NIGHTLIFE2-4

The ghost of myself


ニール:1979年、チェルシーにて

(一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください


今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊が
僕がよくやっていたように
今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊が
僕を悩ます

それは平凡な部屋
シングル・ベッドがある
以前は君と共有していた
週末に
本とレコード
ニューウェーブとディスコ
泳ぎに行って、それから
カフェ・ピカソに行こう

今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊が
僕がよくやっていたように
今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊が
僕を悩ます

ロカビリー少年たちの
パブまでの眺め
選挙のための
フロード通りのカメラ・クルー
モヒカン族、スローン族
クローン族が我が道を行く
君は所持品を荷造りし
僕はV&Aに行った

今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊が
僕がよくやっていたように
今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊が
僕を悩ます

今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊が
僕がよくやっていたように
今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊が
鍵を探している

内気な自己に取り憑かれた
僕たちが以前よくやっていたこと
突然の自分の幽霊が
君と仲良くしている

今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊
僕がよくやっていたように
今、振り返ったら
見えた
自分の幽霊が
鍵を探している


Written by Neil Tennant/Chris Lowe


Produced by Pet Shop Boys

 


*以下はアメリカのファン・マスターWayneさんのサイトの曲説明を訳したものです。
http://www.geowayne.com/psbhtml.htm

 ニールはこの歌について説明した。元々、「New York City BoyCDシングルのボーナス・トラックとしてリリースされ、彼のペット・ショップ・ボーイズとしての成功する前の彼自身のライフスタイルの反省、さらに意味づけすれば、彼のホモセクシャリティと折り合いをつけることだ。「今、振り返ったら/見えた/自分の幽霊が/僕を悩ます」。彼はヘテロセクシャルへの試みの記憶に思いをめぐらす。女性と住み(終わりの歌詞で、彼女と“仲良くする“と回想することは明らかにぞっとする)、散らかったアパート、周囲の近所での社交的なふるまい・・・。

 音楽はマーチに近いリズムとテンポでパフォーマンスされ、明らかに他の解説者が指摘したように、文体上はブリトニー・スピアーズの最新のデビュー・ヒット「Baby One More Time」のおかげである。それはムード・アップするが、正確にそのムードが何であるかが説明しにくいと判明する。確かに郷愁ではなく、何だろう?彼が彼のゲイネスに打ち勝つ試みで女性を明らかに気にかけたことの、後悔と(あるいは)罪だろうか?


 興味深いことに、Paul Rymer(David Sylvianと彼のバンドJapanの熱心なファン)は、「The Ghost of Myself」が、1981年のJapanのアルバム「Tin Drum」からのトラック「Ghosts」に文体・主題に、重要な影響があるように見えると指摘した。しかし、ニールは明確に否定したしかしながら、ニール(特に「King's Cross」に関してはペット・ショップ・ボーイズはDavid Sylvianに影響を及ぼされたと証明した)が無意識に彼自身の人生でこの特定の期間に関連している歌を利用したのは、思いもよらなくない。



★用語・人物メモ★

Cafe Picassoカフェ・ピカソ・・・ロンドンの高級ショッピング街、チェルシー地区のキングス・ロードにあるカフェ。1981819日、キングス・ロードのエレクトロ・ショップで偶然に劇的な出会いをしたニールとクリスは、その店を出てカフェ・ピカソに行った。

Flood Street
フロード通り・・・チェルシーにある小さな通り。キングス・ロードのカフェ・ピカソの角をテムズ川方面に曲がった通り。

Sloanes
スローン族・・・スローン・レンジャーとも言う。キングス・ロードの入り口、地下鉄スローン・スクエア辺りの高級ブランド・ショップにたむろする上流社会の女性たち。70年代まではパンクスが多かったこの界隈だが、80年代から90年代は高級ショッピング&住宅街になった。代表的なスローン族は、結婚前のダイアナ。

V&A
・・・ヴィクトリア&アルバート博物館の略。チェルシーとケンジントンの境、ナイツブリッジの近く。

デヴィッド・シルヴィアンDavid Sylvian1958-)・・・イギリスのシンガー・ソングライター。元Japanのヴォーカル。
Tin Drum」(邦題・「錻力の太鼓))は1982年のアルバム。解散後はソロ。坂本龍一とコラボしている。

ブリトニー・スピアーズ(1981-)・・・アメリカのトップ・アイドルだったが、ここ数年の奇行っぷりはマスコミの餌食になっている。「Baby One More Time」は1998(16歳のとき)のデビュー曲。




 ニールは、この年代の多くのゲイ男性がそうするように、若いころはノンケを(自分にも他人にも)装っていた。女性とも付き合っていた。でも自分を偽ることはできなかった。女性と付き合っても「なんか違う」と感じて、ようやく腹をくくったのだろう。

 これ、ホントに1979年の話?1981年じゃなくて?
まあ、ニールがこの頃チェルシーに住んでいた(たぶん今でもこの近く)のは確か。1981年はニールがクリスと出会った年。その日に2人はカフェ・ピカソに行っているし、リヴァプール在住だったクリスは週末だけロンドンに上京してニールの家に滞在し、寝泊りしていた。本人たちは否定するかもしれないけど、ニールを決定的にゲイだと気がつかせたのはクリスに違いない。



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