RELEASE1-

I get along

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原文歌詞はこちらでご確認ください



身も心も、
ドツボにはまったような気がする
君が手に負えない状態だから
なぜ、君が僕から去ったのか
今ならわかるような気がする、
そう、二人ともわかっている
なぜそうなったか
人前では泣かないように
努力しているけど
ここで恥ずかしい思いに耐えている
僕は自分が受けるべき責任を負い
君なしの生活のプランを
考え出している

一人でやっていくよ
君がいなくてもちゃんと一人でやっていく
一人でちゃんとやっていくよ

君には
僕みたいな人間じゃなく
ロックの大御所の方が合うって僕は思う
“ビッグボーイたちが帰ってきた
僕らには彼らが必要だ”と、君は言った
それは君がどこかで読んだ記事だと思う
君の頭の中にあったんだ
でも僕はそう思わなかった、思い違いだと
君は疑惑を起こして
そしてそれを正当化している
今、僕はもう動揺しない

一人でやっていくよ
君がいなくてもちゃんと一人でやっていく
一人でちゃんとやっていくよ

あの夜の翌朝
僕は君がうそをついていたのに
気がついた
君に電話したら
電話が全部転送された
君をつかまえるのに時間がかかったけど
君は開き直っていた
「君が考えているようなことじゃない」と言って
否定した

僕はもう我慢の限界だ
そして君は突然
僕の過去の人になった
人前では泣かないように
努力しているけど
ここで恥ずかしい思いに
耐えている
自分が受けるべき責任を負い
君なしの生活のプランを
考えている

一人でやっていくよ
君がいなくてもちゃんと一人でやっていく
一人でちゃんとやっていくよ


Written by Neil Tennant/Chris Lowe

Produced by Pet Shop Boys


Q.アイ・ゲット・アロング

ニール:新作の大部分が物語仕立てになっていると思うんだけど、そのアイデアは新聞記事から浮かんでくることもあるし、自分自身の暮らしの中から生まれてくるものもある。でも歌詞に関して言うと、今回僕はこれまでのどの作品よりも歌詞を重視しているんだ。前作の「ナイトライフ」は、プロデュースの面では僕らがこれまで作った作品の中で最高のアルバムだと僕は思っている。3人のプロデューサーを起用して、とても美しいサウンドに仕上がった。で、今回のアルバムで僕らは、クリスとニールの2人だけがスタジオにいつって感じのサウンドで、楽曲にスポットライトを当てたアルバムを絶対につくりたいと思っていたんだ。それで前作に比べて歌詞がより重要なものになっているんだよ。それで歌詞は、僕の人生、僕らの人生に実際起きたことを反映している。でも同時にまた、世の中で起きていることも題材にしているんだ、たとえば2曲目に「アイ・ゲット・アロング」という曲があるんだけど、最初のアイデアは、トニー・ブレア英首相が、政治上最も親しかった友人のピーター・マンデルソンをクビにしたところから浮かんだんだ。何故やめさせられたかというと、彼のことはある意味信頼できないと思えてきたし、それに、首相に対して嘘をついていたからなんだよね。そういうことが新聞に書いてあったんだ。それで僕はこの題材をラブ・ストーリーに置き換えて、どうして2人の人間の関係が壊れるのか、そして多分、二人のうち一方が自分たちが共有していた価値観を失ってしまったんだろう、って事について書いたんだ。それが今作の曲にああいったロック界の王族といわれる大物たちにまつわるさまざまなストーリーを取り入れた理由でもあるんだよね。そういう物語は、近頃周りにあふれているんだ。ほら、ステラ・マッカートニーが、あのエアロスミスの娘(リヴ・タイラー)と一緒にいる写真、見たことあるでしょ?彼女たちが「Rock Royalty(ロックの王族)」って書いてあるTシャツを着ている写真。 ここ最近って、ちょうどパンクが起きる以前の状態みたいに、ロック会の貴族階級みたいなものが台頭してきた状況にあると気がついたんだ。リチャード・アシュクロフトがNME誌のインタビューでこう言っていた、「ビッグ・ボーイズ(大物)たちが戻ってきた、俺らには彼らが必要だ」ってね。彼が意味していたのはつまり、リチャード・アシュクロフトやオアシス、レディオヘッドがその年にみなアルバムをリリースするって事だったんだけどね、でも実際にそのアルバムはみんな、売れ行きが悪かったんだけどさ!でもよくわからないけど”ビッグボーイって言う、少し傲慢なフレーズが僕の心から離れなかったんだよ。そのフレーズはある種の音楽的ないいリズムもあるし。ね。「ビッグ・ボーイズたちが戻ってきた、俺らには彼らが必要だ」って。それで僕はそういうのも取り入れることにしたんだ。だけどこの曲は、現実的な感覚を失ってしまったために終わってしまった、ある恋愛関係がテーマなんだよ。

 (
以上、2002EMIブックレットより)

 

 


ニール:この曲を書いているとき、ブレア首相が閣僚のピーター・マンデルソンをクビにする話で新聞紙上は持ちきりだった。右腕のマンデルソンなしでやっていかなきゃならないトニー・ブレアのことを詞にしてみたんだ。だからこの曲における「僕」はトニー・ブレアなんだ。この曲が出たとき、「GQ」誌でマンデルソン本人の電話インタビューを受けることになって、ちょっぴり恐かったよ。彼は頭に来ているはずだと思っていたからね。でも彼は笑い飛ばして言った「別に気にしていないよ。トニー・ブレアの歌だろう。僕のじゃない」って。

クリス:(笑)

ニール:彼の言う通りさ。

 (
以上、2003POPARTブックレットより)


 

プロモーションビデオ(You Tube)



I get along / E-mail

 

002年シングルはUKチャート最高18



クリス:ブルースのビデオを見るのは楽しい。

“たくましく、魅力的で、恋愛にふける青春時代
見知らぬ海岸に降り注ぐ太陽
青春時代を思い出して、焦がれ、諦める”
ジョセフ・コンラッド

ニール:また引用だ。出だしが「ビーイング・ボアリング」に似ている。

リトル・ベア・スタジオ★ニューヨーク・シティ

クリス:
ニール:これはあるスタジオでの撮影風景さ。ニューヨークだよ。若者に囲まれて楽しかった。僕らを大いに和ませてくれたよ。彼らはアートスクールの学生だ。彼女はロシア人モデル。
クリス:タトゥーだ。ランチがよかった。
ニール:食べたっけ?
クリス:とてもおいしかったよ。
ニール:レスリングしている。有名な衣装デザイナーにヘアドレッサーだ。一日中僕らにペイントしていた。ランチだ。衣装は紙で出来ている。
クリス:酷いショットだ。こんな美人と撮影したんだよ。
ニール:あのショット、イヤだ。んふふふ。
クリス:ポラロイド撮影は楽しかった。
ニール:うん。ポールは倒れた紙のタワーを見て、あの惨事を思い出し、跡地を見つめている。

ニール:ブルースは「リリース」が気に入り「Eメール」も撮りたいと言ったんだ。ニューヨークへの哀歌だ。

“誰も計ったことがない
詩人でさえも
人も心がどれだけ耐えられるのかを“
ゼルダ・フィッツジェラルド

ニール:ゼルダからの引用だ。
クリス:素晴らしい。

聞き手―クリス・ヒース

 (
以上、2003POPART/DVDコメントより) PV監督・・・Bruce Weber

 


★用語・人物メモ★

トニー・ブレア(1953-)・・・スコットランド出身。第73代英国首相。労働党党首。庶民院議員。在任期間は1997年から2007年。首相として英国国教だったが、首相退任後にカトリックに改宗をした。オックスフォード大学時代はバンドのヴォーカリストだった。ザ・ダークネスのファン。

ピーター・マンデルソン(1953-)・・・ロンドン生まれ。元TVプロデューサーから政界入り。「黒いプリンス」のあだ名でブレアの右腕と言われた。企業の有力者に市民権を取りはからった疑惑から問題となり、外務大臣をクビになった。現在はEUの欧州委員。イギリスの市民パートナー法の施行で2006年、ブラジル人のボーイフレンドと結婚した。

ステラ・マッカートニー(1971-)・・・ポール・マッカートニーとリンダの次女で、ファッション・デザイナー。自身のブランドも持つが、最近ではアディダスとのコラボを展開中。

リヴ・タイラー(1977-)・・・エアロスミスのスティーブン・タイラーとモデルのベベ・ビュエルの娘で、女優。「ロード・オブ・ザ・リング」に出演。

リチャード・アシュクロフト(1971-)・・・元ザ・ヴァーヴのヴォーカルで、現在はソロ。マンチェスター出身でオアシスと仲が良い。

レディオヘッド・・・ブリット・ポップの雄。2007年にCDより先に、アルバムをインターネットで購入者が任意の価格でダウンロードできるという試みが話題になった。ヴォーカルのトム・ヨークはソロでも活躍。

ジョセフ・コンラッド(1857-1924)・・・イギリスの小説家で、海洋文学で知られる。映画「地獄の黙示録」の原作「奥の闇」の作者。

ゼルダ・フィッツジェラルド(1900-1948)・・・アメリカの詩人。ゼルダからの引用と言ったら、「Being boring」。夫のスコット・フィッツジェラルドとは美男美女の文学家カップルだったが、関係はさほど長く続かなかった。

Bruce Weber(1946-)
・・・ニューヨーク在住の写真家。以前にPSBの「Being boring」「Se a vida e」のPVを撮った。写真のテーマは、白黒・若者・犬など。カルヴァン・クラインの男性用アンダーウェアの広告写真で知られる。2005年監督作のドキュメンタリー映画「トゥルーへの手紙」が公開された。




 この曲はしみじみしちゃう。涙が出ちゃう。人間関係って難しい。誰もがこんな惨めで酷い思いをしなきゃ生きて行けないなら、いっそ人間関係なんていらないっておもうけど、そういう訳にも行かない。誰もが誰かと関わらなければ生きて行けない。一人でやっていくのは難しい。

 ちなみにイギリスのコメディ「Little Britain(ニールとクリスの長年の友人でもあり、2006年「I
m with stupid」のPV2人を演じたデビッド・ウォリアムス&マット・ルーカスが主演)の“マイケル首相とセバスチャン・ラヴ”は、ブレアとマンデルソンのパロディだという。ただし、劇中のセバスチャンはマイケル首相にぞっこんのオネエキャラですが。



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