YES 1-10

The Way It Used to Be


原文歌詞はこちらでご確認ください



僕はここにいる
君はどこかに
近くに来て
今夜、僕は独りだ
ここに来て
僕といて
僕は望んでいる
昔のように

愛の残骸って何だろう?
教えてくれ
だれが気にかけるというんだろう
多くの時間が過ぎて
僕はまだあちこちで君に会っていた

橋の下の水
1日の終わりの夕暮れ
愛の残骸って何だろう?
ここで漂い消えることもなく

太陽の日々を思い出せる
僕らの人生がまさに始まったのがわかった
僕たちは何でもできた
若いころは大胆不敵だった
月の下、行き先知らず
ローマの夜を思い出す
愛は続くと思ったのに
石に刻んだ約束

僕は思い出だけで生き残っていく
もし感じ方を変えることができるなら
思い出以上のものが欲しい
それらをリアルにする人間味を

別の日、別の夢
空虚な場面に橋を架けてくれ
僕たちはベッドで週末を過ごし
そして、上流に溯って流される
なぜ遠くに立ち去ったのかわからない
ここで迷い、ニューヨークあたりで
僕たちははぐれた
僕たちの約束は裏切られた

僕はここ10番街で気付いた
君はカルバー・シティー・ブルースの何処かの場所に
その場で僕は、君を失ったのがわかった

愛の残骸って何だろう?
教えてくれ
だれが気にかけるというんだろう
多くの時間が過ぎて
僕はまだあちこちで君に会っていた
橋の下の水の流れ
1日の終わりの夕暮れ
愛の残骸は何だろう?
ここで漂い消えることもなく

北の痛み全てを僕に与えないでくれ
雨の中、ニューヨークに僕を売り渡さないでくれ
過去に巻き戻して
僕たちの約束を残そう
お願いもう一度

消え去らなかった時間に
何かが残っているだろうか?
時々、僕は振り返らなくては
昔やったように


Written by Neil Tennant / Chris Lowe /
Brian Higgins / Miranda Cooper /Nick Coler

Produced by Xenomania




クリス: この曲はXenomaniaのバッキング・トラックだった。初めて聞いたとき、この曲をすごく気に入った。で、これを持って上の階に仕事しに行った。

 

ニール: これは一番書きやすいXenomaniaの一つだった。クリスは、このメロディーを演奏しながら下へ降りて来た。僕はすぐに歌った。例えば“Im here, youre there... the way it used to be”とか何とか。歌は速攻で「The way it used to be」になった。

 

クリス: dont give me all your Northern pain”のところ以外は全部のメロディーを僕が書いた。

 

ニール: 違うよ。僕が音楽を書いたところもある。コードも全部。”Id survive with only memories”の部分とか。

 

クリス: うん。マジで素晴らしい中盤部分だ。 それで、10%以上は良くなった。誰が“I was there caught on Tenth Avenue”の部分を書いたの?

ニール: 多分ミランダだろう。僕は、その歌詞を書いたのを覚えている。カルバー・シティーという場所が、実在したか想像だったか確信がなかったから、僕はクリスの妹に電話をかけたからね。この歌は、曲を通してのデュエットにするつもりだった。ティナ・ターナーに訊いて見ようかと思っていたけど、しなかった。ミランダと僕は、映画のようにしようというアイデアがあった。この曲はある関係の物語だ。長い音信不通の後に再会する二人から始まる。そして、彼らが最初に恋に落ちたときの、彼らの関係が始まった時からの長い回想場面を見る。ミランダと僕は、座って、物語を書いた。彼らはローマへの休暇から、マンチェスターに移動した。2番目の歌詞の“over the bridge an empty scene(空っぽの場面に橋を架ける)”というのは、マンチェスターの運河を思い浮かべた。次に、彼らはニューヨークに移り、決定的な破局をし、関係は壊れ、彼らの片方はロサンゼルスに行く。結局、彼らは再会し、そして元のさやに戻る。

クリス: ハッピーエンドなの?

 

ニール: 歌のラストでそれを暗示するために、キーを変えたかったんだけど、ちょっと流行遅れみたいに聞こえた。だから変えなかった。

 

クリス: Tierce de Picardie(ピカルディの3度=短調の楽曲の最後が、その調の主和音でなく、同主調の主和音で終わること)

 

ニール: どういう意味?

 

クリス: メジャー・コードで突然に終わらせることさ。

(以上、Literally 3420097月より)




テナント「これは本当にやり方としては映画の脚本だ。 Xenomaniaのバッキング・トラックからスタートして、クリスがその上にいくつかのメロディーを書いて、僕はすぐにそれを"The Way It Used To Be"にしたいと思った。それはペット・ショップ・ボーイズのメロディーに対比するXenomaniaのメロディーの、とても良い例だ。」

(
以上、Big Issue in the Northより)




うねるような感情というか、愛の痛みを表現した異色作。ポップ・テイストがポイントのこのアルバムでは例外と言うべき重いイメージの曲で、シンプルなメロディと骨太なサウンドをバックに、ニールがドラマティックに歌い上げる。ゲスト・シンガーのカーラ・マリー・ウィリアムズはガールズ・アラウドのヒット曲「プロミス」も書いている人で、ブライアンのお気に入りのようだ。
「過去をよみがえらせて現在にしたいという気持ちを歌っている。」(ニール)

 (以上、2009年「YES」ライナーより)

 

 

ビデオ(アンオフィシャル)(You Tube)




★用語・人物メモ★

Culver City・・・カリフォルニア州、西ロサンジェルスにある街。MGM、ソニー・ピクチャーズなどの映画スタジオがある。




 泣ける詞です。涙がでるほど切ないです。いわゆるこれまでのPSBバラードとはちょっと違って、明らかに他人の手(ゼノマニア)が入っているのがわかるんだけど、それでもPSBの切なさと流れるように進むメロディーは健在で、本当にいい融合をしています。ニールにしては珍しく感情をあらわにした歌い方(“Don't give me all your northern pain〜”のセンテンス)も新境地と言える。しかし、こんなに切なくて美しい歌…しかも懐かしくもマンネリズムとは無縁の…を書けるニール&クリスは、まだまだ第一線(恋愛の修羅場の現役ということも含めて)から退くつもりなんて毛頭ないようです。



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