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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.45♪♪
別冊「まりりんのの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第45号・2006年11月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:マーガレット(題字:ニール王子)

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めちゃめちゃ気になる★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 タワレコ系で出している、おしゃれなゲイカルチャー雑誌「yes」vol.3(
06年8月発行)に、PSBの独占インタビューが!季刊の「yes」はまだ創刊1年でvol.4までしか出ていませんが、男女問わずゲイピープル向けに音楽、映画、ファッション、社会的関心事などを掲載していて、ノンケでも十分楽しめる内容です。雑誌につきものの星座占いも、ちゃんとゲイ向け(カリスマ・鏡リュウジ監修)!
 で、PSBの独占インタビューです。そんなに長いインタビューではないんですが、アルバム「Fundamental」発売前だったので、半分はアルバムの話です。PSBの良いところのひとつとして、話が一貫していてブレないというところもありますよね。ファンならいくつかのメディアをチェックするでしょうが、いつどこでインタビューを受けても、内容は変わらない。気分屋でないということと、話すことがキッチリ決まっているということもありますよね、きっと。正しい、とは思いつつ反面は「目新しい話がなくて残念」という事にもなりかねないんですが。そういうとこありますよ、PSB(特にニール)には。
 「yes」のインタビューも、半分はそんな雰囲気があったんですが。なにしろゲイ・メディアのインタビューですから、何か突っ込んだ話を聞けるのかな、とドキドキとしつつ・・・。ちなみに「yes」は日本の雑誌ですので、当然、日本語に訳されていますが、もちろん日本語で読めるのはありがたいと同時に「原文とのニュアンスの違い」を考えてしまいます。ちょっと気になった部分を抜粋してみました。

――――「I‘m with stupid」のPVで「Little Britain」のマット・ルーカスとデビッド・ウォリアムスがお二人を演じていますよね。これがどうして実現したんですか?
クリス「彼らがビデオをやりたいと申し出てきた。彼らとは長い付き合いでもあるんだ。」
ニール「彼らは僕たちのファンで、しかも2人が一緒になるとPSBっぽくなるんだよ。」
クリス「
ユーモアがあって風刺的な歌にあったビデオができたのはうれしい。」
――――コメディ番組「Little Britain」がイギリスで幅広く受け入れられている理由はなんだと思いますか?
ニール「誇張されたリアリズムを感じるからだと思う。それぞれのキャラクターがすごく誇張されていようが、人々はああいったキャラクターが身近に存在することを認識しているんじゃないかな。現在のイギリスを良く現しているからね。」


イギリス限定だった「Little Britain」を世界的に広めたのは、確実にPSBのビデオだよね。そう言うマーガレットも、このPVがなければ「LB」知らなかったもん。

――――ユーモアはあなたたちにとってFundamentalなものですか?
ニール「PSBはいつも
ユーモラスな歌を演ってきてる。「I‘m with stupid」でそうだったように、単に“ブッシュとラムズフェルドは駆逐されるべき”と曲を書くよりも、ユーモアを交えて書くほうが、シリアスさを表現するのには最適な方法だと思う。例えは、レディオヘッドにはこんな感じの曲を書くことはできないだろう。」

最近丸くなったけど、それでもやっぱりニールって毒舌よね!
――――ポップとアート、ダンスとポップ、ミュージック、ヘドニスティックとポリティカル、ストレートとゲイ…。いつも相反する要素を複合させているのがPSBだと思います。そう言う”PSBらしさ”っていつごろ確立されたと思いますか?
ニール「結成当時から僕たちの音楽はダンス・ミュージックと悲しい内省的な音楽をミックスしていたと同時に、サウンドを常に意図的に変化させて、進化させてくることを繰り返してきた。ただ、変化や進化させても、PSBの音楽の基本には立ち返っている。基本とは、エレクトロニックでストリングスを多用したサウンド。一般的にはかわいらしいメロディ、予想もつかない歌詞もあるといわれている。これらのコンビネーションや、また僕の声もPSBらしさたり所以の一つであると考えている。」
――――もちろん、2人のコンビネーションもありますよね?
ニール「まさにそう。「Back to mine」のコンピレーションは2枚組でそれぞれが好きな曲をチョイスしているんだけど、選曲からも僕たちは2つの異なったアプローチをしているのがわかるだろう。その2つが合ったときに僕たちの音楽が出来上がる。」
――――非常に聞きづらい質問なのですが、2人は昔は付き合ってたりしたんですか?
クリス「それはとてもパーソナルな質問だ。とても。」
ニール「答えはノーだ。」
クリス「yesってどんな雑誌なんだい?」
――――ゴシップ誌ですけど(笑)
クリス「そればいい!ハハハ」

と、ここでいったん切ります。ニールがものすごく冷静に自分たちを分析しているのが良くわかる。どうしてそんなに傍観できるんでしょうかね。まあ、その前人未到的なところが数少ない成功者の証なんでしょうが。さて、ゲイ・メディアたるツッコミ・カウンターが出ましたが、面と向かって聞いたなんて、勇気ある…だって、怖いじゃんね〜。昔からPSBは、バカな質問は許さない、インタビュアー泣かせで有名だった。正直、付き合っていたかどうかなんてNGワードだと思いますが、場の雰囲気は悪くならなかったのかな…特にクリスの機嫌が悪くなるでしょ(2人ともゲイという前提で言っていますから、それ、クリスが嫌がりますから)…でも、クリス、否定しないな…ニールが否定したよ。まあ、どちらにせよ肯定しっこないです。インタビュアーのユーモアで、クリスを笑わせることに成功、難を逃れました。さらに続きます。

――――デビュー以来、こんなに長い間2人でやっていけている理由が知りたかったのですが。
ニール「実りも多くて、楽しいし、インスパイアも受けるから、終わらせる理由がない。その理由はニューアルバムでも聞くことができるよ。」

マーガレットはその理由をまだ見つけることができていません。おせーて。

――――以前お会いしたとき、2人はプライベートでも一緒に遊んでいたので、驚きました。
クリス「ショックだったでしょ?」
ニール「ハハハ。共通の友人が多いからね。」
――――そのときはシビル・パートナーシップの取材で来ていたのですが、この制度についてはどう思われますか?
ニール「いいことだと思うね。(中略)ただひとつ憂慮するのは、この制度が新しい問題を生み出したことだね。それは、同性愛者間の離婚という問題だ。」
クリス「弁護士にとってはいいことだろうね。」

プライベートでも一緒“は「yes」vol.2に出ています。ロンドンをシビル・パートナーシップの取材で訪れていた日本人記者が、現地友人の計らいで、ゲイクラブにいた2人に会ったエピソードです。まあ、2人がいつも一緒なのは今に始まったことじゃございません。それしにても、ニール&クリスの会話は見事に漫才のようにオチるんですよね。さすが25年連れ添っているだけある。

――――2人はあまりゲイ・メディアに登場しないと聞きました。それは多く登場することによって、”ゲイ“というレッテルが先行してしまうことを回避するためでしょうか?
クリス「”ゲイじゃない“ということは考えなかったのかい?」
ニール「僕はゲイではない。ただのホモセクシャルだ。」

わ、これはまた解釈が難しいな。クリスたん、「自分、ゲイじゃないッス」と言わない(言えない?)、言葉を選んだ返答です(これは彼なりの誠実さ?それとも”プライベートは絶対明かさない“と決めた操を立てているのか)。が、ニールの答えも難解。「ゲイ」と「ホモセクシャル」の違いって何だろうとマーガレットなりに考えてみると、「ゲイ」は、「フランス人」とか「消防士」などのように属する場所という大きなくくりで、「ホモセクシャル」は、例えば「菜食主義」とか「鉄道ファン」とか「デビッド・リンチのファン」など、単に嗜好の問題、という感じかな。「ゲイ」は、”まず最初に「ゲイ」ありき“って身構えている感じがします。まず「ゲイ」とカテゴライズされて言われるのをとても嫌がっているゆえの発言だと思いますが、それにしては組合仕事、多し。

――――つまりは音楽とセクシャリティは関係ないと。
ニール「そういうこと。」
――――7月にはロンドン塔でライヴを行うそうですね。ロンドン塔には「カラスがいなくなると崩壊し、それを失った英国は滅びる」という言い伝えがあると聞きました。ひょっとしてあなたがたはカラスを脅かすためにコンサートを開催するのでは?と思ったのですが。
ニール「おお、それは良いアイデアだね!最高のアイデアじゃないか!」
クリス「君主に代わる存在が何になるかが不安だ。ブレアなんて論外だ。もしかしたらハリー国王が誕生したりして。」
ニール「ダイアナは2人の息子のことを後継人とそのスペア、と呼んでいたらしいよ。」
クリス「ホントに?彼女は
ユーモアのセンスがあったなあ。それもキャンプ的な。」
ニール「彼女はエルトン・ジョンとジョージ・マイケルのことを”ガールズ”と呼んでいたらしい。これはヨーロッパのメディアには言っていない、日本だけのとっておきのネタだからね。」

マーガレットも行ったライヴね。このインタビュアーはイギリス的ユーモアを持っているインタビュアーね。PSBも気に入ってくれているみたいよ。PSBと王室は微妙な関係ですが、ダイアナにはシンパシーを感じていたようです。そういえば前にジョージ・マイケルがダイアナに誘惑されたことがあると暴露していましたが…。たしかにダイアナはキャンプな存在だと思います。まさかPSBのこともガールズ“と…?

――――ありがとうございます。PSBとはどんなバンドですか?
クリス「見栄えは良いけど、音はサイアク?」
ニール「最年長のボーイバンド」
クリス「それならローリング・ストーンズじゃない?」
ニール「彼らがボーイバンドだなんて思いもしなかったけど、まさしくそうだね。」

相変わらず自分に厳しい(?)皮肉屋ベビたんでした。でも日本では最初、アイドルとして紹介されたことを伝えて欲しかったな。どう反応したかしら!


★★★★★★今月の写真★★★★★★★★★★



 多分まだデビューして間もない頃。もちろんクリスですよ、これ。満面の笑み・・・いまじゃなかなか拝めません。
 外にファンと思しき人がいるので、すでにPSBで有名だったころだと思いますが・・・となると、25〜6歳くらい?うわ〜、ベビーファイスだなあ。でも、誰が撮ったんだろ、この写真。
 最近、公式HPで、一緒にお出かけすることを前提とした上で“お互いを携帯で撮りっこ”という、女子高生のようなことをちょくちょくやっておりますが、クリスが撮ったニールは異常なほど笑顔がまぶしかったりする・・・。そういう意味では、この写真を撮った人も、クリスを笑顔にするような人物だったのは間違いなさそうです。ジェラスィ〜。
 つい最近、ツアー先のメキシコではものすごく機嫌が悪かったらしいベビたん(写真を撮ろうとしたファンに暴言を吐いたらしい・・・暴言は珍しい)。いつも笑っていてくれるとありがたいのに。

★★★★★★★★★★★★★★コメンタリーby Literally★★★★★★★★★★★★★★

PSB公式ファンクラブ会報「Literally」30号、アルバム「Fundamental」のニール&クリスのコメントを訳していなかったので、訳しております。

Minimal

ニール: 「Minimal」のアイデアは、僕らが一昨年トラファルガー広場で『戦艦ポチョムキン』をやった後、ヴァカンスでイビサ島に行った時に思いついた。そこにはクリスのイタリア人の友達たちがいて、彼らはミニマル・ハウス・ミュージックが好きで、イタリアのアクセントで”ミニマル”と言っていた。僕は自分の電話に歌のタイトルとして「ミニマル」と入れて、それから僕たちのスタジオで去年、書き始めた。クリスが何か演奏して、僕は“m-i-n-i-m-a-l・・・minimal”と思ついた。クリスはイタリア人の友達に電話をかけて言った「4つ数えた後、“minimal”と言って。それを録音するから。」それで彼は「uno,due,tre,quattro(1,2,3,4)」と言った。使うにはパーフェクトだった。彼はあるコーヒー・バーにいて、ついにちょっとイラっとした声で「minimal」と言った。彼はクリスにバカにされていると思っているんじゃないかと、僕は思った。彼の連れの女の子にも「minimal」と言ってもらい、僕らは両方の声をコーラスに使った。この歌の言葉は単にミニマリズム(最小限主義)だ。それ以上は何もない。中間のパートはとても綺麗だ・・・“の箱/オープン・スペース/単純な想いがあとに残る”。オノ・ヨーコの「グレープフルーツ」を思い起こさせた。ペラペラの白い紙に書かれた“yes”という文字のように美しいものがある。僕らがトレヴァーと彼の奥さんにデモを聞かせたとき、彼はすぐに気に入ってくれて、それからトレヴァーはそれを最終的にmaximam(最大)にした。実際に大きな1ポイントで一種の不一致があって、ちょうど終わりにマリンバが入る・・・最初、マリンバはペット・ショップ・ボーイズのレコードによく使われていた。マリンバを良く使うミニマリストの作曲家でスティーヴ・ライヒって人がいるね。
クリス:昼下がりのスティーヴ・ライヒ・・・。
ニール:これはファースト・シングルになるはずだった。しかし、僕たちは、もっと多くの姿勢を備えた何かがほしかった。

マーガレット注:イビサ島について…スペインのバレンシア沖、地中海に浮かぶ楽園、ISLE OF IBIZA。冬期の静かな楽園とは打って変わって、夏期は島中にクラブがオープンし、多くのスターDJと、それを求めて世界中からクラブ中毒が集まってきて、それはすごいものらしい。いまはそれほどでも無いらしいが、かつてはヒッピー・ムーブメントの中心地だったため、おクスリ系も蔓延。だから「イビサに行く。」なんて言うと、“クラブで最先端のテクノ音楽を楽しんで酔っ払っておクスリやってナンパしてビーチでセックスして、昼夜逆転の自堕落なバカンスを楽しむんだな”、と思われる、フツーは。そんなイビサに毎年行っていると公言しているベビたんですが(一昨年は2人揃って行ったのね…ギャー)、“クラブで最先端のテクノ音楽&お酒”くらいで終わっておいてください、どうか。



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