていたけど、権利の問題か、それとも「マンマ・ミーア!」とカブるからか、アダムは現代っ子クィーンらしく、カイリーのファンってことに変わっていて、カイリー・メドレーが歌われてた。ちなみに、映画でも強烈だった、ボブの妻でお下品な芸をお持ちのアジア人は、Kanako Nakanoさんという日本人女性がキュートに演じてました。

Song list

Downtown
I
ve Never Been To Me
What
s Love Got To Do With It?
Don
t Leave Me This Way
Venus
Go West
I Say A Little Prayer
I Love The Nightlife
Both Sides Now
Follie! Delirio Vano E Quoesto!
Sempre Libera (from Verdis La Traviata)
Colour My World
I Will Survive

Thank God Im A Country Boy
A Fine Romance
Shake Your Groovy Thing
Pop Muzik
Girls Just Wanna Have Fun
Hot Stuff
MacArthur Park
Boogie Wonderland
Come into My World
Always On My Mind
Kylie Medley
We Belong
Finally

Go West」「I Will Survive」「Always On My Mind」がPSBカヴァー的。ま、どれもオリジナルではないんだけどね。

 今日も終わり。というか、ロンドンは今日で終わり。明日、帰国…さみしい。

 

 


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