BILINGUAL*1-4


Electricity


ニール:ドラッグクィーンについての歌
 (一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください



アタシはアーチストよ、ハニー、時々あたしを見かけるでしょ
音楽と韻で、クレイジーな光景を作り上げる
バランスの取れたコスチュームチェンジのパフォーマンス
2
人の男の子とフォーメーションでダンス
オープンリールで彼らをナンパしたの
アタシはアーチストよ、ハニー、
どんな気分かお分かり?

最高の演出の素晴らしいショウ
ディスコ・テックス・アンド・セクソ・レッツ以来よ
それは、驚くべき奇跡になる
電気を起こす雷みたいに

ディスコ・テックス・アンド・セクソ・レッツ
ディスコ・テックス・アンド・セクソ・レッツ

パフォーマンスとでも、アートとでも呼んで
テープが回らなかったら一大事よ
アタシは口パクに人生かけているの
アタシはアーチストよ、ハニー、
ドリンクおごってくれる?

最高の演出の素晴らしいショウ
ディスコ・テックス・アンド・セクソ・レッツ以来よ
それは、驚くべき奇跡になる
電気を起こす雷みたいに

ディスコ・テックス・アンド・セクソ・レッツ
ディスコ・テックス・アンド・セクソ・レッツ


Written by Neil Tennant/Chris Lowe

Produced by Pet Shop Boys

 


ニール:僕らは多かれ少なかれアルバムを終えて、19963月、ボブ・クラウスラーとサーム・ウエストにいた。それで2日間、このトラックをやった。僕らがなんらか仕事したうちのひとつで、クリスは退屈したからって、新しいトラックをやりたがった。始まりの会話はスタジオの中のテレビにあった。

クリス:僕らはちょうどその時テレビでやってたものにざっと目を通した。もし全部のテレビチャンネルを見ていたら、いつもいいサンプルをもらえていたろうね。

ニール:そこにはいつも深遠に思えるような素晴らしい歌詞がある。僕のノートには、
パワーになる歌詞と「エレクトリシティ」の歌についてのアイデアがある。

クリス:もうひとつのラップだ。

ニール:アルバムはほとんどラップだよ。

クリス:マドンナのやった「Erotica」や「Justify my love」みたい。

ニール: “最大限の最高のショウ/Disco Tex and Sex-O-Lettes以来の”、 この歌詞が好きだ。70年代、僕はいつもDisco Tex and Sex-O-Lettes・・・不運にもその名前は「BILLINGUAL」のブックレットではスペルを間違えられているけど、ここでは正しいよ・・・彼らのレコード「Get Dancing」が好きだった。Disco Texが「私のシフォンはびしょびしょ。びしょびしょよ」と言いながら終わる。この歌詞はドラーグ・クィーンのモノローグだ。彼女は、彼女の2人のダンサーとテープレコーダーに合わせて口パクするショーの後、バーで少年に話しかけている。「アタシのオープンリールでナンパしたの/アタシはアーチストよ、ハニー---どんな気分かお分かり?」。彼女はアメリカのゲイクラブを回るツアーの最中だ。彼女はアーチストだと思う。何でこれを書いたかはわからないけど。

クリス:すごく雰囲気がある。

ニール:オルガンの音がとても薄っぺらい。ペット・ショップ・ボーイズにしてはファンキーだ。

クリス:そう。どうやってやったかわからない。

ニール:僕らのルールをぶち壊そうと決めた。

クリス:オーイエー。僕らはいつもするようなことを認めなかったんだ。それで、それをスローの出だしで始めたんだ。

ニール:1分間に96ビートだったと思う。

クリス:でもいつもは120以上行くだろ。それから、いつも使ったことのないような音を使うようにした。君がやることについてまさに考えなければならなかったけど、その後は、それをやらない。

ニール:僕らはちょっとの間、興味を失ってた。でも、そんな感じでそれをはじめたんだ。

クリス:ストリング・パッドが許せなかったけど、他の方法で入れることにした。2枚組みのレコード「California Love」にちょっと影響を受けた。

ニール:「・・・electricity」の歌詞はデビッド・ボウイに似ている。僕の声はこのトラックではとても太く聞こえる。ひどい風邪を引いていて、別の方法で歌ったから。

 (以上、2001年ブックレットより)


★用語・人物メモ★

Erotica」・・・1992年のマドンナの曲。同タイトルのアルバムからのカット。過激な性描写が話題に。ビデオはこちら。

Justify my love」・・・1990年のマドンナのシングル曲。ビデオはこちら。

Disco Tex and Sex-O-Lettes
・・・70年代に活躍した、ゲイ・カルチャー・ダンス・グループ。「Get Dancing」は1975年のヒット。ビデオはこちら。

デビッド・ボウイ(1947-)・・・伝説的ミュージシャン。グラムロックで出現し、グラムロックを終わらせた人。ハマースミス・オデオン(現ハマースミス・アポロ)のコンサートでジギー・スターダストに別れを告げた。バイセクシャルを公言するも、後に撤回。現在は2度目の結婚をしている。
ニールもクリスも、デビュー前に彼に憧れていた。1996年に念願かなってボウイの「Hallo spaceboy」に参加、PVにも出演した。2人が始めてロンドン・キングスロードの電気パーツ店で出会った時、音楽の趣味が同じで意気投合したと言うのも、もしかしてボウイの話をしたのかもしれない。ということは、2人の縁結びの神様かもしれない。還暦を迎えた今でも、現在でも信じられないくらいキレイだが、最近は作品があまりないのが辛いかも・・・。

California Love」・・・1995
Tupac Shakur featuring Dr. Dre and Roger Troutman.によるラップ・ソング。ビデオはこちら。



 
もうそのままゲイクラブへのオマージュ・ソング。本当にクラブとかでかかっていそう。サンフランシスコの口パクシンガーのドラーグ・クィーンを主人公にしていると言う(だからリーフレット対訳を“アタシにした)。すごくキャンプな内容なのに、曲やニールのラップスタイルの歌い方がクールで、そのへんのアンバランスさがPSBらしくていい。ちょっと複雑な構成で、グルーヴ感を堪能できる仕上がり。70`sディスコ・グループDisco-Tex and the Sexolettesへのオマージュ。
ちなみに、ニールも言っているように、ドラーグ・クィーンは”She彼女“である。いくらガタイがでかいからと言って、オトコ扱いはしてはいけない、決して。



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