BILINGUAL*1-3


Metamorphosis


ニール:アオムシは美しい蝶々になりました
 (一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください




説明させてくれ
僕は人が変われることの生き証人
何を望んでいたか知っていたし
どうやって手に入れるかも知っていた
それは僕を幸せにはしてくれなかった
それで、もう一度やってみた
僕が望んでいたのは
家族思いの男になること
でも自然は僕に
違うプランを用意していた
僕は運もなく
感情を押し込めて
本能のままに
言われるがままやってみた

知りたいよ
教えてくれ

でも、それからというもの
夜になるとよく
特別の感覚が
僕自身に問いかけ
否定して
尋ね続けた:なぜなんだ?

なぜ?なぜ?なぜ?
教えてくれ

君は成長して体験をする
完全なる変身
変わることの総て
メタモルフォーゼだ

時間が経ち
僕は変わった
僕の態度が原因だ
ちょっとおかしかったから
通りの人は
僕の目を引いた
僕は考え始めていた
僕は彼らのような男に違いない
思春期の衝動の
長期的な抑制退却中で
僕はもうガケっぷち
恋に落ちて
楽しみたい
もう時間がない
何かしなきゃ

知りたいよ
教えてくれ

僕はどこにいる?
ふんぞりかえって
みんなと踊っていた
ダンスフロアの上で
音楽とタバコ
どういう意味?
誰かが言った
僕は夢の中に入って
僕が欲しかった
ものを手に入れた
狂おしい愛
何もない
これで十分だ
質問には答えた
当惑していた
特別なもの
大問題のs.e.x

知りたいよ
教えてくれ
理由を教えてくれ

知りたいよ
教えてくれ

君は成長して体験をする
完全なる変身
それは変貌するとき
メタモルフォーゼだ

夢を見るのは容易い、生きることは難しい
僕は理解した
最も重要なことは
終わらせないこと
絶望を感じたときに
ああそうか、愛は訪れる
角を曲がっていますぐ
永遠じゃないかもしれないけど
でも僕はここにいる
イモムシだった僕
今は蝶々だ
奇妙に見えるけど
追憶のとき
それは変貌するとき
メタモルフォーゼだ

愛に関わること
それは大変貌


Written by Neil Tennant/Chris Lowe

Produced by Paul Roberts and Andy Williams for K-Klass Productions and Pet Shop Boys

 


ニール:「Metamorphosis」は何年もかかっているね。インストゥルメンタルとしてクリスと僕が1989年にこの曲を書いた時、僕らはスコットランドで「Behaviour」のために曲を作っていた。ぼくらはこれを、「パフォーマンス」ツアーの2人のダンサー、マークとトレヴァーにあげて、彼らはこれをラップでやった。これはトレヴァーのタイトルだ。「Metamorphosis」は彼らのバージョンのコーラスで書かれている。「君は成長し、これを経験する/全体の変身を」。これはそのような警察やくだらない者とのもめごとに陥らないことについてのポジティブ・ソングだ。でも、それから彼らは無学のグループになり、それを嫌った。彼らはそれをクールじゃないって思った。僕らはオリジナル・バッキング・トラックをベースに1つのバージョンをやったけど、それは実際にどちらも作品にならなかった。

クリス:スタジオだとすごくいい感じだったけど、家に帰ってみるとバカみたいだったな。

ニール:ゆっくりすぎるよね。いらいらする・・・僕らはオリジナルのテンポから離れられなかった。トレヴァーは2倍のスピードでラップをしたけど、不運にも僕はそれができなかった。僕の家でこっそりやってみたけどね、もうちょっとでトレヴァーのラップになった。でも結局僕にはできないってはっきりした。ジャム&スプーンに僕らと一緒に仕事しないかと聞いたけど、彼らはこの歌が嫌いだった。僕らはKクラスにアプローチして、プロデュースにこぎつけた。彼らはマンチェスターからロンドンにやって来て1週間それに費やした。彼らは本当に全部やり遂げた・・・彼らには自分のプログラマー、キーボード・プレヤー、エンジニアがいた。彼らは1節の音楽を変え、僕はどうにかコーラスを中に入れて仕上げした。シルヴィア・メイソン=ジェームスがコーラスを歌い、クリスが最後のほうのコーラスと最後の1節をほとんどやった。僕はその部分は好きだ。

クリス:僕は自分の部分は好きになれない。僕はひどい声だったから。

ニール:このためにすべての歌詞について考えて、さらに音声を入れるために考えることは非常にむずかしかった。僕のラップはこの場合とても難しい。普通、ラップはアメリカのアクセントで考えるものだから。僕はもしこれが「Metamorphosis」と呼ばれていたなら、歌詞をなんて書こうべきかと考えることができなかったろう。それから僕は最初の2小節を書いた・・・「説明させてくれ/僕は人が変われることの生き証人」・・・それで突然思った。「ああ、これはカミングアウトについての歌になりえる。ゲイになる願望についてじゃない、他はなにもかもがゲイになる。」その状態だ。ほとんど自叙伝的だ。「思春期の衝動の長期抑制」が僕は好きだ。ビートルズの中から引用すると「誰かが喋り、僕は夢の中に」。僕はやや自己顕示であると考えられる音楽の形をしているこれらのことを言うことはよかったと思う。僕が実現させたことがないラップソングに関して、ラップをする人々に対する多くの尊敬を感じた。彼らは法外な量の言葉を食べ尽くすんだ。

クリス:恐らく、これはちょっとアルバムには早く出会いすぎたかも。でも、それはいいよ。

ニール:「Metamorphosis」「Before」「Saturday night forever」「Electricity」はニューヨーク・ダンス・アルバムに隠れているみたいだ。

 (以上、2001年ブックレットより)


★用語・人物メモ★

シルヴィア・メイソン=ジェームス・・・90年代初頭〜現在までのほとんどのPSBのライブ・クルー、サブ・メンバーというほどに一緒に仕事をしている黒人女性シンガー。ソウルフルな女性の声は、ほとんど彼女のものだといっても過言ではない。

ジャム&スプーン・・・ドイツのエレクトリック/ダンス/ハウス・ユニット。PSBのリミックスを手がけている。メンバーのマーク・スプーンは去年39歳で急逝した。



虫が嫌いなワタシでさえ、イモムシが蝶になる様子は感動的である。先日、家の外壁にイモムシがよじ登ってさなぎになり、蝶になるところを見守っていたところ。この歌はイモくさい青年が葛藤の末、美しいゲイに変身する歌。多分ニール自身も味わった「なぜ自分は他人と違うのか」ということについての葛藤。ゲイはなりたくてなるもんじゃない。選ぶものではなく、セクシャリティは生まれつき備わっているもの。だからゲイだけじゃなく、“他人と違う、異端児”みんなに当てはまる。みんな同じ、個性がないと言うことはいかにつまらないことか…。変身できずにいる10代の悩める青春に聞いて欲しい。囁くようなラップでニール先生が“蝶になる素晴らしさ”を教えてくれます。



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