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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.22♪♪
別冊「まりりんのの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第22号・2006年02月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:クリスティーナ・マーガレット・ロウ

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マーガレットです。先日、1月の末にマネ様(PSBのマネージャー様)からメールが着たけど、内容は「ハッピー・ニュー・イヤー」だったの。ほぼ1ヶ月遅れ!?う〜ん、欧米がモノゴト“遅い”のは経験済みだけど、ちょっと遅すぎない?まあ、来るだけいいけど!

★★★★今日の乙女訳リリック★★★★

『イット・ダズント・オフン・スノウ・アット・クリスマス』(97)
 もともと97年のクリスマスにファンクラブ会員に送られたCD収録のちょっとしたレア・トラックだったが、05年秋エルトン・ジョンのチャリティCD「エルトン・ジョンのクリスマス・パーティ」に収録されて限定品とはいえ一応、解禁状態に。鈴の音入りの、すごくクリスマスっぽい曲よ。
 内容はクリスマスに雪が降らないだの商業的だのさんざん皮肉と文句を言っておきながら、最後の最後で「でも、君と一緒なら」という、落とし。ニールはけっこうこのテをよく使うんだよね。さんざん言っておいて、最後に「でも、スキだよ」って抱きしめちゃう。数々の恋の難敵を攻略してきたわけで…偏差値の高い乙女キャラの面目躍如!キャ〜、いやーん。ラストのクリスの声は、やっぱりセクシー。


 

クリスマスなんて、言うほどのものじゃない
ファミリーがプラスチックのツリーの周りで格闘して
見たいTVもやらないし
雪が降ることもほとんどない
年々、ホワイト・クリスマスなんて意味がなくなっている
ビング・クロスビー、
ビング・クロスビーったら、
あんた、聞いているかい?

クリスマスにほとんど雪は降らない
そういうことなんだよね
でもクリスマスは光り輝いている
だって、君と一緒に過ごせるから


クリスマスの本当のメッセージなんてとっくの昔のもの
今じゃ、全て商業的になってしまっている
誰かがつくった楽しみと同じで、慈善みたい
今年1番の年間行事にすぎないってこと

クリスマスにほとんど雪は降らない
そういうこと
でもクリスマスは光り輝いている
だって、君と一緒に過ごせるから

メリー・クリスマス
アンド、ハッピー・ニュー・イヤー

★★★★今日のピックアップPV★★★★

『ウエスト・エンド・ガールズ』(86) 監督・・・アンディ・マラハン、エリック・ワトソン

セカンドシングルながら、ほとんどの人がこのPVでPSBに出会ったと思う。前髪がウざったい(本人談)ニールは、当時からどうみてもゲイっぽかったよね。当時の流れだったロマンティックの流れを汲みながら、忘れられない音、歌詞の内容の暗さ・難解さに、ちょっと他とは違う・・・とみんな感じていたはず。ひたすらクールに歌うニールと、気まずそうに横にいるクリスという対比の妙は、すでに“アートデザイン”として確立(ニール曰く“アメリカンゴシック”の夫婦像・・・夫婦かい。ロッキー・ホラー・ショーのリフラフ&マジェンタともいえる)、その後の全ての“2人組”に大きな影響を与えた。


クリスが半透明です

まだ顔をあまり知られてないので、2人がロンドンを歩き回っています。ちょっとしたロンドン観光気分。リバプール・ストリート駅で、ニールに遅れたクリスがスキップする姿がとてもかわいい(っつーか、素)。とにかく若い。まだロンドンに行ったことのない私も、ロンドンってクールな場所だと感じた。

★★★★今日のビデオレビュー/ライブ・ナイトライフ・ツアー★★★★

 2000年、大々的に行われたワールドツアー。99年のアルバム『ナイトライフ』(代表曲『ニュー・ヨーク・シティ・ボーイ』)の成功を受けてのツアーで、日本でも4市開催されるくらい、ちょっとした世紀末PSBブームだった。
 内容も派手でコンセプチュアル。前半はコスプレで演劇的、後半はカジュアルという、2部構成。コスチューム(コンセプト)デザインはイアン・マクニール、舞台は建築家ザーハ・ハディット。
 さて、ライブの内容。前半は例のコスプレ(ウィッグ、サングラス、のり眉毛)で、全身クロづくめ、鎧のように身を固め華麗で近づきがたいスター・オーラ出まくり。これは、これまで何度かステージで彼らが現れるたびに感じるシアトリカルな戦略イメージそのもので、観客との距離感(見えない壁)を冷静に計算しているんだと思う。「Being Bo
ring」の歌の途中、ニールがばったりと倒れるのとかも。
 もともとアルバム『ナイトライフ』のテーマはその名の通り、“昼間とは違う夜の顔”であり、2面性、陰と陽(の、“陰”のクローズアップ)、ちょっとしたドキドキ冒険の世界なのだ。まあ、代表曲『ニューヨーク・シティ・ボーイ』はアルバム中で唯一ともいえる“夜を知らない無垢な存在(イノセンス)が夜の世界に出て行く物語”なのだけど。シングルやヒット曲はどちらかというと明るいけど、隠れがちなアルバムの他の曲に真実が眠っているような気がする・・・こんな解釈はひねくれすぎか?
 打って変わって後半は、2人はウィッグと華麗な仮面と衣装を脱ぎ捨て、カジュアルでラフな衣装に戻る。だからといってどちらの彼らも彼らそのものであって、どちらかを演じているとかそういうことでもないらしい。仮面をかぶったコンセプチュアルな彼らも彼らそのものなのだ・・。(少なくともニールは。クリスはウィッグが苦痛だと語っていたので、無理をしているのかもしれない・・・。でも、少なくともステージ場のパフォーマンスはないので、ここではクリスは陰の存在だ)コアなファンだけでなく、一般人でも楽しめるステージだと思う。ちなみにDVDは、かなり手の込んだ映像処理がされ、イギリスでは驚異的売り上げを記録したそうな。

★★★★今日の思いつき★★★★

 今の“お風呂DVD”がニューオーダー(以下、N.O.)で、聞きながら、デケデケ音の心地よさについつい長風呂になってしまうのですが、突然、PSBとニューオーダーの違いについて思いついてしまったので、書き留めておきます。
 PSBとニューオーダーが「同一傾向音楽」「ファンがカブる」ことについては、先日触れたとおりです。N.O.が一応のバンド体制をとっているのをのぞけば、エレポップな音楽性は、ちょっとするととても似ているし、実際にN.O.のバーニーとPSBがコラボしたエレクトロニックでもまったくの違和感もなく融合していた。が、どうだろう、この印象の違いは。
 少なくとも初期(90年ごろ)までのPSBは紛れもないエレポップ=ダンスミュージックだったが、すでに歴史の半分以上はその側面+別の要素が加わり、他のあまた存在したダンスミュージックを凌駕してきた。じゃあ、その+別の要素ってナンダということになると、それはズバリ、“ニールの声”なんだと思う。アンタ、クリスがいりゃあそれでいいんじゃないの、とは思うなかれ。PSBは絶対に2人いなきゃならない。クリスから生み出される、ポップでマニッシュなダンスサウンドな機械音+ニールから生み出される乙女的(OR少年合唱団的)超自然的ナマ声=PSBの音。なにしろ、私もこの不自然かつ自然というパラドックスに気がついたのもここ最近なんですから。私のこの説が間違っていないとしたら、おそらく、多くのヒトがそれに気がつかず、無意識的に取り込んでいるんじゃないか。
 つまり、N.O.はBGMに最適だ。バーニーの声は程よくニュートラルで、いつまでも聞いていられるし、終わりなき電子音が心地いい。PSBはBGMには向いていない。心の弱いところの扉を開けてしまう鍵を持っているから、ついつい感情移入してしまう。ただのダンスミュージックと思ってリズムに身を任せたりなどすると、最終的には涙があふれてしまうのだ。間口が広く、奥は感情迷宮の状態。
 やはりニールはただものではない。シンセの音作りなら技術でカバーもできるだろうけど、あの心震わす声は、完全に生まれもった天分だ。わかっちゃいるけど、たまに思い出してはひれ伏してしまうのだ。マジで尊敬っ。


★★★★今日の関係者★★★★

デレク・ジャーマン
 1949年、イングランド・ノースウッド生まれ。映画監督。ダンジェネスを拠点にし、ほとんどの映画はここで撮られている。94年エイズのため死去。
 去年「トリビアの泉」で「全編青い映画がある」(遺作の『ブルー』(
93)のこと)という映画好きなら誰でも知っているネタが登場したが、この際ジャーマン監督の紹介が「PSBのツアーディレクターを担当したことがある」というものだった。PSBとは切っても切れないビジネスパートナーである。


デレク・ジャーマン

75年の初監督作『セバスチャン』以来、ゲイの視点で映画を撮り続けている。難解だが、なんともいえない引力がある。86年『カラバッチオ』が『イッツ・ア・シン』に合うという理由で、PVの監督をする(他に『レント』のPVも)。PSBの88の初ツアーで総合演出をするが、このときスクリーンで流されていた独自の映像もツアーのために撮られている(PSB本人たちは出演していないイメージっぽい映像)。
 ジャーマンがゲイの視点から映像を捉えているといったが、彼の場合(まあ、ゲイ・ノンケにかかわらず多くの人はそうであるが)、女性の立場がきちんと描かれているということである。それは母性であったり、ゲイを夫に持った不遇な女性であったりはするけど、決してないがしろにはされていない。ジャーマンのとってのティルダ・スウィントンだとか、ファスビンダーにとってのハンナ・シグラとか、かえってゲイの描く女性は魅力的ですらある。そう対比すると、PSBは女性を描かないというか、悪い言葉で言えば排除している。たまに女性の視点で描かれることはあるが、あくまでも自分を投影させる手段に見える(実在の女優に投影させるか、架空にするかの違いに過ぎないかもしれないが)。まるでPSBの世界には女性が存在していないかのように思えるくらい、彼らの世界の中に“女人立ち入り禁止”的な部分があるようにも感じる。ただしこれがスタイルとしてプラス作用に働いている場合も多いので、決して非難するつもりもないけど。
 話はそれたけど、デレク・ジャーマンは死の間際まで映画を作り続けた。私も、わからないといいつつも、画集をめくるような感覚で鑑賞していたと思う。PSBがチャリティーライブをクラブ『へヴン』で開催したり、弔辞をニールが読んだりと、彼らは最後まで友人だった。

★★★★今日のお写真★★★★

マーガレットがいちばんお気に入りのクリシーベイビーたんの写真です。どうよ、この無防備な“素“っぷり。誰が撮ったのかしら。中学生だったら確実に下敷きにはさんでいるわね!
 ベイビーたんの天才ッぷりにメロメロなので、本来、外見はどうでもいいのだけど、時々、あまりのハンサムさにクラッと来るのよ。ニールの頭髪のことはファンの最重要懸案事項だけど、意外にもクリスの頭のことは(帽子のせいもあって)語られることは少ないような気がするけど、クリスもかなりデコちんがやばいのよね。そのヤバぶりさえキュート。2年前、いったいどうやってロンゲにしていたのかという謎から、エクステンション疑惑もありましたが、あと5年くらいは頭皮にがんばって欲しいわ。

 

★★★★今日の映画★★★★

『ジョージ・マイケル〜素顔の告白〜』(04)
・・・ドキュメンタリー。ワム!(アイドル)→解散、ソロ→ブラジル人の恋人アンセルモとの出会いと別れ→ソニーとの契約の裁判→最愛の母の死→現在の恋人ケニーとの出会い→ブッシュ・ブレアの政治批判→そして今・・・いろいろあったけど、今はハッピーさ、な42年の半生を綴った、ファン必見のフィルム(まあ、ほぼ知っているので、新しい驚愕の真実はなかった・・・)。同時に80年代に青春を過ごさず、ジョージ=ああ、ホモで、露出で捕まった人ね〜、くらいの人には何の価値もないかも・・・。でも、こうして全てをさらけ出しちゃうと怖いものはない。ジョージがフレディの追悼コンサートでは、観客席にはフレディと同じ道をたどりつつある恋人・アンセルモがいたという。そのエピソードには泣けたよ。それで、今でも現在の恋人ケニーは、アンセルモが自分に遣わせてくれたと信じているのだ、ジョージは。ピュアだなあ。(それは曲になってアルバム『ペイシェンス』に収められている。)
さあ、これからのジョージが楽しみだ。だって、歌もうまいよ。


★★★★今日の楽しいニュース★★★★

 3月末発売予定がいきなり5月発売に繰り下がったPSBニュー・アルバム『FUNDAMENTAL』、現実味を帯びてきたと思ったのに遠のいちゃった。曲名はすでに明らかにされていて、以下のとおりです。(カッコ内はマーガレットの勝手な邦題です。内容はまったく知らないので、想像してつけてみました。どこまで当たっているか?)

1. God willing (神様の言う通り)
2. Minimal (ほんのちょっと)
3. T
he Sodom and Gomorrah Show (ソドムとゴモラ・ショー)
4. I'm wit
h Stupid (バカだな、自分)
5. Psyc
hological (心理学)
6. I made my excuses and left (ゴメンナサイ)
7. Integral (完璧)
8. Numb (麻痺)
9. Luna Park (ルナ・パーク=狂人の園)
10. Casanova in Hell (地獄のカサノヴァ)
11. Twentiet
h Century (20世紀)
12. Indefinite leave to remain (あいまいな別れ)

 1st.シングルカットは「Minimal(5月予定)、2nd.シングルは「Numb / I'm With Stupid'」の両A面(未定)の予定。The Sodom and Gomorrah Show」は、イギリスの雑誌で「今年最もインパクトのあるタイトル」の候補に、早くもノミネートされているそうだ。気になるタイトルだね!

 


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