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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.32♪♪
別冊「まりりんのの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第32号・2006年06月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:クリスティーナ・マーガレット・ロウ

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マーガレットです。いよいよアルバムも発売され、PSBイヤーとも言える大活動が始まりました。ライブももうすぐ!

★★★★今日のピックアップPV★★★★

『ゴー・ウエスト』(`93) 監督・・・ハワード・グリーンハルフ

 

 CGがあたりまえすぎる今みれば、どうってことないんですが、当時は最新のCG技術だと思いますよ。だいたい、歌が“ゲイカップルが手を取り合って新天地を求める”という内容が内容だったのを、うま〜く話をはぐらかして社会主義が西欧主義に変わるという社会背景にテーマをすりかえています。でも、“モスクワをマッチョ・タイツが行進”なんですけど。本人たちの妙なコスプレも手伝って、このPVはかなり話題になりました。クリスは一時この曲を自分の携帯の着信音にしていたくらいお気に入り。
 でも、なんでこの曲は日本ではスポーツイベントに使われているの?おそらく大方の日本人は、この曲聞くとサッカーとか思い出すんだよね?今年もかかるのかしら?





 
















 
★★★★今日のインタビュー「Q」前編★★★★
  
 
引き続き、最新のイギリスの音楽雑誌「Q」5月号のインタビューを、調子こいて訳してみました。前半です。

 ペット・ショップ・ボーイズはギルバート&ジョージの展覧会「サン・オブ・ゴット」をチェックするためにレコーディングに休憩を取っている。クリス・ロウはすでに興味を失っている。でも、ニール・テナントは、イースト・ロンドン、ショーディッチのホワイト・キューブ・ギャラリーの壁を飾る大きなキャンバスにちょっとずつ目を通して、うんうん、と頷いている。「男娼や下ネタの絵よりいいね。」
 ギルバート&ジョージは、1986年にターナー・プライズを受賞した、攻撃的なゲイ・コンセプトのアート・デュオだ。彼らは糞尿やスキンヘッドの作品で有名だ。一緒に写真を撮影すると、彼らはいつも自分たちのアートワークである黒の表現に合わせている。テナントは、この論争の的である2人とペット・ショップ・ボーイズの間に似たものがあると思っている。
「表面上は、適切で、堅く、英国人の原型であるという考えだ。でも、陰ではそれに関して不道徳なものがある。いくつかは当たっているだろう。」
 でも、2006年のペット・ショップ・ボーイズは不道徳よりももっと有名になった。いま、無表情なユーモアの追加注文を備えた踊れる長老の支配者でメランコリーなシンセポップだが、ペアがすることはみんな、騒がず、ガマン強く、親切で静かだ。背が高く、額まで薄くなったグレーの髪、軍人のように落ち着いた物腰のテナントは、テーマを暖めながらフランキー・ホワード/ヴィクター・メルドロウのような声でハイピッチに喋る。背が低いほう、痩せたウィペット、1985年トップ・オブ・ポップスの「ウエスト・エンド・ガールズ」での初登場からはさすがに老けたように見えるロウは、ブッチ・ヴィクトリア・ウッドのようにちょっとランカシャー訛りで喋り、よく笑う。二人とも上機嫌だ。彼らの9枚目のアルバム「ファンダメンタル」は、国家へのあいさつのオーケストラ的ダンスで、80年代ポップの科学者トレヴァー・ホーン(1988年の「イントロスペクティヴ」が最初で、誇れる結果だった)とのコラボだ。しかしながら、彼らと日中のショーディッチを歩いても、混雑した通りでほとんどが彼らかどうかわからないことは驚きだ。近寄ってこようとするのを制止されるのはわずかだ。
「僕たちはセレブじゃないからね。」テナントは主張する。でも、我々が見る限り、彼は一流どころの有名人の名を口にすることは嫌いじゃないようだ。
 ロウは、とてもフレンドリーで、プレミアリーグのサッカー選手とポップ・スターを含む“3人でベッド・インした”噂についての重大なゴシップ記事のメッセージを受け取った。インタビューが始まるとすぐに彼は、無関心を装い、我々が数年の間に慣れた役割をして、意地の悪い難問で苦しめる。その間、テナントは英国の演劇的ストーリーテラーである。彼は右目の上の新しい傷を指し、お気に入りのレザー・ブーツを片付けるときにマントルピースに頭をぶつけた時にできたと言った。「僕はもっとわくわくするものを作ればよかった。」と、皮肉を込めてため息をついた。

なぜ、ファンダメンタル?
ニール・テナント:僕たちがアルバムを作り始める前から、タイトルがあった。それは、僕らが今を生き抜く、根本主義の無限の議論からとった。その後、常にそのような問題で、僕たちが行うことにそれを関連づけて、とてもエレクトロ的なアルバムを作りたかった、それが基本的にペット・ショップ・ボーイズだ。それは僕ら両方のレベルで働けるように思えたし、僕たちは冗談のように見えてシリアスなのが好きなんだ。

本当にシリアスなアルバムです。重くないとしたら、あなたたちのアルバムで最も悲しいアルバムです。
クリス・ロウ:(笑いながら)僕はすごくアップ・ビートだとおもうよ。
ニール:歌詞の背景にあるアイデアは、いまの時代の出来事に基づいていて、一見、歌の中に個人の相互的な関係を入れている。「インテグラル」(壮大で、ファシズムの幻想を邪魔してなだめている)は、IDカードについての歌を書きたかったから。IDカードの正当化は、いつも・・・“もし隠すものがなければ怖がる必要もない”。僕には、これは要点を欠いている。そのように考えなければならない場所を持つべきだ。さらに、何か隠すための場所を持つべきだ。「アイム・ウィズ・スチューピッド」(PSB的ポップチューン)は、これに反して、見たところ愚かなパートナーを誰かと比較するブッシュとブレアについてなんだ。「僕は君の言うとおり飛行機で海を超える」は、主要なポイントだ。「愚かは本当のバカなのか?/賢さの別の側面なのか?」僕が出版社で働いた時、僕は自動貿易労働組合員だった。労働者が上司を「まぬけ」と呼んだときは、僕は常に悩んだものだ。もし彼らがそのように「まぬけ」なら、彼らは勝っていたのか?しかしながら、僕はブッシュを考えると、彼はブレアを戦争に巻き込んだ、彼はブレアにとって個人的災難なんだよ。

クリス、ニールの歌詞は、あなたを笑わせる?
クリス:シリアスなのはね。マジで「カサノヴァ・イン・ヘル」(新しいアルバム収録)が面白いと思うかな。あと、「ソドム・アンド・ゴモラ・ショー」(同じく「ファンダメンタル」収録)の歌詞の“私は静かな生活をしている/シャンパンには縁がない”。こんなのボノからは出ないよ。

2人が会った日のことを覚えていますか?
ニール:キングス・ロード(ロンドン)のエレクトロニクス・ショップでクリスと会ったことを覚えているよ。彼は楽しい、と思った。人が出会って仲良くやっていけるのは、そうめったにあるもんじゃない。僕らはお互い近くに住んでいたし、友達になれた。それで曲作りを始めた。僕らは同じような音楽が好きだった・・・例えば、ソフト・セルやデビット・ボウイとか。僕はクリスよりもっとニュー・ウェーブだったね・・・僕はエルビス・コステロ、ザ・クラッシュ、ビリー・ホリディ、ノエル・カワードのレコードとかを、チェルシー図書館で借りた。クリスはブラックプール出身で、ディスコ・マニアだ。彼はダンス・ルーティーンをみんな踊れたんだ。僕はできなかったのに。
クリス:そう、僕はベーシックなジョージ・マイケルのディスコ・ダンスができた。ラインダンスが好きだったね。
ニール:(眉を上げて)僕はラインダンスをする人を知らないよ。僕はフランス映画とマルクス主義のインテリの世界で生きていたからね。
クリス:マジでそんなのあり得ないよ。
ニール:いや、よく思えたんだよ、そうだろ?
クリス:(いやいや)はい、はい・・・。

80代の中で最もポピュラーな市伝説で、直腸にネズミやコカインを入れる倒錯的な性行為に関わるものがありました。“ペット・ショップ・ボーイズ”というネーミングが、この小さな毛皮の動物の乱用から来ているのではないかと噂が広まりました。真実ではないことを、これを最後に確認してもいいですか?
ニール:この名前は、イーリングのペット・ショップで働いていた友人から来ているんだ。不思議な英語のラップ・グループみたいに聞こえるだろう。それ以上ではない。ネズミとは関係ないよ。ネズミをお尻に入れるなんてことが囁き始められたときは、本当にぞっとしたよ。

ニール、1994年まで、あなたはカミングアウトしなかったんですが、その前には、オープン・ゲイないことで、ジミー・ソマービルがあなたを非難しました。彼は正しかったと、今は思いますか?
ニール:ジミー・ソマービルは、僕が彼より有名になったから嫉妬していたんだと思う。ともあれ、数年前に僕たちは彼と仲直りしたよ。それはペット・ショップ・ボーイズの神秘性の一部だったし、僕はそれについて後悔していない。トップ・オブ・ザ・ポップスの一員になることができ、「レント」という歌を歌って、ジミー・ソマービルはそんなことができなくなった。僕がカミングアウトしてから、君達はタブロイドにデビット・ウィリアムスと一緒の僕の写真をレポートできるようになった。
「そんなにおネエっぽくない」って注釈をつけて。捻りのないステレオタイプだし、君たちもネタ切れだろう。

で、クリス、あなたは何故、絶対に・・・
クリス:それに関して、僕に言わせるのはムダ。

あなたのセクシャリティについて質問されたときのこの“話をそらす”態度が重要だと思いますか?
クリス:えーと(偶然に私のオカマっぽい身振りを面白そうに注目して)、僕はまったく、そういうのを表明するつもりはない。歌詞に全部込めていると考えている。きみたちが知りたいことは、全てね。近頃じゃ、ポップ・スターは自分の事や生活をオープンにすることが好きだ。僕は絶対いやだ。僕は安っぽい生活を送るなんてイヤだね。     (続く)

*マーガレット注:「サッカー選手とポップスターが3P」の件は、決してクリスのことではないと思います・・・多分。でもなんでこれがさらっとでてくるんだ?ただ単にそういう記事を渡されたんだと思いますが、「receive」には「認める」という意味があるので、まるでクリスがこのゴシップを認めたみたいに感じました・・・認めるはずがないのですが。彼は“サッカー好き“であって、”サッカー選手好き“ではない!(自信ないけど)。訳が変なのかもしれません・・・もちろん全体的に。あと、「直腸にネズミ」(コンドームに入れて)の件は、ハリウッド、特にリチャード・ギアがプレイ中に救急車を呼んだと有名になりましたね。これも多分噂で、本当じゃないと思うケド(ギアのゲイ説も噂されていますが・・・)。ちなみに「直腸にネズミ」は前立腺のある人(つまり男性)にしか効果はありません。


★★★★今日のお写真★★★★


この写真にマーガレットがタイトルをつけるなら「ブラック・ウィドウズ」ね。二人とも黒が似合う。合成っぽいけど、いつもの雰囲気とは違って、なにか他のミステリアスを売りにしているグループみたいよ。
いつごろの写真かはわかりませんが、外国のファンサイト(tenant-lowe.com)がトップページに使っています。




★★★★今日のおまけ★★★★

 5/18、新しいアルバムを聞いた初レビュー(マーガレットの妄想ブログより)


P9thアルバム「Fundamental」が、先ほどようやく来ました。まあ、本国UKより1週間早い先行発売で、限定版2枚組の「Fundamentalism」には日本限定ボーナストラックが入っているから、日本人で良かったということも含めプラマイでチャラにします。

まだ2回ほどしか聞けていませんが、初回の感想など書かせていただきます。聞き込むうちに、印象も変わっていくかもしれませんが、先ずはファースト・インプレッション。「アルバム全体」と「それぞれの曲」では、また、印象が違うんですけど。
これまでのプレス批評やインタビューでは、
@本作はPSB史上最も政治的、社会的な側面が多い、A初期のダンス路線回帰、B最高傑作、ということらしいです。

@についてはいつものように、英国人らしく、名指しで批判するなどのダイレクトな方法はとらない彼ららしく、ラブソングに置き換えています。内容がメッセージ色が強くカタくなりすぎると、それはそれで色物扱いになる恐れがあるが、それは上手く回避されている。そしていつもの通り、内容がエグいほどメロディーが美しい。その辺は相変わらずで、安心させられる。

Aについては、よりクリスっぽい音づかいと言ったらいいんでしょうか。まあ、Pのトレヴァー・ホーンっぽいのかもしれない。これまで、4thアルバム「Behavior」あたりから、アルバム1作ごとに「ナチュラル/感傷的/ハートフル/ラヴ&ピース」と「人工的/企画的/クール/ダンス」を交互に繰り返してきた感があり(それ自体が戦略なのかもしれないが)、前回「Release」が前者だったので、今回は後者だろう、という予想通り。別に80年代に返ったと言う感じもそれほどしない。だいたい、80年代にPSBはシンセとダンスの代表みたいに言われていたけど、少なくとも私はPSBでは踊るより聞く方が主だったし、きちんとリリックの重要性(読めるリリックである)も考えていたし。

Bについては、まだわかりません。たしかにバラエティに富んでいて、ダレないアルバムなことはたしか。みんなアルバムについては過去8作、それぞれに順位があるわけで、そのランキングを換えるにはまだ時間が必要でしょう。今のところ、まだ真ん中ヘンかな(今後、上昇の可能性はあり)。欲を言うと、演歌みたいなベッタベタのラブソングを1曲くらい入れて欲しかったな〜。

アルバムのラスト曲(「インテグラル」)の最後、ささやくように「パーフェクト・・・」と入っていて、これには「イエス!」と答えてしまいました、思わず。


●今日の「YOU TUBE」●

http://www.youtube.com/watch?v=-I-LK6Z7YHE&search=PET%20SHOP%20BOYS%20
出所がよくわかりませんが、クリスがちょっと出演しているドラマらしき一部。

 

 


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