VERY1-2

I wouldn't normally do this kind of thing

normally1
 normally3 normally2 normally4
(1993)


ニール:控えめなイギリス人が恋に落ちるときに言うセリフ
(
一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください



なぜ、って僕に尋ねたら
僕は最高に“普通じゃない!”って答えるよ
どうやったら、この不思議なことを説明できる?
なぜ今日、僕が踊りだしたい気分になったのか
恋する詩人のように歌いだしたくなったのか、
普段、僕はこんなことなしないのに
こんな風にならない人間なのにね

いつからそうなの、って聞かれたら
君に出会った瞬間から!って答えるよ
そしてその瞬間から
過去がもろい物だってわかっていた
でも、今は僕はこのレースの勝者になれるって思っている
普段、僕はこんなこと思わないのに
こんな風に思わない人間なのにね

もし人が僕をクレイジーだって言うんなら
それは正しいかもしれない
誰に何を言われたって、かまわない
朝食までもたないよって言われても
ありふれているって言われても、
からかわれても、あれこれ詮索されても、かまわない
だって、普段の僕じゃないから!
ノーマルな状態じゃないから!

いったい何、って聞かれたら
いい気分だから!って答えるよ
信じようともしまいとも、どこに向かっているのかわかっているさ
服を全部脱ぎ捨てて
「春の祭典」にあわせて踊りだしたい気分!
普段、僕はこんなことなしないのに
こんな風にならない人間なのにね
普段、僕はこんなことなしないのに
こんな風にならない人間なのにね
いつもの僕じゃ・・・・ないよね



Written by Neil Tennant/Chris Lowe


Produced by Pet shop boys
Additional produced by Stephen Hague

 


ニール:僕が所有しているジェームス・プライドの絵が国立スコットランド美術館に展示されたのを確認しに、エジンバラに行く予定だったんだけど、港へ行く途中のタクシーの中でかなりはっきり覚えている。ヒースローに行くM4道路がビル郡を通り過ぎたところで、「いつもはこんなことはしないのに」と僕は突然、思った。 多分僕がそう考えていたからだろうけど。普通、1日でどこかから飛行機でとんぼ返りすることはしないからね。 それは一日中僕の頭にあった。 全部のこと、全部の歌があった。それは全部すごく簡単だった。そして、僕たちは翌日スタジオでデモをやった。それはアルバムのバージョンとはそんなに違わない。 スティーブン・ヒューグは前の部分に小さいギター・リフを入れた。ただピアノがあっただけだったから。

クリス:シングル・バージョン(トラックCD2-7)のために、僕たちは何人かのヒップでクールなダンス・プロデューサーをゲットした。

ニール:ビートマスターはギター・リフを取って、全体をより60年代っぽくした。当時僕は、シングル・バージョンの方が好きだったと思うけど、今はアルバムバージョンのすっきりした感じが好きだな。クリスが中間に書いたインストィウルメンタルのブレイクが好き。それは7インチでは違っているんだけど。これは、恋に落ちておかしくなっている、控え目な英国人の男の歌だ。一部は僕自身の経験がベースになっているけど、僕の姿として考えるのは間違っているよ。僕はそんなに控え目な男であるという訳ではないからね。僕はこれをちょっとノエル・カワードの歌みたいに書いた・・・それは、普通ならやらないようなことをたくさんリスト・アップした歌だ。僕は、すべての服を脱いで「春の祭典」みたいに踊るっていう歌詞にすごく満足している。僕は「オブザーバー」のアメリカ人の風刺漫画家、フィーファーの漫画が好きだった。例えば、女性が「これはワタシの春のダンス」って言う…で、中でジャンプする。で、クライマックスの部分が笑える。僕は、いつもそれに似ていると思っていた。僕は、ビデオでその部分をやる男性がいくらか期待はずれだったと思う。僕たちがアルバムを終えたとき、マンチェスターに行ってジョニー・マーにそれをプレーしたのを覚えている。僕が聞かせると、彼は笑い初めて、それからずっと笑いっぱなしだった。

 (
以上、2001年ブックレットより)


 


クリス:これぞポップ・ソング、だよね?ビデオでは踊っているけど。

ニール:ああ、踊っているね。

クリス:どっちかと言うと、ひどい踊りだ(笑)。

ニール:踊りのようなもの、だね。

クリス:そう、で・・・。

ニール:すごくペット・ショップ・ボーイズらしいタイトルだろ?「I wouldn't normally do this kind of thing(いつもはこんな僕じゃない)」。これを思いついたのは、所用でエジンバラに日帰りで行ったときのこと。車で行ったんだけど、道中突然“I wouldn't normally do this kind of thing”っていうフレーズが浮かんだんだ。しかもメロディ付きで。エジンバラにいた一日中歌い続けていたよ。(歌う)I wouldn't normally do this kind of thing
って。で、次の週にはスタジオに入って、「アイデアがあるんだけど」ってクリスに伝えて、一緒に曲を作り上げた。発想が気に入ったんだ。控えめなイギリス人の男が恋に落ちて恋愛ボケになる。ちょっとマンガみたいだろ。面白おかしい曲さ。最初のレコーディングでジョニー・マーに聴かせたときのことは忘れないよ。彼、いきなり爆笑したんだ。僕は言った。「ああ、それそれ。それが狙いなんだ。着ているものを全部脱ぎ捨てて/春の祭典に合わせて踊りだしたい気分/でも僕は普段はこんなことするタイプじゃないのに”っていう詞の通り。」

(
以上、2003年「POPART」ブックレットより)


 

プロモーションビデオ(You Tube)




1993
年シングルはUKチャート最高13

TVライブ(ドイツ/1994年)(You Tube)






ニール:次は一転して、ブリジット・ライリーに象徴される1960年代らしい曲だよ。
クリス:紅茶はいかが?・・・僕たち滑稽だね
ニール:ああ。
クリス:前のビデオ以上だ。びゃはは。
ニール: かつらとめがねはいい。
クリス:金髪にあこがれていたんだ。
―ビデオ撮影でよく踊ったよね。
ニール:プルオーバーがイヤだ。ブーツも変だよね。でも独創的でいいよ。
クリス:僕らのミニ・ミーだ。
―君たちが踊ったの?
ニール&クリス:ああ。
ニール:フレームは要らないね。
―テーマは、
普段はしないことをするだね。
ニール:その通り。
―歌詞にもあるように。
ニール:そうだね。
―放送された?
クリス:ああ。
ニール:土曜の朝、テレビで歌ったんだ。君はクリスマス休暇中で、僕が2人のコメディアンと一緒にやったんだよ。2人とも君の代役さ。テイク・ザットたちが見ていた。ゲイリーに運動神経を褒められたよ。
クリス:反撃だ。
ニール:そう。
クリス:リヴェンジされる役回りさ。
ニール:(服を脱ぐバレエダンサー)彼は呼んでいないけど。・・・こりゃヒドい。はははは。相当ヒドいよ。ここはDVDから削るかも。
クリス:あ〜あ。見るに耐えない。ビースティ・ボーイズだ。へへへへ。うへへへ。あっはっはっは。うぎゃ〜〜〜どんどん酷くなる!ぞっとするよ!おぞましい!恐ろしかった。
―終わったようだけど・・・。
クリス:まだだった!
ニール:ここは割といいよ。
クリス:ジャネットみたいに踊っているね。・・・まさにジャネット。やっと終わった。
ニール:ツアーでもかつらをつけた。

聞き手―クリス・ヒース

 (
以上、2003POPART/DVDコメントより) PV監督・・・Howard Greenhalgh

 

 

★用語・人物メモ★

The Rite of Spring「春の祭典」・・・ロシア作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーがセルゲイ・ディアギレフの依頼で作曲したバレエ音楽であり1913に完成。初演は19135月29パリシャンゼリゼ劇場バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の公演として行われた。振付ヴァーツラフ・ニジンスキー2007年に亡くなったバレエ会の巨匠、モーリス・ベジャールのものが有名。「鹿の発情」がモチーフになっている場面がある。

James Pryde(1966-1941)
・・・スコットランドのリトグラフ、ポスターなどの画家。1930年サヴォイ劇場の舞台美術を手がけている。 作品集はこちら。

the National Gallery of Scotland
・・・エジンバラにある国立美術館。HPはこちら(日本語案内あり)。

Jules Ralph Feiffer(1929-)・・・アメリカのコミック作家。代表作は「Village Voice」。HPはこちら。

Bridget Rileyブリジット・ライリー(1931-)・・・イギリスの女性画家。オプ・アート(錯視知覚心理学的なメカニズムにもとづいて、特殊な視覚的な効果を与えるよう計算された絵画作品のジャンル)の代表的アーティスト。まさしくPVのバックで使われているようなグラフィック的アート。

ビースティ・ボーイズ・・・アメリカのヒップ・ホップ・グループ。1981年結成。

テイク・ザット・・・1990年にイギリス・マンチェスターで結成されたボーカル・グループ。
売れない時代にゲイバー回りをしていたことがあるので、ゲイからの支持が厚い。ゲイリー・バーロウロビー・ウィリアムズマーク・オーウェン、ハワード・ドナルドジェイソン・オレンジ5人。解散、それぞれにソロ後再結成し、見事トップに返り咲いたが、ロビー・ウィリアムズだけは再結成に参加していない。




 この曲は、VERYの中ではもっとも、屈託ない…毒がなくてかわいらしい曲だ。誰もが恋をすればちょっとおかしくなってしまうからね…それはコワモテやインテリでも同じく。英国人の男はたぶん日本人の男以上に権威的で体裁を気にする傾向があると思うけど、恋をすると一番変わるのもイギリス人かも。



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