5月27日(日曜日)
朝。マーガレットとニールとクリスは、今日は同じ街にいて、同じ時間を生き、夕方のスケジュールが同じ待ち合わせ場所だ。
今日は私にとって2度目の本番。さあ、気合いを入れろ。テンション上げろ。・・・今日も雨か。ちぇっ。
ロンドンの日曜日は静かだ。休みになるお店もあるけど、午後から開く店もある。絶対やっているのが美術館。去年来られなかったナショナル・ギャラリーにやってきた。その前に広がるトラファルガー・スクエアは、2004年にPSBがポチョムキンの無料ライブをやった。今日も何かのライブをやっているよ。
イベントが多いトラファルガースクエア
|
ナショナル・ポートレート・ギャラリーのショップで
売っている芸術写真のポストカード
|
午前中いっぱいナショナル・ギャラリーにいて移動。
レスタースクエア方面に歩いていく。レスタースクエアの北、シャフツベリー・アベニューをはさんで南がチャイナタウン、北がソーホー。オールドコンプトン・ロードがゲイ・ストリートで、そのすぐそばにケーキ&カフェのメゾン・ベルトーがある。ここは故デレク・ジャーマン行きつけのカフェとして知られ、多分甘党のゲイが集うお店(憶測)。
その隣の店は、ニール&クリスの行きつけ(?)の店、「The coach & hoses」。4月18日に一緒に来たって、公式HPに書いてあった。つるむのは、気を許せるからなんだよね。
私も入ってみました、このワインバー。ただ、日曜のためランチが休み(そういう店は比較的多い)で、ニールも飲んで気持ちよくなったと思われるワインを飲んで帰ってきた。普通の小さな店。オヤジも特に愛想がいい訳でもなく、普通。こんなトコに有名人が現れるんだー。
青がメゾン・ベルトー、赤がThe coach & hoses
|
ロンドンの中心地、ウエストエンドの地図
|
ワインバー、The coach & hoses
|
4月18日、公式HPより。
ニール&クリスは2人でここに来て飲んだ。
写真はクリスが撮ったらしい
|
そのすぐ近く、チャリングクロス・ロードのFOYLSというCD&本屋のウインドーでPSBのCUBISMのDVDをフィーチャーしていた。写真を撮る。(後日公式hp「Message
from Neil」を見たら、5月23日付でなんと同じところで取った写真がアップされていた。まさかニールもここで撮ったの?そうとしか考えられないけど・・・本当にPSBのニールがここでこの写真撮ったのぉ?)
私が撮ったFOYLSのウインドー
|
公式hpよりFOYLSのウインドー写真
|
ここからバスに乗り、チェルシー方面に。チェルシーはニールの自宅がある。今日はロンドンにいるはずだけど、自宅にいるかなあ・・・って、自宅に押しかけるわけじゃないけどね。詳しい場所知らないし。
スローン・スクエアでバスを降りる。ここから西に伸びる道が、まさにPSB巡礼道、キングス・ロードだ!!
1981年、26年前、ニールとクリスはこの道のどこかにある電気パーツ店で出会っている。この出会いがなければPSBは存在しなかったし、私もこうやって毎年のようにロンドンに行ったりしなかっただろう。
ただ、81年当時はキングス・ロードはパンクスが徘徊し、エレクトロニック・カルチャーの最先端だったが、今では高級な店が軒を連ね、おしゃれな高級住宅街になった。おそらくその電気パーツ店、名前とか場所は明らかになっていないけど、それももう存在しないだろう。まあ、このボーイ・ミーツ・ボーイ話は作り話じゃないんだよね。嫌だよ、本当はゲイクラブで友人に紹介されたとか、そういうのだったら。
キングス・ロード
|
チェルシー・フラワー
|
スローンスクエアの近くにパートリッジという小さいけど高級スーパーがある。おそらくニールのおうちの食卓(シェフ、あるいはお隣に住む実のお姉さん)も、ここで食材を購入していると思われる。ここにはオリジナルの商品があって、お目当ては「チェルシー・フラワーズ」のお茶。つまりチェルシーの花の紅茶だ。ニールの居住区で育った花の紅茶なんて、なんともロマンチックじゃない?
ちょっとブラブラしてホテルに帰る。旅行ももう最後の日、けっこう足が疲れている。よく見れば血マメができている!足の裏も絆創膏だらけ!よく今日まで堪えたなあ。あともう少しだ。
ホテルで足湯をしながら、テンションを上げる。アドレナリンが出てくる。残念ながら冷たい雨はまだ降っている。
今日は気分を変えて、髪をアップにして、かんざしを指した。この方がゲイシャっぽいかも。着物を着る。幸い、寒いのでコートを羽織れるので、あまり着物を着ていて目立つこともなさそう。今日のライブはスタンディングなので、荷物は全部身につけなくてはならない。ちょっとのお金と地下鉄のパス、ホテルのキーは小さい巾着に入れて帯紐に縛って帯の中に入れる。これで飛び跳ねてもなくすことはないだろう。うちわとフィギュアは肩掛けバックに入れて、いざ出陣。
が、地下鉄に乗ったら、若い兄ちゃん(多分酔っ払い)にずっと声をかけられた。無視っ。今の私には、無駄なものをはねつけるパワーがあるはず。
★ライブinロンドン★
そう、今日のライブは1階スタンディング・・・ということは、自由席ということだ。つまり、入場して場所取りはどう考えても早いもの順。ふと心配になった。会場に着くのが遅かったかしら。
チケットに書かれた開場時間は19:00。会場のハマースミス・アポロに到着したのは16:30。遅い?雨の中、並んでいる人はまだ30〜40人くらいだ。待つ。傘をさして、ひたすら開場を待つ。けっこうみんなサンドイッチやパックサラダの立ち食いを敢行している。傘さし立ち食い。行儀ワル。でもロンドンでは立ち食いは常識。ライブの前は胸がいっぱいで、何も入らないよ!(帯もきついし)。う〜〜、寒いけど立ったまま眠くなる。こういうときお喋りできる連れがいないってのも寂しいもんだ。
待つってのは、気の遠くなるほど長い。同じところに立っているのもけっこう疲れる。1時間半、ようやく開場だ。開場して、チケットを見せてゲートを通ると、私は着物でホールにダッシュした。ちなみに足元はブーツ。とにかく前方を目指す。すでに中央最前列は人だかりだ。私は中央よりやや右よりの最前列のバーを掴んで、「もう絶対ここから動かない!」と心に誓った。舞台からバーまでは約1mほど。その場でレインコートを脱いで、腰に巻く。うちわのスタンバイはできている。いつでも準備はOKだ。
バーにもたれかかって約1時間、どんどん客が入ってくる。今日のロンドン公演はソールド・アウト、満席のはず。2階は椅子席。ああ、ちょっと座りたいわぁ。でもガマン、ここから動いたらもう2度とこの場所に戻ることはできない。
20:00、ショーが開幕!それ〜〜〜っ!(気合い)
続く
|