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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.00♪♪♪
プレ創刊号・2005年8月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:クリスティーナ・マーガレット・ロウ
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こんにちは、いそべ(執筆名:まりりん石原)です。このたび、新たにフリーペーパーを書くことになりました。映画フリーペーパー「7em art」(旧「カルトの友」)が100号でめでたく終了して早5年、いろいろなものに忙殺されて書くことをしばらくやめて以来、思えばストレスが溜まっていたのかもしれません。しばらくは書きたいほど溢れ出る情熱もなかったのが、最近、壁にぶち破り、人間的にやばくなってしまい、第4の人格が生まれてしまいました。それが妄想乙女・マーガレットです。冷静に物事を判断していたいそべが壊れ、パカッと割れた中から生まれた、感情に正直者で、よく泣く乙女です。ただし、本質的には、マーガレットは涙もろいおっさんです。ここ数ヶ月、私はマーガレットに支配されてしまい、泣き暮らしていましたが、マーガレットと対峙して、あるいは、マーガレットが他の人と話し合って、本当の私を解放することもできたのです。話すこと、書くことは私のストレス解消だとわかりました。辛かったけど、今は生まれ変わった気分です。気がすむまで、書かせてください。よかったら読んでくださいね。


 マーガレットが生まれたきっかけのひとつは、ペット・ショップ・ボーイズ(以下、PSB・・・マーガレットは「ペットさん」とも呼びますが)のせいです。知っていますか?PSB。イギリスを代表するポップ音楽のユニット(2人組)で、90年代に世界を席巻し・・・懐かしいなんて、言わないで下さいね・・・今でももちろん現役ミュージシャンとして熱狂的ファンがいます。名前を知らなくても、多くの曲がヒットし、日本でもさまざまなところで使われているので、音楽を聞けは、絶対どこかで聴いたことがあるはずです。まあ、このさい、知っていなくてもいいです。その、PSBと脳みそでつながってしまい、マーガレットが発生しました。
 私はPSBに共感し、聞きまくり、CD(初心者向け2枚組)を編集して焼き(&膨大な解説と乙女訳ブックレットつき)、周りのみなさんにも配りまくり、聞いてもらい、思いを共有してもらいました。それで、自己解放に至ったのです。半ば無理やり手渡されたみなさんには、ちと迷惑だったとは思いますが、PSBはすべての人に優しいのに、誤解が多く、聞かれず嫌いのもったいない状態だったので、それを伝えたかったのです。一時期は、PSB=私、だったときもありますから・・・。
(CDセットをまだもらっていない、欲しい、という方は、遠慮なくおっしゃってください。・・・覚悟の上で!)
 多分、しばらくはこのフリーペーパーはPSBをさらに掘り下げたものになるかと思います。

★★★★★★★★★★★★★★★

 
こんにちは、マーガレットです。マージって呼んでくれてもいいです。ゴスでゲイで感情に脆いクィーン系乙女です。私が生まれたきっかけは、PSBへの底なしの愛でした。こんなにハマッたミュージシャンは本当に久しぶりです。これから、その魅力をたっぷりご紹介していきますね。
 CDを聞いてくれた方なら、もう、PSBデビューは済んでいると思いますし、私の話をしょちゅうきいてくれている方や、HPの「PSB(一人ぼっちの乙女のための妄想クラブ)」を見てくれている方なら、だいたいわかっているとは思いますので、今日は簡単な紹介のおさらいにとどめておきますね。
 PSBは異なるタイプの天才の2人組です。音楽に必要なもの・・・つまり、詩(リリック)と音の、それぞれの天才のコラボレーションなのです。
 先ず、詩(リリック)と歌、そしてPSBフロントマンの、ニール・テナント先生。彼は現在51歳ですが、デビュー当時30歳、音楽ライター出身なので、とてもアタマがよく、辛辣、華やかで影響力のある稀代の大人物です。厳しく優しい・・・私は個人的には、キリストみたいなものだと思っています。もちろん、現在でも英国音楽界からのリスペクト、尊敬は多大なもので、発言や行動は常に注目されています。マージが誰かに泣かされたら、真っ先にニール先生のところに泣きつくわ!なのに!信じられませんが、彼って、乙女遺伝子が過剰なのです。いや、中身がですよ。外見はごく普通の、ナチュラルな51歳です。熟しためちゃめちゃいい男ですよ。で、ニール先生は勇気ある態度(カミングアウト)で、ポップミュージック界のゲイのアイコンという十字架も背負っています。時々、あまりにも多くを背負いすぎじゃないかと心配になっちゃうんですが、ニール先生にはその器があるんです。ただ、幸せな恋愛をあまりしていないらしく、先生の書く歌詞って・・・多くが体験に基づくらしいのですが・・・泣けてくるものばっかり!せんせー、いわゆるダメンズ・ウォーカーですよ!あんなに冷静で、正しくて、大人なのに、いざ自分の恋愛になるとダメみたいです。そのギャップがすごいの。英語の歌詞だから、ただ聴いているだけじゃ、気持ちいい曲と歌声でメロっとなっちゃうけど、詩を読むと泣けてくるわよ。そうそう、ニール先生の声って、世界でもにまれに見る「F/1振幅揺らぎ」の持ち主なんですって(鈴木松美氏・断定・・・今度詳しく話しまーす)。これから、マージが詩を超訳してここで連載するから、待っててね。マージが先生のカレシだったら、絶対にニール先生を泣かせたりしないけどね・・・。そして、そのニール先生が25年も愛を注いでいるのが、音担当の、クリス・ロウ様。
 誤解しないでね。ニール先生とクリスの結びつきは、音楽。決して肉体関係はないと思うわ。偉人の熱い思いをさらっとしれっとかわし続けられるクリスも、天才。実はマーガレット、一番最初に惚れたのはクリスの音に対する天才っぷりだったのよ!

 ニール先生より5歳年下のクリスは、自らニール先生より目立たない行動をしているため軽く見られがちだけど、ニール先生が天才だと断言する彼の音楽センスがなければ、今のPSBの成功はなかったと思うの。マスコミやメディアが嫌いで、喋らないし笑わないし、10年位前から人前でサングラスと帽子を外さないクールな姿が圧倒的に多いので(これはマスコミのせい)、とっつきにくい印象があるけど、取材やマスコミがなければ、ニール先生より喋るし笑うし、とても愛情深い人なの。自らを「愛が全て」という、とってもラブリーなオトコ。天才って、たいていシャイでしょ。好きなものと嫌いなものがはっきりしているし、意外にもPSBの社会派の部分を担当しているのかもしれない・・・でも、残念ながら、本当にマスコミやメディアに喋ってくれないから、本当の彼がどんな人かわからない部分が多いの・・・そこにマージはとても惹かれてしまったのね。プライベートは明かさないという態度を崩さないのよ。ただし、音楽で自分を表現する彼を語る上で大切な人物が、彼を支えたプライベート・スタッフのPさん。彼はクリス様と5年間一緒に暮らし、公私ともに天才を支えたけど10年前にHIVで亡くなってしまったのね・・・(この出来事で追われたのも下世話なマスコミが嫌いな理由)。

ニール先生とクリス様、2003年

 

彼らの有名な代表曲「ゴー・ウエスト」は、そんな悲劇的状況とシンクロしているの。明るい曲だけど、マージはこの曲で泣いちゃうのよ。10年間、クリスは事あることにPさんへの感謝を歌などであらわしているのね。嫌いになって別れたんじゃなくて、突然失われてしまったから、とっても悲恋ね。だからクリスは、ニールの書く悲恋の歌が好きで、とっても美しい、せつない曲をつけるのよ。ペットさんの曲って、こうやって出来ているの。知らなかったでしょ。・・・でも、クリスは公式にはカミングアウトしていないから、この話はシークレットにしておいてね。あと、写真のロンゲでブロンドは一時的なもので、現在はまたボウズに戻っているわ。
 こっそり教えると、マーガレットの苗字は、クリス様からいただいたの。きゃ〜。

 トップ・オブ・ポップといわれ、レコード/CDセールスや、社会からの注目度から言えば、彼らは確実に世界的セレブなのに、浮つかないし、社会を冷静に見る目も失わない。フリークなおネエ様にもならないし、「あの人はいま」にならない安定した音楽作り・・・とはいえ、アルバムごとにコンセプトを変えるサプライズっぷりは、とても四捨五入50歳のユニットとは思えない。いつまでもファンを魅了し、癒やし、燃えさせてくれる・・・。
 本当のこというと、マーガレットがPSBに出会ったのは高校生のとき、PSBデビューの20年前だったけど、他のミュージシャンと同じく「普通・普遍に好き」くらいだったのね。でも、彼らのよさは、30半ばの乙女の私じゃないとわからなかった。それまではただ普通に聞いたりチェックするだけだった。今年、満を持してコンセントが劇的につながってしまってのよ。さしたるきっかけがあった訳じゃないけど、これは、もう運命としか思えない。全ての詩が、私そのものだったのよ。
 彼らのデビューが遅かったのは、彼らが蝶になるまでさまざまな苦労があったから。天才で偉人だけど、苦労もしたし、人間的な挫折もあったのよ。でも、さなぎ時代、彼らは5年近く、曲を作りためていたのよ。デビューアルバムなんて、いま聞いてもものすごい完成度だけど(80年代のおおかたのアーチストのアルバムが、聞くとちょっぴり恥ずかしいノスタルジーなのに比べ!)、音楽ライターと建築家見習いが作った曲よ!信じられないでしょう。

 どうかしら、PSBは、ポッと出の、運良く売れたユニットなんかじゃないって、わかってもらえたでしょうか。何より人間性が音に出ているし、社会になじめないけどどこかで社会とつながっていたい寂しがりやや、ゲイやゴスやマイノリティの疎外感を救って癒してくれるやさしさがあるのね。私はここ数ヶ月で、HP、CDレビュー、このフリーペーパー、そして人に会えば会話で、ペットさんたちへのあふれ出る愛を、ガマンできず語ってきたけど、まだまだ言い足りないの。雲の上のミュージシャンにただのファンができることは、感謝と伝道くらいしかないから。この文章だけでなく、ぜひ、実際の音楽を聞いてみてね。私、喜んで編集して、聞かせてあげるから。次号・創刊号から、よろしくね。

 

 

★クリス    ★コラボレーテッド★    ニール★

本名:Christopher Sean Lowe

誕生日:4/OCT./1959

生誕地:Blackpool,Lancashire,England,UK
近隣での引越し多数

本名:Neil Francis Tennant

誕生日:10/JULY/1954

生誕地:Shields,Nortumberland,England,UK
青春時代はNewcatsleで過ごす

現在:ロンドン在住

現在:ロンドン(チェルシー)在住、4軒の物件所有

星座:てんびん座、血液型:不明

星座:かに座、血液型:A型

休火山型・永遠のレイヴDJ

図書室乙女系・散文詩人

クラブ系・レイヴ系音楽をはじめ、最近のポップス、TV、映画もたしなむポピュラリティ体質。PSBの音全般、ライブではキーボード担当。多くを語らずクールを貫いているが、時々すばらしく噴火する。意外にバリトンボイス。

ファッションはカジュアル。常にあらゆる帽子と眼鏡(サングラス)を着用。

クラシック音楽と文学、美術を愛するインテリ系ミュージシャン。最近はプロデュースなども。PSBの主に歌詞&ヴォーカル担当で、彼の乙女系私生活がちらほら。ライブではアコースティックギターも弾く。甘い鼻声が特徴。

ファッションはコンサバ系が多い。カウボーイハットだけはニールの方が着用している。

4人兄妹弟の長男

4人兄弟の2番目(姉一人、弟2人)

ペットは不明だが、犬好き

ペットはオス犬、メス猫、兎(ただし、猫アレルギー)

セクシャリティは不明(未宣言)
公式には「友人」のP氏と’95まで同居
現在は“若い子が好き”と思われる

30歳くらいまでは“どっちつかず”状態、1994年、ゲイ雑誌でカミングアウト。英国ポップス界のゲイ・アイコン

多数の友人をエイズで失っている

視力不明

コンタクトレンズまたはメガネ使用

運転免許・愛車保持(ジープ、バイク)

運転免許なし

喫煙経験なし(大の嫌煙家)

喫煙経験あり、現在は吸わない

お金の使い道(想像):多分、キーボードやシンセサイザーなど音楽用最新機器コレクター、ブランドの洋服など。でもかなり余っているはず。何に使っているの?

お金の使い道(かなり真実):家(不動産)、ラファエル派の絵画収集、元が取れないかもしれないプロデュースなど、けっこうギャンブラーな大口買いが多い。

関係性:親友であり、ビジネスパートナーを24年続けている
「2人のゲイ・デュオ」というと、よく「2人は付き合ってんのか」と思われるようだけど、それはほとんどない。何しろ、2人の異性の・・・同性の趣味は違いすぎるし、ゲイカップルが公私とも24年もうまくやっていけるなんて奇跡に近いし。
ただ、限りなく愛情に近い友情はありそう。ニールがタバコをやめたのは嫌煙家のクリスのためだし、まだデビュー前、曲作りのため週末だけロンドンに通っていたクリスを自分のアパートに泊めていたし。人生の半分以上を共有している仲であるし。仲のいい女子高生かOLみたいです。

ただ、ニールはクリスを天才だといってはばからないし、2004年収録のコメンタリーでは、豹柄の衣装のクリスに「かっこいい」と2度も言っているので、クリスのことを相当好きなんだな〜というのは薄々わかりますね

 

 


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