NIGHTLIFE1-9

Boy Strange


クリス:不釣合いなカップルについての歌、だよね
(
一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください


愛の地平線のボーイ・ストレンジをご覧よ
彼は君に呼びかけている
君は何て答える?

ボーイ・ストレンジを若者の典型だと思う
真実に近い
でもほど遠い

彼はなんて奇妙な男
彼で都合のいい交換をするつもり?
閉まったドアの前で
君が捨てたヤツと?

この男が奇妙だと気がついたら
変えるのは遅過ぎる
君の観点を

太陽が空に昇ったとき、彼はよくそこにいる
完璧なアリバイで
君とは似ていない

彼はなんて奇妙な男
彼で都合のいい交換をするつもり?
閉まったドアの前で
君が捨てたヤツと?

常識について話すのは、完全に時間の浪費
彼のルックスは犯罪で
引渡しの限度

世界から見れば、彼は馬鹿のボーダーラインさ
ナイーブかつ残酷
なぜ、君は背負い込むのか
彼なんかを?


Written by Neil Tennant/Chris Lowe


Produced by Rollo and Pet Shop Boys

 


ニール:不適当なボーイフレンドに関するもうひとつの歌。誰かがこの少年を見て、彼らがどれだけ魅了されるかについての歌。君は彼が問題であることを知っている。君は、それが虐待関係の始まりに関するものであると言うことができる。僕はこういうのを何度も見て来た。幸い、自分の人生ではないけど。17歳の時、僕の親友のひとり・・・彼女とは一時期だけ付き合っていたんだけど、彼女はこの男と付き合って、彼はもうちょっとで彼女の人生を台無しにするところだった。彼はボーイ・ストレンジだった。 彼は悪夢だった。歌の最後で言う。 「君はなぜ彼を背負い込むんだ?」と。彼が彼女にとても多くの問題を引き起こしたのでなぜ彼と一緒にいたがっていたかを誰も理解できなかった。しかし、愛は奇妙なもの、彼女は彼を愛していた。 

 (
以上、1999Literally21より)


 


P.G Brunelli
(インタビュアー):オフィシャルの資料で読んだんだけど、君たちはこのアルバムの中に入っている「Boy Strange」という曲は“PSBとして一番ロックに近い曲で、出だしからビッグなギター・メロディから始まっている。でもロロ(この曲のプロデューサー)が、だれもこの曲をまじめには受け止めてくれないよって言ったんだ”と言っているね。だから少しロック色を落としたそうだけど、これは他人のアイデアに合わせているってことにならないかな?

ニール:あれはロロのアイデアだよ。彼は、サウンドはすごく美しいと思ったみたいだけど、僕たちがロックの真似をしていると思ったらしくて、変えるように言ってきたんだ。彼がプロデューサーなんだから、僕たちも賛成したのさ。でも別に僕たちは、そんなに気にしていなかったよ。そのカットした出だしの部分はちゃんととってあるから。もしかしたらいつかその部分を別の曲に使うかもしれないし。でもその部分をカットしたところで、どっちにしろこの曲は僕たちとしては今までとまったく違うタイプの曲だからね。僕はスウェードみたいな歌い方をしているんだ。この曲の僕はブレッド・アンダーソンみたいに聞こえるよ。
 
P.G
:もう一度彼と一緒に仕事したいと思う?
 
ニール:いや、そういう予定はないよ。2年前、彼と一緒にラウンドハウスで一度歌ったことがあるけど、それだけさ。一緒にアルバムを作るなんてことは絶対無い。
 
P.G
:どこで一緒に歌ったんだって?

ニール:ラウンドハウスだよ。あれはちょうど2年位前で、スウェードのツアーが終わる頃だったな。「サタデー・ナイト」という曲を歌ったんだが、ブレッドがステージを降りたから、結局僕が一人で歌ったんだ。楽しかったけど、とにかく寒かった。

P.G
:僕もそのときそこにいたから覚えている。

ニール:93年にもあそこでパーティをしたんだけど、凍りつくほど寒かったねぇ。
 
 (
以上、1999年「In Rock」インタビューより:インタビュアー=P.G.Brunelli)





*以下はアメリカのファン・マスターWayneさんのサイトの曲説明を訳したものです。
http://www.geowayne.com/psbhtml.htm

 ボーイズが書いた初期のインストゥルメンタルの断片から発展したこの歌は「Playing in the Streets」と題をつけられた。このトラックの導入のインストゥルメンタルでまだその一部を聞くことができる。「krautロックのように聞こえる」とクリスは注釈をして、ニールは「ちょっとボウイのようだね。」と返答した。ニールは、しばしばデヴィッド・ボウイが彼の若い頃に深く影響していたことに触れ、音楽的に、このトラックは恐らく彼らがレコーディングしたいかなる曲よりもボウイ影響がある(ボウイの自身の「Hallo Spaceboy」に関する彼らの協力的なリミックスを数えないなら)。アコースティック・ギター、ピアノ、ファーズ・ディストレクションが使われていることに気をつけて欲しい・・・まさしくボウイ的だ。(他の誰もクレジットされていないので、たぶんギターを弾いているのはニールだ。) 1970年代前半のボウイのアルバムはほとんど家にあったのだろう。

 歌詞は、我々が時々、最終的に我々に不健全であるとわかる人々と絡み合ったロマンチックな、性的になる方法を扱っている。アルバムが出たころ、ニールがインタビュアーに言ったように、「新曲『Boy Strange』はゲイに聞こえるかもしれない。でも、インスピレーションは僕が知っている2人の女の子からだ。生活はゴージャスな男性と付き合ったことによってめちゃめちゃになった、それから彼女らの生活をだいなしにし続けた。」終わりの歌詞に「なぜ、君は彼をしょいこむんだ?」と入れた。

 興味をそそるが、純粋に思惑的にありうる関係はジョニ・ミッチェルの歌「A Strange Boy」だ。そして、それは同時に彼女を興奮させて、いくぶん未熟で悩ます青年とナレーターの関係に関している。 しかし、ニールがそれが載っているジョニのアルバムを引用したと考えるとき、それは恐らくあり得ない関係でもない。彼の個人的なお気に入りのアルバムが「Hejira」だというように。

 別の有望な仮説が、私のサイト訪問者のひとりによって提案された。「Boy Strange」というタイトルであることは、Boy GeorgeSteve Strange名前のアマルガムであるかもしれない。それぞれバンドのCulture ClubVisageのリードシンガーだ。その両方は80年代初期の「ニュー・ロマンティック」時代のアイコンだ。(彼ら自身デヴィッド・ボウイ自身に大いに影響を受けている)。そして自己のポップ・ミュージックの名声を獲得する前によくクラブに出入りしていた。ポップスとクラブ文化へのボーイズの明白な関心を考える場合、確かに、これは別の可能性だ。


 

 

★用語・人物メモ★

ロロRollo・・・プロデューサー。PSBの曲を何曲か手がけている。

スウェードSuede・・・1992年結成、2002年活動休止。ボーカルのBrett Andersonが歌詞を書き、 ギターのBernard Butlerが曲を書くザ・スミスのスタイルのバンド。ニールはブレッド・アンダーソンとは多少交流がある。

「サタデー・ナイト
Saturday Night」・・・1997年の曲。ニールがスウェードのライブにゲストで出演して、この曲と「Rent」を歌った。ビデオはこちら

 

ファーズ・ディストレクションphase-distortion・・・PD音源。シンセ用語。位相の歪みを利用して波形をつくりだす音源。


ジョニ・ミッチェルJoni Mitchell(1943-)・・・カナダのシンガー・ソングライター。「A Strange Boy」は1976年のアルバム「Hejira」(邦題「逃避行」)収録。ビデオはこちら


Boy George
1961-)・・・カルチャークラブのボーカル。1990年PSBがプロデュースした同名映画タイトル曲「Crying game」がPSBのスパゲティ・レーベルから発売、ヒットした。

 

Steve Strange(1959-)・・・Visageのボーカル。その名のとおり、奇妙なメイクで歌っていた。ボーイ・ジョージの書いたミュージカル「Taboo」には彼も登場する。2006年にはイギリスのリアリティ番組に出演した。バイセクシャル。




 そうですか、昔の彼女が危険な男と付き合いだしたことに対する歌だったんですね。じゃあ、歌に出てくる捨てられた男はニール自身?どっちにしろ、ニールの数少ないノンケ恋愛体験時代の思い出ですね。



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