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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.02♪♪♪
ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第2号・2005年9月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:クリスティーナ・マーガレット・ロウ
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こんにちは、マーガレットです。今日は、先月の続き、アルバムレビューと、インタビュー、お写真など、盛りだくさんです。マージの超乙女訳リリックは、もう少し待ってね。
★★★★★★★★★★★★★★★★ アルバム考 その2 ★★★★★★★★★★★★★★★★
「VREY」(‘93) |
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「BILINGUAL」(‘96) |
こちらは限定番ジャケ。通常版は黄色一色。 |
「NIGHTLIFE」(‘99) |
たぶん手前がニール先生です。 |
「RELEASE」(‘02) |
花も花粉をリリースする。命名はジョニー・マーらしい。 |
そして、’06、待望のニューアルバムが発売される。今度は何の1ワード?
★★★★今日のインタビュー★★★★
今日の記事は、「THE BIG ISSUE」(日本版)2004年9月1日号より、全文を写しました。紹介文としては、読みやすくてなかなかマトをえていると思います。この時期はCDやツアーなどのあまり新しい行動がなかったから、意外に空白の時期かもしれないわね。
(インタビュー&テキスト:DORIAN LYNSKEY/UK)
「クリスマスのナンバーワンヒットを勝ち取るために、賛美歌と蛍の光をミックスすることにしたよ!」とキーボードの向こうからクリス・ロウが叫ぶと、ニールハ「クリスこそ、まさしく80年代にポップの戦略家と呼ばれた人物だよ」とドライな口調でコメントする。最初のヒット曲から18年、彼らは今でもポップ会で激戦を繰り広げている。 現在ニールは49歳でクリスは47歳(*マージ注1)。自分たちの最新音楽を採用しないトップ40は無用だなどとグチをこぼす年老いたミュージシャンのわびしい日々と、彼らは全く無縁である。それどころか、最新シングル「ミラクルズ」は、「新曲が集中する時期に」10位を獲得したように、彼らはヒット曲を出し続けている。テレビ番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」(*マージ注2)の舞台裏の廊下では、他のポップスターにぽかんと見かれることもある。フランツ・フェルディナンドやザ・ダークネス、ブルーといった新しいバンドに興味をかきたてられるのだ。「『トップ・オブ・ザ・ポップス』はとても刺激的だ。誰が出てくるか見当もつかないからね。自分たちがポップの世界の一部だという感じを僕らは常に楽しんできた」と言いながら、クリスがスタジオのソファーに腰を下ろす。「クリスは土曜の朝のティーン向け番組に出るのが何より好きなんだが、僕らにはもうお呼びがかからない。歳をとりすぎているからね」と少し悲しげなニール。 今年4月、ペットショップボーイズの36枚目のシングル『フランボヤント』がリリースされた。今まで出した35枚は1枚を除いてすべてトップ20入りしていて、それらの曲はベストアルバム『ポップアート』に収められている。不貞、売春、カトリック教的な罪、共産主義崩壊後の東ヨーロッパ、ピーター・マンデルソン、ダンスなどを織り込んだ、これまでの彼らの曲の中で『フランボヤント』は、見栄を張るセレブたちに対する賞賛と批判は同時に歌われている。「注目を浴びるために惜しみない努力をする人を僕はいいと思う。正月前、ニューヨークのバーで美容整形のフルコースを施した女優、ジョセリン・ウィルデンスタイン(*マージ注3)を見かけたが、あっぱれだったよ。まるで歩くアートワークのようだった。」 自分たちはというと、彼らは決してセレブではないと言い張る。『ウエスト・エンド・ガールズ』が1位になった当時ニールは31歳で、それまでの10年間は雑誌『スマッシュ・ヒット』にも記事を書くジャーナリストだったし、クリスは見習いの建築家だった。ニールは「僕らはもともとミュージシャンに生まれついたわけじゃなかった」という。「不思議だね、子どもの頃は有名なポップスターになりたかったんだ。単に”有名“になりたかったのではなくね。でもまさかなれるとは思ってもいなかった。」 「喧嘩の最中に言葉を発しながら、同時に脳の作詞用の部分が僕に囁くんだ。『今の一文は曲の題名にぴったりだからメモしておくべきだ、それから喧嘩を再開しろ』とね。」 ブラックプール生まれのクリスはブロンドのサッカー選手風ヘアスタイルでボーイッシュな感じ(*マージ注7)。一方、ニールは髪が薄くなった頭で学者風、ノエル・カワードの声をノースシールズ訛りにした感じだ。『レフト・トゥ・マイ・オウン・デバイセズ』の歌詞の一節「チェ・ゲバラと、ディスコビートにのせたドビュッシー」がよい例だが、彼らの音楽をより魅力的にしているのが2人の『対照の妙』だ。クラブ好きのクリスは1991年のレイブ全盛期をいまも引きずっているし、美術収集家のニールは、ショスタコヴィッチ好きの唯美主義者だが、2人はお互いの関心ごとを共有したりもする。例えば、クリスがニールに『フレイジャー』『ザ・オフィス』(*マージ注7)などのTV番組を紹介すると、ニールはお返しにお気に入りの本を薦める。「本屋に行くとニールは、いろいろな本をピックアップしてくれて、レジには本の山ができる。僕一人で本屋に行っても、全体がぼやけて見えるだけだ。」とクリス。 二人はそれぞれ、意見も異なる。イラク戦争について声高に怒りを発するのはクリスだ。「イラク戦争は僕にとって大きな転機となった。欺かれ、嘘をつかれた気分だ。憤慨に堪えないね」。一方、ニールは落ち着いて言う。「一連のことはとても厄介だと思うが、サダム・フセインがいなくなったのはとても嬉しい。北朝鮮の共産政権もなくなればもっとよいのだけれど。我々がガダフィ大佐と会話を持っているのは言語道断だ。彼は暴君だからね。とはいえ、そういった国々に攻め入るべきだとは思わないが。とても複雑な問題だ」と、話題を変えようといったムードのため息をつく。 ニールはTVショーへの出演を依頼されたこともあるが、彼はペットショップボーイズの活動を逸脱するようなことはやろうとはしない。「僕はTVパーソナリティーにはなりたくないんだ」。という訳で、ペットショップボーイズはずっとポップ業一筋だ。彼らは、自分たちの仕事は音楽であり、それに付随するさまざまなことを追い求めることではないと考えている。 「ペットショップボーイズのレコードがどんなものか、人々はわかっていると思う。だが、僕たちが同じようにわかっているかどうかというと必ずしもそうではない。ペットショップボーイズの音楽を、大の大人がマジで歌う歌の中に、僕の少年合唱団のような声が響いていると思っている。実際かなりの曲はそうだが、そのほかにもいろいろなことを僕らはやってきたからね」 というわけで、以上が2004年版ペットショップボーイズである。今もすばらしい変わり者ぶりは健在だ。ニールは言う。「アウトサイダーだと感じるのは何かとても心地よい。僕らはそういう感覚をずっと楽しんできた。ここにいるんだけど、なぜかしっくりこないっていう感覚ををね。」 |
マージ注釈
1・・・クリスは公式プロフィールでは1959年生まれなので、このとき44歳の間違い。たまに1955年生まれのプロフィールが採用されていることがあるが、二人が出会った1981年にまだリバプール大学の学生だったから、1959年生まれが正しい。
2・・・「トップ・オブ・ポップス」は、UKでは人気長寿歌番組。ほとんどのUKのアーチストが出演経験があると思う。土曜の朝のティーン向き番組は、もう今のPSBには恐れ多くてオファーできないんですって。
3・・・テレビ女優。世界一怖い整形セレブ(←このキーワードでググれます)。大富豪の夫に気に入られようと整形を繰り返すが、結局離婚した。すでに人間の顔をしていませんが、日本の巨乳姉妹ユニットのお姉さまのほうの成れの果てっぽくもある。
4・・・ゲイ雑誌[ATTITUDE](1994年8月号)にてカム・アウト。「40歳になったし、『ATTITUDE』の”attitude゙”(=姿勢)が気に入ったから」という理由で。世界中のセレブ狙いバカ女が泣いた日。ザマミロッ!
5・・・あくまでも「何も明らかにしない姿勢」。肯定もできないし、元恋人P氏のために否定もできない律儀っぷり。「タバコを買いに行く」ではなくチョコレート・・・so cute。クリスは大の嫌煙家。クリスはニールに全幅の信頼を置いていることがわかるエピソードです。
6・・・アルバム「ナイトライフ」収録、2000年シングルカット。「君の望みがわからない、でももう何もしてあげられない」というタイトルと救いがたい悲恋の内容は、PSBの曲中でも出色。ビデオも傑作。マジでそんなこと言っちゃったんですね・・・。
7・・・2005年の7月の「ライブ8(モスクワ)」では、刈り込んだ頭に戻っていた。ロンゲ時代はものすごく若く見えたけど、ボウズだとやっぱりそれ相応の年齢に見える。やっぱりカメレオン。
8・・・「フレイジャー」は邦題「そりゃないぜ!?フレイジャー」で、アメリカの精神科医&家族&飼い犬の人気コメディ。二人とも犬好き。「ザ・オフィス」は日本に紹介されていないようです。不明・・・すいません。
9・・・2005年夏現在、レコーディング中。2006年春、発売予定。
★★★★今月のお写真★★★★
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公式HPはもちろん、あっちゃこっちゃから勝手にいただいてきた写真も、このフリーペーパーをHP公開しない理由のひとつです。マージ、こういう権利の問題とか、全然わかんないもん。 |