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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.46♪♪
別冊「まりりんの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第46号・2006年12月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:マーガレット(題字:ニール王子)
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▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽シリーズ:1曲に固執してみる▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
「1曲を徹底的に研究してみる」第3弾。今回は、グランジっぽい曲とこれまでのクールでスタイリッシュな2人にはありえない“オレンジ全身タイツ(じゃないか、全身ジャンプスーツ?)”コスプレPVで話題になった「Can you forgive
大ヒットアルバム「Very」(‘93)からのシングルで、ここからのシングルカットが「Go west」など、みなコスプレのPVでファニー、軽くてノリやすいダンサブルな印象があるけど、実は全体的には重くて痛いアルバム。世界が変わりかけていたせいもあったけど、実際には彼ら自身にも音楽的に大きな変革が必要だったらしい。この曲から、しばらく彼らはCGを多用し、まるで生身を否定したかのような現れ方をする。“ポップが廃れ、世の中はグランジを筆頭にロックがはびこる”という流れもあり、とてもロックっぽい曲調だが、歌詞を読めば分かるとおり、ロックに押されているポップの現状をチラッと語っている(特にアメリカではその傾向が激しかったことは、2006年放送のドキュメンタリー「Life
in pop」でも言及されている。)。
ついでに言うと90年代前半は、80年代にAIDSに感染した人が大量に亡くなった時代でもある。特にゲイの友人たちを次々と亡くしていた、あるいは闘病中だった事も、この“重苦しさ”に拍車をかけていたような気がする。もちろん「Go
west」とシークレットトラック「Postscript」はそのメインの曲。
さて、この曲には3人の登場人物がいる。「主観となっている歌い手」「君」「彼女」の3人。「君」と「彼女」はストレートの恋人同士で、「歌い手」は「君」の友人のような立場だろう。「歌い手」は、「君」の恋の相談相手だ。「歌い手」は「君」を振った「彼女」を”そんなこと言われて、許せるのか?”と、責めている。何を言われたのか。歌詞にはないけど、「彼女」は「君」を“ゲイ”と罵ったのだ。
この曲が発表された93年は、実はまだPSBは“ゲイっぽいバンド”で、公式にはカミングアウトしていない。ニールのカムアウトは94年になるが、そのときのインタビューで「ゲイの視点から書かれた歌が多くある。」と語っている。この曲もその一つだろうと思う。2003年の「PopArt」の曲解説では、この曲は「ゲイとは気がつかないで女性と付き合っていた男性が、彼女からゲイだと罵られ、過去を振り返ったらゲイだと気がついた」と語っている(もしかしたら、この「友人」はニール自身なのかも…わかってはいても、そう簡単には自分のマイノリティなセクシャリティを受け入れることはわからないジレンマを、「君」は味わっている。だからこそ彼女をあきらめられないのだ)。そう思って歌詞を読み直すと、ああそうか、そういう意味だったのね…と納得する点も多々あり。
ところで、歌詞に出てくる「友人」の初恋(初体験かも…学校の自転車置き場で?)の相手は、「青い瞳の君」。PSBの世界では「青い瞳の君=ニール」なんですが…きゃー。
キャン・ |
君はディスコでダンスし、ロックミュージックを好まない |
★★★★★★今月の写真★★★★★★★★★★
キャプションは<スティーヴン・ゲイトリーとゲストと一緒のニール・テナント。5周年のホワイト・タイ&ティアラ・ボールの利益はエルトン・ジョンのエイズ基金に。2003年6月26日> |
どうしたの、ニール!まるで「バレちゃった!」ってお顔して。大丈夫、別にイケメンにちょっかい出していたのを激写されたのではありません。 |
★★★★★★★★★★★★★★コメンタリーby Literally★★★★★★★★★★★★★★
PSB公式ファンクラブ会報「Literally」30号、アルバム「Fundamental」のニール&クリスのコメントを訳していなかったので、訳しております。(もうすぐ31号が出るので、急がなきゃ)
Numb
ニール:「ミニマル」に続くのが「ナム」ってのは、なかなかいいよね。壮大なオーケストラの音楽のトラックは、何度かやってきた。これはもともと2003年に「PopArt」のためにレコーディングされた。僕らはヒット曲を書かなければならなかったから、ダイアン・ウォーレンに曲を書いてもらおうかと、クリスの提案だった。彼女は僕らに3曲書いてくれた。他の1曲は「キス・オン・ザ・ウィンド」といって、インタビューで聞かれ続けている。彼女は僕にテキスト・メッセージを送ってきた。「「キス・オン・ザ・ウィンド」はまだレコーディングされていないの・・・そう、私の親友はオウムよ。」僕らは「Numb」が好きだった。彼女は、エアロスミスがブルースのアルバムを製作中だから、彼らにそれを断られたと、正直にも僕らに言った。僕らは、このアルバムのために取っておくことを決め、ここでようやく日の目を見たと思う。同時代の世界への反応であるアルバムのテーマがあるなら、「Numb」では、それを歌う人はテレビを切りたい人だ。それは真実だ・・・時々、ニュース上で展開する出来事を見ると、どう考えるべきかわからなくなる。それらが本当になかったらいい、と思うだけだ。この歌は2003年に全て完了していたけど、僕が1節を変えたのと同じ時間をかけて、去年軽くリミックスをした。ダイアン・ウォーレンはアメリカ人だけど、僕は「I
wanna be numb」と歌っている。驚くべきことに、僕は「I want to be numb」と歌うよう試みたけど、おかしく聞こえる。でも、僕は「don’t
want to
マーガレット注*多分、PSBのカバーではなく、初めての他人の書き下ろし曲。ダイアン・ウォーレンがいつもペットのオウムを肩に乗せていることが、ニールのツボにはまったようですね。
God willing
ニール:クリスはこのアルバムにイントロダクションが必要だと言う考えがあった。それで彼はコード・チェンジをした。オート・チューンは、音声を合わせることができるか、それらの音を変更することができるプログラムで、僕は、常にそれらが異なる規模を得たという事実によって興味を持っていたゆえ、むしろ、正常なウェスタン・スケールより、四分音を備えたものを得た。アラビック・スケールは、僕は常にそれで自分の声を入れたかった。それでイスラム教の国々にいる場合、聞く祈願に呼び出しの種類のバージョンを行っていて、また、僕はその10のトラックに関して歌った。それは、結局僕に「Low」のデビッド・ボウイのような何かを思い出させた。それから僕らはこのプログラムを全て通して入れた。僕は、最終的にアラブ的音楽かどうかわからないけど、アイデアだったね。「i
マーガレット注*2006年のライブでは、オープニング曲として使われています、2人がステージに登場し、握手をしてポジションに就くのが印象的です。
Luna Park
ニール:もともと、クリスと僕が「PopArt」のためにこの曲を書いたのは、2003年だったね。このとき、たくさんの曲を書いたんだ・・・「カサノヴァ・イン・ヘル」はこのアルバムの中にあるけど、アルカザールにあげた「Baby」って曲もあったね。あいにく彼らはこれをレコーディングする前に解散しちゃったけど、残念だ。他に「ブルー・オン・ブルー」って曲もある。「ルナ・パーク」の歌詞のアイデアは、ニースでの休暇で、ルナ・パーク移動遊園地を見たことから来ている。それはモスクワにもあり、「第3の男」に出てきた移動遊園地もルナ・パークだったと思う。僕は“ルナ・パーク”っていうフレーズが好きだった。デモはこの半分の長さだった。
クリス:ビッグ・ロックなトラックになるかもしれなかった。
ニール:僕らはトレヴァーに「覚えとかなきゃ:ペット・ショップ・ボーイズはエレクトリック・デュオだ」と言ったが、それはアルバムを作る際のポイントだった。
クリス:オーケストラ付きの、ね。
ニール:僕らはいくつかのポイントでミックスをリリースしようとしているけど、一つに「なぜこれを歌うためにアクセル・ローズを入れなかったのかわからない」と僕は言ったが、理由は、これがまさにガンズ・アンド・ローゼスの「ノーベンバー・レイン」のようにビッグだからだ。
クリス:最後の方で「ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン」みたいにでかいボーカルになる。
ニール:ルシンダって言うバック・ボーカルがヴァイブ・アウトした。
クリス:トレヴァーがピンク・フロイドみたいな音だって言った曲だよね?
ニール:ああ・・・僕は彼らのメインの成功期間のピンク・フロイドを真剣に聞いていないんだ。衝撃的なピアノのベースだから、まさしくロックだ。たくさんの曲をピアノで書いたけど、コードはない。クリスがコードを書いた。
クリス:遊園地の乗り物っぽく聞こえるのは、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」に似た音だからだと思う。
ニール:僕が急いで戻ったとき、クリスがこのアレンジを全て終えていた。一種のサイケデリックだ。トレヴァーは気に入ってくれた。僕はこの歌はアメリカのことだと思う。ルナ・パークはアメリカだ。たくさんの言葉が、マイケル・ムーアの映画、ボーリング・フォー・コロンバインにインスパイアされている。もともと、そのなかにキラー・ビーについてのラインがあった。「サイコロジカル」のような、実際、人々は刺激的な恐れを感じるだろう。常に、僕でさえ夜のライブに魅了される。ルナ・パークは夜のものだ。一日中オープンしているけど、日中に、技術的にはそこが夜であるという事実に興味がある。それは、日中でさえゴースト列車や光に関するすべてが夜のスリルだ。だから“ルナ・パークは常に闇の中“だ。
I’m wit
ニール:去年、僕たちのスタジオで曲を書きはじめたとき、最初に書いた曲だね。曲のタイトルは、Tシャツからだ。クリスが曲を書いた。僕は、これがマイケル・ジャクソンの「スムース・クリミナル」か「バッド」に音が似ていると思った。これはすごく早く書き上げたね。
クリス:ああ。
ニール:“アイム・ウィズ・スチューピッド・・・ああ、ブレアとブッシュか”って僕は思った。一種の風刺だね:ブレアはブッシュを愚かだと思っている。歌の中のとても重要な箇所はこれだ・・・“愚かは本当の愚かなのか?賢さの違った1面なのか?”。ウェブサイトのポップジャスティスがこう言っていたのが好きだ・・・“ポップジャスティス―――賢さの違った1面”。この曲はとても滑稽だけど、シリアスな要素も持っている。ジョージ・マイケルの「ショット・ザ・ドッグ」よりも政治的だと思うね。このことを考えて、僕たちが過去10年に終えている政治的な時を見るのは、驚きだ。こんないい政治ソング、これまで誰が書いたかい?