BILINGUAL*1-7


「A red letter day」(邦題:「お祝いの日」)

red


ニール:みな、同じものを欲しがっているんだ
(
一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください



仕事に行き、みんなの声に答え
壁に労働の結実を掲げる
なんて丁寧で親切
ここに分かち合える誰かがいないのって
なにか問題でもあるのかい
庭のお花と
ワイン
“ゴドーを待ちながら“
ソー・マッチな現代生活って?

君が欲しいものは僕と同じ
僕はいつもお祝いの日を待ち望んでいる

計算つくされた完璧なスタンスの年月は
クールにフェードアウトする
理解され始まる瞬間が
地球上のある人にとって何の得になる?

君が欲しいものは僕と同じ
僕はいつもお祝いの日を待ち望んでいる
何かスペシャルな
「I LOVE YOU」って言ってくれる新しい誰かを
ベイビー、僕はいつも
その特別な日を待ち望んでいる

冷笑もできる、姿を消すこともできる
セルフコントロールの隠れみのの後ろで
だけど全ての・・・
世間に合わせられない人たち
本能に忠実なだけで
罪深いといわれている人たちのために
違う道が開けますようにと
僕は祈る

君が欲しいものは僕と同じ
僕はいつもお祝いの日を待ち望んでいる
君がこどもの頃のクリスマスの朝と同じ気持ちだよ
そろそろ、僕を愛しているって
ずっとそうだったって、認めておくれ
ベイビー、僕はずっとそう望んでいる
今日がその記念日になることを
今日の日が


Written by Neil Tennant/Chris Lowe


Produced by Pet Shop Boys

 


クリス:僕はこういうスタイルは好きじゃない。この歌が作品を下げている。この歌はレコードよりはいいと思う。ちょっとclippety-cloppity(ピコポコする)

ニール:僕は好きだけど。面白いクオリティだけど、特に、調子外れの聖歌隊が入ってくるところ、僕はそのロシアの聖歌隊の音が好きだった。その時までに僕らがアルバムのために考えたアイデアは、世界的なものだった。ラテン、ニューヨーク・・・その他もろもろ。ほとんどがより広いコンセプトを作った。僕はモスクワのコーラル・アカデミーに行ってロシアの聖歌隊をレコーディングした。指揮者のヴィクター・ポヴォフは40人の中レコーディング・セッションで唯一ヘッドフォンをつけて歌った。僕は髪をかきむしっていた。レコーディング・セッションはステート・ブロードキャスティングで行われた。BBCがそこにいて、一人の子供に、ポップ・ミュージックを歌うことは楽しいか聞いていた。「これは仕事じゃないよ」「ペット・ショップ・ボーイズは知っている?」「知らない」「この歌好き?」「ううん」って。僕は「ああ、どうもありがとう」と言った。ヴィクター・ポヴォフは最後に「仕事は仕事さ」って。

クリス:僕はフランク・ブルーノのボクシングの試合でラス・ヴェガスにいた。

ニール:この歌はベートーベンの「歓喜の歌」で始まる。僕らは「Go West」がパッヘルベルのカノンを刻み付けるようにそれもそうなると思った。僕らがクラシック音楽に影響を受けないわけがない。有名なクラシック音楽のコードチェンジから4/4ビートを取って入れてみて、どう聞こえる?僕らは「歓喜の歌」と他の歌「Delusions of grandeur」は「月光」でそれをやった。単純なポイントでクラシックの一部を使ってみた。これは元々「Cメジャー」というもので、Cメジャーはすごく楽観的だ。僕らはなにか賛歌的なものを書くようにチャレンジした。Cメジャーが入ったところは「all want・・・」で、初日はすごく努力した。2人ともメロディーを書くためにエンドレスで座り続けたよ。

クリス:バスラインがコードの根幹にならないことを、僕らはダニー・テナグリアから学んだ。

ニール:見たところ、バス・プレーヤーの基本的スタート地点だ。誰かが僕に言った。10年前にもう僕らは発見していたと。これはすごく普通じゃないトラックだ。ある種のユーロディスコだけど、本当に不思議なコードだ。下っていくコードチェンジだと思ったら、そうじゃない。僕はいつもRAFユニット・マーチングをイメージする。「A red letter day」で歌詞を書いて、年をとったと思う。アイヴァー・ノヴェロ・アワードで僕たちにプレゼンターをしたときのエルトン・ジョンのスピーチでは、これが彼のお気に入りの歌の一つだということだ。彼はそれにすべてを与えたいと思ったし、シャワーから出て来るときにこのレコードをかけ、考えを変えたと言った。これは僕の好きな歌詞のひとつだ。「
全ての/そうじゃない人のために/本能に忠実なだけで/罪深いといわれている人のために/僕はこう祈る/違う道が開けますように」。元々はもっと、ある種のゲイの権利を明示したけど、結局外した。愛しているって言いたい誰かについて書いた。所有物は無意味、愛がすべて。全世界の誰もが同じ望みを抱いている。人生の中で喜びを得るためみんなが愛を求め、愛されているのと同じ時に安心感を持っていることを求める。成し遂げるのはとても難しい。聖書を引用すると「地上でそれをすることは人に利益を与えますか?」。結局、僕がそれを歌おうとした時、僕たちは、キーが間違っていることを理解した、だから、僕たちは全てのものをやり直した。Cメジャーはやめた。途中、僕たちは、なぜ「red letter days」が祭日といわれるのかを調べた。

クリス:特別の場合に使うのは文字通りに赤い文字だからじゃない?招待か何かのときは赤い文字で受け取るでしょ。

ニール:1989年に僕らが香港にいたとき、「Black sun」という、他の音楽の一部を書いていた。それで、このアルバムを作っているとき「A red letter day」の最初をここに入れた。SheBoomのドラムは恐ろしく思えるようにスロー・ダウンさせた。僕は聖歌隊をそこで歌わせるつもりはなかったけど、モスクワに着いたとき、彼らが仕上げたテープを聴いて、イントロを覚えていたので、これを歌わせることになった。それから「Before」の3人のシンガーと一緒に仕事をしていると気、その中の一人がオペラみたいな歌い方をした。それから、通り過ぎていくソリの鈴の音をいれた。赤の広場をソリが通るイメージをしたんだ。とにかく、イントロを解読して、あまりにも気取っていたから、アルバム・バージョンからそれを取り払った。エンディングには、ソリのベルの音は聞こえるよ。後年、僕らは、ジーナGの素晴らしいシングル「Ooh Aah Just A Little Bit」をやったMotiv8との仕事が決まり、彼らは「A red letter day」シングルの再仕事をした。彼らはバスラインと続くコーラスを作り、最後のところにいいシークエンスを入れた。

クリス:僕らは今までで最悪のビデオを作った。
 
ニール:僕らがリリースしたシングルバージョンはイントロが短くて、すべてのバージョンのマスターテープはいつも持っていたので、「A red letter day」のB面に入れた。「モスクワ・ミックス」というフル・アルバム・バージョンをリリースした。でも、他のバージョン(エクスペンデッド・シングル・バージョン)はオープニングの長いイントロも完全なMotiv8ミックスだ。以前はリリースされていなかったものだ。

 (以上、2001年ブックレットより)


 


ニール:ロシアという国にはずっとこだわりを持っていた。ロシアの聖歌や、ラフマニノフの「晩祷(vespers)」とか、そういうのが好きなんだ。これはロシア的民俗聖歌とも言うべきサウンド。何でこの曲をやることにしたのかもう思い出すこともできないけど、そのときはいいアイデアだと思ったんだろうね。多分。僕たちはモスクワに出向いた。イギリス在住のロシア人にアレンジを依頼して、モスクワに飛んでレコーディングしたんだ。男声聖歌隊を入れてね。素晴らしいサウンドに仕上がった。実際、レコーディングの時点でも素晴らしい音だったんだけどね。跡で聖歌隊の人に話を聞いたら「単なるポップ・ミュージック」だって。いや、もっとひどかったな。「ただの仕事」だっけな。心で答えたよ。「とにかくありがとう」って()。そんなもんさ。「ただの仕事」。とにかく、やっているときはすごくエキサイティングだったよ。楽しかった。でも残念ながらイギリスに持って帰って来たら、なんか違うと感じたんだ。だから・・・。

クリス: だから上出来、とは言えないんだろ?

ニール: モスクワ・コーラス・アカデミー聖歌隊の合唱部分はたくさん手を入れなきゃならなかった。合唱のサンプリングも使った。でも、この曲は大好きだよ。これもまた、憧れとか、待ち焦がれる想い、愛されてこその人生、と言ったことをペット・ショップ・ボーイズなりに表現した曲だ。大好きな詩があるんだ。「
全ての/そうじゃない人のために/本能に忠実なだけで/罪深いといわれている人のために/僕はこう祈る/違う道が開けますように」。すごく好きな詞だ。

 (以上、2003年「POPART」ブックレットより)


 

プロモーションビデオ(YouTube)




97年ライブ(YouTube)





ヒゲの修道男ダンサーズがいっぱい出てきてPSBらしい。

199
7年シングルはUKチャート最高9位


ニール: 僕らが出演したCMみたいだ。アビー銀行のね。まるで広告代理店が制作したようだ。
クリス: つまらないよ。
ニール:でもこれは僕らの企画だよ。
クリス・ヒース: 彼らは並んでいるのか
ニール:「お祝いの日」を待っているんだよ。
クリス・ヒース:そうか・・・よくこんなくだらないものを・・・。
 
ニール: 君はあまり関係ないだろうけど。
クリス:確かにないよ。・・・ニールが先頭にいたよ。
ニール:違うよ。ハハッハ。「長すぎる」
クリス: スローガンだ。
ニール: ロシアの帽子だ。
クリス: なぜ僕はロシア帽を?アイスが溶けている。手がべとべとになる。
ニール:あーあーあー、誰の手だ?ハハハハ。
クリス:君はサンベッドにも並ばなくていい。
クリス・ヒース:エキストラにもギャラを?
ニール:払った。
クリス:費用がかかったね。
ニール:ペーターか?
クリス:そうみたい。
ニール:あれは国立劇場だよ。なぜかエルビスがいる
クリス・ヒース:全員撮影したんだね。
クリス:彼はエルビスに似ているよ。
仰々しい。鏡を見るために行列を?
ニール:さあね。僕は保険の外交員みたいだ。ははは。
クリス・ヒース:割り込むのか?
ニール:僕は列に並んでいない。君と同じく。
クリス:僕は一日かけて並んだよ。
ニール:並ぶのはイヤだ。・・・
あざ笑うがいいさ
ニール:急に列に並んだ
クリス:こんなことをしたとは・・・。ショックだ。
ニール:祝日っぽい。子供が飛び跳ねてる
クリス:表情が暗い。
ニール:これは祝日らしいね
クリス:でもよくない
クリス・ヒース:そうだね。
ニール:アンドリューは?
クリス:ホセの前だ。あのロシア帽は僕だ。
クリス・ヒース:文字通りがけから身を投げるのか?ははは・・・ひどいね。
ニール:これを見ると身を投げたくなる。
クリス:悲劇だ。

 (
以上、2003POPART/DVDコメントより)
PV監督・・・Howard Greenhalgh


★用語・人物メモ★

ゴドーを待ちながらEn attendant Godot・・・1950年ごろにフランスで書かれたサミュエル・ベケットによる不条理劇。2人の男がゴドーという男を待っているが、結局ゴドーは現れないまま劇が終わる。

ヨハン・パッヘルベル(1653-1706)・・・ドイツのバロック音楽の作曲家。「カノン」は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ カノンニ長調」の第1曲。「Go west」とコード進行が同じことで知られている。ビデオはこちら。

ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーベン(1770-1827)・・・ドイツの作曲家。交響曲第9番ニ短調作品125の部分「歓喜の歌」は大晦日に歌うことで日本では有名。ビデオはこちら。

ジーナG(Gina G)1970-)・・・オーストラリア出身・英国在住の女性ポップ・シンガー。「
Ooh Aah Just A Little Bit」はUKチャートで1位を獲得した最大のヒット曲。ビデオはこちら。

Motiv8・・・本名Steve Rodwayディスコ・ミュージックの音楽プロデューサー。スパイス・ガールズ、カイリー・ミノーグ、パルプ、イレイジャーなどの曲を手がけている。

ラフマニノフの「晩祷(vespers)」・・・ロシア正教会のための奉神礼音楽から全面的に想を得た合唱作品。1915年作。ビデオはこちら。

フランク・ブルーノ
Frank Bruno(1961-)・・・イギリスのべヴィー級ボクサー。ブルーノVSマイク・タイソンのラス・ヴェガスでのタイトルマッチ(タイソンのTKO)1996316日。

エルトン・ジョン(1947-)・・・サー・エルトン。世界一有名なゲイミュージシャン。PSBとはいろいろ親交が深い。




 シングル・カット。イントロはベートーベンの「歓喜の歌」とコードが同じ・・・ベートーベンをサンバ風味に・・・冒険だなあ。コーラスはモスクワ合唱団。アルバムでは唯一“寒い国”のイメージ。つまりは彼らの一貫したテーマ“愛こそ全て”がテーマ。
好きだといってくれたら、その日は祝日にしちゃう!“”本当はアタシのこと好きなんでしょ、言っちゃいなよ!“と、愛する人からの告白を“ちょっとタカビーに”待つ、こちらはデキるOL的な歌。順番的には前曲と逆なのかも。
PV
がヒドイという割にはけっこう楽しんでコメントしている。これもブルーを基調にした映像で、ニールの瞳の色が映えるので、私はそんなにひどくもないと思うけど。ちなみにPVには当時のニールの恋人だと噂の彼が出演しております(2人とも、彼氏をPVに出すと別れた後で見るのが辛くなるので、なるべくやめときましょうよ)。



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