BILINGUAL*2-12


Somewhere

somewhere


クリス: 僕たち対世界

 (一言コメント:1999)

 

 


僕たちの手をひとつにつなごう
僕たちのハートを、ひとつにしよう
僕たちの誓いを、ひとつにしよう
死だけが、僕たちを分かつだろう
僕たちの生活をひとつにしよう
毎日、出発しよう
ひとつの手、ひとつのハート
死さえも僕らを引き裂けないさ

僕らにとっての場所がある
どこかに僕らの場所がある
平和で、静かで、空が開けていて
どこかが僕らを待っている

僕らにとっての時間がある
いつの日か僕らの時が来る
のんびりした時間
学ぶために時間、愛するための時間
いつかどこかに

生きるための新しい方法は見つかるさ
許すための方法は見つかるさ
どこかに

僕らにとっての場所がある
僕らにとっての時間と場所
手を握って、まだ道は途中
手を握って、そこに連れて行ってあげる
いつの日か、どうにかして
どこかに

僕らにとっての場所がある
どこかに僕らの場所がある
平和で、静かで、空が開けていて
手を握って、そこに連れて行ってあげる
いつの日か、どうにかして
どこかに

素敵だよ、ステキだ
素敵だよ、ステキだ

 

Written by Bermstein/Sondheim

Produced by Pet Shop Boys


ニール:19976月、ロンドンの劇場でコンサートをやるって決めた。コンサートに合う新しい何かシングルを送り出す必要があるって決めた。クリスは「ウエスト・サイド・ストーリー」から「Somewhere」がいいっていった。

クリス:僕がそれを好きだったから。ディスコ・ポテンシャルが必要だって思った。僕はここの歌詞が好きだ。「僕らのための場所・・・僕らのための場所がどこかにある」。約束の地についての曲だ。本当に「Go West」みたいだ。同じテーマだね。さらに「手を握って、僕がそこにつれていってあげる」ってとこも好き。

ニール:「Showtune」というEPをやることがポイントだった。僕らのEPのアイデアはいつもよかったけど、いつも徹底的に話し合うからね。

クリス:レコード会社はいつも僕らが持っているアイデアに「なぜ」って聞く。僕らにやめさせようとする。「なぜ?」そうしたいからさ。ビリーがそう答えたように。

ニール:とにかく、ピート・グレダルとボブ・クラウサーとシングルに取り掛かった。基本的なハイエナジー・バージョンをやって、それからリチャード・ニールが映画のような短いアレンジをした。オーケストラは一番狂ったリチャード・ニールを披露したよ。歌を欲しかったから、僕らは「ウエスト・サイド・ストーリー」からのそのサンプル・フィルムを使った。ロサンゼルスの暴動の中、ニューヨークのゲットーのロミオとジュリエット。僕らはテープの最初に「ギャングスター映画はここでやっている?」と言っている。「MenaceUSociety(ポケットいっぱいの涙)」がスタジオの近くでやっていた。「このひどい世界に住みたいかい?」「暴動が終わったとき、ドラッグが始まる」という最初の会話を採った。それ以上「MenaceUSociety」は見ていない。

クリス:僕は見たよ。

ニール:レナード・バーンスタイン財団は、その会話を入れることに反対したけど、本当は彼らに説明を書かなきゃならなかった。最初は拒否されたけど、最終的に許してくれた。偉大なレコードをつくるには、いつも難しい。リズム・トラックは楽じゃないね。Trouser Enthusiastsは僕らに2つのリミックスをした。僕らはついに彼に会って、Trouser Enthusiastsはサーム・ウエストで7インチの仕事をした。7インチバージョンは「ウエスト・サイド・ストーリー」の中の僕が好きな曲「ワン・ハンド・ワン・ハート」からスタートして、「ウエスト・サイド・ストーリー」の中の他の曲「アイ・フィール・プリティ」で終わる。それからスタジオで、僕らは長いリミックス・・・このヴァージョン(エクステンデッド・ミックス)をやった。それは、サヴォイ劇場のステージに合うように特別に意図された。クリスはこの長いイントロを丸ごとやって、僕らがステージに現われるときの大きなファンファーレになった。ショウの終わりまでフル・ソングをパフォーマンスしなかった。従って、僕はこのトラックを聞いたとき、サヴォイ劇場の、ステージ登場待ちのバックステージに立っていた。ちょっと憂鬱になったね。

クリス:ショー・チューンをやったうちの最高傑作だ。ハイエナジーとくっついたショー・チューンより何がいいって言うんだい?

ニール:この長いイントロでクリスが「ワン・ハンド・ワン・ハート」と言う歌詞を言うのが聞こえるよ。レコードの中で僕が好きな場所だ。リアム・ギャラガーみたいに聞こえる。彼はまたマンチェスターに戻ったね。アクセントが。彼にそう言わせるのは僕のアイデアだったけど、彼は不平を言わなかったし、ひるまなかった。彼はスタジオからみんなを追い出しもしなかった。ワンテイクなんだよ。


 (
以上、2001年ブックレットより)





クリス:この曲は大好きだ。詞が素晴らしい。そう思わない?

ニール: これも「約束の地」の歌。

クリス: 僕が好きになるのは、みんなそのカテゴリーの曲らしい。

ニール:「ゴー・ウエスト」とか「ゼアズ・ア・プレイス・フォー・アス」とか。「ゴー・ウエスト」に似ているね。
 
クリス:「ゴー・ウエスト」、あるいは「イッツ・オールライト」

ニール:過去最大の作品でもある「ウエスト・サイド・ストーリー」から別に2曲入れることにした。ウエスト・サイドの僕のお気に入り、「ワン・ハンド・ワン・ハート」のイントロで始まって、アウトロは「アイ・フィール・プリティ」()。歌っているのは僕、声にヘンなエフェクトをかけてね。舞台はニューヨークってことにした。LAには悪いけど、ギャング・カルチャーを背景にしたかったんだ。名前忘れちゃったけど、90年代初頭のギャング映画を持ち込んだ。冒頭は「このひどい世界で生きたいか?」。ドラッグなんかの文句は全部そこからのサンプリング。でも、レナード・バーンスタインの管財団体が気に入らなかったらしくて、問題が起きた。けど後で思い直したらしく、「気に入った」って言ってくれたよ。それをロンドンの劇場でやったショウのタイトルにした。「サムウエア」と名づけて、3週間にわたってサヴォイ劇場で上演したんだ。ラストにふさわしい曲だよ。ショウのオープニングとエンディングを飾った曲だからね。僕にこの歌がちゃんと歌えるとは思ってなかったけど、とにかくやるしかなかった。作品には満足している。

 (
以上、2003POPARTブックレットより)



プロモーションビデオ(YouTube)




ライブ・サムホエア・1997年(YouTube)




1997年シングルはUKチャート最高9位


ニール: これがPVの監督(アニー・グリフィズ)。
クリス: 恨みを晴らせるよ。聞きたくない。黙ってろ。
ニール: ルネッサンスだ。彼はユニークだ。それがクリスを形成する要素さ。
クリス: 僕は楽しんでいるね。
君はここで演奏したがっていた。
ニール: ところであの看板すごいね・・・このビデオ、嫌いだ。
クリス:なぜ監督ばかり
ニール: 自己主張しすぎ
クリス: 僕らも撮ってよ
ニール: 君はリハーサル中
クリス: シルヴィアに、チャールズ・・・。
ニール:振り付けしてる
クリス: 必ず振り付けがある。・・・デントン!僕らより映っている
ニール:クリスが紅茶を入れてもらっている
クリス: 好きなんだ
ニール:仕切っているのがニール
クリス: 素晴らしいショーだった
ニール:ハロー!ハロー!・・・リニーはとても色っぽい。ヘッドホンだ。
クリス: (自分に)うるさい。黙ってろ
ニール:何飲んでいるんだ?
クリス:クリスだ!クリスだ!
ニール:公演初日か。神に感謝している。
クリス:どうして
クリス・ヒース:言わなくていい
ニール:ショーの始まりだ。全てが色づく
クリス:これが生きがい
ニール:パフォーマンスの瞬間だ。ああ!頑張ってる。ここは音がよくない。デントンも参加していた。特殊なスクリーンだ。
クリス・ヒース:オーケストラはどこ?
ニール:どこかな。
クリス:笑顔がいい
ニール:シルビア、笑って。
クリス:笑っていたよ。
ニール:スパイス・ガールズの靴だ。
クリス:これで退場だね。
ニール:手を振って、また戻ってくる。(カーテンコールでクリスがズボンを脱ぐ)何やってんだ!
クリス:あはははは。
クリス・ヒース:(クリスがニールのほうをじっと見たので、一堂大爆笑)あの顔は?
ニール:不満さ。君がヘンなことを言うから
クリス・ヒース:どうして?
クリス:監督と撮影はアニー・グリフィズでした。

 (
以上、2003POPART/DVDコメントより) PV監督・・・Annie Griffin


★用語・人物メモ★

「ウエスト・サイド・ストーリー」のSomewhere・・・ビデオはこちら。

レナード・バーンスタイン(1918-1990)・・・「ウエスト・サイド・ストーリー」作曲者。指揮者でもある。アメリカのユダヤ系。既婚者だけどLGBT

スティーブン・ソンドハイム(1930-)・・・「ウエスト・サイド・ストーリー」作詞者。アメリカのユダヤ系。LGBT

Trouser Enthusiasts
・・・読み方不明。PSBの「A red letter day」「Discoteca」などのリミックスを手がけるダンス・ミュージック・プロジェクト。

ピート・グレダル・・・PSBがかなり前から組んでいるプログラマーで、ライブでは音のほとんどをバックステージで出している。いまやなくてはならない存在で、第3のPSBメンバーと言えるかも。2007サマソニでも来日。

MenaceUSociety・・・ 1993公開の映画。監督はAlbert HughesAllen Hughes。邦題はポケットいっぱいの涙


リアム・ギャラガー(1972-)・・・マンチェスター出身。オアシスのリードシンガー。ノエル・ギャラガーの弟。前妻は元エイス・ワンダー(PSBが「Im not scared」の楽曲を提供したグループ)のパッツィ・ケンジット。婚外の子供も大勢いるらしい。



2人の“お芝居好き”が爆発した(?)1曲。特にクリスの「ウエスト・サイド・ストーリー」好きというベタっぷりが伺える(彼の一番好きな映画は「サウンド・オブ・ミュージック」)PSBにしてもバーンスタイン&ソンドハイムにしても、ロミオ&ジュリエットをモチーフにした「ウエスト・サイド・ストーリー」を好きだなんて、本当にゲイの人って報われない美しい悲恋が大好きよね。本来こういうのってオネエあるいは男おばさんがキャーキャー言いながら見るもんだと思うけど。PSBには、日本に来たら宝塚を見て欲しい!ベタストーリー、必然的トランスセクシャル、悲恋…。はまるかもしれない。

PVに関して言えば、監督となんかあったんじゃないかと思うくらい険悪。元映像はライブ「somewhere」の特典映像を抜粋したもの。この特典映像はなぜか日本版には収録されていないので、ヨーロッパ版、アメリカ版を見る必要がある。



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