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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.62♪♪
別冊「まりりんの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第62号・2008年3月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:マーガレット(題字:ニール王子)
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▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽「DISCO4」レビュー▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
遅ればせながら2007年10月8日に発売された「DISCO4」のレビューです。
もともとそれぞれのアーチストが発売された時点で買ったりもらったりしていたのでほとんどすでに聞いている上に、発売日がマーガレットの誕生日だったため、誰かがくれるだろう(甘かった)と思ったら誰もくれなかった→HMV限定ジャケットを買おうと思ったらすでに完売で買う時期を逸し→遅ればせながらようやく入手となりました。
今回のDISCOは、ほとんどが”他のアーチストの楽曲をPSBがリミックスする”というコンセプトなので、ちょっと軽視していましたが、2人はかなりこれをやりたかったようなので、ちゃんとした「PSBのお仕事」と認めた方がいいのかもしれません。表に出ないリミキサーとしてのPSBの側面、そしてアーチストやその楽曲との意外なかかわりやコネが垣間見えて、PSB研究としてはとても興味深いものになっています。
今回集められたもの以外にも、PSBがリミックスをやっている楽曲は他にもいくつかあるのですが、名作といわれるブラーの「Girls and boys」が入っていないことについてはいろいろな憶測を呼び、タブロイド紙にPSBとブラーの、オアシスを巻き込んだ確執の話しが(ぶりかえしで)取りざたされたけど、これはニールが否定していました。おそらく大人の事情でしょう。
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1.
Read My Mind [Pet
S
キラーズはアメリカ・ラスヴェガスで2002年に結成された4人組ロック・バンド。アメリカよりも最初にイギリスで人気が出た。バンド名はニュー・オーダーの「クリスタル」のPVに出てくるバンド名から取った。ヴォーカルのブランドン・フラワーズはPSBの交流が深いようで、PSBのドキュメンタリー「Life
in pop」にも顔を出している。「Read my mind」は2006年のアルバム「Sam’s town」からのシングルカット。オリジナルのPVは、彼らが来日公演をしたときに東京で撮られている。なお、このリミックスはアメリカのゲイサイトAfter
Eltonの2007年アワード「ベスト・リミックス」に選ばれている。その時の受賞理由は以下の通り。
「ペット・ショップ・ボーイズは2006年のT
★オリジナル・PVはこちら。
★Pet
Shop Boys 'Stars Rradio Editのビデオはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=b6nBlwm-rjg
2. Hallo Spaceboy [Pet Shop Boys Extended Mix] - David
Bowie & Pet Shop Boys
デビッド・ボウイはもともと、ニールとクリスがプロになる前から共通してファンだったミュージシャンである。時代的に、それは70年代のグラム・ロックのボウイであると推測される。この曲はボウイがグラム・ロックに自ら幕を下ろし、より大衆的になって久しい1995年のアルバム「Outside」に収録された曲から翌1996年にシングルカットされたもので、ボウイ&ブライアン・イーノの作詞・作曲ながら、かつてのジギー・スターダストを髣髴とさせるテーマや歌詞、ハイヒールにメイクアップしたボウイ、なによりアレンジメントがPSB好みである。リミックスだけでなく、シングル・バージョンのPVにもニール&クリスは出演している。なお、1996年のPSBのライブSOMEWHEREでは、ボウイのパートをシルヴィア・メイソン=ジェームズが歌い、スペースボーイ役にはドラーグ・クィーンのダンサーが扮している。
★オリジナル・PVはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=cwdssHTfPJQ
★PSBのライブSOMEWHEREのライブ・ビデオはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=AQFjAI5-C98
★デビッド・ボウイのライブのビデオはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=CZVGeUBrimA
3. Integral [Perfect
Immaculate Mix] - Pet Shop Boys
アルバム「FUNDAMENTAL」に収録されたものでなく、このリミックスが「DISCO4」からのカットとしてシングル化された。当初はCDとアナログで発売予定だったようだが、デジタル・ダウンロードのみの発売になった。オリジナルのメジャー・キーからこちらはマイナー・キーになっていて、印象ががらりと変わった。
★オリジナル・PVはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=b7TSDUHhPIw&feature=related
★ Dave Spoon Mixのビデオはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=vjq1D2WcFHU
4. Walking On Thin Ice [Pet Shop Boys Electro Mix] -
Yoko Ono
恐らく音楽界では最も有名であろう日本人女性、オノ・ヨーコのシングル(多分最も有名な彼女のソロ曲)をPSBが2003年にリミックス、Maxi-singleに収録されている。オリジナル・シングル・リリースは1981年。ちなみに1980年12月8日にジョン・レノンとヨーコはニューヨークのスタジオにこの曲のリミックスに行き、ジョンはその帰りにアパートの前で射殺された。PSBのリミックスは他に「Pet Shop
Boys Radio Mix」、「Pet Shop Boys Extended Dance Mix」がある。この収録バージョンを聞く限り、もともとエレクトロ/ダンスの傾向が強いので、元曲から大きく逸脱はしていない・・・つまりPSBが好きそうな曲。
★オリジナル・PVはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=x1DHm7p1sm4
5. Sorry [Pet
Shop Boys Maxi-Mix] - Madonna
本人たちも言っているように、PSBがポップ嗜好、活動時期やクラブ・ユースでの絶大な支持という点でほとんどニアミスだったマドンナと、これまで直接何の仕事もなかったのが不思議だ(1988年のPSBのNo.1ヒット「Heart」はマドンナを想定されて書かれたと公言されているが)。2006年2月のブリット・アワードで、マドンナが受賞した「インターナショナル・フィメール賞」のプレゼンテーターとしてニールが登場した時点で、2組のアーチストの待ち望まれたコラボが世間にお披露目となった(この時点では、シングル発売を目前に控えていたのだが)。
「Sorry」はマドンナの2005年のアルバム「Confessions on a Dance Floor」からのセカンド・シングル。“ノー・メッセージ”なダンス回帰は、初期のマドンナに通じている。このリミックスはニールのヴォーカルを入れたので、ややデュエットっぽくなっている。ちなみに2006年のマドンナのワールド・ツアーでは、このリミックスが使用されたので、ウェンブリー・アリーナや東京ドームなどの大会場にニールの呟く「ソーリィ・・・」が響き渡るという、Pethead的には“してやったり”な現象が起きた。PSBのリミックスは他に「Pet
Shop Boys Max-Mix Edit」「Pet Shop Boys Minimal Dub」「Pet Shop Boys Minimal Mix」がある。
★オリジナル・PVはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=mFf1zG7FMMs
★ Pet Shop Boys Max-Mix のビデオはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=Jw-skIkoI_s
6. Hooked On Radiation [Pet Shop Boys Orange Alert Mix] – Atomizer
(英語版の)Wikipediaに掲載がない=マイナー・アーチスト、と勝手に決めておりますが、男性2人組ユニット。アルバム「Rubber youth」(2003年)にシングルバージョンとPSBリミックスが含まれている。シングル・ジャケットは妖しい(下半身裸の2人カウボーイの絵)だけど、このガラどこかでみたと思ったら、ロンドンのカムデン・マーケット(新進気鋭のデザイナーからバッタもんまで玉石混合の洋服マーケット)のTシャツショップにあったわ・・・すごく印象深かったんで。
PSBとのつながりは、メンバーの一人が「Paninaro’95」のリミックスをしたFil Jones(aka
Tracy & Sharon)という人物らしいです。多分、クラブ・キッズやDJたちにはよく知られているんでしょうが、一般リスナーにはPSBガラミで初めて聞いた、って方も多いかも。でも、アルバムの音は悪くなかったです。
★オリジナル・PVはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=XYJx0aG2DLw
7. Mein Teil [PSB There Are No Guitars
on This Mix]- Rammstein
ラムシュタインはドイツのへヴィ・メタバンドで、日本にも何度か来日しているほど人気がある。ヘヴィ・メタとPSBほど”合わない”ものはないかとも思うが、インタビューによると、PSBはこの曲「Mein Teil」(‘04)のテーマが気に入ったそうだ。そのテーマとは。「Mein Teil」とは英語で「My Part」、邦題は「俺の一部」、そのままの訳である。この曲は以下のような事件にインスパイアされている。
2001年、ドイツでアルミン・マイヴェスという男が、インターネットのゲイ専門の出会い系サイトに「俺に食べてくれる男を求む」という書き込みをし、実際に食べられにやってきた男と、被害者の「一部」(局部)を食べ、殺害、その後もマイヴェスは被害者を数日にわたり食したという。その様子は加害者によって一部始終をビデオに記録されている。再度インターネットに同じ書き込みをしようとしたところ、事件が明るみに出て逮捕された。
ラムシュタインはゲイ・バンドではないが、いわゆる社会のタブーを好んで取り上げていて、同性愛もそのひとつである。ちなみにこの曲でラムシュタインは、獄中のマーヴェスから人権侵害だか何だかで訴えられているらしい。ちなみにこの曲をライブでやる際は、メンバーのキーボードのクリス(!)
がでっかい鍋で煮込まれるパフォーマンスだそうだ。
YouTubeにあるPSBリミックス音源の映像は、チェコのシュールレアリズム映像作家、ヤン・シュバンクマイヤーの短編映画「対話の可能性」の乗せられていて、この映像のテーマも「食べる」ゆえ、非常に秀逸な出来になっている。
★オリジナル・PVはこちら。
★PSB There Are No Guitars on This Mix+Jan Svankmajerのビデオはこちら。
8. I'm With Stupid [Pet Shop Boys Maxi-Mix]-
Pet Shop Boys
日本盤「FUNDAMENTAL」につけられたCD「FUNDAMENTARISM」のボーナス・トラックだったから、日本盤を買ったファンにはお馴染みのリミックス。それにしてもこの曲はリミックスすると“Stupid”がおのずとフューチャーされ、全面的にニールに「バカ〜、バカ〜」となじられているようで、なんだかこそばゆい。
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Pet Shop Boys Mix のビデオはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=Q1x