<%group_var="atelier"%> Pet Shop Boys 5 Songs

PSBおネエな5曲



「オネエ」は「ゲイ」とも「乙女」とも違ますから。つまりはキャムプの配合が多いのです。実際この“キャムプ”という単語も曖昧で分かりにくい。なんだろうなあ、「ゲイゲイしい」「クラシカル/ババァ」「端っこ」「ゴージャス」「ベタ」「クドい/しつこい/死なない」・・・ワタシの語学力では表現し切れないけど、映画「プリシラ」(’94)の世界ですよ、つまり。ちなみにアウト・ドアの“キャンプ”と綴りは同じですが、分けるために“キャムプ”と表示されることが多いようです。
ニールとクリスご本人たち個人にキャムプな要素はほとんど見られないにもかかわらず、2人が揃ったPSBとしてはキャムプな要素が化学反応でしばしば生成されるようです。以下の歌は、明らかに“ニール姐さん”がオネエ言葉で歌っています。まあ、基本”ババァ”です。



♪「Electricity」(96)

「プリシラ」やはるな愛の“エアあやや”を引用するまでもなく、クチパク・ショーは、ドラアグ・クィーンにとっての得意技。そんなドサ周りのクチパク・ドラアグ・クィーンの一人称で語られるこの歌が、オネエ言葉でないはずがない、一人称は”アタシ”に決まっている(アルバムの日本版のライナー訳では「僕」って、しっかり男っぽいけど)。どっちにしろ、世界で一番女らしい職業(趣味もありか)は間違いなくドラアグ・クィーン。これ以上女らしい種族はありません、戸籍が男だ女だなんて関係なし、自分のことは自分で決めりゃいいんですよ。
70年代のゲイ・ディスコ
Disco Tex and Sex-O-Lettesを引用しているから、どう見てもババアなんですけどね。あ、ごめんなさい、ニールのことババァ扱いしちゃって・・・ワタシもババァだから。

*映像は「DiscoVery」と「Nig
htlife」のライブのマッシュ。 (YouTube)



 
*歌詞(原文/対訳)、ご本人解説、レビューはこちらのページへ

 




♪「
Friendly fire」(02)

ミュージカル「Closer to
heaven」の曲。ニール・バージョンは「I get along」のB面(ボートラ)に収録。ミュージカルでは狂言回し役で、ビリー・トリックスという落ちぶれたババァのロック・スターが出て来て、これは彼女の持ち歌。キャムプな彼女はどう見てもドラアグ・クィーンの役割。だからこの歌も、極力キャムプにドラアグ・クィーンっぽく歌って欲しい。ドラアグ・クィーンって悲劇のヒロイン的独白が好きっぽいしね。


*ニール・バージョン。だれかのお手製。 (YouTube)





*歌詞(原文/対訳)、ご本人解説、レビューはこちらのページへ





♪「Numb」(
06)

PSBが22年のキャリアにして、初めて他人に書き下ろしてもらった、いまのところ唯一の曲。書いたのはラブ・ソングの大御所(ババァ)、ダイアン・ウォーレン。嘆いて嘆いて嘆きまくるこの曲、出来た経緯は、ダイアン自身の母親が亡くなった経験に基づいているらしいけど、やたら嘆くのも、キャムプだなぁ。ドラマチックに、悲劇的に。大袈裟と言われても、アタシ、かまわないの!そして、いまはこんなに嘆きの天使だけど、そのうち泣き疲れたら、立ち直るしかなくなるの。そしたらさらに強くなるのよ、オホホホホ。こうやってババァは怖いものがなくなって行くの。

*2006年のツアーより。シングルのPVもライブでの演出もロシアっぽい。。(YouTube)





*歌詞(原文/対訳)、ご本人解説、レビューはこちらのページへ





♪「In private」(06)

元々はPSBが1991年にダスティ・スプリングフィールドに書いた曲だが、それから15年後、ニールとエルトン・ジョンのゲイ・デュエットとして「Fundamentarism」に収録。歌の内容は、妻アリの男と不倫恋愛する女性が主人公だけど、この場合Try it (Im love with a married man)」の続きみたいなもんだろう。いや、ニールとエルトンじゃそれも違うか。だって、ニールとエルトンは両方とも乙女系だもんなぁ(2人の恋愛は考えられないよ)。
ともかく、ニールが妻アリのエルトンを「それじゃイヤッ」って責めています。面白いよな〜〜ライブでやって欲しいな。

*ビデオは「ブロークバック・マウンテン」の名シーンを合わせています。状況にぴったりですね。貼れないので、リンクです。
(YouTube)

http://jp.youtube.com/watch?v=TWFnFUF7PlM


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♪「To speak is a sin」(
93)

PSBの事実上のカミング・アウト・アルバムと言われている「VERY」収録。この曲については、はっきりとゲイバーの歌、と言及されているが、男っぽいゲイバーというより、オネエ系を髣髴とさせるものがある。それはなぜかと考えると、ニールによれば、こんなアナクロなゲイバーなんてもう存在しない、と言わしめたからかも。つまり、古い。つまり、キャムプ。滅び行く美、思いを馳せるノスタルジー。う〜ん、イギリスなのに場末の昭和の香りがするわ〜。店主はマスターじゃなくてママ(見た目は男性)でしょ。キャムプとは、廃れつつある人類遺産にも向けられるものなのです。


*残念ながら音源がございません。

*歌詞(原文/対訳)、ご本人解説、レビューはこちらのページへ

 



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