Margaretの部屋/5月
パリ&ロンドン一人旅

行動編W

 




 5月26日(土曜日)

 朝、ホテルで豪華なイングリッシュ・ブレックファーストをここぞとばかり食べた。
 土曜日。土、日、そして月は5月最終月曜のバンクホリデー(祝日)なので、ロンドンは3連休中。それでなんとなく人が多い。
 土曜日はポートベロー・マーケットの日と決まっている。ラッセルスクエアはポートベローもバス1本で行けちゃうのだ。
 ただ、かつては鬼のようにアンティークレース&ドレスを買ったものだが、買いすぎていまは売るほど何十着も持っているので、今回は買わないつもり。その気持ちを察してか(?)以前ほど絶対ほしいと思うほどいいドレスやレースがない。いつも行く店も縮小されていた。ビクトリアンのアンティークは確実に少なくなっている。日本のアンティークきものも同じ状況。気に入ったものがないのにアセって買うことはしません。こういうものは縁ですからね〜。
 ひとつ気になるものがあった。私のコレクション外であるシルバーの小さな角砂糖挟み(トング)なのだけど、よくあるのはシンプルなものか、凝っていても先が鳥の足になっているものはたびたび見る。が、今回見つけたのは人の足になっているちょっと見たことないもの。お店の人も面白いでしょ〜と勧めるので、購入した。


人の足がぐるぐるしている・・・


フィッシュ&チップス
チキンのケジャンと激しく悩んだけど、今回まだ食していなかったフィッシュ&チップスにする。
これはまずい店だとアブラッコくて数口で嫌になる。
さすがにこのお店のはめちゃくちゃおいしい。

お昼ごろまでポートベローをウロウロしていた。アンティークから食品市、雑貨からファッションまで細かく見ていたら1日かかるし、体力も消耗する。ちなみにここはスリも多いので、注意してください。クレジットカードは手数料5%をお店にとられることが多いんですよね。以前、ガッツリ買うつもりでけっこうな大金をかなりヒヤヒヤして身に付けて行ったことがあったけど、今回はそんなこともなく気が楽。
 バスで再びホテル方面に戻る。ランチ。ラッセルスクエアを拠点にしたのはもうひとつ理由があった。めちゃくちゃおいしいガストロ・パブがあるのだ。ちょっと奥まったわかりにくい場所にあるけど、Perseverance(パーサヴァランス)という長い名前の店。「忍耐」という意味のようだけど・・・なんでだろ。

 実は去年もここに来ていて、ラムのローストを食した。今回はめちゃくちゃパブの基本、フィッシュ&チップス、大好きなエール(ビールの一種)を注文。たいがいのパブのフィッシュ(白身魚のフリッター)はバカみたいに大きいけど、ここのは小さ目が2本。衣も薄くて洗練されている。自家製タルタルソースがすっごくおいしい!たいていのパブは、タルタルソースは自家製せず、小袋入の市販品だ。比較適量の多いフィッシュ&チップスをどこでも完食したことなどなかったけど、全部たいらげた。胃袋がもうひとつあったらもう1品注文したかった。明日か明後日また来ればいいじゃん、って思うでしょ・・・残念ながら日曜・祝日は休みなので、今日しか来られないんです。夜はワインバーになってしまうので(まあ、おつまみも多少はあるとは思うけど、イギリス人はパブであまりおつまみを食べる習慣がない)、パブ飯が食べられるのは今日だけ。ああ、残念。このパブのために滞在を1日伸ばしてもいいくらいよ!

 せっかく大英博物館が近くだから(しかも入場無料だから)、見ておこう。みんな、ミイラ好きだよね。


うちのロシアンブルーのぐりにそっくり


猫だらけ。
大猫、子猫のミイラもある


 大英博物館から帰りすがら、ホテルの近くの食料品店でビールを買って出たら、けっこうな雨。その店の隣にインターネットカフェがあったので入った。いい?言うとどうぞって言われる。私は日本ではインターネットカフェに入ったことないの。日本でもこんな感じかな。残念ながら日本語は使えないみたいだけど(知識があれば使えるのかな?)、自分ブログにめちゃめちゃな英語で書き込み。今日までフランス語や英語が通じなくてすごく困った、ってことはなかったけど、やっぱり私の英語はひどすぎる。よく1人で旅しているよなあ。
 ホテルでお茶。雨がひどくなる。今日はどうしようかなあ。

 せっかくだから、テート・モダンに行ってみる。ここも去年来た。ミレニアム・ブリッジを渡ると、PSBの「ロンドン」が流れてくる。ここでゲリラライブPV撮ったんだよね。


雨のミレニアムブリッジからサンポール寺院を望む

'London' screenshots - captured from MTV
「ロンドン」(‘02)PV
路上パフォーマー扱いじゃん


テート・ギャラリー
やっぱりなんでこんな絵を・・・という素朴な疑問でいっぱい


今日の夕ご飯はカップラーメンです。
シーフード味。シンガポール製。


 雨でかなり寒い。写真撮らなかったけど、サヴォイにも行ってきた。97年にPSBがコンサートやった劇場ね。あと、サヴォイホテルの格式あるレストランは、ゲストをお迎えするのになにかと利用しているらしい。ロンドンじゅうにPSBのゆかりの場所があるので、巡礼はわりと簡単。明日もやります。

 テート・モダンは、ニールの大好きな現代アートの殿堂。多分ニールも何度か来ている。アート・ブックショップが面白い。日本のオタク文化やコスプレ文化、コギャル文化の本なんかもたくさんある。ふ〜〜ん。日本はこう映っているのか。テート・モダンのレストランに行こうと思ったら、土曜の夜でめちゃ混み、たくさん待っている人がいる。しかたない、今日は外食はやめてホテルでビール飲むことにする。寒いので、カップラーメンを買った。湯沸かし器があるとこういうものもできるので、便利。
 今夜もひっそり一日が終わる。





 

 


5月27日(日曜日)

 朝。マーガレットとニールとクリスは、今日は同じ街にいて、同じ時間を生き、夕方のスケジュールが同じ待ち合わせ場所だ。
今日は私にとって2度目の本番。さあ、気合いを入れろ。テンション上げろ。・・・今日も雨か。ちぇっ。
 ロンドンの日曜日は静かだ。休みになるお店もあるけど、午後から開く店もある。絶対やっているのが美術館。去年来られなかったナショナル・ギャラリーにやってきた。その前に広がるトラファルガー・スクエアは、2004年にPSBがポチョムキンの無料ライブをやった。今日も何かのライブをやっているよ。


イベントが多いトラファルガースクエア


ナショナル・ポートレート・ギャラリーのショップで
売っている芸術写真のポストカード

午前中いっぱいナショナル・ギャラリーにいて移動。
レスタースクエア方面に歩いていく。レスタースクエアの北、シャフツベリー・アベニューをはさんで南がチャイナタウン、北がソーホー。オールドコンプトン・ロードがゲイ・ストリートで、そのすぐそばにケーキ&カフェのメゾン・ベルトーがある。ここは故デレク・ジャーマン行きつけのカフェとして知られ、多分甘党のゲイが集うお店(憶測)。
 その隣の店は、ニール&クリスの行きつけ(?)の店、「The coach & hoses」。4月18日に一緒に来たって、公式HPに書いてあった。つるむのは、気を許せるからなんだよね。
 私も入ってみました、このワインバー。ただ、日曜のためランチが休み(そういう店は比較的多い)で、ニールも飲んで気持ちよくなったと思われるワインを飲んで帰ってきた。普通の小さな店。オヤジも特に愛想がいい訳でもなく、普通。こんなトコに有名人が現れるんだー。


青がメゾン・ベルトー、赤がThe coach & hoses


ロンドンの中心地、ウエストエンドの地図

 


ワインバー、The coach & hoses


4月18日、公式HPより。
ニール&クリスは2人でここに来て飲んだ。
写真はクリスが撮ったらしい

そのすぐ近く、チャリングクロス・ロードのFOYLSというCD&本屋のウインドーでPSBのCUBISMのDVDをフィーチャーしていた。写真を撮る。(後日公式hp「Message from Neil」を見たら、5月23日付でなんと同じところで取った写真がアップされていた。まさかニールもここで撮ったの?そうとしか考えられないけど・・・本当にPSBのニールがここでこの写真撮ったのぉ?)

 
私が撮ったFOYLSのウインドー


公式hpよりFOYLSのウインドー写真

ここからバスに乗り、チェルシー方面に。チェルシーはニールの自宅がある。今日はロンドンにいるはずだけど、自宅にいるかなあ・・・って、自宅に押しかけるわけじゃないけどね。詳しい場所知らないし。
 スローン・スクエアでバスを降りる。ここから西に伸びる道が、まさにPSB巡礼道、キングス・ロードだ!!
 1981年、26年前、ニールとクリスはこの道のどこかにある電気パーツ店で出会っている。この出会いがなければPSBは存在しなかったし、私もこうやって毎年のようにロンドンに行ったりしなかっただろう。
 ただ、81年当時はキングス・ロードはパンクスが徘徊し、エレクトロニック・カルチャーの最先端だったが、今では高級な店が軒を連ね、おしゃれな高級住宅街になった。おそらくその電気パーツ店、名前とか場所は明らかになっていないけど、それももう存在しないだろう。まあ、このボーイ・ミーツ・ボーイ話は作り話じゃないんだよね。嫌だよ、本当はゲイクラブで友人に紹介されたとか、そういうのだったら。

 
キングス・ロード


チェルシー・フラワー


 スローンスクエアの近くにパートリッジという小さいけど高級スーパーがある。おそらくニールのおうちの食卓(シェフ、あるいはお隣に住む実のお姉さん)も、ここで食材を購入していると思われる。ここにはオリジナルの商品があって、お目当ては「チェルシー・フラワーズ」のお茶。つまりチェルシーの花の紅茶だ。ニールの居住区で育った花の紅茶なんて、なんともロマンチックじゃない?
 ちょっとブラブラしてホテルに帰る。旅行ももう最後の日、けっこう足が疲れている。よく見れば血マメができている!足の裏も絆創膏だらけ!よく今日まで堪えたなあ。あともう少しだ。

 ホテルで足湯をしながら、テンションを上げる。アドレナリンが出てくる。残念ながら冷たい雨はまだ降っている。
 今日は気分を変えて、髪をアップにして、かんざしを指した。この方がゲイシャっぽいかも。着物を着る。幸い、寒いのでコートを羽織れるので、あまり着物を着ていて目立つこともなさそう。今日のライブはスタンディングなので、荷物は全部身につけなくてはならない。ちょっとのお金と地下鉄のパス、ホテルのキーは小さい巾着に入れて帯紐に縛って帯の中に入れる。これで飛び跳ねてもなくすことはないだろう。うちわとフィギュアは肩掛けバックに入れて、いざ出陣。
 が、地下鉄に乗ったら、若い兄ちゃん(多分酔っ払い)にずっと声をかけられた。無視っ。今の私には、無駄なものをはねつけるパワーがあるはず。

★ライブinロンドン★

 そう、今日のライブは1階スタンディング・・・ということは、自由席ということだ。つまり、入場して場所取りはどう考えても早いもの順。ふと心配になった。会場に着くのが遅かったかしら。
 チケットに書かれた開場時間は19:00。会場のハマースミス・アポロに到着したのは16:30。遅い?雨の中、並んでいる人はまだ30〜40人くらいだ。待つ。傘をさして、ひたすら開場を待つ。けっこうみんなサンドイッチやパックサラダの立ち食いを敢行している。傘さし立ち食い。行儀ワル。でもロンドンでは立ち食いは常識。ライブの前は胸がいっぱいで、何も入らないよ!(帯もきついし)。う〜〜、寒いけど立ったまま眠くなる。こういうときお喋りできる連れがいないってのも寂しいもんだ。

 待つってのは、気の遠くなるほど長い。同じところに立っているのもけっこう疲れる。1時間半、ようやく開場だ。開場して、チケットを見せてゲートを通ると、私は着物でホールにダッシュした。ちなみに足元はブーツ。とにかく前方を目指す。すでに中央最前列は人だかりだ。私は中央よりやや右よりの最前列のバーを掴んで、「もう絶対ここから動かない!」と心に誓った。舞台からバーまでは約1mほど。その場でレインコートを脱いで、腰に巻く。うちわのスタンバイはできている。いつでも準備はOKだ。
 バーにもたれかかって約1時間、どんどん客が入ってくる。今日のロンドン公演はソールド・アウト、満席のはず。2階は椅子席。ああ、ちょっと座りたいわぁ。でもガマン、ここから動いたらもう2度とこの場所に戻ることはできない。



 20:00、ショーが開幕!それ〜〜〜っ!(気合い)

続く



 


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