VERY2-7
「Falling」
クリス:カイリー・ミノーグのための曲。「Go west」のリミックスを叩き台にしてできた
(一言コメント:1999年)
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原文歌詞はこちらでご確認ください
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過去を忘れて、今の方がもっといいから
僕たちにできるなら、最後にそうしてくれ
今、彼女のことを後悔してると僕に言ってくれ
僕は一生懸命理解しようとしている
僕はもう一度、恋に落ちる
僕は君と恋に落ちよう
僕はもう一度、恋に落ちる
僕は君と恋に落ちよう
恋に落ちている、落ちている
失われたものは取り戻すことができる
すべての傷は癒すことができる
恥ずかしかったと思うことは何?
真実はいつ明らかにされるのかい?
僕はもう一度、恋に落ちる
僕は君と恋に落ちよう
僕はもう一度、恋に落ちる
僕は君と恋に落ちよう
突然、良くなるよ
悪夢にさよならをするんだ
問題は何? 原因はだれ?
解決策を見つけてあげる
僕が欲しいなら、僕は君のものさ
僕はもう一度、恋に落ちる
僕は君と恋に落ちよう
僕はもう一度、恋に落ちる
僕は君と恋に落ちよう
恋に落ちている
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Written by Neil Tennant/Chris Lowe
Produced by Pet shop boys
ニール:「Falling」は、クリスのやった「Go West」のリミックスとしてスタートした。彼はそれを再調和させた。
クリス:僕はそれを上り調子のコード・チェンジにしたけど、「Go West」のメロディーはまだ改良されていた。
ニール:彼が思いつくコード・チェンジがリミックスに費やされたと思った。さらに、本当は「Go West」のリミックスは要らなかったんだけど、カイリーのために曲を書いてくれるように頼まれたんだ。僕は、このイントロはピュアなカイリー・ミノーグの音だと思った。それで、これはカイリーのための歌に変わった。コード・チェンジするのを聞いたとき、僕は、すぐに「I'm falling in love all over again」と歌い始めた。これには僕が今までに書いた中で最も悪い歌詞の1つが入っていると思う。たとえ経験を基に書いていてもね。それは恋が終わったとき、まだ誰かに恋していると気がついたということだ。これを書きながら、カイリーがすごくカイリー的ダンス・ルーティーンをするといつも想像したよ。でもこれは、カイリーの最初のストック・エイトキン・ウォーターマン後のアルバムのためのものだった。そして、そのような歌を彼女にあげるのは、僕たちはちょっと反対だった。カイリーは古いカイリーではなく、新しいカイリーになりたがっていたけど、僕たちはすごく反対で、ストック・エイトキン・ウォーターマン・カイリーをやった。高揚するクオリティになった。彼女はファーリー&ヘラーとこれをレコーディングした。
彼らは一種のディープ・ハウスっぽくやって、彼女はメロディーを歌うというよりむしろ歌詞を喋った。これは力強いメロディーだと思っていたから、僕は非常に失望したよ。僕たちは、サーム・ウエストでこのデモをやって、リミックスした。
僕は本当にカイリーが歌った最初の歌詞のオリジナル・バージョンが嫌だった。「kiss the past 'til it's better」で始まるのは酷い。それで、後の時点では、僕たちのバージョンの歌詞を変えた。僕たちはB面に一度もこれを入れなかったから、これはリリースされたことがない。忘れていたと思う。
クリス:マジで、「Go West」のリミックスとしてもうまくいったと思うよ。
(以上、2001年ブックレットより)
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★用語・人物メモ★
カイリー・ミノーグKylie Minogue(1968-)・・・オーストラリア生まれ。アイドル、女優(ドラマ「ネイバーズ」で人気に。ちなみにこのドラマにはクリスもカメオ出演したことがある)を経て、現在は世界中のドラーグ・クィーンの憧れのディーヴァ。なぜカイリーはこうもゲイにチヤホヤされるのか?小さくて華奢でタフ、かわいさと妖艶さを同時に持ち、そのうえドラーグ・クィーンっぽいチープなキャムプさまで完璧に兼ね備えている。しかも仕事のキャリアの上がり下がりや華麗なる男性遍歴(恋人だったマイケル・ハッチェンスの自殺など)、はたまた乳がんなど、いっぺんどころか何度もドン底を見ている苦労人でもある。まるで(いい意味で)安っぽい昼メロドラマを見ているような感じ。当然その中には、カイリーの歌手復帰に手を貸したPSBも登場するのだが、カラダ目当てじゃないからゲイは信頼できたんだろうね。カイリーは決して強いオンナのイメージはない。なんだか小さな体ですごくがんばっているってトコが放っておけないんだろうね、みんな。2008年で40歳・・・まだまだイケそうである。ちなみに2007年のシドニーのゲイ・プライドでは1000人がカイリーのドラーグ・クィーンに扮した。
カイリー・ヴァージョンの「Falling」はこちら。PSB版とはアレンジがまったく違います。
ストック・エイトキン・ウォーターマン・・・イギリスの80年代ユーロ・ビートで1代を築いた3人のプロデューサー・チーム。Mike Stock、Matt Aitken、Pete Watermanの3人。カイリー・ミノーグも3人のプロデュースでダンス・ミュージックを出していた。90年代に権利問題で分裂。
ファーリー&ヘラー・・・Terry Farleyと Pete Heller。イギリスのハウス・ミュージックの音楽プロデューサー・チーム。
この曲は、カイリー・ヴァージョンとPSBバージョンでは、同じ歌?と疑うほどまったく違う曲に仕上がっている。これがプロデューサーの違い、プロデューサーの大切さなのかと改めて思う。実際、この頃のカイリーは軽薄なダンス路線を捨てて、よりアーティスティックな方向を目指していたころだと思う。皮肉にも本人が良いと思った芸術性は大衆受けせず、結局カイリーはPSBたちの望んだようなダンス路線に戻り、現在のように大成功を収めている。アーティストって因果な生き物・・・。だからやっぱり自分のやりたいようにやっていて、しかも成功しているPSBってスゴい(何をしても付いて行っているファンがスゴイのか?)。
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