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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.48♪♪
別冊「まりりんの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第48号・2007年1月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:マーガレット(題字:ニール王子)

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シリーズ:1曲に固執してみる・4▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 
「1曲を徹底的に研究してみる」第4弾。今日はマイ・ベスト10に入るであろう大好きな(&泣ける)1曲「You only tell me you love me when you are drunk」君は酔っ払った時だけ愛していると言う(00)です。優しいメロが、“深夜”にぴったりなのです(アルバム「Nightlife」収録)。
 もう“ド演歌”を代表する歌詞だと思いますが。クリスがえらくお気に入りのようです。

ベビ「いや、これは極めてニール的なタイトルだろう。僕だったら“Tell me you love me”(愛していると言って)とか、すごく陳腐なタイトルしか考え付かなかったと思うよ」
ニール「クリスはベタなのが好きだからね」
ベビ「まあ、そうだね、そのとおり」
ニール「ベタで、楽観的なやつ」
ベビ「好きなのは愛さ。それだけがぼくの原動力だ」
ニール「クリスのために書いたんだ。気に入るってわかってたから(笑)。“これとこれは、クリスが気に入りそうだ”って。」(以下略・・・「POPART」リーフレットより抜粋)

 うひー!たまらないですな。ジェラスウィ〜感じちゃいますね!さらにクリスは「Nig
htlife」ツアーパンフのコメントで、「誰にでも当てはまる、恐るべき現実」と一言、ニールは「(タイトルは)多分、僕が誰かに言った言葉」ですって。なんだ、二人ともそうかい。えっ、そんなことありえるの?本当に、そんな冷たい恋人なの?才能あるセレブなのに“だめんずうぉ〜か〜”じゃん!(昔からわかっていたけど、ニールは政治や社会に関してはものすごく賢くて冷静なのに、恋愛に関してはその部分のネジが外れますよね?)

 この曲は珍しく「You」の性別が男性と特定されているので (ニールは、本来どの性別にも当てはまるようにリリックを書くので、1人称か2人称を多用し、「He」とか「S
he」とかの3人称はあまり使わないです。ちなみにこの方法、形容詞にも性別がつくフランス語ではできないんですが)、このタイトルを邦題にするならズバリ「酒と泪と男と男」でしょうが、この曲って本当は女性が歌うのがふさわしいのかな、と思います。もちろん男性やゲイでもいいんですが。
 たいていの「女性が見て憧れるような、仕事のできるいい女」は、たいがい“だめんずうぉ〜か〜”です。ほぼ間違いなく。奇跡的にいい男とくっつく例外もまれにありますが、ほぼダメ男の渡り歩き・・・でいつの間にか30代半ばすぎ。この歌詞の主人公を見てください・・・彼(女)は、友人から“あいつはダメ男”と指摘されても認めず、いつゴミのように捨てられるかどうかヒヤヒヤしてんのよ!うう・・・ボコられているのを想像しちゃった!

 この曲が発表された頃、クリスが妙にプライベートなセンチメンタル発言が多いのが気になります。少なくともここ4、5年は、彼が口を開くのは純粋に曲の音楽的説明程度。いったい何があったんだ(私は個人的に、ベビたんは失恋したんだと思うわ・・・どこの国のプリンス様ならベビたんを振れるのか、理解できないけど)。以下、「Nig
htlife」ツアー(00)パンフに掲載された中から抜粋。

その@「自分が以下に不幸かを考えすぎる傾向にある。不幸なことに「Happiness is an option」(幸せは選択肢の一つにすぎない)だと気がついたのはつい最近だ。」

そのA「時々自分がかわいそうで泣いてしまうことがある。(中略)自分で編集した「悲しい曲全集」のテープを流して、アロマオイルを垂らしたバスタブに浸かって、思う存分泣くんだ。」

そのB(「I want lover」に対するコメントで)「今も募集中。」(「I want to wake up」に対するコメントで)「僕は報われない愛が好きだ。」(Before」に対するコメントで)「未来なら愛の可能性があるということ。」


 その後、ベビたんは新しい恋は見つけられたんでしょうか。ホントこのアルバム以降、プライベートなことはもちろん、音楽のこともあんまり喋ってくれないようになっちゃったからな〜。
 何はともあれ、曲もポップというより、飲んだ後に裸足で揺れるのにちょうどいい(アルバム全体がそうだけど)。“ひそやかで、ゴージャス”な夜の住人たちを歌ったこの曲、結構な傑作だとは思うんですが、なぜか泣けてくるんですよね。実はマーガレットもダメ男好きなので。

今夜はなんて無様なんだ
僕は応じるべきか、明かりを消すべきか
君は善か悪かの間で
けんかを仕掛けてくるように見える
でも、なんて君は気分屋
悪魔だったり、天使だったり
突然謎めいて、黙り込んでしまう
君が僕に「愛している」って言ってくれるのは
酔っているときだけ

何もないよりいいって思う
いくつかのドアが開いて、またいくつかのドアが閉まる
でも、僕は人知れない恐怖に身をさらす君が見えない
誰かが僕にこうアドバイスした
“聞けよ、君は自分を見失っている
彼にキスするべきだ
余計な詮索はやめておけ”
でも、君が僕に「愛している」って言ってくれるのは
酔っているときだけ
酔っているときしか、愛をささやいてくれない

友達は、みんな僕に聞く
“何で、なんであんなやつと別れないんだい?
まだてこずってっているんなら、どうしようもないよ”
君が僕に「愛している」って言ってくれるのは
酔っているときだけだから

意味深に君が話すとき
それにどんな意味があるんだろう
君の酔いが覚めたら、全てが終わってしまうのか?
僕はポイ捨てされてしまうのかな?
君が僕に「愛している」って言ってくれるのは
酔っているときだけ
酔っているときしか、愛をささやいてくれない

(マーガレット訳)


★★★★★★今日の写真★★★★★★★★★★

 
髪が濃いことも意外ですな〜〜猫ッ毛と思ってたけど、もさもさ!

 

 超イケテない時代のニール、2枚。左は10代、多分童貞時代でしょう。右も若いです。キャプションが“ギーク(オタク)”なので、学生時代かな。絶対モテてないと思うわ。まあ、髪型は”時代“ってコトで。それにしても、相当目が悪いんですね。いまはリハーサルとかでたまにメガネですが、それもめちゃくちゃステキですが。しかし若い時より50代のいまの方がステキだなんて、人間としてそうなりたいもんよねえ。

 


★★★★今日の関係者★★★★
ルーファス・ウェインライト

 1974年アメリカ生まれ。両親ともミュージシャン(フォーク歌手)の家庭に生まれ、98年デビュー。これまでに2枚のアルバムを出しているが、かなりいろいろなアルバムに参加している。ちなみに私は彼のアルバムを持っていないけど、彼の歌っている曲が入ったアルバムは5枚持っている(映画「ムーランルージュ」サントラ、映画「ブロークバック・マウンテン」サントラ、映画「ズーランダー」サントラ、「エルトンのクリスマスパーティ」、PSBライブアルバム「コンクリート」)。妹マーサも歌手。

Alright, Already - Live in Montreal [iTunes Exclusive EP] - cover art
これはそうでもないけど、結構キラキラ&ナルな彼よ

 最近、PSBは積極的に他のミュージシャンと絡んで、プロデュースやリミックスのお仕事をバンバンしております。客観的な音楽評でも、PSBの起用や仕事っぷりは「センスがいい」との声も高いので、仕事が仕事を呼んでいるといったところでしょうか。
 このルーファス・ウェインライトの4枚目のアルバム「Release t
he star」は、現在、ニールの製作総指揮で製作中。ルーファスは06年5月のラジオライブ(「コンクリート」)のゲストの一人で、「カサノヴァ・イン・ヘル」を歌っている。いったいどうゆうつながりかというと、多分ゲイ組合の独特の親密さかも。ルーファスはほとんどデビューと同時にカミングアウトしていて、彼が大きく知られるようになったのは「ブロークバック・マウンテン」のせつないエンディング曲だろう。これもゲイ独特の繊細さ所以なのかもしれない。また、彼は「ルーファス、ジュディ・ガーランドを歌うゆうべ」というライブもやっていて、ゲイど真ん中の“うらやましい行動を堂々と行っている(ちなみにジュディ・ガーランドは「オズの魔法使い」主演のNO.1ゲイ・アイコン女優である…娘もゲイ・アイコン女優のライザ・ミネリ)。
 ルーファスの声は切なく、痛い。リリックも同じく痛々しい。
 Pet
headとしてはアルバム完成がとても楽しみ(またクリスがバックレているのがアレだけどさ)。

 

★★★★★★★★★★★★★★コメンタリーby Literally★★★★★★★★★★★★★★

PSB公式ファンクラブ会報「Literally」30号、アルバム「Fundamental」のニール&クリスのコメントを訳していなかったので、訳しております。ようやく最後です。

Integral

ニール:僕らはロンドンの自分たちのスタジオで書き始めたけど、クリスはこれを好きじゃなかった。
クリス:僕は“これってバカ?アホかな?”って思い続けていた。
ニール: もしクリスが、これをバカっぽいと思っているなら、それは普通、リスナーがホントに覚えやすいって事だよね。僕は“いや、すごいよ”って言った。
クリス:僕は“完全にバカ?”だった。
ニール:僕はその考えがどこから来たのか、いまだにわからないよ。
クリス:僕らのマニフェストのうちの1つ、IDカードじゃない?
ニール: そう、まさしく。権力主義だ。僕はすでに“もし間違っていなければ、何も恐れる必要はない”というアイデアがあった。それは彼らが言い続けてきたものだからだろう?それはショーからの曲のように聞こえるし、僕は僕らが最近使っていなかったフォー・オン・ザ・フロア・ストンパーを使ったそれは素晴らしいと思う。それがあるのはとてもいい。トレヴァーも気に入ったよ。
クリス:僕はこれを友達に演奏して、考えを変えることにした。それから、たくさんの他の人が、どれだけこれが好きか聞いた。僕はすごく簡単に動かされたね。時々、物事が簡単に出来る場合、それを評価しない傾向がある。この曲の3ビットは、実に簡単に出来た。
ニール:そのアイデアは、それが権威主義者・新労働党政府の視点から見て歌われるということなんだ。“もし間違っていなければ、何も恐れる必要はない”は、いつもIDカードの正当化として使われる。僕たちが身分証明書に関して反対することは、それらがデータ開示を備えたインテリジェント・カードであるということで、中央のデータベースへリンクすることができ、アメリカと共有されるかもしれない個人の情報を含んでいる。それを望まないと言う場合、彼らは間違った事を何もしていなければ何も隠し事はない
といつも言っている。でも、僕たちはみな、プライバシーに対する権利を持っていると思う。国家が僕たちを信頼する前に、僕たちが国家に自己弁護しなければならないことを示唆する動きじゃないかと感じる。それは、僕たちが別の方法がなく国家を信頼させることだと思う。政府は僕たちの信頼を勝ち取らなければならないと思う。僕たちが彼らの信頼を勝ち取るのではない。僕たちはウェブサイトで今年の初めにIDカードに関して騒動が引き起こった時に、それを歌詞に入れた。どこかの若い大臣がそれを防御する際に「インテグラル(完全体)」という言葉を使った、とクリスが僕に電話してきて、言った。この歌に関して“イヴニング・スタンダード”で大きな記事になった。でも、この歌は悪意を持ったユーモアのようなものもある。それは多くのエネルギーと、猛烈にこれをすべて正当化した、スピーチを実際に与えられた誰かだろう。
クリス:全く権威主義者だ、音楽の。
ニール:そう、まるでスターリニストだ。音楽は実際にそれを反映すると思う。でも、キャッチーだけどね。
クリス:アルバムの最後にはふさわしい流れだよ。「Go West」の位置だ。

公式発表はまだですが、多分この曲は4thシングルになるものと思われます。ベア〜さんのサイトのファンアンケートでは、アルバム「Fundamental」中、満足度がトップでした。PSBらしいちょっと攻撃的なたたみかけるようなサウンドが普遍を感じさせます。


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