●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
margaret
♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.86♪♪
別冊「まりりんの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
86号・20104月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:マーガレット(題字:ニール王子)

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

▲▽▲▽▲▽▲▽
Pandemonium DVD コメンタリー()▲▽▲▽▽▲▽▲

ライヴDVDPandemoniumの日本語字幕、続き。

N…ニール/C…クリス/E…エス・デヴリン

12. Do I have to?  

N:ビデオが出てこない曲はこれだけだよね?
C:
君が裏で衣装を着替えている間にソロで演奏した。
E:
イヤがっていたわよね。
C:
やりたくなかったよ。
E:
ニールの着替えのためだものね。
N:
ガールズたちも着替えだよ。
E:
これは…。
N:
僕らは着替えでパニックになっていた。
C:
早めに演奏してやった。
E:
わざとね()。ミラーボール・ジャケットに光が反射しているわ。
C:
恥ずかしいよ。
E:
トイレで泣くようなシーンが始まる。ここまでは楽しい金曜の夜だった。
C:
ここでお客さんのトイレ休憩ってこと?
E:
それじゃトイレは大混雑よ()。ショーンとシャーロットがどうなるか知りたいでしょ?舞台はニューヨーク。
N:
それはどうかな。そう言う人もいるかもね。僕の好きな曲だ。
E:
私もよ。亡くなったピナ・バウシュを偲んだダンスよ。ここの振り付けは、アステアとロジャースみたいは40年代の社交ダンスがベースよ。
N:
箱をかぶって社交ダンスなんて、シュールだ。
E:
ここでのニールは、顔がない人たちでいっぱいの部屋にいるように見える。このジェスチャーが、周りの人たちとの関係を表しているの。めったに出席しないのね。このダンサーたちは、さっきはロボットみたいに踊っていたけど、今はとても叙情的ね。リンはこれまで現代舞踊やブロードウェイ、MTVと幅広く活躍して来たからね。素敵なタキシードね。
N:
ディオールだよ。ほとんどの曲は、自分のバックトラックに合わせて歌っている。だから歌詞を間違えられない。
C:
面白い
E:
美しいわ。

13. King's Cross

E:次はデレク・ジャーマンの世界。「キングス・クロス」のビデオよ。
N:20
年前のだ。
C:
ロンドンは変わった。
N:
特にキングス・クロスのエリアがね。
E:
撮影の時の様子は?
C:
僕はこの時機嫌が悪くて、途中で帰った。次の日に撮影し直したんだ。
E:
あなたのせいで?
N:
「レント」のために撮った。
E:
そうなの?
N:
電車の部分は「レント」のだ。撮影スタッフは2人。でもクリスを撮影するはずのスタッフが来なかったんだ。
C:
よくそういう目に遭うんだ。
N: (
)1922年版では、デレクが8mmの映像を編集で加えていた。
E:
ニールの足元から照明が当てられている。多分ね。ロブに聞けばわかるわ。
N:
舞台裏で歌っている。
E:
翌日撮影し直したの?
C:
ああ、確かそうだった。
N:
いいビデオだ。
E:
見入ってて、言葉が出なかったわ。
N:
曲もいい。

14. The way it used to be

N:クリスが弾いているキーボードは、曲によって音にムラがあった。弾き始めてない?
C:
止まったんだ()
E:
うまくいかなかったの?
N:
特にアメリカでね。
C:
理由はわからない。
N:
ショーンだ。白い上着の男たち。
C:
君を連れ去りに来た。
E:
ショーンとの初リハーサルを終えた後、リンが彼の才能に驚いていたわ。
N:
本当?
E:
彼には未経験の分野のダンスだったのに。表現力豊かね。
N:
この歌は覚えにくいんだ。次は何だっけ?と思いながら歌っている。この後ろの箱は
E:
最初は箱をプラスチックで作ろうと思ったの。結局段ボールにした。骨組みは木でできているのよ。表面だけ段ボールなの。
N:
厳密には段ボール箱じゃない。
E:
表面だけ。
N:
上で動き回るものね。
C:
赤と青が映えている。
E:
ここの振り付けが表現しているのは、ショーンとシャーロットの出会いと別れまで。
C:
僕も今度やってみるよ。なんていうダンス?
N:
フリースタイルだ。
E:
現代舞踊よ。ランバート・ダンス・カンパニー風ね。二人とも裸足。
N:
本当?
E:
さっきは運動靴だったわ。
C:
手にしているのは?
E:
手袋よ。革の手袋。

15. Jealousy

E:間違えたわ…彼らは靴を履いている…。
C:
風船だ。
E:
残念ね。愛し合っていたのに。こんな結果に。
N:
まったく、ひどいね。
E:
彼はカツラまでつけたのよ。
N:
うへ〜〜〜。彼は足首を痛めた。
E:
でしょうね。ひとつ間違えば大怪我よ。
N:
始まるぞ!
C:
楽しそうだな。
E:
そりゃそうよ。箱を投げてもいいんだもの。
C:
僕に当たらなきゃね。
E:
当たったの?
C:
いや、全然。
N:
踊っているショーンが僕にぶつかったことはある。(NYで見ました:マーガレット)
E:
本当?
N&C:
うえ〜〜い!


16. Suburbia

E:トイレで泣くシーンの終わり。
N:
4部に入る。
E:
テーマはラテン
N:
いや。祝福だ。
E:
このビデオのアイデアは、ブリット・アワードから来ている。「オールウェイズ・オン・マイ・マインド」で、ニールとクリスがエスカレーターに乗っているの。
N:
そうだったね。スタッフは準備中だね。
E:
ここで出てくるのは双子(ソフィーとポリー)よ。ショーンとシャーロットはひとまず置いておいて。四角い頭をしたロボットが仕事へと向かう。エスカレーターに乗って。カフカ風で、「1984年」っぽいわね。
N:
役人たち…カフカは偉大だ。
E:
たしかにね。
N:
ここから開放的な感じになる。
E:
これはブリット・アワードの時と同じスーツよ。60人が着たやつ。ロンドンではエスカレーターの撮影が難しいの。これは、カナリー・ワーフで撮影した。人が乗っていない時を選んでね。
N:
アニメーションかと思った。
E:
クリス、ジャケットに飽きて、脱いだの?
C:
このライヴの時だけだよ。
E:
ここで二人が顔を見せる。
C:
このドレスは彼女たちが選んだんだ。自分たちで買ってきた。
N:TOPSHOP
でね。
C:
マジ!?
N:1
50ポンドだ。
C:
似合ってる。
E:
ジェフリーは許可したの?ここよ。(2人が箱を取る)まさか。
N:
双子だ。
E:
双子だとわかるまでに何分かかってる?
N:1
時間4分だ。この髪型!
E:
恋人たちはけんか別れ。双子たちは箱から開放された。
N:
そういうことだ。

17. What have I done to deserve this?

N:ヘッドフォンを外す時があるよね。
C:
曲によっては外す。
E:
同じドレスが3着。
C:
ショーンは着ないの?
E:(
)4着目がなかったの。
N: (
)ショーンはこういうのは着ない。
C:
振り付けがいいね。
E:
後ろに見えるピクセルは
N:
ダスティ。
E:
ピクセル化したダスティの顔よ。
C:
確かに彼女だ。
E:
わかるでしょ。鼻でわかるわ。オリジナル・ビデオの映像よ。
N:
ブリクストン・アカデミーで撮った。
E:
別のライヴのスタッフに会ったんだけど、このツアーを羨ましがっていたわよ。普通は重いセットを運ばなきゃならないのに、このツアーでは段ボール箱を運ぶだけ。背中も痛くならないし。
N:
ローテクとハイテクのミックスだよね。アンディ・ウォホール調だ。
E:
フランシス・バーナーの目に似せたの。「クローサー・トゥ・ヘヴン」の時のね。ウォーホール調に。パンツのうえにブーツをはいているのね、ニール。なぜこうなったの?
N:
パンツを換える時間がなかった。だから同じパンツとブーツで通した。

18. All over the world

N:途中、休憩を入れる代わりにクリスに演奏してもらった。だから着替えの時間はあったんだ。でもパンツと靴の両方は無理。
E:
早替わりね。
N:
そう。
E:
すごい。
N:2
分で着替えた。
E:2
秒に思えた。
N:
曲が終わる前に舞台裏に引っ込むんだ。
E:
カラー・ブロックを表現しているのね。昼から夜になっていく。後ろに映っている建物は、世界中の公営住宅よ。
N:
そうなの。知らなかった。
E:
彼らはルービック・キューブのブロックなの。ショーンとシャルロットはお互いを無視している。
N:
まだ役の中に()
E:
良く見ればわかるわ。完全にお互いを無視している。
N:
仲直りしていないなんて、残念だね。
C:
ハッピーエンドじゃないの?
E:
その辺はあいまいなの。
C:
シャルロットの表情がいい。
N:
彼らは常に全力を注いでいるね。
E:
ジェフリーがストライプのゴムを縫い付けてくれた。モスクワでは安全ピンでとめてた。
N:
細かい情報だね。
E:
大事なことよ。ピンがはずれたら大変だもの。
N:
確かに。

19. Se a vida /Discoteca/Domino dancing/Viva la vida  

C:ヌフフフ。
N:
古いミュージカル風だ。
E:
ニールも一緒に踊っているのね。
N:
僕も振り付けされた。精いっぱいやっている。これが限界だ。ステップも踏んでる。
C:
わっはっはっはっ。
N:
ここが見せ場だ。
E:
マドンナ・ウォークに匹敵するわね。
N:
ここの振り付けを忘れた。
C:
ダンスを?
N:
左右に動くはずだった。
E:
ここでは傍観者ね。
N:
このあと加わる。
C:
うへへ。
E:
スーツじゃ暑いでしょ。
N:
ずっと暑かったよ。汗をダラダラかいたけど、映っていない。ここがいい。
E:
ここから先は、切れ目なしに踊る。
N:
クリスのドラム・ソロだ。
E:
ここから先は、スチュアートがいろんな曲をミックスしている?全部で何曲入っている?
N:
「ディスコティカ」をつなぎに使った。ここはラテンっぽい。
C:(
バク転)僕にはできない。
N:
凄いね。見ろよ。
E:
次のシーンには裏話があるのよね。
N:
裏話?
E:
サンクトペテルブルグよ。
N:
最初の公演だね。
E:
そう、最初の公演の初日だったわ。最終リハーサルの後に、私の弟の友達と出掛けたでしょ。
N:
弟の友達だったのか。
E:
彼はカメラマンなのよ。
N:
歌詞に聖ペテロが出てくる。聖ペテロの街(サンクトペテルブルグ)にぴったり。ピョートル大帝の像が映っている。
E:
王冠の出来がよくなかったから、2つくっつけたの。
C:
雨が降っている?
E:
ええ、傘を差しっぱなしだった。
N:
雨のせいで。
E:
傘は予定外だったけど、雨が降っていたから使ったのよ。見物人が後をついてきたわ。二重の王冠よ。最後はエルミタージュ?
N:
エルミタージュの裏だ。グラスゴーの方が(観客の歌が)うまいな。
E:
お客さんにはすぐに理解できないわ。何が求められているかをね。あなたの歌に酔いしれているのよ。なぜこの曲を歌うことに?
N:
コールドプレイのこの歌が大好きなんだ。彼らがこういう曲を出すなんて驚いた。ヒットしたからリミックスできなかったんだ。観客が参加するのにぴったりの曲だと思った。


20. It's a sin  

N:箱が落ちてくる。後ろにいたから怖かったよ。王冠を脱いでいる間に落ちて来た。
E:
最初これを見た時は全部が崩れたと思ったわ。
N:
ワクワクする。そして上に。
E:
ナイロン製の釣り糸が付いてるの。後ろから叩いただけで、落ちてはいない。このシルバーの衣装は一晩で作ったのよ。
N:
大騒ぎだったよね。
E:
ええ、ブリット・アワードの時もそうだったわ。
N:
そう、同じだ。
E:
結局素材はライクラにしたの。80年代のエアロビクスの衣装みたいにしたかったから。
N:
白い上着の男たちが、後ろで作業しているね。裂け目を直しているんだ。
E:
裂け目があったら上がれないものね。パンズ・ピープルを意識した振り付けよ。「トップ・オブ・ザ・ポップス」のね。母があの番組を見るのを許してくれたのは、パックス・フィズとかノーランズとか、出演者の衣装がおそろいの時だけ。
N:
パンズ・ピープルは?
E:
おそろいの衣装だったわ。おそろいでなきゃだめなの。ブリット・アワードの時と同じ振り付けもある。
N:
うん。
E:
ダンテ風ね。
N:
リンゴだ。リンゴが登場するのは2回目だ。
E:1
回目は?
N:
「パフォーマンス」。最初の曲でリンゴをかじった。
E:
そうだったわね。
N:
アメリカでは観客にリンゴを投げられなかった。
E:
そう、安全上の問題でね。もらった人は記念に保存するのかしら。
N:
この時のカメラは2班に分かれていた。DVD用のカメラマンに、会場のスクリーン用のカメラマンたち。カメラだらけだった。
E:
ピットにいたんでしょ?
N:
見えるだろ?彼は会場のカメラマンだ。
E:
白いジャケットね。
N:
怪しいラテン語だ。
E:
ストロボは注意が必要よ。
N:
注意した。キラキラを降らせる。
C:
できない会場もあった。
E:
爆発を心配したのよ。
N:
掃除が大変だからさ。
E:
超過料金を取られるわ。
N:
無理ないよ。散らかるもんね。
E:
使った段ボール箱は500個くらいだったかしら?
N:450
個じゃなかった?
C:
笑える。
N:
キーノだ。紙吹雪を吹き飛ばしている。
E:
お金を貰おうとしているみたい。
N:
吹き飛ばした理由は、ダンサーが滑らないようにするためだ。ステージにこのキラキラがあると滑る。観客に照明が当たっているね。
E:
サンタの帽子ね。
N:
It doesn’t often snow at Christmas」を歌えと。いい感じだ。

21. Being boring  

N:羽根付きの帽子だ。
E:
どこで買ったの?
C:
ドーバー・ストリート・マーケット(注:
コム・デ・ギャルソンがロンドンのメイフェアに新しくオープンしたコンセプト・ショップ)だ。
N:作ったのは誰?
C:
それは…。
N:
マイケルだ。ナイトクラブを経営していた彼だよ。ビデオに出て来ただろ?フランツ・フェルディナンドみたい。低い声で歌っている。ダブル・トラックに合わせている。
E:
パーティの翌日っていう感じの暗い照明ね。
N:
二日酔いしているみたい。
E:
そうね。灰色のロンドン。起きたら灰色の夜明けだった。
N:
まだ風船が見える。クリスの帽子が最高
E:
段ボール箱は見栄えが悪いから、物哀しい感じがする。
C:
新しい箱なんじゃ?
E:
新しくてもすぐに汚れて安っぽく見えるの。
C:
箱は今、倉庫に?
E:
コンテナの中かも。出番待ちよ。箱だと会場に合わせてサイズを調整できる。小さい会場は、セットを組むのが大変なの。どこでも同じようなライヴをやれた。
N:
そうだね。ハンブルグの会場は天井が低くて、一番苦労した。不可能に近かった。
E:
箱の数を減らしたわね。
N:
ライヴをやるに当たって、最初に考えたことは、各地の会場の大きさだった。ミルウォーキーでは小さな劇場、O2みたいな大きな会場でもやったし、フェスでもやったから、順応性が必要だった。
E:
フェスの時は、風が不安材料だった。
N:
結局大丈夫だったけど、心配したよ。ラッキーだった。
E:
問題なし?
N:
ファンダメンタル・ツアーでは強風が吹いた。
E:
素敵なレインコートね。
N:
ニコル・ファーリだ。ジェフリーがチャリティーの店で買ったんだ。
E:
オックスファムでしょ。
N:50
ポンドで。
E:
かっこいいわ。
N:
帽子と合っている。この日は「マイ・ガール」を歌った。このDVDのためのボーナス・トラックだ。ライヴもそろそろ終わり。

22. West End girls  

N:これはシェップ・ペティボーンがリミックスした。
E:
ブリット・アワードの時の振り付けを参考にしている。ジャズ・バンドね。
N:
ジャズ・バンドは最高。
E:
ロボットとブロードウェイのコラボ。リンはミュージカルも手掛けて来たからね。
N:
「クローサー・トゥ・ヘヴン」だね。いいね。
E:
ブロードウェイから興業性を取り去った感じ。リンは今、ブロードウェイの仕事をしているけど。
N:
実はこの時、イヤホンが片方外れている。観客の声が聞けるよ。
E:
メダルかブローチをつければよかったわね。そうすればイヤホンが目立たない。
N:
たまたまだよ。
E:
次はメダルをつけてあげる。
(N:
歌って!)
C:
いや、歌わないよ。…ここが好き。
E:
スーツ姿でジャズ・ハンド。
C:
アスターのスーツ?
E:
そう。パンツが6ポンド。
C:
いいね。
N:
ブリッツでスーツが60着必要だった。マネージャーが駆けずりまわって探した。
E:
同じスーツが大量に必要だったの。
N:
傘のダンス。僕も振り付けされている。あはは。ここで…傘が入らなかった。
C:
次が面白い。
N:
最高だ。見ろよ!素晴らしい!
C:
ここもいい。
E:
この日、帽子を作った人が観に来ていたの。自分の帽子を見て、喜んでいたわ。
N:
ライヴをやった3週間後に、この映像を見ている。編集もミキシングも、素晴らしい出来だ。短期間だったのに。
E:
マネージャーは、帽子(キューブ?) をかぶるのに反対していた。物語上、最後は開放すべきだって。でも、ペット・ショップ・ボーイズに解放は似合わない。
N:
理論的には彼が正しいけど、見てて面白い。一回りして、振り出しに戻る。
E:
彼らは開放されずに、箱の中で同じ仕事を繰り返し続けけるの。このコンサートで踊れて楽しかったと思うわ。
C:
こういう終わり方だっけ?知ってた?
N:
先週話し合っただろ?
E:
不満?
C:
沈黙で終わらせるとかさ。


 


前号へ
次号へ

index
へ戻る