Margaretの部屋/20098-9
ニューヨーク・シティ一人旅
-32-


マーガレットのブログ日記



 


9月1日(火曜日)その2

 ライブ始まりました。
 スタンディングで前から4番目くらいとはいえ、ニールのドまん前です。クリスはちょっぴり遠いけど、お姿はよく見えます。
基本的にはセットリストや演出は、ロンドンと同じです。振付がちょっと変わったかも。

 あと、「Love comes quickly」が外されて、「Closer to Heaven」と「Left to my own devices」の間に、ニューヨークへのプレゼント、「New York city boy」を気前よくやってくれました!やった!ここでこれを聴くのが夢だったの!

 しいて言えば、あまり音がいいとは思えなかったかも。そんなに大きなホールではないけど(3,400人収容)、ボウルルーム(舞踏会場)と言うだけあって、計算されつくした音を再現するコンサートには、ちょっと向いていないのかも?

 前の方(つまりVIPチケットの人たち=熱狂的ファン)は、圧倒的に男性が多く、みんな背が高くてちょっと見づらいかも(日本人ヲンナとしては背の高いワタシにとって、こんなことは日本の生活ではほとんど感じないのに)。でも、見づらかろうがうるさかろうが、それがライブというものです。観客もこの空間に存在するアトモスフィアーの一部って事で、文句など言ってはいけません。

 でも、ヨーロッパの観客より、NYの人たちはちょっとおとなしいかもしれない。みんな写真(動画)を撮るのに必死。でもカメラ構えているのって、ライブに集中できなくて、あまりいいことではないのよね。ニール&クリスも、動画を撮ってYoutubeに送るのには反対を訴えていた。

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オープニングはやっぱりこれ、キューブヘッド。「♪My heart start missing beat…」←みんなの気持ち。

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この衣装はカッコいい。ピコピコ戦隊クリスンジャー。

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「ニューヨーク」のパート。クライスラー・ビルとエンパイア・ステート・ビル。

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王冠など戴かなくとも、あなたは私たちの皇帝なのです。

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アンコール。終演が近くて哀しくなっちゃう。

この夜、91日のライブの様子はプロ・ショットのクリアな写真で以下のサイトに80枚もアップされております。

Pet Shop Boys @ Hammerstein Ballroom NYC (Pics)

面白いことに、ワタシも結構映り込んでいます。目印は手作りうちわ。↓こんな感じで。

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ワタシってバレバレですなぁ…。

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 頭に蛍光の輪っかのっけているのがワタシです。前のゲイの子が「エンジェル・リングみたいよ!」って言ってくれた。

 2220分、終演。しばし熱気と余韻を楽しんで、帰ることに。今回は出待ちはしない予定です。多分、彼らは出待ちをしなくてもいいように、Meet & Greetのイベントをわざわざ設けているのだと思います。それに、1度以外、出待ちをしてもちゃんと対面できたことは今までなかったし、ライブ後の疲れている彼らを煩わせてしまうのもなんだか…でもいつもその想いよりも、自分が彼らに一目でも会いたいという気持ちが勝ってしまい、とりあえず無駄だとわかっていても出待ちをしていたけど、今回は明日のMeet & Greetを期待して、まっすぐ帰ることにしました。

韓国料理店にて

 いや、まっすぐ帰ってないや。待ち時間を入れれば5時間以上のスタンディングでエネルギー使い果たして、お腹が空いた。でももう23時近いから、重いものは避けたい…。ホテルの近くにコリアン・タウンがあって、美味しいスープ(ソルロンタン)の店「ガン・ミ・オク」があったので、行ってみる。こんな時間にヲンナ一人で入っても大丈夫そうな店だったら入って、入りにくそうだったらどこかで何かをテイクアウトしてホテルで食べようと思いました。

 結果、お店も小奇麗で、大丈夫そう。
 ドアを開けると、韓国人の男性の店員が、英語ではなく韓国語で話しながら、ワタシを席に案内した。メニューはくれなくて、どうやらテーブルに置かれた紙マットに書かれたハングルが、メニュー?…ハングル読めない…。「ソルロンタン」しかわからないから、そう言うとすぐわかってくれて、先ずキムチを持ってきてくれた。もしかしてワタシ、コリアンに見られたかな。ヨーロッパでは、たまに間違えられたけど、韓国人からは絶対日本人に見えるんじゃない?まあ、いいけど。

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ソルロンタンは、牛肉や内臓を煮込んで作った白濁スープで、これに煮込んだ正肉と、そうめんみたいな麺、ごはんが入っています。葱とキムチを添えて食べます。すっごく美味しいです。やさしい味。夜の11時に食べるのにちょうどいい。

 どうでもいいけど、店といいそこにいるアジアン率100%といい、全てにニューヨーク要素がゼロです。自分がどこに居るかわからなくなっちゃった…。ライブの興奮と余韻と合わせ、場面が飛びまくる夢の中みたい。

 ふと横を見ると、30代半ばくらいの男性2人が向かい合ってお酒飲みながらご飯を食べているんですが、日本語です。ああ、日本人だ。面白かったので、観察しました。

 どうやら2人とも仕事でNY在住のようです。仮に先輩と後輩と名付けてみました。一人が敬語、一人がちょっと説教じみていて、どう見てもそんな感じです。ただ、話の内容からすると、同じ職場ではなく、かつての先輩と後輩が再会したといった感じ。先輩は酔っぱらっているのか饒舌で、後輩は相槌を打つくらいで、あまり喋っていない。後輩は妻子持ちのようです。ああ〜、日本の居酒屋でもよく見る風景だね。

 何故か突然、話が音楽の話になったようで、先輩が「…イレイジャーのアンディ・ベルだよ。」と言った。後輩は「?…はあ」。
 先輩「目立たない方!ゲイのほうだよ!クリス・ロウみたいなもんだよ!

 ぶっ。

 ワタシ、スープを飲んでいるときじゃなくて良かった。確実に鼻から噴き出していた。

 ついに来た、幻聴か。

 ワタシはPSBのことについては耳聡いハズですが、これまでの人生で、ライブ会場・およびその近辺以外で、隣の他人がクリス・ロウの話をしている場面に一度も遭遇したことはありません。つまり、これが初めてです。この店、ライブ会場から歩いて10分くらいだから、もしかして彼らもライブ帰りなのかと思ったけど、この酔っぱらいっぷりと言い、平らげられた料理のお皿の数と言い、少なくとも12時間は彼らはここに居ると思えました。だからライブには行っていないと思う。

 さらに、後輩を無視して先輩、喋ります。

「ゲイと言えば、ボーイ・ジョージが金で男を買って、逮捕されたよな。…(途中聴こえず)…日本はオネエが多いけど、欧米はガタイのいいゲイが多い…。」
 ワタシは先輩の顔をちらっと見ました。先輩のルックス…頭頂部分をちょっと高くして、襟足を借り上げたようなヘア・スタイル、もみあげから顎のラインに続くまばらなヒゲ…うううん、こういう人、新宿2丁目で良く見る〜〜〜〜。もしかして、先輩はゲイなのかな〜〜。

 ただ、後輩、ドン引きです。

 ワタシは心の中で祈りました。先輩!クリス・ロウの話はアタシが聞いてあげるからぁ〜〜、後輩が困ってる〜〜〜。

 先輩「ああ〜〜酔っぱらったなぁ〜〜、お前、ソルロンタン頼む?美味いよ。」
 後輩「あ、もう、けっこうです。」(すっかり
↓↓帰りたいオーラが出てる)

 どうなる、先輩と後輩!
 ワタシが知るか!っつーか、今日・明日、PSBがここから10分のところでライブやってるんだから、見に行けよな〜〜。音楽や映画の事、エラそうに語りまくるけど、意外に見に行ってないってひと、いるよね!?先輩ってそういう浅い広いタイプじゃ?

 まあ、ワタシは彼らに2度と会うことはないと思うけど、美味しいソルロンタンよりも濃厚で白濁した感じのドロドロを見てしまったようで、目眩すら覚え、どっと1日の疲れに襲われ、1/3ほど残して店を出ました。

 もしかして、ワタシには”いたずらゴブリン”みたいなものがついているんじゃ?

 ライブで最前列を取れたり、PSBの質問が採用されたり、ワタシにはラッキーの神様が付いているんじゃないかと思っていたんだけど、どうも神様みたいな崇高なものではなく、”ゴブリン”がワタシをからかって遊んでいるようにしか思えなくなってきました。神様は、決して報われない不毛の恋心の背中なんて押さないでしょう。押して楽しむなら、悪魔かゴブリンでしょう。でも押されて嫌な気持ちになった事なんてないから、押し続けてくれてもいいのだけど。
 
 疲れた。寝よう。充実した1日だった。
 初日、リスにかじられたのが、1年前の出来事みたいだ。 
 


 

 

 


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