INTROSPECTIVE1-3

Domino Dancing

R-150-83736-001


クリス:ああ!セントルチア!
(一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください



(一日中、一日中)

なぜだかわからない、どうしていいのかも
愛していると思っていたけど、今は違うかもしれない
何度も、君が見知らぬ人を見るのに気づいた
君の欲しい愛は、別のものなんだ

太陽を感じたときを思い出して
天国のような愛、それはどう熱く燃えたかを
遠くで雷が落ちそうで、は赤かった
君が歩くと、みんなが君を振り返る

(一日中、一日中)彼らが落ちるのを見ればいい
(一日中、一日中)ドミノ・ダンシング
(一日中、一日中)彼らが落ちるのを見ればいい
(一日中、一日中)ドミノ・ダンシング

喧嘩をして、悪かったと思う
でもいま僕は、君が違うゲームをしてるとわかった
僕は、君がさらに危険を求めてダンスするのを見ていた
スコアにまた1つ得点を加えればいいさ

(一日中、一日中)彼らが落ちるのを見ればいい
(一日中、一日中)ドミノ・ダンシング
(一日中、一日中)彼らが落ちるのを見ればいい
(一日中、一日中)ドミノ・ダンシング

周りをみて、君は不思議に思う
君は勝つためにプレーするのかい?
それともただの惨めな負け犬かい?
(一日中、一日中)彼らが落ちるのを見ればいい
(一日中、一日中)ドミノ・ダンシング

なぜだかわからない、どうしていいのかも
愛していると思っていたけど、今は違うかもしれない
雷が落ちたのが聞こえたよ、は暗い
いま、嵐が僕の心を壊したんだ

(一日中、一日中)彼らが落ちるのを見ればいい
(一日中、一日中)ドミノ・ダンシング
(一日中、一日中)彼らが落ちるのを見ればいい
(一日中、一日中)ドミノ・ダンシング


Written by Neil Tennant/Chris Lowe


Produced by Louise A Martinee for Pantera Productions

Associate Producers Pet Shop Boys

 


ニール:僕たちは1年半前に、ワンズワースのスタジオでこれを書いた。 でも歌詞が全然思いつかなかった。これはマドンナの「La Isla Bonita」にちょっと似ていると思った。

クリス:単にラテンだからさ。 僕はこの歌がすごく好きだ。

ニール:僕たちがアメリカによく行って、全部ラテン語のヒップ・ホップのレコードなんかを聴いていたから、ラテン系の何かを書きたいと思っていた。僕たちはロサンゼルスのデモ・スタジオでその仕事をたくさんした。僕たちは、ちょうどアンティグアにホリデーで行っていて、それから何かのプロモーションでアメリカに飛んだ。で、ロサンゼルスのこのスタジオを予約した。ここには本当にきちんとしたデモ・スタジオがあって、優秀だった。で、僕たちは毎朝、リムジンでドライブしたものだった。僕たちはこの歌に取り組んでいたけど、歌詞が必要だった。クリスが「うん、いつものようにできるさ。」と言った。

クリス:もう一つ、明らかなコード・チェンジを入れた。

ニール:で、僕はすぐに、「all day, all day...」と歌った。僕たちがアンティグアにいるときドミノで遊んでいて、僕たちの友人のピートは、それに勝つとダンスをしていた。クリスは彼に「ドミノ・ダンスはやめてくれ」と言った。で、僕は自分のノートに
watch them all fall down, domino dancingと書き留めた。僕はドミノ理論、ひとつを押と全部が倒れるというセオリーを考えた。よくベトナムが共産主義化するなら、東南アジアのすべてがそっちに行くだろうというドミノ効果に関して話されていたものだった。歌では、そのアイデアは誰もが魅了される誘惑的のことだ。ジェラシーを感じるから、誘惑的に魅力的な人と外に出るのはどれだけ難しいことか。落ちて行く人々は彼女と踊る人々で、彼女は人々を完璧に倒していく。 そういうホットなアイデアはちょっとコール・ポーターの歌詞に似ている…雷がとどろき、嵐がハートを打ち抜き、灼熱の気候、愛は燃え上がる…すべてまとめて入れた。歌の最後で、歌い手は、それがうまくいかないとわかった。彼は彼女に引っ掻き回すのを止めるように言うか、もしくは立ち去るだろう。

クリス:僕たちはマジで、ロサンゼルスでやったデモ・バージョン(CD2-3)に満足してた。

ニール:デモの歌詞にはボーカルが全なかったけど、これはこの時点で僕がすべての歌詞を書き終えていなかったからだ。

クリス:僕たちは、マイアミに住むルイス・マチネが作ったすばらしいラテン語のヒップ・ホップのレコードを全部気に入っていた。

ニール:彼は、エクスポゼとのヒットの全てをやった。僕たちはすぐマイアミに飛んで、彼と「Domino dancing」のレコードを作るのに興奮した。僕たちはサウス・ビーチのヒルトンに滞在した。ビーチはハンバーガーのにおいがした。
Latin American Partyと書いたバンがビーチに置いてあった。それを見るとすぐ僕たちは、それがレコードのジャケットになると思った。ピートがポラロイドカメラで撮った。そして、それが僕たちがジャケットで使った写真なんだ。ミュージシャン全部がキューバ人だ。たくさんの人々が演奏している。ほとんど英語を話せないトランペットプレーヤーが来て、彼はソロの重要な部分をプレーした。それで僕が「メロディーで演奏せずに、途中まで音符をたくさん演奏することができないかな?」と言うと、彼はそれをやったんだ。それはすばらしかった。 彼はその後、僕に近づいて僕をハグした。 ソロが曲の中にメロディーも何もないなら、それは嫌だ。 それは曲の中に何もないリミックスのジャズ・バージョンだ。僕たちは7インチのバージョンを作った。次に、ルイス・マチネはアルバムの12インチ・バージョンまでそれを広げた。最終的に、たくさんの編集が入っているが、みんな手作業だ。全部に白い粘着テープの跡を見ることができる。 ルイス・マチネがミックスを終えたとき、僕たちは、ドラム抜きのミックス(CD2-4)をしたと彼に言った。それは30分で終わった。僕はそのミックスが気に入っている。

クリス:それはさらに美しい。

ニール:「Domino dancing」はINTROSPECTIVEからリリースされた最初の新しいシングルだった。UKチャートでは7位に届いただけだったから、僕たちはすごくガッカリした。僕は、ライにある僕の家まで戻る途中、チャートで9位に入ったとラジオで聴いたのを覚えている。僕は「そうかあ、じゃあ、これで終わったな」と思った。僕はその時、僕たちのナンバーワン・ヒットの帝国時代が終わったのを知っていた。

クリス:僕はリバプールにいた時だと思う。僕は車を止めて、チャートを聞いたように覚えている。一般的に、イギリス人はラテン語が好きじゃないんだ。とにかくそれっぽい音楽は。 振り返ってみれば、チャートのポジションは無関係さ。このトラックはすごく好きだから、僕は何とも思っていないよ。

 (
以上、2001年ブックレットより)


 


クリス:ドミノの歌。カリブに滞在していたとき、とある友人にドミノで負け続けて、すごく頭に来たんだ(笑)。たぶんあれのせいだと思う。

ニール:だね。

クリス:そんなに頭に来たのは、ドミノなんて運で決まるゲームだと思っていたからなんだ。けど、あれは確かにある種のスキルが求められるゲームだね。

ニール:クリスは負け続けた。

クリス:僕は負け続けた。怒り心頭だったよ。

ニール:そして、くだんの友人は、勝利の舞を踊り続けた。

クリス:そうそう、それでますます頭に来たんだ。

ニール:そこで、“Domino dancing”っていうフレーズが生まれた。実際にその時には曲は出来ていたんだ。これをネタにたくさん曲を書いた。ラテン調の曲をね。当時はラテンのノリのヒップ・ホップが大好きで、そういうスタイルの曲を書いたりしていた。で、Domino dancing。いいタイトルだと思ったよ。“Watch them all fall down(彼らが倒れていくのを見るがいい)”。そこからシナリオを作り上げた。一人の男がきれいな女の子とデートに出かける。ビーチではビキニ姿の彼女に男たちは釘付け。彼女の前でバタバタ倒れていく。彼女があまりにゴージャスだから。で、彼氏である男は嫉妬して関係は終わりを告げる。つまり、そう、これは100%ジェラシーの歌だ。

 (
以上、2003年「POPART」ブックレットより)


 

プロモーションビデオ(You Tube)




1988
年シングルはUKチャート最高7

ライブ・イン・リオ(1995年)(You Tube)






ニール:プエルトリコだ。エリックの傑作だね。三角関係の話で、2人の男が女を奪い合う。
クリス:僕らは部外者。ははは。
―傍観者だ。
ニール:覗くだけ。はははは。
クリス:演技を彼らに任せたので僕らは楽だったし、みんなのためにもいいことだった。
ニール:プエルトリコでの撮影は、大変じゃなかった。
クリス:撮影と休暇を兼ねた旅だったからね。
ニール:彼女は司書だっけ?
クリス:たぶん。
―彼女、アメリカに?
ニール:行ったと思う。1988年、レイヴのスタートだ。
クリス:アシッド・ハウスの到来。
ニール:彼はDJ。
クリス:僕もDJ
ニール:DJだらけ。ここはホテルのカジノ。
―セクシーだね。
クリス:ノーマン・クックを発掘した。
ニール:あははは。衣装がすごくいい。
クリス:ステキだ。
ニール:マズイぞ。女たらしの出現だ。
―すごいところだな。
ニール:日焼けしている。
―情けないヤツ。
クリス:みんなさ。
ニール:色っぽいシーンだ。“出てって!この変人”だね。捨てられた。
クリス:建設作業員だね。
ニール:喧嘩を始めるが、迫力はない。
―誰の脚本?
ニール:エリックだ。
―馬に乗っているのは本物の警官?
ニール:そうだ。たまたま通った。問題になったシーンだ。性的だと騒がれ、驚いた。全然違うよ。批評が集中した。
クリス:ボーイ・ジョージが好みだと。いい場所だったな。
ニール:ミラーグラスだ。
―警察官はノーギャラ?
クリス:喧嘩で逮捕される。この狙いは効果的だった。ミラーグラスをうまく使っている。
 
聞き手―クリス・ヒース

 (
以上、2003POPART/DVDコメントより) PV監督・・・Erick Watson

 

 

★用語・人物メモ★

セントルチアSaint Lucia・・・セントルシア。カリブ海に浮かぶ島国。1979年に英国の植民地から独立。

ワンズワースWandsworth・・・ロンドン市内、ロンドン南西部。テムズ川南のバタシー地区。

La Isla Bonitaby Madonna・・・大ヒットアルバム「True blue」からカットされた1987年のマドンナのシングル。全体的にラテンをフィーチャー。アメリカでは4位、イギリスでは1位を獲得。ビデオはこちら。

アンティグアAntigua・・・正式名称はアンティグア・バーブーダ。カリブ海に浮かぶ島国で、旧英国植民地。1981年独立。

コール・ポーターCole Porter(1891-1964)・・・アメリカのミュージシャン。ミュージカル・映画音楽を多く手がけた。「キス・ミー・ケイト」が代表作。ゲイ。

ライRye・・・イングランド南西部、イースト・サセックス。

ノーマン・クック(1963-)・・・ミュージシャンのファットボーイ・スリムのこと。イギリスのハウス・テクノのベテラン。1985年頃から音楽活動をしているが、1995年頃から現在の“ファットボーイ・スリム”として活動。




 この曲は、PSBの中では最もノンケっぽい内容の歌詞。ビデオもそれに合わせて一人の美女と2人の少年の恋愛ゲームのストーリーなのに、なぜかこのビデオは、ゲイ・ミュージックの歴史を語る上で外せない曲。ただ、最後のほうで少年2人が取っ組み合いの喧嘩をして、それが激しいラブシーンにも“見えないことはない”くらいなのだが。・・・1988年、みんな(ゲイたちは)そんなに“(ゲイっぽいものに)飢えて”いたのかと思う。このビデオもそうだけど、セクシーな半裸の美女をビデオに出すのは、MTV時代の初期にすでに解禁されて蔓延していたが、“ゲイっぽい”イメージはまだごく少数だった・・・つまりこのビデオがゲイっぽいと評判を呼び、セクシー美女が登場するにもかかわらず“PSBはゲイっぽい”を決定付けたようなビデオだった・・・いま見たらそんなに衝撃的じゃないけどね。しかし、ゲイの考える「セクシーな美女」があまりにもオンナを過剰に超えていて、どうにもクィーンっぽいのは・・・仕方がないのか。

 ワタシがもし「PSBの曲の中であまり好きではない曲」をあげるとしたら、この曲が入ってしまうかも。ニールの強いボーカル・スタイルがあまり好きではないから。ニールのボーカルを極力排除したリミックスを聞くと、楽曲そのものは哀愁を帯びていて、いいと思える。実際、この曲を好きなファンは多い。



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