<%group_var="atelier"%> Pet Shop Boys 5 Songs

PSBセルフ・ゲイ5曲



「ゲイの視点から書いている」とニールが明言する通り、やんわりと、しかし確実にゲイゲイしいのもPSBテイスト。まあ、基本“日本料理における醤油”のように、全ての味付けの基本として入っていることは入っていますから。英国音楽界オープンリー・ゲイの次女(長女はエルトン姐)であるニールはもちろん、自らの性志向を明かにしないクリスですら「曲を聴けばわかるでしょっ、鈍感!」(意訳)と言ったくらいですから、そこはもう、意を汲んであげましょうとも。「セルフ・ゲイ」とは、自分たちをモデルにしているだろうと思えるという意味で。

ちなみにニール自身が選ぶもっともゲイっぽい曲は「Later tonig
ht」。男の子をナンパする曲(実際、ニールたちがデビュー前にスマッシュ・ヒッツの事務所から、下を通るかわいい男の子を見てあーだこーだ言っていたことに発想の発端があるようだ)だけど、歌詞はその気のない人には全くわからないように書かれている。実際、カミング・アウト前の曲の方が、ゲイにしかピンと来ないようなゲイっぽさが隠されているような気がする。



♪「So hard」(91)

シングルでヒットもしたので、比較的知られた歌。でも、内容はお互いに浮気をやめられないゲイ・カップル(実在のモデルがいるらしい)の破局寸前の話。ゲイ雑誌の”交際相手募集欄”で恋人募集したり、同棲しているのに浮気相手を家に入れると言った、末期カップルのゴタゴタが描写されている。
ところで「2人ともタバコは吸わないのに、ベッドサイドにマッチが落ちて・・・」のくだり。ニールとクリスもタバコを吸わないんだよね、しかも、タバコ嫌いのクリスが、知り合って初期の頃、ニールに喫煙をやめることを迫ったらしい・・・彼氏でもないのに?これも合わせると、「自分たちの破局のエピじゃ!?」なんて思わせるのは、うまうまの作戦ですかね?だって、女の子って、男の子たちが仲良くするのを見るのがすごく好きなんだよ、腐女子じゃなくても。

*史上最もゲイゲイしいパフォーマンスのひとつだと断言したい、1994年DiscoVeryの男性ストリップ。ニールとクリスはそばに裸の男がいて、よく平気でいられるな〜(楽屋裏でたっぷり見たんだね)。(YouTube)




 
*歌詞(原文/対訳)、ご本人解説、レビューはこちらのページへ。

 




♪「
Young offender」(93)

オヤジが若くてやんちゃな男の子を口説く歌。インテリちっくなエロスが漂います。ゲイは30代になると急にナンパ成功率が低くなるようですが、オヤジゲイまたはこれからオヤジ予備軍ゲイの、老後の理想のお手本のようなアグレッシヴっぷりをニールは実践されておられるようです。歌詞の中の、「読みかけの本を置いてでも君と恋に落ちてみようか?」と誘いをかけるくだり。ワタシはこの”本”というキーワードにすっごくゲイメンのイコンを感じてしまうの。つまり、”本”(多分難しい文学とか哲学書とか)は、ニールっぽいし、ゲイっぽい。だから本来男女デュエットである「
What Have I Done to Deserve This?」でも、「君の本を必死で読んだ」という歌詞が出て来るけど、これもゲイ・カップルに思えてしまうのよ。“Young offender(若き反抗者)“は本を読まない若者で、実際、ニールはクリスにしょっちゅう”読むべき本”を選んであげているらしい。そのほか、モーターバイクやキーボードという単語が、クリスを想像させるのよね。だからこれもクリスをちょっとモデルにしていると思うなぁ。あ、でもクリス自身は” Young offender “という響きが「たまらんセクシー」って言っているけど・・・。

*1999年Nig
htlifeツアーより。男の子がウェントワース・ミラーにちょい似。ゲイにモテる訳だね。
 (YouTube)





*歌詞(原文/対訳)、ご本人解説、レビューはこちらのページへ





♪「lt must be obvious」(
91)

「僕たちがゲイの恋人同士だって、バレバレみたいッス!」という、ある意味PSBセルフ・ソングか?と疑いたくなる1曲。「We are t
he Pet Shop Boys」(2003年)もたいがいにせぇよ、な2人がラブラブだったとバラすような歌だったけど(でも作ったのはある意味それを望むファンで、PSBは面白いから採用しちゃった・・・で、ライブのオープニングで手を握って見つめあってこの曲で始まる・・・これは完全にギャグだよ)、まだこれが発表された時は「PSBってゲイ臭いよね」って言われている真っ最中だった。勇気あるよな。まあ、わかるようなそのままな歌詞は出てこないけど、推測することは簡単だよね。そう、想像や妄想が、全てを明らかにしないPSBに残されたお遊び。全て明らかになったら面白くない。そうやって、”2人が付き合ってた“説は市伝説と化するのです。ちなみにご本人たちは”元彼同士デュオ説“は断固否定するスタンスを貫いております。

*美しい曲です。 (YouTube)





*歌詞(原文/対訳)、ご本人解説、レビューはこちらのページへ





♪「Can you forgive her?」(93)

体裁としては歌い手であるニールが、ゲイであることを隠して女性と付き合おうとする男をたしなめる歌。でも、これって明らかに、昔の自分へのツッコミだと思う。同じようなテーマは「The ghost of myself」でも扱っている。これを思えば、セクシャリティは選べるものじゃないってわかる。ニールは、選べるのならノンケになりたかったんだと思う。だから頑張って女性と付き合ったんだと思う。マジョリティの方がずっと恋愛がラクだし。ニールがゲイとして堂々として生きている反面、30%くらいは自分が嫌いで自信を失っているように思えるの。ニールがふっ切れたと思われるのは、音楽を目指した時=クリスに出会った時。2人が出会っていなかったら、PSBが存在しないのはもちろん、ニールはマイホーム・パパを演じながら心の中で違和感を抱き続ける隠れゲイリーマンだったと思うよ。ありがとう、運命。そういう意味では、クリスはニールに「あんたは間違いなくゲイ」と、引導をつきつけた、ニール史における最重要人物なんだよ、多分。

*PVはドギモでした。だって全身タイツ(タイツじゃないか・・・)だもん!クールな兄貴たちがコスプレするとは思わなかった!!
(YouTube)




*歌詞(原文/対訳)、ご本人解説、レビューはこちらのページへ




♪「
The truck driver and his mate」(’96)

どんなタイプに魅かれるかは人それぞれですが、世間一般のゲイのベタな方の趣味趣向のが、マッチョなトラックの運ちゃんタイプ。果たしてニールとクリスが“とりあえずカラダ”派なのかどうかはわかりませんが、トラックの運ちゃんとその助手という麗しいパートナーシップっぷりにグッと来ちゃったのは確かなようです。しかし、ここまであからさまに、車の中でダンス(もちろんセックスのメタファー)する情景を美しく描いて、俳句を読むように歌っても、よろしいのでしょうか。よろしいのです。シングルではないのですが、デモ盤の幻のジャケは2本のおティンティンの写真でした・・・日本じゃ発禁処分行き。
セルフ、と感じるのはもう一つ、わざわざ歌詞にニールの出身地である“ニューカッスル”を入れていること。ニューカッスルは炭鉱で栄えた町なので、精神的にも肉体的にもマッチョが多勢生息する場所。そんな中で乙女っぽい男は生きにくいんですが、ニールもそういう男たちのいる環境の中で育ったんです。たぶんマッチョたちは心のトラウマ/お宝映像となっていることでしょう。

*1996年のSomew
hereライブ。観客と近くていいなぁ。 (YouTube)



*歌詞(原文/対訳)、ご本人解説、レビューはこちらのページへ

 



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