●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.53♪♪
別冊「まりりんの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第53号・2007年6月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:マーガレット(題字:ニール王子)

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

   ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
ライブDVDCUBISMレビュー▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 ほとんどこの前のライブの追体験。去年11月14日、アメリカツアーの最終日・メキシコシティで収録されたライブの模様を、ニール&クリス&監督のコメンタリー入で納めたもの。日本語字幕入の日本版(UKとは1ヶ月発売が遅れたけど)も発売されたので、まだまだ日本でもセールスに力を入れてくれるんだ、と安心。でも東芝EMI所属なのに、DVDはワーナーから発売。

セットリスト

PSYCHO INTRO

NUMB

GOD WILLING

E A VIDA EDOMINO DANCING

PSHYCHOLOGICAL

FLAMOYANT

LEFT TO MY OWN DEVICES

HOME AND DRY

IM WITH STUPID

ALWAYS ON MY MIND

SUBURBIA

WHERE THE STREETS HAVE NO NAME(I CANT・・・)

CAN YOU FORGIVE HER?

WEST END GIRLS

MINIMALSHOPPING

THE SODOM AND GOMORRAG SHOW

RENT

(アンコール)

DREAMING OF THE QUEEN

SO HARD

HEART

ITS A SIN

OPPORTUNITIES

GO WEST

INTEGRAL

(その他、10数分のドキュメンタリーとフォトギャラリー)


 去年ロンドンで6月に見たライブと、このDVD、そして先日5月のライブと、若干セットリストがかわっているが、基本的な構成は同じ。ただし、クリス唯一のメインアクト「Paninaro」のパフォーマンスがないため、画面に映ることがあまりなく、彼の姿はスパイス的な使い方をされている(レモンイエローのパーカーは舞台上ですごく目立つけど)。

 今回、コメンタリーはちょっといじわるだったり、皮肉っぽいかも。って、PSBらしいか。
 オープニングの「3組のPSB」については、「若者、中間、年寄り(自分たちのこと)」といい、やはり観客を惑わす作戦だったらしい(が、リーフレットのクリス・ヒースのレポートによると、クリスは本番直前まで彼らと同じ衣装を着ることをせず、まわりを困らせていたらしい。天才ってやっぱりわがまま?時々、彼のこだわりの美学がよくわからなくなる)。
 彼らに限らないことだけど、ミュージシャンのライブの舞台づくりには、相当な人の手とアイデアと入念なリハーサルが必要だ。特にPSBのように、「バンドメンバーがそろって楽器を弾けば何とか体裁がつく」タイプではない場合、ある程度の舞台装置や演出がないとキツい。しかもニール&クリスはとてもシアトリカルなモノを好む。だから彼らのステージはある意味とても人工的で作りこまれている。あまりアドリブがないのもそのせいかもしれない。比較的淡々とステージをこなす。

最初の曲「Psyc
hological」は「最初の曲にふさわしくない」と、コメントあり。だからか、その後のヨーロッパツアーでは最初の曲は「We are the PSB」になっている。ニールの衣装はシルクハット、胸元に光る素材の入った詰襟、そのうえに燕尾服(その後オーストラリアで盗難にあう!)、前身ブラック。クリスは黄色いパーカー。どちらもディオールとコメントされているけど、クリスのはアディダスだと思っていた(腕に同色の3本線も入っているし…やっぱアディダスじゃない?)。

「Left to my own devices」のイントロのダンスがバレエみたいで美しい。「僕らが踊るはずだった」とクリスがポソッとふざける。曲のラスト、ニールがシルクハットを脱いでご挨拶。観客にスペイン語で話す。観客が携帯でステージを撮っていることに触れる。日本ではまず注意されるだろうが。
「I
m with stupid」では、2人がショーの最中観客席を見ているかどうかに言及。「カードを持っている人は見える」(実際、観客席にはメッセージカードを持った人たちがいる)。観客の声はヘッドフォンがあるのでほとんど聞こえていないらしい。
「Suburbia」でダンサー&バックシンガーは黒いパーカーにお着替え(すぐにタンクトップに)。ダンサーのほうが衣装換えが多い。シルヴィア登場。曲にあわせ、セットのキューブの形が変わる。スタッフは大変。

「Minimal」では舞台上は2人だけ。キューブに文字が映し出される。これは次の曲「S
hopping」でも同じ。ニールが舞台右にいるクリスの横で歌う。「Shopping」でもバックシンガーがスーツにお着替え。この曲は“政治の歌”だとニール。20年近く前に作られた歌だけど、今の世の中を予見しているよう。

「Rent」は、よりポップ(ピコピコ音)なアレンジ…なのにやっぱり哀愁漂う。ニールがセットのキューブの後ろ(というか中)に行って座って歌う。去年のロンドンでは、うっすらとしたシルエットしか見えなくて「ホントにニール?バックシンガー?」なんて思ったけど(コメントでもそんなこと言っている)、DVDではちゃんと顔が透けて映っている。キューブにはスクリーンのような薄い布が張って会ったのが、初めてわかった。

「Dreaming of t
he Queen」では、キューブの大きなスクリーンでダイアナの葬儀のフィルムが映し出される。ニールは帽子を脱いで歌う。コメントでは2人ともダイアナの死について語る。ニールはエイズ・ホスピスで生前のダイアナに会ったそうだ。この曲はそもそも、当時驚異的に広まっていたエイズについての歌。ナゼこの曲がセットリストに入っているか不思議だったけど、ダイアナの死から今年で10年だからかな。

次の「Heart」も古い曲。ハートを抑える振り付けがキュート。どうしてもPVの吸血鬼=イアン・マッケランを思い出す。そうそう、サー・イアンといえば、このツアーは2部構成で、途中休憩が挟まるが、そのアナウンスがサー・イアンだそうだ。なんて豪華なアナウンスでしょ。

「Opportunities」イントロで観客も大盛り上がり。ニールがコメントでダンサーを紹介。2人のダンサー、ネイサンとアイヴァンは40人のオーデションで選んだとのこと。実際のライブでは、正直ニール&クリスを見るのがせいいっぱいで、ダンサーやバックシンガーまで目が回らないんだけど、こうやって舞台を引きで見ると、ダンサーの素晴らしさに目が行く。正直カッコイイし、セクシー。公式HPで、クリスが2人にちょっかいを出して写真を撮ったものが載っていたけど、それもうなずける。だってかっこいいもん。
「Integral」でバックシンガー紹介。この曲は攻撃的で燃える曲。内容もIDを反対する社会的な内容。振り付けがめちゃカッコイイ。“パーフェクト”。
ここで前半終わり。サー・イアンの「20分の休憩」アナウンス。

後半。満員の観客席が映し出される。1曲目は「Numb」。ニールはワイシャツ+ブラックタイ+黒いスーツ、クリスは青のパーカー+ブラックレザージャケットに(暑くない?)、それぞれお着替え。休憩中にキーボードのトラブルがあって開演が遅れたらしい。バックでは「Numb」のPVが流れる。古いロシア映画を編集したものだとニールが説明。クリスはキーボードを弾く自分をエルトン姐さんに例えているが。かなり時間が経って「これ何の映像?」と天然ボケ。本当に人の話を聞いていないのかな?

寒いロシアから一転してリゾート地へ。「Se a vida e」と「Domino dancing」。ダンサーたちの衣装も華やかなものに。クリスがダンスを褒めている。映像ではほとんど動かないけど、本当はダンスが大好きなんだよね。キライだと言いつつ、いつも沸いた観客席を「ジョージ・マイケルのライブ会場」と例えるクリス。それからニールの喋りを「ダサいMC」とバッサリ。

「Flamboyant」は北米ツアーで追加された曲のひとつ。シルビアは撮影のためか、いつもより凝ったヘアスタイル。なにせ、長いこと彼らと仕事をしているほとんど唯一の女性メンバーだから、よくわかっているはず。
「Home and dry」はアコースティック。ニールがアコ・ギターをかかえてソファに座る。キラーズのブランドンのエピソードが出る。ニールはずいぶんブランドンを気に入っていたみたいだけど、結婚して子供も生まれたからなあ、残念だったね。

また一転する。このライブの構成はめまぐるしい。次は最も盛り上がる曲のひとつ「Always on my mind」。ニール&クリスの頭半分をかたどった巨大パネル登場。それぞれの頭の上で、ダンサーがカラフルな花をつけた帽子をかぶっている。う〜ん、キャンプな演出。その後、踊るシルクハット登場。ニール、今日はじめて観客の元に行き、最前列の観客に手を差し伸べる。
何故かこのあたりから2人のコメントが少なくなる。映像に見入っているのかも。

「Always on my mind」が終わると、ダンサーが着替えにバックステージに。次の曲「W
here the streets have no name」では、ダンサーはセクシーな金色の衣装+カウボーイハット。曲のアレンジも少々変わっている。すかさずクリス「ブロークバック・マウンテン!」とコメント。無邪気。ニールも衣装はそのままで、黒いカウボーイハットに。カウボーイってやっぱそそるなぁ。バックのスクリーンはニールのアップ。その映像の上に、またも巨大なカウボーイハットが登場。クリスが「ラインダンスを踊ってみたい」と、またもや不思議発言。なら踊ってよ!

続く「West end girls」に一気に流れ込む。ダンサーはまたもや早着替え。スーツ&ジャージという不思議な格好。ニールが山高帽をかぶる。この曲は彼らのデビュー曲、本当に始まりの1曲、この後あまたの名曲が生み出されるけど、やっぱりこの曲が一番PSBを表している曲だと思う。

いよいよハイライト曲「T
he Sodom and Gomorrah show」の始まり。クリス以外は全員、キャンプに着飾られた軍服にお着替え。ニールの登場は、まるでこの曲が一番最初の曲のような熱狂で迎えられる。軍服の禁欲的イメージは、ダンサーの“軍服を着くずして下着を見せる”という方法でめちゃエロに反転している。もちろん着崩していないニール総統のほうがずっとエロいんですがね。

ここからはアンコール。「So
hard」のデビッド・モラレス・リミックスが流れる。原曲の印象的なリフだけを使い、ヴォーカルをいっさい排除したこのリミックスは名作といわれている。舞台上にニールが登場しないので、ほぼクリスのソロアクト。ニールの声がPSBの全てだと思っているファンからは物足りない、と思われているけどこのリミックスはめちゃカッコイイ。バックシンガー&ダンサーはまた全員着替え。最初に登場したニール&クリスのコスプレと同じものに見えるけど、実際はラメラメの別バージョン。ナゼかメインのニール&クリス本人は最初と同じ衣装。
そのまま「It
s a sin」に移る。ゴージャス。

いよいよラスト曲「Go west」。まさに会場はサッカー場のような熱狂ぶり。ニールは今でもまだこの曲が好きではないらしい。まあ、自分で作った曲じゃないしね。2人が去った後は、ダンサー&バックシンガーがメドレーでこのライブを締めくくる。できればもう少し余韻が欲しかった。ライブ会場にいると余韻にひたるのだけど、DVDは終わりがあっさりしすぎかも。
この後のヨーロッパツアーでは、再アンコールで「Being bo
ring」があった。この曲は本当に泣きたくなる。そのうえで本当にショーの締めくくりなら、もっと泣ける。

メキシコでのドキュメンタリーもDVDに収録されている。ニール&クリスのコメントのほか、収録したメキシコの風景や現地のファンなどのインタビューが主。メキシコを撮影地に選んだのは、メキシコのファンは熱狂的だから、という。これを聞くと、他の国のファンは多分みんな、悔しい。はっきり言ってどこの国でも熱狂的だと思うから。

DVDを自分の部屋の中という現実で見るのと、実際にライブ会場で見るのとでは、まったく違うのは言うまでもない。どちらも体験したからわかるけど、同じ物を見ているはずなのに全然印象が違う。実際のライブではあまりにも興奮しすぎていて、冷静に見えなかったという点もあるかもしれない。もちろんこうやっていつでもDVDで見ることができるのは素晴らしいことだけど、現実からの切り替えスイッチがうまくいかずにテンションが低い状態で見るのはなんだか不思議だ。そこに入り込めないのは疎外感すら感じてしまうからかもしれない。

このバージョンとは変えてくるとは思うけど、いよいよ8月にはFundamentalツアーが日本でも見られる。ライブっていうのは歌を聴くってより、いかに自分がそこにのめり込めんでその一部になってしまうかってのが重要なファクターだと思う。日本のファンも負けてはいられないのだ。楽しもう!


前号へ

次号へ

indexへ戻る