VERY1-3

Liberation

liberation1
 liberation2
(1994)


ニール:僕たちとしては珍しく、ロシア革命についてじゃない曲。
(
一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください




僕の手を握っていて
また気がかわってしまったから
本当に、これが真実だって思っていた
恋にはまる人間はバカだって思っていたから
でも、僕が間違っていたよ
僕は十分に学んだんだ
真夜中、家に帰る途中ずっと
君は僕の肩にもたれて眠っていたよね

僕の手を握っていて
義務だなんて考えないで
今、この瞬間
君の愛こそが解放なんだ

僕の中で自由になる
有り得ないほど初めての信頼、
いつも僕は大きなリスクがともなうと思っていた
でも、突然僕は躊躇しなくなった

僕の手を握っていて
ほかのことなんて考えないで
今、この瞬間
君の愛こそが解放
リベレイションなんだ

夜、星の元
暗闇を照らしてくれる光だから
真夜中、家に帰る途中ずっと
君は僕の肩にもたれて眠っていたよね

僕の手を握っていて
恥ずかしいなんて考えないで
今、この瞬間
君の愛こそが解放
リベレイションなんだ

真夜中、家に帰る途中
真夜中、家に帰る途中ずうっと


Written by Neil Tennant/Chris Lowe


Produced by Pet shop boys
Additional produced by Stephen Hague

 


ニール:これはダイレクトなラブソングさ。引用されている出来事は「真夜中、家に帰る間ずっと/君は僕の肩の上で眠っていたね」で、何も起こらないけど、これは僕が当時こんな恋愛関係にあったんだ。本当にそれに関して言うつもりはこれ以上何もないよ。 音楽はプロコフィエフのバレエ音楽にインスパイアされている。ピアノ・バージョンのロメオとジュリエットの、ローレンス僧庵のためのテーマのバージョンだ。最初の2つのところまさしく最初の2つの小節がメロディーの引き金となった。僕はこれを聞きながら家のお風呂に横になってて、突然「Liberation」になるメロディーをひらめいた。で、ピアノで書き留めるために階下に駆け下りたんだ。

クリス:「Being boring」にちょっと似ていない?ドラムパターンとバスが同じに聞こえる。

ニール:JJベルがギターを弾いた。 これはあまり苦労してはいない。このトラックのレコーディングの事とかを覚えていないんだ。苦労したら覚えているだろう、ふつう。僕はこの歌をこんなふうに思う
ある意味で、恋愛関係というものは人を束縛しているけど、自由だと感じさせることもできる。で、僕は言う気にすることはない、と。これは僕らの「いまを生きる」歌のひとつだ。「Tonight is forever」みたいな。 この歌は恐ろしく甘い。 僕の恋愛関係には多くの“複雑さ”、“義務”、“ためらい”がいつもあった。で、言っている僕たちはそうするつもりだけど、多分できないだろう。でも、いまが素晴らしいなら、現実を楽しむ価値がある。で、それが君を自由に感じさせるんだ。

 (
以上、2001年ブックレットより)


 


ニール:とても誠実な歌。愛は解放であり、愛は人を自由にするといった思想は、アートの領域だと思う。音楽にも雰囲気がある。明らかにプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」のFriar Lawrenceのテーマに影響を受けている。ある日その曲を聴いていたら、最初の2つのコードができた。(歌う)「dum,dum,dum♪」。即座に頭の中で、別のメロディーが浮かんだ。 (歌う)「dum,dum,dee,diddy,dee♪」。それをピアノで形にしたんだ。だから、この曲にはアートの要素が詰め込まれている。とても美しい作品だ。歌詞には隠された意味なんかない。ただそのまま。誰かに恋をすることを歌っている。恋人が方で眠りに落ちるくだりが好きだ。それは、信頼されているってことだからね。

 (
以上、2003年「POPART」ブックレットより)


 

プロモーションビデオ(You Tube)




199
4年シングルはUKチャート最高14

ライブ(イン・リオ1995年DiscoVery(You Tube)



 



ニール:僕らの撮影がなかった作品だ。
―今回は一貫してCGを駆使して製作したね。
ニール:うん。
―いつも次々と変えるのに。
クリス:管だらけだ。
―奇妙な円筒だね。
ニール:そう、あれは・・・。
クリス:回転するコマさ。君が赤で、僕がオレンジだ。違いがわからない。
―乗り物にもなる。ロケットみたいに飛んでいる。
ニール:確かアイマックスで。
クリス:3Dで上映された。
ニール:これともう1本のビデオは3D上映用に撮影された。イギリスではこういうものは3Dメガネで見るから。
クリス:確かにこれは3Dメガネで見るといいよ。気分が悪くなるけど。
ニール:製作に数ヶ月かかった。
―(歌うニール)これは撮影したの?
ニール:そうだよ。アハハ・・・撮影で歌ったのを忘れていた。
―クリスはどう?
クリス:僕もスキャンされたはず。またCGを使って製作しよう。
ニール: いいよね。
クリス:もっと良いものになるよ。
―これは?
クリス:性的な象徴かな?
ニール:サイケデリックだと思うな。
クリス:全てのものに意味がある。
ニール:そうかな。
クリス:後ろは帽をかぶっていない。
ニール:かぶせたほうがいい。

聞き手―クリス・ヒース

 (
以上、2003POPART/DVDコメントより) PV監督・・・Howard Greenhalgh

 

 

★用語・人物メモ★

Sergei Sergeevich Prokofievセルゲイ・プロコフィエフ(1991-1953)・・・ロシアの作曲家、ピアニスト。オペラ、バレエ、映画音楽などを手がける。エイゼンシュタインの映画「アレクサンドル・ネフスキー」「イワン雷帝」の音楽を担当。「ロミオとジュリエット」は1935年のバレエ音楽。ビデオはこちら。
Friar Lawrence
(ローレンス僧庵)は
Act III: Scene 2: No. 44

 




 本当に、「愛は儚い」ということを教えてくれる歌だと思う。甘く幸せな瞬間を歌ってはいるけど、これは刹那であって、明日にはこの関係は崩れてしまうかもしれないという危うさ(歌詞の2行目でも「たった今気持ちが変わってしまった」と言っている)・・・それがニールの愛の形であり、美しいと思う瞬間の形なのかもしれない。愛には自由と束縛がつきもので、どちらのウェイトが重くても関係は壊れてしまう・・・特に社会的な関係(結婚)を前提としない“純粋にパーソナルな恋愛”はね。難しい・・・難しい恋愛をしすぎですよ、ニール(まさにインテリが陥りやすい状態です)。
 個人的感情を歌ったものだけど、すごく普遍的で宇宙的な音で素晴らしい。すでに終わってしまった恋愛だろうけど、それにしてもこんな愛の歌を捧げられた元恋人は幸せすぎるぞ!



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