INTROSPECTIVE2-4

What Keeps Mankind Alive?


クリス:この皮肉は少々難解かもしれない

(一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください



君ら紳士は、任務がある
我々の七つの大罪を清め
最初に、基本的な食物ポジションを整理するべき
それから説教し始めろ、それが始まるところだ

抑制を説教し、同じ様にウエストに注意しろ
いつも世界がどのように動いているかを学ぶべきだ
どんなにねじれても、どんな嘘を言っても
食べ物が最初で、モラルは2の次
だから、いま飢えている人たちを最初に確かめろ
みんなで切り開いて、正しい援助をしろ

何が人類を生かしているんだ?実際は数百万が
毎日拷問され、窒息させられ、罰せられ、黙らされ、圧迫される
人は輝きのおかげで生きられる
抑圧された人間性で生かされることができる
今度だけは、事実を回避しようとしてはならない
人類は残忍な行為で生かされている

女は君の許しを得てストリップできると君は言う
君は罪と芸術にラインを引く
最初に、基本的なフード・ポジションを整理するべき
それから君は説教し始めろ、ここはそれが始まるところだ

君は自分の願望と僕たちの嫌悪を頼りにする
いつも世界がどのように動いているかを学ぶべきだ
どんなにねじれても、君の言うどんな嘘でも
食べ物が最初で、モラルは2の次
だから、いま飢えている人たちを最初に確かめろ
みんなで切り開いて、正しい援助をしろ

何が人類を生かしているんだ?実際は数百万が
毎日拷問され、窒息させられ、罰せられ、黙らされ、圧迫される
人は輝きのおかげで生きられる
抑圧された人間性で生かされることができる
今度だけは、事実を回避しようとしてはならない
人類は残忍な行為で生かされている

人は輝きのおかげで生きられる
抑圧された人間性で生かされることができる
今度だけは、事実を回避しようとしてはならない
人類は残忍な行為で生かされている

 
 Written by Bertolt Brecht /Kurt Weill


Produced by Pet Shop Boys and Jonathan Ruffle
 


ニール:1993年の「Can you forgive her?」のB面に入れるまで、僕たちは「What Keeps Mankind Alive?」をリリースしなかったけど、レコーディングしたのは1988年まで遡る。ラジオ・ワンはクルト・ワイルの「三文オペラ」初演50周年に関するドキュメンタリーをやっていた。ラジオ・ワンがそれをやった理由はまったく知らなかったけど、彼らは現代のバンドに「三文オペラ」の歌をやって欲しかった。で、彼らは、「Keeps Mankind Alive?」を僕らに依頼して来た。僕たちのどちらもその歌を知らなかったけどね。

クリス:僕たちは本当に楽しい感じにしたかったのに、歌詞はマジで病的に聞こえた。

ニール:とにかく「三文オペラ」にはクオリティがある。英雄的音楽とカニバリズムと拷問についての歌詞がある。僕たちはそれのデモをやって、それからメイダ・ヴェルにあるBBCスタジオのレコーディングに行かなければならなかった。それは非常に複雑な音楽で、僕たちはちょっとこっそり持ち込んだ。

クリス:BBCのプロデューサーは、マジでイラついて、ずっと僕らを監視していた。

ニール: 事を丸く収めるために、運よくサイモン・ベイツがそこにいた。そして、誰かが隣のドアのスタジオにいて、それが、ザ・コミュナーズのリチャード・コーラスがサンディー・ショーとセッションしていた。僕は、「ああ、リチャード、君は全部できるね。君は古典的な訓練をしている、ちょっと来て、コードを演奏してくれ。」と言った。彼はすごく難しいと分かったけど、彼は非常に丁寧にコンピューターに入れた。とにかく、僕たちは4時間のセッションでそれを終えた。

クリス:で、結局それが50周年でないと判明したんだよね。

ニール:僕たちがレコーディングしていたとき、僕は、「1928年じゃなかった?」とBBCのプロデューサーに言った。彼は「そう」と言った。 僕は「60周年だよね?」と言った。そして、彼らはデヴィッド・ボウイ、スティング、その他の人たちとこのドキュメンタリーを作った。それは本当に楽しかった。それで、彼らは代わりに60周年を祝った。

 (
以上、2001年ブックレットより)


 
 

ウィリアム・バロウズの朗読ビデオ(You Tube)



★用語・人物メモ★

What keeps mankind alive?」・・・「三文オペラ」内での歌の邦題は「人は何で生きる?」。

ベルトルト・ブレヒトBertolt Brecht(1898-1956) ・・・ドイツの劇作家、詩人。「三文オペラ」の原作戯曲「ベガーズ(乞食)オペラ」を脚色。第2次世界大戦時、家族とナチスから逃げ、各地を転々とするが、最終的にはドイツに戻る。

クルト・ワイルKurt Weill(1900-1950)・・・ドイツの作曲家。「三文オペラ」作曲。自身がユダヤ人だったため、ブレヒトと同じく亡命生活を余儀なくされる。最終的にニューヨークに落ち着く。現在でもさまざまなミュージシャンに影響を与えている。クルト・ワイルへのトリビュート・アルバム「Lost in the Stars: The Music of Kurt Weillクルト・ワイルの世界〜星空に迷い込んだ男)(1985)がデヴィッド・ボウイ、スティング、ルー・リード、トム・ウェイツ、マリアンヌ・フェイスフルなどの参加により発売された。このアルバムの中で「What keeps mankind alive?」はトム・ウェイツが歌っている。音源はこちら。

「三文オペラ」The Threepenny Opera・・・1928年ベルリン・シアターが初演。1728年ジョン・ゲイの「ベガーズ・オペラ」が下敷き。19世紀のロンドンの資本主義社会をおちょくった、シニカルな戯曲。映画版(1931年)のストーリーはこちら。

メイダ・ヴェルMaida Vale・・・西ロンドン。セント・ジョーンズ・ウッド近く。BBCスタジオ、アビー・ロード・スタジオやリトル・ヴェニスがある。

サイモン・ベイツSimon Bates(1947-)・・・BBCラジオ1の名物パーソナリティだった人物。

リチャード・コール(1962-)(ザ・コミュナーズ)Richard ColasThe Communards・・・コミュナーズは、リチャード・コールとジミー・ソマーヴィルのデュオ。18951988年のわずか3,4年の活動。

サンディー・ショーSandie Shaw(1947-)・・・イギリスの女性シンガー。60年代から、数々のヒット曲を持つ。




 ミュージカルからの曲だけど、珍しく彼ら自身からのお気に入りではなく、趣味ではなく仕事としてやったもの。芝居やミュージカルで、彼らのお気に入りはソンドハイムとかバーンスタインとか、ベタでゴージャスなロマンチック(つまりたいがいのゲイが好きな)方面。残念ながら私は「三文オペラ」を見たことないけど、多分ちょっと難しい。



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