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♪♪妄想乙女マーガレット通信★vol.24♪♪
別冊「まりりんのの日記」/ペットさん(ペット・ショップ・ボーイズ)偏愛フリーペーパー
第24号・2006年03月発行★発行人:まりりん石原、執筆乙女:クリスティーナ・マーガレット・ロウ

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マーガレットです。気がつきましたか〜?今回からタイトル文字に「Margaret」が加わりましたが、これはニールの書いてくれた文字ですよ〜。せっかくなので使わせていただきました。

★★★★今日の乙女訳リリック★★★★

『ハロー・スペースボーイ』(96)

 ニールの憧れの人・デビット・ボウイを20年ぶりに“ジギー・スターダスト”ばりに宇宙人に回帰させたこの曲。久々のキラキラ衣装とお化粧・イヤリング・ハイヒールには、狂喜したファンも多いはず。曲を作ったのはブライアン・イーノ、リリックはボウイ作だが、PSBが作ったとしか思えないようにアレンジされている。しかしデビット・ボウイはその人気や衰えない容貌とはうらはらに、90年以降はあまり個性的なボウイらしい曲を発表していない。このPSBコラボをはじめ、なんとなく“誰かっぽい”コラボが多いのだ。このまま行っちゃうのかなあ。私ですらリアルタイム体験できなかった、遠い昔のキラキラ・グラムは、そりゃあ、絵にもかけない美しさだったそうだ。その世界をすっぱり捨ててしまった彼…ボウイから影響を受けたミュージシャンも多いのだから、戻ってきてほしい。じいさんになってもキラキラを続けるのは、それはそれでかっこいいかも。(後半のリリックが、残念ながら歌詞カードから抜け落ちています…。ニールのパートなんですが。)

眠っているの、スペースボーイ
身動きできない君の影

君は解放された

でも保護者が呼んでいる

僕は自由になりたい

でも君は自由になりたいなんて

思わない

男の子と女の子

君が好きなのはどっち?

現代は混乱している

でも、君は月の欠片に包まれていく

君を包む

このカオスは僕を死に追いやっていく


バイバイ、 愛
ハロー、スペースボーイ

このカオスは僕を死に追いやっていく


★★★★今日のピックアップPV★★★★

『イエスタディ、ホエン・アイ・ワズ・マッド』(’94) 監督・・・ハワード・グリーンホルフ

病院を舞台に、拘束着を着せられたニールと、100年前の亡霊のようなニールがまるで「キングダム」。そういえばスティーブン・キング風の双子の女の子も出てくる。クリスはCGキャラでしか登場しない。このPVを見る限り、PSBはニール一人しかいないような気すらする。まあ、この歌の歌詞は、ニールがコンサートでブチ切れた経験を基に作られているので周りのスタッフ、興業主、批評家、クリスさえも敵に見えてしまう“まともじゃない”状況を歌っているらしい。

「いい出来だよ、なんてもっともらしいことを言われると、殺意を覚える」などと、いつも冷静な彼らしくない意見です。ただ、昔の記事を見ると、自分たちへの批判にはかなり神経質になっているような気がします。Aメロはラップ風だし、かなり異色な曲かなあ、と思います。ただ、最後は我に帰ったようにしゅ〜んとなって反省してしまいますが。 
                 
いつもクールなニールががんばってコミカル演技を・・・

★★★★今日のビデオレビュー/フジ・ロック・フェスティバル★★★★

 2002年7月23日(中日のトリ)、恒例の苗場の“地獄の”フジロック。野外フェスはちょっともう行ける年齢ではないので、行った知人からパンフもらって話を聞きました。多分、WOWOWOか何かでTV放送もダイジェストでやったかと思いますが、残念ながら未見。最近、闇で(なのか?) 出回っていたソフトを入手。プロショットではないので、かなり遠い観客席から望遠撮影(たまに傾く)。1カメのため、ニールを追うのに精一杯・・・クリス映ってなし(ロングショットで見ると、キーボードが高くてほとんど顔が見えていないけど)。ニールがクリスの横で歌ってくれるといいんだけど。夜公演で、照明が後ろからなので頼みのニールも顔は暗いし。ああ、前を人が横切る。喋っている。・・・仕方ないのか。どなたか舞台の近くから撮られたプロショット(WOWOWのダイジェスト版とか)持っていたら見せて下さい。
 ただ、フジ“ロック”と銘打っているからか、珍しくバンドの体裁で、音もロックに近いアレンジで、その点は楽しめたかな。いつもいるサポートボーカルのシルビア姐さんやダンサーの人たちがいないので、ニールが右、左とステージを歩き回り、ループ部分まで歌い、かなりきつそう。クリスがちょっと手伝ってあげればいいのにっ・・・キーボードにひたすら没頭。ニールの「アリガトウゴザイマース!」って、やっぱり”外人さん”って感じ(あたりまえです)。
以下、パンフの紹介文を書いておきます。

「 
2年前に9年ぶりの来日を果たし、これでまた9年くらいは日本で拝めないのねとヒュルリさびしい風が心に吹いていたが、なんと!ここ日本の屋外でPSBを堪能できる日が来るとは!そもそもPSBのライヴとは、現存するミュージシャンのライヴの中で、最も洗練され、最もすぐれたエンターテインメントである。そういいきれるほどに、安定したクオリティの高さ(それ自体すごいことだ)を長年見せ付けてきた人たちだ。彼らのステージを見たことのない人は、この機会を逃すまじ、とおすすめしたい。
 とはいえ「エンターテインメント」という言葉をマイナスのニュアンスで受け取ってもらっちゃ困る。なにせ、ビデオやDVDで確認できる過去の作品を振り返っても、ライヴごとにミュージカル仕立てあり、ビデオ・インスタレーション的なステージありと、懲り方が半端じゃないのだ。そこにはご存知の名曲あり、イギリス人らしすぎるブラックジョークあり、アートの世界に精通する美意識あり、ハウスやクラブミュージックが何より好きなオッサン2人の鋭いサウンド・アレンジあり、そしてニール・テナントの唯一無比(としか表現できないだろう)の平べったくもピースフルな声があり。全てがくすぐってくれる。加えて、先ごろ発売された「リリース」ではギターを全面的にフィーチャーしていたことを考えると、ニールの弾き語り曲の割合もかつてなく高いはず。熱心なファンの人ならば身悶え必至のひとときが、このフジ・フェスでは約束されており、テレビで流れるヒット曲でPSBが気になってた人には、このおっさんユニットが、飄々とわが道を行きつつも、同時に、その鋭い批評精神によって時代を切り開いた事実が確認できるはずだ。
 (中略)デビュー時代から息切れすることのない名曲量産ユニットで知られるが、単なるポップスターの地位にとどまることはなく、常に音楽のテーマを設けては実験を繰り返している人たちでもある。音楽面のみならず、昔から仮装系のプロモーション・ビデオでも大笑いさせてくれ、93年の「ヴェリー」では果敢すぎるかぶりものに挑戦するなど、笑いのセンスもズバぬけている。スゴイのは「変化」を目標にすえた上で変化する壮年&熟年ミュージシャンが多い中で、この人たちの変化はなんと言うか、かたに力をいれずに、楽しいことや興味のあることをワクワクすながら追求した結果だということ。それってカッコイイ。しかも、何度も書くようだが、ポイントごとに笑わせてくれる。新作「リリース」にも毒舌を撒き散らすエミネムを逆に俎上にのせて「ニヤリ」とさせてくれる新曲が収録されている。初の日本での野外ライヴ、どう魅せてくれるか楽しみで楽しみでワクワク。」


★★★★今日の関係者★★★★
 サー・エルトン・ジョン
 1947年3月25日、イギリスのミドルセックス州ピンナー生まれ。本名レジナルド・ケネス・ドワイト。68年デビュー。代表曲は『ユア・ソング』『土曜の夜は永遠に』『キャンドル・イン・ザ・ウィンド』などたくさんあるけど、けっこう昔だし、ものすごく大ヒットという感じじゃないので、若い人には即座に歌が浮かばないかもしれない。


なんかのチャリティーイベントですね。
スーツ姿のクリスは珍しいかも。

一般的に知られるのは故ダイアナ妃のお葬式で歌ってたからか(でもあの曲『キャンドル・イン・ザ・ウィンド』はもともとマリリン・モンローに捧げた曲です。歌詞を“英国の薔薇”にチョット変えただけね)。そうしたロイヤル・ファミリーとの付き合いもあってか、サー(卿)の称号を、カムアウトゲイ有名人としては、初ゲット。
 今でこそ「ゲイ・メガネ・カツラ(そしてスキっ歯)」という三重苦もチャーミングなトレードマークにしてしまっているサー・エルトンだが、若い頃はそれなりに
イケてるポップミュージシャンだった(ハズ)。最近も男性パートナーと盛大に結婚して話題になったけど、若い頃は女性と結婚してて子供もいるんだよね、実は。PSBとのフレンドシップは言うまでもなく、プライベートからいろんなチャリティーやらなんやらでよくお仕事もしています。英国ゲイポップミュージック界の長女(マーガレット調べ)。

★★★★今日のおまけ・補足★★★★

http://www.youtube.com/watch?v=SJ-nAftg5aw&search=pet%20shop%20boys
曲名不明。エルトン・ジョンとのコラボ。クリスの帽子がスゴイ。

http://www.youtube.com/watch?v=GyLjB05j-mk&search=pet%20shop%20boys
2003年ドイツのニューポップフェスティバルで、ドイツ語(?)で挨拶をするニール。画像悪し!

http://www.youtube.com/watch?v=WhKpfjRFER8&search=pet%20shop%20boys
ワールド・アート・アウォードで、『ミラクルズ』パフォーマンス。画像ヒドイし、中途半端。

http://www.youtube.com/watch?v=GfgbN0RgYpk&search=pet%20shop%20boys
エレクトロニック『Getting away with it』のPV。バーニー、マー、ニール。

★★★★今日のお写真★★★★

PSBの2人は基本的にセクシー路線はナシ。たまにクリスの脚自慢短パンはあるものの、衣装では半袖さえ珍しいほど露出ナシ。さすが英国人。セクシー胸毛(欧米限定)も、出し惜しみ。
 そんななか、バルバドスでバカンスするニールを発見(隠し撮り??)。後にいる男女らしき人たちが関係者かどうかはわからないけど、いったい誰と来ているのかしら。だいたいセレブはこういう息抜き写真で色恋沙汰がバレるんですが…。(ジャン・クロード・ヴァンダムは妻帯者ですが、いっつもトレーナーっぽいマッチョ男とプールで戯れている写真ばかり。去年は隠れゲイと噂のリッキー・マーチンがマッチョアニキとビーチでイチャイチャする写真を撮られていた。)
 ありましたよ、近くに男の影。次ページへ急げ!

 

←と思ったら…クリスでした。なんだ、仕事で滞在中だったのね。いくら仲良しでもさすがにプライベートのバカンスまで一緒にいませんから…。
 それにしてもこのクリス、海パン姿が高校生くらいに見えるので、ニールと親子みたいに思えるよ。

 

 ちなみに右写真は、ニール唯一のセクシーグラビア。イギリスのゲイ雑誌「Attitude」(ニールがカムアウトしたメディアでもある)に掲載されたもの。ちなみに某ゲイサイトでのニールの紹介写真にもこれが使われています(クリスの紹介写真はふつうのでしたが)。

 

★★★★今日の映画★★★★

『ブエノスアイレス』
・・・いまは亡き、香港ゲイ界の星、レスリー・チャン主演のゲイをテーマにした映画。監督はウォン・カーウァイ。撮影前、レスリーの恋人役のトニー・レオン(もちろんノンケ)はゲイカップルの話とは聞かされずにアルゼンチンまで来てしまったらしい。レスリーとトニーはいくつか共演作もある友人なので、彼がトニーに映画の内容を説明したという。映画の冒頭、かなり激しいカラミがあるが、そこではレスリーが女性っぽく、トニーが男っぽい。しかしその後の彼らの関係が描かれるようになると、レスリーはダメダメ男、トニーはそれに振り回されちゃう、まるで悪い男と手を切れない女性のよう。ゲイカップルのなかには、このように明確に“ネコ”と“タチ”が決められない場合が多いらしく、映画では割と紋切に描かれることが多い中、リアルだなあ、と思った。でも、これは男女でも同じかも。現実的な強い女性と女々しい男は多いし、二人の力関係が永遠に同じとは限らない。社会的「女らしい」「男らしい」ばかりふりかざすたいていの社会ルールに、このことを知ってほしいな。


★★★★今日の“べあ〜さん”★★★★

 ”べあ〜さん”とは、アメリカでPSBファンサイト「PSB Commentary」やっているウェインさんです。さて、このサイトのトップページでは毎週代わりで「投票」をやっているのですが、2月12〜18の投票のテーマは“このページにくる人(つまりはPSBファン)の属するカテゴリー”。男性/女性、ヘテロ(ストレート)/ゲイまたはバイ、アメリカ人/非アメリカ人、から選択します。たしかにPSBはゲイのファンの割合が、少なくとも英語圏では多いはず。ファンサイトもたいていゲイの人がやっているケースが多いみたい。もともとこの「ゲイによるゲイな内容のサイトだからビジターもゲイが多いんだろう」と思っての調査らしい。どこの外資系レコード屋だか忘れちゃったけどPSBを含むゲイ・ミュージシャンによる企画&デザインのグッズ(「私はゲイではありません、でもゲイをサポートしています」と英語で書かれたTシャツとか)を販売しているように、ファンはゲイでもノンケでも一応の覚悟でファンやっているんだなあ、と、日本ではほとんど話題にされないこともあるようで(ここは“寛容
と、いいようにとっておこう)。それで、投票結果は以下の通り。

投票総数374人のうち
男性/ヘテロ(カッコ内はそのうちアメリカ人)      …47.1%(10.2%)
男性/ゲイまたはバイ(カッコ内はそのうちアメリカ人)  …43.0%(18.1%)
女性/ヘテロ(カッコ内はそのうちアメリカ人)      …0.76%(0.23%)
女性/ゲイまたはバイ(カッコ内はそのうちアメリカ人)  …0.23%(0.09%)

と、まあ、結果的には約半分がゲイまたはバイの男性ということで、社会的比率よりずっと多いようです。それにしても女性、少なっ!「世界が100人の村なら」でのデータでは、ゲイ人口は100人に10人、つまり10%。そんなに多いかなあ、という気もするけど、何をもって「ゲイ」とするかの定義は、わりかし広いような気がする。実際に同性愛の人はもちろん、性同一性障害、性転換して本来の性に戻っている人、どっちも好きな人、精神的な愛情だけの人、異装コスプレだけの人まで含むとそのくらいなのかな。いっしょくたんにしているけど、マニッシュな男性ゲイの人と、脳が完全に乙女化しているフェミニンな男性とは、かなり対極のような気がするし。まあ、たいていのゲイの男性は歳をとるにつれフェミニンになったりしますが、内面だけならノンケの男性もカドが取れて中性化する場合もけっこうありそうだし。奥深いです。

 


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