BEHAVIOUR2-2

Miserablism



クリス:ニールはこの曲で、全く新しい哲学を作り上げたんだ
 (一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください



僕には思える
そこで何かがシリアスに始まっていると
新しいアプローチは
人生の意味を見つける
幸福を否定するのは
選択肢として可能だ
失望は
夜通して姿を消す
愛は不可能な夢だと
言う
事実に直面して
それがいつものこと
リラックスして
君が見たものは君が見たもの
君が発見したのは
新しい哲学

君が得たもの
君が得るもの

悲観主義
存在は存在、不在は不在
悲観主義
存在は存在、不在は不在

その間に君の人生は
ドラマに脚色される
リアリズムとともに
もっとも薄っぺらなセットの上で
全てのパフォーマンスは
同じ結論に達する傾向がある
ハッピーエンドじゃなくて
失望させられるメッセージ
人生を語るのは
不可能な計画
それがこの哲学の
ポイント

悲観主義
存在は存在、不在は不在
悲観主義
存在は存在、不在は不在
でももし“存在”が不在で
“不在”が存在なら
確かじゃないけど
エクスタシーを発見するかも

ああ、違う

まさにそのために
君は常に眉をしかめているに違いない
(
不安!不安!不安!)
それは世界に示す
持っていることは物質と深さがある
君は人生が
不可能な計画だと知っている
そして愛も
不可能な夢

君が得たもの
君が得るもの

悲観主義
存在は存在、不在は不在
悲観主義
存在は存在、不在は不在
悲観的


Written by Neil Tennant/Chris Lowe

Produced by Pet Shop Boys and Harold Faltermeyer

 


クリス:これ、実在する言葉?最初の問題だね。

ニール:そのひとつになった、と記憶している。使われているのを見たことがある。1990年の初め、シューゲイザー時代にこれを書いたと思う。モリッシーがソロ・アーチストとして成功しているとき、モリッシーの視点で書かれた別の曲・・・エレクトロニックの最初のシングル「Getting away with it」・・・詩はほとんど僕が書いたんだけど・・・のような曲のようなものだ。「Getting away with it」は、モリッシーの惨めになった姿と残った全てを見ていた。彼は長年うまくやっているといっている。ユーモラスってことだ。「Miserablism」は風刺だ。「How can you expect to be taken seriouslyにも似ている。いつも悲惨に見えるシューゲイザーについて僕を悩ましたのは、人々がそのような誰かが実際にシリアスであると考えるということだ。それはポップ・ミュージックの中で際限なくぼくを悩ますんだ。シリアスなスタイルをもっている誰かをいつもシリアスであると受け入れる。遊び好きの人はだれに真剣に受け止められない。実際に遊び好きである人が、実際の存在より“シリアスな“状態でいるのは難しいし、同時に、結局はもっとシリアスである場合もあるけど。この歌の歌詞は、誰かが僕に言った事からインスパイアされた。その人の父親が死に瀕した時、どう?と尋ねたら、彼は「is is, isnt isnt(あるものはある、ないものはない)」と言ったそうだ。これはすごい引用だと思う。悲観主義者の世界の見方だ。そこにロマンスはない・・・存在するものだけが本当に存在する。

クリス:ほんの2〜3年前、クリントンが引用したね。「それは”存在“の定義が何であるかによる」。 ニール・テナントの歌詞のそのままの参照だ。

ニール:とにかく、いつもの僕らのように、半ばくらいで本当の感情がわかる。ちょっと尊大に聞こえるかも。「もし“存在”が不在で/“不在”が存在なら/確かじゃないけど/エクスタシーを発見するかも」と言う。僕らはアルバムのためにドイツでレコーディングした。ちょっとジョルジオ・モルダー風に聞こえる僕らがこれをやっていたとき、ハロルド・ファルターメイヤーはそれはシングルにすべき、と思った。かなり最後までアルバムの中にあったんだ。このリイシューをしながら、僕らは全部の「Behaviour」のハーフ・インチ・ミックスを大きなひとつのリールに見つけた。それで、ここで「Miserablism」がカットアウトしたのを聞くことが出来る。僕らはそれがちょっとおちゃらけていたと決め付けていた。要らないと言ったのはほとんどクリスだ。僕はすごくいい歌だと思う。

クリス:わかったよ。

 (以上、2001年ブックレットより)


イメージビデオ(アンオフィシャル)(You Tube)


 

★用語・人物メモ★

シューゲイザー・・・音楽のジャンルのひとつ。歪ませたギター音&甘メロが特徴。1980年代後半から1990年くらいまでの短い間にイギリスで流行。コクトー・ツインズ、ジーザス&メリーチェインなど。日本では、フリッパーズギターがこれに入る。現在、見直される傾向にある。

モリッシー(1959-)・・・本名
スティーヴン・パトリック・モリッシー。マンチェスター出身。元スミスの作詞&ヴォーカリスト。独特のヴォーカルスタイルは、現在でもソロシンガーとしてカリスマ的人気がある。モリッシーとジョニー・マーのバンド内での蜜月と確執・決別は、スミスを物語る上で重要な因子。スミス時代から、歌詞や発言からゲイであると思われるが、本人は未だ公に認めていない。ベジタリアン(エルトン・ジョンの結婚披露宴で子羊のローストがメイン料理だったことに怒っていた)。ネコ好き。

エレクトロニック・・・元スミスのジョニー・マーとニューオーダーのバーナード・サムナーが作ったユニット。ニールはあくまでも“お手伝い”だったけど、詩は書く、PVも出る、「Disappointed」のリードボーカルもやる、と、ほとんどメンバーだった。ニールも出演している「Getting away with it」のビデオはこちら。

ビル・クリントン(1946-)・・・第42代アメリカ大統領。任期は1993-2001年。民主党。アメリカの好景気に貢献したと評価されている。在任中に女性スキャンダルあり。




哲学にまで話が及ぶと難しいので、パス・・・ダメ。存在が何かなんて、答えは出ません。サビの部分のメロディーがいいから、アルバムに入れても良かったと思う。「Behaviour」ってアルバムとしてはちょっと短めだから。



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