INTROSPECTIVE2-6

Nothing Has Been Proved


クリス:(「何も証明されていない」)その通り

(一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください



マンディはスペインに行こうとしたから新聞に載る
彼女がすぐ波戸場にいれば、再び新聞に載るだろう
ヴィッキーは、鏡と鞭に関する彼女の物語を作った
嘘かもしれない、本当かもしれない
でも、何も証明されていない

スティーブンはいま、ガウンを着て一人で朝食を食べる
食べることができないくらい病気で、元気になってから電話する
警察本部長は同情的な調子で彼をなだめる
嘘かもしれない、本当かもしれない
でも、何も証明されていない

辞職の下院では、皆に有罪が面している
クリスティンはルーシーとけんかして、ジョニーは銃を手に取る
どうかお願い、僕をナンバー・ワンにして

(これはスキャンダルだ、スキャンダルだ、すごいスキャンダルだ)

いま、スティーブンは稼いだ支出金のために波戸場にいる
クリスティンと起訴で、金が燃えたと言われる
彼が憧れた高価な罪のため、スティーブンのポケットには穴
嘘かもしれない、本当かもしれない
でも、何も証明されていない

自殺の遺書のニュース、法廷の空きスペース
マンディさえ心配に見え、クリスティンは青ざめて引きつった
どうかお願い、僕をナンバー・ワンにして

(これはスキャンダルだ、スキャンダルだ、すごいスキャンダルだ)

昨夜、彼は手紙を友人に書いた
”混乱をお詫びします
人目と取材陣に潔白であると立証されるまで、私は有罪です”
彼のすべての友人が逃げたから、葬儀はとても静かだ
嘘かもしれない、本当かもしれない
彼ら全員、より良い行いを得た
嘘かもしれない、本当かもしれない
でも、何も証明されていない
いいえ、何も証明されていない

 
 Written by Neil Tennant / Chris Lowe


Produced by Pet Shop Boys
 


ニール:僕たちは、映画プロデューサーのスティーブ・ウーリィにアプローチされて、映画のために主題歌を書きたいかどうか尋ねられた。ウーリィは、彼がプロヒューモ事件に関する映画、「スキャンダル」を作っていると僕たちに言った。何年も前に、ルードビック・ケネディによるスティーブン・ワード事件についての本を読んでいて、僕はプロヒューモ事件に関してギターで曲を作っていた。彼は結局自殺したから、すごく悲しい話だ。彼は本当に体制の犠牲者だった。歌詞はまさに本当の出来事について説明する。僕たちはその歌詞のために新しい音楽を書いた。歌詞はクリスが書いた。で、「嘘かもしれない、本当かもしれない」という部分は僕が書いた。そして僕は「nothing has been proved」という歌詞をリフレインさせた。

クリス:フェアライトで全部のクラッシュ・ドラムをやった。すごくいいオーケストラのサンプルがその中にいっぱいある。 それはマジで雰囲気のあるバッキング・トラックだ。

ニール:僕がロイヤル・アルバート・ホールの近くに住んでいたときに借りていたアパートに、ダスティがこの曲を歌いに来た。僕はそこにピアノを持っていて、彼女にそれをプレーした。それで、彼女はそれをやるのに同意した。彼女は、「たくさん歌詞があるのね」と言ったかもしれないと思う。僕が出かけたとき、ポーターのひとりが「失礼ですが、サー」と言った。「あれはミス・ダスティ・スプリングフィールドだったでしょうか?」って。彼らは、とてもとても喜んでいたよ。彼女のバージョンは1989年にリリースされた。それからツアーに行く予定で、僕たちはそれをパフォーマンスすると決めた。クリスはライブでキーボードを弾いた。

クリス:僕は、コードを覚えていられたことが信じられない。

ニール:このバージョンは僕たちのデモ版だ。デモ版は一度もリリースされたことがない。ここの歌詞が僕の最終版だけど、ダスティがレコーディングしたひとつだ。

 (
以上、2001年ブックレットより)


 
 

  ダスティ・スプリングフィールドのPV(You Tube)
ニール&クリスも新聞記者&カメラマン役で出演




ライブビデオ(1989年)(You Tube)






 

★用語・人物メモ★

Steve Woolley・・・映画「スキャンダル」のプロデューサー。他にも「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」「モナ・リザ」「クライング・ゲーム」などのニール・ジョーダンの映画のほとんど、「ビギナーズ」などをプロデュースしている。

Profumo Affair
プロヒューモ事件 ・・・1963年、イギリスのマクミラン保守党政権時の陸相であったジョン・プロヒューモが、ソ連側のスパイとも親交があった高級娼婦クリスティン・キーラーに国家機密を漏らしたと疑われた事件で、これをきっかけに保守党は負け、労働党に政権が移った。

映画「スキャンダルScandal」・・・1989年公開、マイケル・ケイトン・ジョーンズ監督。ジョン・ハート(スティーブン・ワード)、ジョアン・ウォーリー・キルマー(クリスティン)、ブリジット・フォンダ(マンディ)主演。プロヒューモ役はイアン・マッケラン。

Ludovic Kennedy(1919-)
・・・イギリスのジャーナリスト。スティーブン・ワードを書いた本は「
The Trial of Stephen Ward」。

スティーブン・ワードStephen Ward(1912-1963)・・・整骨医のワードはキャバレーのショー・ガールだったクリスティン・キーラーに入れあげるが、やがて彼女はプロヒューモと深い関係になり、政治とセックス・スキャンダルに巻き込まれていく。事件発覚後、ワードは事件に直接関係ないのもかかわらず、”関係者”として法廷に立ち、有罪になる。その後、自殺。

Royal Albert Hall
・・・ロンドンのハイドパークの南に位置する、円形のコンサート・ホール。ヴィクトリア女王の夫、アルバート公に捧げられている。1871年にオープン。以来、クラシックからポップスまでさまざまなイベントが開催されている。80年代後半にニールがこのあたりに住んでいたのはたびたび語られている。サーペタイン・ギャラリーにも近いので、「Thats my impression」解説に出てきたニールのアパートと同じだと思う。このあたりは高級住宅地。





 「Please Please Me」の歌詞は、ビートルズの曲から来ていると聞いたことがあるけど、このインタビューでは言及されませんでした。めずらしくクリスが歌詞を書いたんですね。そういえば、なんだか簡潔なストーリーの箇条書きで、ロマン派ニールのリリックとは違うと思ったよ。



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