BILINGUAL*2-1


Paninaro95

pani95
 paninaro95

 


原文歌詞はこちらでご確認ください



情熱、愛、セックス、金
暴力、宗教、不誠、死

パニナロ、パニナロ

少女、少年、芸術、楽しみ
少女、少年、芸術、楽しみ

パニナロ、パニナロ

食べ物、車、旅行
食べ物、車、旅行
ニューヨーク、ニューヨーク、ニューヨーク

パニナロ、パニナロ
アルマーニ、アルマーニ、アルマーニ、チンクェ

パニナロ、パニナロ
パニナロ、パニナロ

アルマーニ、アルマーニ、アルマーニ、チンクェ

パニナロ、パニナロ
パニナロ、パニナロ

君がいなくなったから、僕はひとりぼっちだ
僕はハートブレイク、帰りたくない
最期を知っていたんだろう、運が悪かったんだ
君はきっと自分をデスりたい気分だ
僕は君にいて欲しかった、愛し合ってたから
でも、これからどうすりゃいいのかわからない
でも、僕は生きているし、思い出を語る
仕方ない、他に踊ってくれる相手を探しに行くよ

パニナロ、パニナロ
パニナロ、パニナロ


君、君は僕の恋人だった
僕の希望で、夢で、人生だった
僕の情熱、愛、セックス、金
暴力、宗教、不正、そして、死

パニナロ、パニナロ
パニナロ、パニナロ

 

 

Written by Neil Tennant/Chris Lowe

Produced by Pet Shop Boys


ニール: 1986年に発表された「Paninaro」がオリジナルバージョンだ。「Paninaro95」はボーナストラックとBサイド・コレクションの「Alternative」からのシングルとしてリリースされた。Bサイド・コレクションからのシングル・カットなんてチョット妙だったな。「Shameless」をリリースするってことは、すでに「Go west」のシングルのB面として世に出ているわけだし。それで、「Paninaro」の新しいバージョンを作ることになった。クリスがやったんだけど、これは常に人気のあるトラックだった。

クリス: このベースになったのはDiscoVeryツアーのライブバージョンだ。この曲をライヴでやらなきゃならないときは、僕はいつもうんざりしていた。オリジナルをいじって仕上げた。曲ごと、ツアーごとに手直ししなきゃならないときは、いつもうんざりする。それからしばらくして、オリジナルに戻る。「これ、悪くないんじゃない?」ってなる。このバージョンには僕が入れたラップがある。う〜ん、書くのに何週間かかかった。中間は悲しいラップだ。僕が好きな新しいフレンチホーンラインがあって、新しいけど、ちょっと耳障りなベースラインとオモシロいノイズがある。さらに、ツアーで演奏したオリとリアーナの新しいパーカッションを入れた。オリジナルから残したのは、ニールのコーラスボーカルと最初のキーキーするシンセノイズだけだ。ツアーで、僕はバカみたいに踊った。舞台の端から反対側まで行かなきゃならないのが厄介だった。

ニール: 素晴らしい。ピュア・マンチェスターだ。北西から来たクリスは、本当にマンチェスター・ゴールドフィッシュみたいに見える。イアン・ブラウン似だ。みんなそれを持って生まれたんだ。

クリス:僕らの遺伝子に中にある。すごく恥なんだか、恥知らずなんだか。

 (以上、2001年ブックレットより)





ニール: B面だけを集めたアルバムを出したんだけど、EMIがプロモーション用のシングルを欲しがった。でも無理だよ。だって、そもそもB面ばかりのアルバムなんだ。

クリス:そもそもB面ばかりだから、そんな曲が入っているわけがない。

ニール:でも、アイデアはあった。80年代半ばのB面曲に「パニナロ」っていうのがあった。ファンの間でとても人気があったんだ。南米ツアー中にクリスがニューバージョンをプログラミングした。彼がリード・ボーカルを取った曲だから、彼に任せたんだ。で、レコーディングすることにしてB面アルバム用のシングルにした。

クリス: で、この曲はアルバムに入っているんだっけ?

ニール: いや、入っていない。

クリス:入っていないんだ?

ニール:ない。

クリス: なら問題ないね。

ニール: A面曲だからね。B面じゃなく。

クリス: 僕たちって完全主義者だと思わない?でも僕らなりの論理があるんだ。そういう人間なのさ()。あと、この曲ではちょっとラップもやっている。

ニール:ダメダメだね。もう家に帰りたくなるよ。でも実際、とても情熱的で興味深い曲だと思う。すべてはクリスのこだわりなんだ。 すごく暴露的な曲。80年代ミラノの若者文化から来ているんだ。連中はよくサンドイッチ・バーの外にたむろしていたから「パニナロ」って呼ばれていた。パニーニとかいうサンドイッチがあるだろ?

クリス: うん、パニーニね。あるある。

ニール:それが語源。彼らはデュラン・デュランやマドンナを好んで聴いた。イタリアのまともな子供はザ・キュアーとかを聴いたものだ。僕たちは、そんな現象がすごく面白いと思った。やつら、アルマーニとか着ていたしね。

 (
以上、2003POPARTブックレットより)




プロモーションビデオ(YouTube)




ライブ・イン・リオ・1994年(YouTube)




1995年シングルはUKチャート最高15位



クリス:(Yesterday, when I was mad」の悪夢の世界から一転して)ノーマルな世界に戻った。
ニール: (そそり立つサボテンを見て)フフフフ、サボテンは何の意味だろ。あ、エンリコ(ツアーのブラジルのダンサー)だ。(ぐにゃっと曲がったエフェクトの自分を見て)フランシス・ベーコンを思い出すよ。
クリス: あ〜そうだね。
ニール: このダンサーたちとは前年のツアーでも一緒だった。・・・ホモ・エロティックだね。
クリス・ヒース:(アルマーニのスーツが燃えるのを見て)どういう意味?怒りの表現みたいだけど。
クリス: アルマーニが燃えている。
ニール&クリス: デイブ・ウォーカーだ。
ニール: チンクェ・・・(イタリア語で「5」の意味、若者に人気の車、フィアット・チンクェの意味らしい)
クリス・ヒース:悲劇的ラップだ。
クリス: 僕は回想を述べなかったね。
ニール: 相変わらず無口だ。
クリス:DKNYのコートだ。
ニール:ディスカバリーツアーで演奏したバージョンだね。
クリス・ヒース:ツアーとどっちが先?
ニール:ツアー。

 (
以上、2003POPART/DVDコメントより)PV監督・・・Howard Greenhalgh



★用語・人物メモ★

イアン・ブラウン(1963-)・・・マンチェスター生まれ。ストーン・ローゼスを経てソロ。アディダス好き。

マンチェスター・・・イギリスの工業市、優れたミュージシャンを多く輩出していることで有名。でもクリスの出身はブラックプール。遠くはないけど。マンチェスター・ゴールドフィッシュについては不明。

デュラン・デュラン・・・80年代に一世を風靡したUKのイケメングループ。メンバーチェンジのすえ解散、最近またオリジナル3人で再結成。

マドンナ(1958-)・・・アメリカ生まれ。説明の必要もない世界一有名な女性ポップシンガー。

ザ・キュアー・・・ロバート・スミス率いるUKの伝説的バンド。07年、フジロックで23年ぶりに来日した。

フランシス・ベーコン(1909-92)・・・アイルランド出身、ロンドンで活動した具象画家。男根にしか見えないモチーフの絵を描く。LGBT

デイブ・ウォーカー・・・この場面で映るボクサーのことらしい。彼らの友人とのこと。

アルマーニ・・・イタリアのジョルジオ・アルマーニのブランド。メンズはとにかくカッコイイ。ニールのような体型の人に似合う。ニールはよく着ていた。

DKNY(
ダナ・キャラン・ニューヨーク)・・・ダナ・キャランのセカンドブランド、ややカジュアル。

 


 

いつも“クールで寡黙”なクリスがごくたまに感情を爆発させるときがある。この曲がその代表で、どんな言葉よりも雄弁に物語っている。悲しいことに、この時の感情は「恋人の死」だ。
 時として、作品が元々持っている意味を超えて、特別なものになってしまうことがある。この「Paninaro
95)」はPSBワールドにおいて、間違いなく特別で、伝説的な曲のひとつだろう。PSB中最もゲイエロいPVで、クリスが歌っている唯一のシングルゆえ、一般人にとってはPSBっぽさが薄いが、ファンにとってはすごくPSB1曲。またファンにとっては熱狂する曲。
 元曲はさほど深い意味のあるリリックではないが、中盤のラップをクリスが加えたため、意味のあるものに。内容は、94年4月にHIVで亡くなったアシスタントのピーター・アンドレアスの事を歌ったものだと思われる。オリジナルでは現在形だった「You  are my lover」が過去形にされている。クリスとピーターが恋人同士だったことは現在でも公的には認めていないけど、2人が長いこと付き合っていたことが誰にでもわかってしまうように、作品にして発表してしまった。言葉では語らないけど曲にしてしまう。こういうちょいベタなところが、クリスがファンから愛される理由なのかもしれない。 
 



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