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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.20♪♪
別冊「まりりんのの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第20号・2006年01月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:クリスティーナ・マーガレット・ロウ

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マーガレットです。寒いわねえ〜。今年こそはロンドンに行きたいわあ。暖かいU.K.もいいもんよ。大丈夫、ストーカーはしないから(多分)。

★★★★今日の乙女訳リリック★★★★
『アイム・ノット・スケアード(モンマルトルの森)』(88)
 
PSBがはじめて他人(エイスワンダー)に提供した曲のセルフカバー。若い娘(パッツィ・ケンジット)が歌っても、PSBカラーは薄れない…どころか、よりPSBっぽい影を感じる。ドラマティックな美しい旋律が大好き。強くて弱い女性らしい繊細なリリックもニールならでは。

 

あなたの人生はミステリー

私はオープンなのに
あなたの心を読むことができるなら

のぞいてみたいと思う
私は気にしないわ

ベイビー、私は怖くない

 

あなたは何と戦っているの?

何か証が必要あるの?

あなたはいつも嘘をついて

それが唯一の真実

私は気にしないわ

ベイビー、私は怖くない

 

今夜、通りは役者であふれている

何故かはわからないけど
ああ、犬たちを遠ざけて
噛み付くから

 

あなたの過去の影について話してくれない?

清算したなら、私は考えた

私たちのうしろにまだ居座っている

でも、私は気にしないわ

ベイビー、私は怖くない

何を隠しているの?

誰が危険にさらされているの?

私が笑えるようになるには
あなたが自由になるには
どこに行けばいいの?
私はどこへでも行くわ
私は気にしないわ

ベイビー、私は怖くない


今夜、通りは役者であふれている

何故かはわからないけど
ああ、犬たちを遠ざけて
噛み付くから

今夜、私は戦って決心したの
正しいと思う
犬はまだ私のまわりで吠えているけど
でも、できるわ、戦える

もし私があなただったなら
そんなふうに私を扱わないわ

もし私があなただったなら
そんなふうに私を扱わないわ

あなたみたいに・・・


 
★★★★今日のピックアップPV★★★★
『オールライト』(
89) 監督…エリック・ワトソン

 初めてのオリジナルでないシングルカット曲。元はスターリング・ヴォイド。PVも初の白黒。何かの画像でカラーの別ショット写真も見たけど、クリスのかぶっている帽子がカラフルで”ピンポンパン”みたいなんだよねえ。本人、「ダサい」と言っていたけど。PVでは2人がたくさんの赤ちゃんを抱っこしたり囲まれていて“ちょっと意外な一面を見たような感じ。「ゲイ」と「赤ちゃん」は、「おばさん」の次ぐらいに縁がなさそう。クリスの顔がとても穏やかで優しいのは、赤ちゃんのおかげか。抱っこしているユージーン君(監督の息子)は、もう16歳とかになっちゃってるわけね!人んちの子は成長が早いね!


見ようによってはユアン・マクレガーっぽい??

歌詞ではアフガン侵攻などの社会問題や音楽賛歌という、いつものPSBとはちょっと毛色が変わっている感じがしたけど、今でも大筋では変わっていないようなので、安心させられる。

★★★★今日のビデオレビュー/ライブ・ディスカヴァリー(ライブ・イン・リオ)★★★★

 ‘94年11月〜12月、主に未踏の南米や東南アジアを回ったワールドツアー。それで「ディスカヴァリー」かと思うけど、前年発表されたアルバム『VERY』と『DISCO』をミックスしたともいえる。私に言わせれば、「はっちゃけ裸まつりツアー」。ブラジル・リオでのライブを収録しているが、リオといえば敬虔なカトリック教徒が多いのに、裸族、というパラドックスを抱えている。2人もそれをわかっていたようで、あえて男女のダンサーたちがほぼストリップ、という実験的試みをしたに違いない。とにかく観客席は大熱狂!(リオでは初ライブだから?)。ダンサーたちがどんどん脱がされているのに、2人は逆にどんどん服を着ていくところも、らしい。
 映像を見る限り、いちいちコメントをポルトガル語に通訳しているので、ブラジルの人は半分以上英語が理解できないようだ。このあたりは日本と同じくらいかもしれない。だからか、より視覚的なアピールが必要だったのかも。PSBには不釣合いな“ケツ丸出しラテン系ねーちゃん”さえ登場する。ただし、それは前座に過ぎないとばかり、曲が進むにつれ、男性ストリップダンス(『So
hard』)、女性同士・男性同士の汗だくカラミ(『Can you forgive her?』)を取り入れたステージは、あまりにも「セクシーな要素」を排除し続けてきたPSBらしくないあけっぴろげの演出だった。そういえば数ヶ月前にニールはカミングアウトしたし、さらにその数ヶ月前にはクリスの恋人が亡くなったことがタブロイド誌で公になっている(彼は「パニナロ’95」の原型となったバージョンを、マッチョ半裸男ダンサーつきで初披露している。いくら英語がわからないからって、そんな露骨な恋人へのメッセージ暴露は、正式コメントしないクリスらしからぬ行動だ)。
 ツアーの映像の前に、はしゃぎまくる様子をホームビデオで撮ったものが収められている。その日付はツアー収録日の1ヶ月も前。長い時間をかけ、彼らはツアーと休暇を同時にやっていたような気さえする。また、ライブのラストの方では、クリスがホームビデオを手にし、ニールや観客を撮影する映像も少し含まれている。ニールのその後の発言「ツアーではトラブルや喧嘩ばかりですごいストレス」(と言って『Yesterday, I was mad』を書いた)と語っていたけど、このビデオを見る限り、すごく楽しそうだし、のんびり充実しているように見える。
 先日のファンクラブ会報誌に、このビデオが近々DVDになるかも、と書いてあったけど、是非とも2人のコメンタリーを入れて欲しい。かつてのはっちゃけっぷりを、今の彼らはどうコメントするんだろう!
 個人的には、クリスが歌って踊ってくれるので、ライブビデオの中ではお気に入りのほう。でも、時々、曲を聞いているだけで悪夢映像(マッチョがクネクネ)が出てくるので、心臓には悪いかも。


★★★★今日の“ちょっとだけ”関係者?★★★★
ミレーヌ・ファルメール
 ヴァリエテ(フレンチポップス)ではトップスターとして知られた存在ながら、日本ではまだまだ認知度が低い。マーガレットHPでは、当初から非公認ファンクラブのページを作った位、15年以上継続したファンである。彼女を理解するため、私の90年代はフレンチ一辺倒で、留学もしてしまったもんだ。
 1961年9月12日カナダ・モントレアル生まれ、18歳でデビュー。彼女に欠かせない人物として、デビュー前から今日まで、(多分、恋愛関係にない)ビジネス・パートナー、ローラン・ブートナーがいる。ほとんどの曲を書き、前期のPVを手がけたこの人物が、彼女の初期のイメージを決定付けたといっても過言ではない。彼女の特性といえば、前半は「死の天使」、後半PVをリュック・ベッソン(実際に恋人同士の時期もあった)などの有名映画監督が手がけるようになった時期は、明るくパワフルでダンスを意識したものに変化している。

20代半ばの頃。男装したり、この人もかなり人形に近い。

21世紀になり、また「陰」に戻ったような感じだ(多分熱狂的なファンは、大衆的な彼女より、こちらの方が好きなはず)。ちなみにファンは狂信的ともいえるほど熱狂的で、殺人事件が起こったことすらある。
ミレーヌの世界観を一言で言うなら、「死」。少なくとも初期のPV(フランスでは珍しく、TVで放映されることを前提としない、セックス&バイオレンスありのものすごい凝ったもの)では、誰かが必ず死ぬストーリー。初期の頃は「私は男の子」といって男装していたり、少年人形に扮していた時期もあった。
 フランスでは稀なゴールドアルバムを獲得した2ndアルバム後、もともと華やかなタイプではない彼女は一時期休業をし、インド旅行をしたりして(このあたりが「フランスのケイト・ブッシュ」と呼ばれる所以?)、より鮮やかに復活した。復帰後の3rdアルバム『二重人格』からのシングル『デザンシャンテ(幻滅)』(
90)は「幻滅の世代」という流行語を生んだ。ここでようやくニールが登場するわけだが、彼はこの曲でミレーヌのファンになったという。“彼女へのトリビュート”(ニール談)として、当時一緒に仕事をしていたエレクトロニック(バーニー&マーのバンド)のシングルに『デスアポインテド』というタイトルをつけた。また、ミレーヌのサウンドは、歌詞の絶望的な世界観とは裏腹に、ダンスリミックスが必ず作られるほど、ディスコ好みだ。彼女はよくデペッシュ・モードとの類似性を指摘されていた(デペッシュ・モードはPSBともファンがかぶるし)。
 私自身、まったく別の方面から好きになったミレーヌとPSBは、意外(必然?) にも関連性があったことに驚いた。この2つのアーチストを新ためて聴き比べてみる楽しみが出来た。

★★★★今日のお写真★★★★

これ見ても、一瞬、誰だかわからなかった、私。答えは、サイン途中ではしゃぐクリス(2003年)。写真ギライな彼は、ファンに出待ちや路上で撮られる写真にはほとんど不機嫌そうに、あるいは微妙な愛想笑い程度で映っていることが多い。なにかよほどうれしいことがあったのか、酔ってご機嫌なのか、カメラマンがイケメンマッチョだったのか、サインしながらカメラ目線でファンに笑っているのって、相当貴重な写真よ、派手派手な蛍光色の超目立つジャケといい、サングラスもしていないし。このサインしてもらった人、すごくラッキーよねえ。しかも、なんとなくガーリーな動きだしさ。フキダシつけるなら、「きゃ〜〜〜っ!」ってな感じ。ちなみに隣に座っている黒い服はニール。


★★★★今日の映画・ロングバージョン★★★★

2006年の映画について
 
今年も、あきらかにやってくる楽しみは映画ぐらいかな(寂しいな)。石原まりりんの好きな映画ジャンルの順番は、犯罪、サスペンスもの→SF、ファンタジー→ホラー→たるい恋愛映画、の順。もちろん、内容、監督、俳優で大きく順位は変わると思うけど。マーガレットの好きな映画は、恋愛(特に♂X♂)→泣ける映画、と、あんまり難しくない映画。

 まりりんがいちばん楽しみにしている映画は『ブラックダリア』。ジェームズ・エルロイの小説の映画化だけど、モチーフになっているのは、ハリウッドに実在した女優リズ・ショートが、真っ二つにされて殺された未解決事件をモチーフにしている。エルロイといえば、事件そのものよりドロッドロのロス市警内側が楽しいんだけど、不安要素も。まず監督が当初のデビット・フィンチャーから、ブライアン・デ・パルマに代わったこと。デ・パルマは当たりはずれが大きい。主役のいろいろ抱えた刑事を、ぼ〜としているジョシュ・ハートネットが演じること。でも、リズ役はエロくて好きなミア・カーシューナーなんだそうで、そこは期待。あと、個人的に大好きなフィリップ・シーモア・ホフマンがカポーティを演じる『カポーティ』も楽しみ(多分、初主演のはず)。2時間近く、あのモチモチの演技派が見れると思うとたまんないマニア向け。
 今年間違いなく話題なのは『ダビンチ・コード』だけど、トム・ハンクスが主役って聞いたとたん、萎えた。トムもいいかげん、嫌悪感丸出しの極悪殺人鬼とかやればいいのに!ぴったりだと思うわ。
 ファンタジーって、意外に萌えないのよねえ。私も小さい頃読んだ『ライオンと魔女』。『指輪』も『ハリポタ』も、あまり積極的じゃなかった。そりゃ、見ればスゴいとは思うけど、それはスタッフ力、映像技術。私が見たいのは練った脚本と役者な人間たちが観客に仕掛ける罠。あまり大々的に話題になっていない映画がわりと面白かったりするので、それ探すのが楽しいのよね。

 マーガレットのお楽しみは、ゲイのベタなアイコン、カウボーイ同士のラブストーリー『ブローク・バック・マウンテン』ね。ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールのカラミが濃厚らしい。キワものじゃないのよ!超話題作よ!今のところ賞は総なめ状態。今年3月3日に発表されるアカデミー賞は、その前のゴールデングローブ賞や批評家協会賞などが前哨戦となるので、この映画も何らかの賞は獲ります、きっと。(結局、ゴールデングローブ賞も批評家協会賞も男優賞は『カポーティ』のホフマンだったけど。あ、カポーティって、ものすごいオネエなのよね。ホフマンはゲイの役がすごい上手いの。ミステリアスな私生活とあいまって、いっそうゲイ疑惑が浮上しそうね。でも本当はノンケよ。)
 監督のアン・リーって、『ウェディング・バンケット』もゲイものだったけど、もしかしてそっち系の方?今回も男二人と彼らの妻役のミシェル・ウィリアムズ(本当にヒース・レジャーと結婚した)、アン・ハザウェイ(大作りな顔のお嬢様女優)、全員が覚悟のヌードだそうで、それだけでも価値があるってもんじゃない?

 そういえばジョージ・マイケルの自伝映画『素顔の告白』が東京のル・シネマで単館上映中だけど、さすがに見に行けないのでDVD化するまで待とうと思っていたら…ジョージがこのドキュメンタリー映画をDVD化しないことを明言しているらしいわ。ったく、突っ込み入れられるのがいやなら公開するなよ!

★★★★今日の楽しいニュース★★★★


ル・ポールの人形が出た!ル・ポール知らない?ル・ポール姐さんといえば、世界で一番でかくて(身長2m弱)美しい、漆黒のドラーグ・クィーンよ!フランス系スーパーモデルで女優でシンガーで、世界中のクィーンの憧れ。その姐さんが31cmのバービーっぽい人形になって4種類発売されました。マーガレットはもちろん購入したけど、けっこうなお値段だからどれを買うか悩んだわ。結局、一番姐さんっぽいブロンド+黒いセクシーレオタードのやつにした。姐さんは完全手術済の人造人間なのでどっからどう見ても女性だけど。これ、ゲイドールのビリー&フレンズと並べてぴったり。そうなると、このサイズの人形を作りたくなっちゃうわ(創作人形にすると、小さいです)。とりあえず姐さんのお友達のエルトン卿でも作る?


今年は冬季オリンピックとワールドカップサッカーの年ですが、この2つのイベント、TV番組などで特集が組まれると、3回に1回くらいはPSB(ほとんど『ゴー・ウエスト』)がBGMにかかります。奇しくも今年は両方ヨーロッパなので、間違いなく『ゴー・ウエスト』があちこちで聴かれると思います。

 


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