BEHAVIOUR1-2

This must be the place I waited years to leave



ニール:昔からよく、学生に戻る夢を見てしまうんだ
 (一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください



みんな
みんな
みんな
気をつけの姿勢をとれ・・・


毎朝のサンブレストの後
恩恵を感じろ、暗算を忘れるな
僕は祈祷の時間に間に合うように
職員室で待っていた

ほとんど妄想ともいえる規則に従う生活
僕らが恋に落ちれば混乱が起こる
ここは僕がずっと離れたいと思っていた場所に違いない

誰も僕らの声は聞こえていない
僕たちはタッチラインの傍らで雨の中震えていた
そして、駅までのバスに乗る
“主よ、馬車が待っている!”

ほとんど妄想ともいえる規則に従う生活
僕らが恋に落ちれば混乱が起こる
ここは僕がずっと離れたいと思っていた場所に違いない
ここは僕がずっと離れたいと思っていた場所に違いない
いつまで?どれだけ?
僕は、もう決して聞かないと思った言葉を聴いている
床に膝まずいて、聖人たちと
普通の人たちが祈る
何が悪かったのか?
恐れと絶望感
僕は居たくない

制服を着て
試験に臨む夢を見てしまった
誰かがミスをしたら
“降参しろ”と怒鳴られた過去

ほとんど妄想ともいえる規則に従う生活
僕らが恋に落ちれば混乱が起こる
ここは僕がずっと離れたいと思っていた場所に違いない
ここは僕がずっと離れたいと思っていた場所に違いない
いつまで?どれだけ?


Written by Neil Tennant/Chris Lowe


Produced by Pet Shop Boys and Harold Faltermeyer


ニール: これはもともと1986年に、ワンズワースのスタジオで書かれたものだ。当時、僕らはジェームズ・ボンドの映画(リビング・デイライツ)用のテーマソングを依頼されるかもしれないことをほのめかされていた。だから、僕たちは音楽の習作として、ジェームズ・ボンドのテーマを書くことを決定のように判断していた。ギターで始まるのはそんな訳で、僕はストラトキャスターのサンプルを演奏している。最後は、僕のトレードマークでもあるピッチ・ベンドだ。僕は“ビーン”という音が好きだ。僕はいつでもこの弦音が好きだった。子供の頃、僕らは子供用マチネ(昼興行)にゴスフォースのロイヤルティ・シネマへ出かけた。そこはいつもザ・シャドウズの「Wonderful Land」を上映していて、この曲でいつも僕の目は涙で滲んだんだ。僕はいつも弦音のギターが好きだったね。僕らはジェームズ・ボンドのスタッフから何も聞くことはなかった。結局テーマはa-haがやった。

クリス:でも、「This must be the place I waited years to leave」は映画的だ。


ニール: 歌詞は、僕が6学年の試験のために学校に戻った夢についてなんだ。「どうやって僕は学校に戻ったんだ?」と思った。それから、うまくやって行くように命じられるんだ。歌詞を書いてからは、2度とこの夢を見なくなったけどね。タイトルは時間通りの演奏だ・・・最初のパートは現在時制。2番目のパートは過去時制だ。エッシャーのドローイングの1つの言語バージョンに少し似ている。どうやっても居るところから抜けられないで、ぐるぐる回ってしまう、あれだ。どこにいるのか不思議で、出るのを待てない場所にいることがわかる。でも、僕は学校から去ることを何年も待った。僕はマジで憎んでいたね。僕らは水曜の午後にどのようにしてべネディクション(聖体降福式)をやっていたか引用している。それはカトリックの奉仕なんだ。聖人の名前の連祷はほんの一部だ。それから、どんなにかサッカーをやるのがキライだったか。大きいものの一部にはなりたくなかった。僕は学校が嫌いだったと言っている。それで、僕の学校、セント・カスバートにリベンジをされた。「its a sin」が世に出たとき、ニューカッスル・イブニング・クロニクルで僕を罵倒した。僕が学校をどう中傷したか1面記事が出た。僕が如何に有害かという、学校の教師の匿名の引用文があった。ジョニー・マーは、サーム・ウエストに来て、ギターを演奏した。彼の演奏は素晴らしく、フィードバックを後ろにコントロールした。彼はこれを最後にやったんだ。もっとたくさんあればよかったと思う。クリスの「Everybody E-E-Everybody」って声が入っているよ。
 
クリス:リズムは「Jack Your Body」からとった。「Everybody jump to attention」とも言っている。

ニール:最後のほうに、1936年のモスクワの裁判からの引用がある。原告ヴィシンスキーが「彼らは犬のように撃たれるだろう」というサンプルだ。僕らはスタジオで、ロシアのドキュメンタリーをやっていて、そこから取った。この歌は、共産主義の終わりごろに似ているからだ。学校は奇妙な儀式のある小さな権威主義の場所だ。僕は、共産国にいたのを夢見るのは、学校時代に戻るのと同じくらい奇妙であると想像する。ベルリンの壁の崩壊後すぐにアルバムは作られた。中間の終わり、ギター・ソロの後、324秒に聖歌隊が「レーニン」を歌うのを聞くことができる。それはショスタコヴィッチの交響曲第2番からだ。

 (以上、2001年ブックレットより)


 

ライブ(パフォーマンス1991年)(You Tube)


 

 

★用語・人物メモ★

ワンズワース(Wandsworth)・・・ロンドンの南西。バタシーの近く。

ジェームズ・ボンドの映画・リビング・デイライツ・・・1987年公開。007シリーズ15作目で、ボンド役はティモシー・ダルトン。

Stratocaster・・・フェンダー・ストラトキャスター。エレクトリック・ギターの種類。ジミー・ヘンドリクス、ジェフ・ベック、エリック・クラプトンなどが愛用。

ピッチ・ベンド・・・シンセサイザーで、音を滑らかに変化させること。

ゴスフォース・・
Gosforthは北イングランドの市ニューカッスルにあるエリア。ちなみにニューカッスルにはサッカーチーム「ニューカッスル・ユナイテッド」があって、サッカーが熱狂的に盛ん。また、もともと炭鉱だ栄えた町ゆえに、男らしさを求められる町、ゆえにゲイは生きにくいかも。

ザ・シャドウズ・・・1958年結成のイギリスのロックグループ。ワンダフル・ランドは1962年の代表的なヒット曲。

a-ha
・・・ノルウェー出身、イギリスで活動するモートン、ポール、マグネの3人組。1982年結成。80年代にはアイドル的人気があったが、楽曲はクリエイティブかつモートンのファルセットが素晴らしい。デビュー曲で代表曲「Take on me」はMTV時代の記念的名作である。現在でも同じメンバーで活動中。

エッシャー(1898-1972)・・・オランダの画家・版画家。騙し絵の大家。

セント・カスバート・・・St. Cuthberts Roman Catholic high school 。ニューカッスルのニールの母校。カトリックの男子高校。非常に厳しい学校のようだ。4年先輩にスティングがいる。住所は Gretna RoadNewcastle upon TyneTyne and WearNE15 7PXEngland

Jack Your Body・・・Steve "Silk" Hurley 1987年のヒット曲。ビデオはこちら。

アンドレイ・ヴィシンスキー(1983-1954)・・・Andrey vyshinskyはロシアの法律家。

ショスタコヴィッチ(1906-1975)・・・Dmitri Shostakovich、ロシアの音楽家。交響曲の大家。ニールが最も愛するクラシック音楽家の一人。交響曲第2番は、「
十月革命に捧げる」ロ長調作品14Symphony No. 2 in B majorOpus 14; subtitled To October)。レーニンにささげられている。




 うう、男ばかりのパラダイスvs厳格なカトリック、の世界に放り込まれたゲイ男子はいったいどうすりゃいいの。よく堪えたなあ、ニール。たまに厳しすぎるカトリック教育は反対のモラルの人を生み出しますよね。アメリカではカトリック神父による少年への政敵逆ていが問題にもなったし・・・。でもこんなカタチで積年のトラウマを克服したんですね。とあるインタビューによると、高校時代のニールは「soft(オンナっぽい)」と言われてちょっぴりいじめられっ子だったらしい。ひ弱でメガネで、鬱屈した青春を送ったんだろうと思います。ニューカッスルは男らしい地域だし・・・。でも今は蝶のように輝いていますよ!

 この曲は1991年のツアー「Performance」で演奏されたとき、2人とダンサーたちは男子寄宿生という設定で、半ズボンやパジャマ着ていました。それにしても、歌詞にあるように、ニールはこのとき同級生に恋をしていたんでしょうかねえ(聞いたことがないけど・・・)



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