ニールに関して

神様に近い存在●
 (7/10加筆修正)

 

 

 


先日私は、運良くロンドンのライブのあと、
ニール・テナントその人と接近遭遇してきた。
まるで周辺に妖精がいて絶えず金粉を撒き散らしているかのごとくブリリアントで、
50歳を超えたナチュラル・ボディ(彼はセレブなら当然の整形美容否定派なのだ)とは思えないほどの
細い体型とツルツルお肌とエレガントな身のこなしに驚愕した。
まさに「見ちゃった!会っちゃった!生きててよかった!おかあさ〜〜ん!」って感じだ。
しかも、一仕事終えて疲れているのになんというフレンドリーさ。
こういう風にきゃあきゃあと囲まれるのが決して嫌いじゃないんだろうと思うけど、
誠実だよなあ。
私は、彼は彼自身に備わっている才能なり天分なりを、自分で十分理解している人だと思うし、
だからこそ「自分ってちょっと尊大だ」なんて言ったりするんだろうと思っていたけど、
飾らない、驕らないナチュラルな雰囲気には、ただただ、もう、うっとりするばかり。
同時に、「あ、この人、違う・・・私とはステージが違う」といった、
絶対に超えられない見えない身分の壁みたいなものを感じました。
だからこそまた、恋焦がれてしまうのです。



ワタシ、あまりにも大きすぎて、この方の正体がつかめないんですもん。
一見わかりやすいものほど真実は深い。

確かに、PSB=ニール・テナントと言い換えられるほど、ニールこそPSB。作品についての表立った発言はほとんどニールのものだし、クリスの言いたいことまでニールは代弁している。
でも、ニールはあらゆる矛盾を背負っているように見える。

陰と陽、男と女、優しさと厳しさ、寛容と辛辣、まじめと不真面目、乙女とセクシー、天界と魔界、閉じていたり、開かれていたり、複雑でベタ・・・
もう、あらゆる対極の矛盾。
そして、そんな彼を見ていると、この人はキリストだ、と思う。
全てのものに愛を与え、ダメ人間へのふところの深さ、全てを許してくれるようなやさしい笑顔。
どこまでも優しい・・・と安心すると、間違ったことには厳しいオシオキ。
これが意外に強烈。
そして、揺ぎ無い、天が与えた世界で唯一の声という楽器。

なのに、彼の書くリリックったら、なんて悲しい恋の顛末ばかり。
愛を与えすぎて、自分のところに愛が残らないんじゃないの!?
本当にあなたはしあわせなのっ!?


 

 


N loves C

誤解を恐れずに言うと、ニールの愛を一番たくさん受けているのは紛れもないクリスだろうな。
ニールはクリスの世界一のファンなんだと思える。
(ニールが認めているからこそ、クリスもファンから愛されている)
もしかしたら、ニールにとってクリスは、恋人よりも大きい存在かも。
いや、絶対2人には友情と仕事仲間以上の関係はないと思うけど、「恋人同士」というある種言い切ってしまえる関係以上に
この微妙な関係性を続けていくのに不確かなものはない。

並べてみると、堂々と熱い思いをポロポロ言っちゃっているニール先生。
涼しい顔でニールの熱〜い思いをさらりとかわしているように見えるクリス・・・。
以下、そんな行動に妄想つっこみいれてみました。
(ん?この項目、結局「クリス」になっていない?)

@クリスのためなら・・・
まだ出会って間もない頃、デビュー前の2人は、暇さえあれば共同で曲作りをしていた。タバコ嫌いなクリスのために、それまで吸っていたタバコをきっぱりやめて、以来は吸っていません。2人がいかに一緒にいる時間が多かったのかがわかるが、これは、恋人同士でもなかなか難しい要求じゃないか。クリスがニールのために生活を変えたエピソードはないようだけど・・・。

また、まだリバプールの学生だったクリスを、共同で曲を作るために週末のみロンドンの自分のアパートに寝泊りさせている。ニールは当時、雑誌記者。デビューのためとはいえ、ちょっと飽きっぽい人間だったら続かない作業。音楽への情熱とともに、お互いビジネスパートナーには彼しかいない、と、確信していたんだろうな。デビュー曲「オプチュニティーズ」そのまんま。
「クリスはよく寝言で笑っていた」と語るニールですが、思いっきり他人んちでくつろぐクリスと、夜中に起こされちゃう損なニールをよくあらわした、微笑ましいエピ(寝言が聞こえるほど大きい声なのか、聞こえるほどヨコにいたのかは不明)。

ニールが主に詩、クリスが主に曲を作っているが、ニールは時々曲も作るし、ギターも弾く。曲作りのスタイルは20年ずっと共同作業のようだ。(私は作詞も作曲もできないのでわからないけど、どっちかが作った曲にどっちかが詩をつける、個別作業かと思っていた・・・。)だからクレジットはいつも「TENNANT/LOWE」という共同名義になっている。

A女子高生かOLか!
全く趣味趣向の違う二人ですが、お互いに違う世界を共有すると言っていました。クリスはニールに、面白いTV番組を紹介したり貸すらしい(現在のお気に入りは、アメリカのTVドラマ「シックス・フィート・アンダー」・・・葬儀屋一家の話で次男がゲイ)。ニールはニールで、クリスに面白い本をセレクトして、買わせているらしい。つーか、つるんで本屋に行ってる状況ですよ。PVの撮影中も、「抜け出してクリスとランチを食べに行った」発言もある。大人なのに。ちょっとしたコンビなら仕事中のランチくらい別行動でしょう。女子高校生か。

B誉める、誉める・・・
インタビューでも、常にクリスを誉めるのを忘れないニール。「天才だから。」とか。インタビューでは不機嫌になりがちなクリスへのフォローかもしれない。DVDのコメンタリーでも、クリス自身が「げー、最低!」という場面でも「変じゃない」「いいよ」「似合っている」「かっこいい」と、フォローとも絶賛とも取れるコメントの嵐。ジャニーズのメンバー同士じゃあるまいし、多分本心で言ってると思う。クリスがニールを誉めるのは聞いた事がない(照れ屋という言い訳で)。
また、インタビューでクリスの発言の際は、喋るクリスを見つめるニール。年長者の余
か。インタビューでクリスが逃げたり答えなかったりする質問もフォロー。もちろん、クリスに不利なことは答えない。

Cマネージャーで友人
2人のマネージャー・友人だから、当然2人に共通な存在のはず。なのに、マネージャーにクリスを独占される・・・2人が付き合いはじめちゃった・・・え〜と、まあ、それでも友人は友人です(孤独)。

Dクリスが気に入るから
・・・という理由で、詩を書く。いったい誰のためにラブソングを書いているんですか、アンタ。(例:「
YOU ONLY TELL ME YOU LOVE ME WHEN YOU AER DRUNK」)クリスもロマンチストなので、感銘して思いっきりベタな曲をつけてしまう。もう、肉体関係のない熱愛カップルです、この人たち。

また、カバー曲は全てクリスが選択しているということ。気が乗らなくても、クリスの選択に従うニール。ビレッジ・ピープルの「ゴー・ウエスト」も、ニールは大嫌いだった。でも、クリスがやりたいって言うんなら、まじめに取り組む。歌詞を書き足し、90年代的意味をもたせ、見事大成させた。

以上、ニール⇒クリスの一方通行な感じのするエピでした。ただ、ニールはこの状況が結構好きなんだと思うよ!
何があったか知らないけど’93年ごろ一度、解散の噂はあった・・・その後は磐石です。
絶対解散しちゃダメ!

 

 

 


ダメンズわたり歩き

カミングアウトとは、勇気のいる行為だ。
別に公表しなくても、自分は変わらない、変わるのは周りのほうだ。
友人・知人や家族との関係が変わることだってあるだろう。
女子のみなさんには「自分、あなたたちは恋愛対象じゃないですから」、
男子のみなさんには「そういうことなので、よろしく」と宣言するようなものだし、
世界中にいる、同性愛を理屈や感情で受け入れることのできないイントレランス(不寛容)なホモフォビアに
バッシングを受ける可能性だって、高い。ファンを辞めた、とか。

94年にカミングアウトして以来、ニールは“発言に責任の発生するゲイ”になってしまった。解放されると同時に、更なる荷持を背負ってしまった。
カミングアウトした雑誌によるとニールの「PSBの詩は、ゲイの視点から書かれている」という発言は、世間的にはけっこうな波紋もあったようだ(まあ、うすうすはみんな感じていたことだけど)。

ニールには、「ニール・メモ・ノート」があるという。リリックを書くさいに参考にする、思いついたフレーズとかが書いてあるそうだ。もちろん実際見たことはないが、そのなかには、振られたり振ったりヒドイ思いをした涙なしでは語れないエピソードが呪文のように書かれているはず(妄想)。
上の「
YOU ONLY TELL ME YOU LOVE ME WHEN YOU AER DRUNK(君は酔っているときしか愛しているって言わない)」もそう、「I  DON’T KNOW WHAT YOU WANT BUT I CAN’T GIVE IT ANY MORE(君ののぞみがわからない、でももう何もあげられない)」もしかり(タイトル長いよ!)これは本人がそういっているので、間違いありません。ありえないほど切ないです!
さすがにニールを殴るようなDV男はいないだろうけど、こういうのって、女性もそうだけど、結局は自分で引き寄せているのよね。ダメ男を。結局ダメ男好きなんだよ!ニールの最大の弱点ではないでしょうか。
ただ、クリスと違って、ニールの実際のパートナーって聞こえてこないので、どんな男かは不明。オープンリーな発言が多い割には・・・そして、さめざめと泣いた経験を世界中にプレスして売っている割には、私生活はひ・みつ・です。

「TRY IT (I‘M  IN LOVE WITH A MARRIED MAN)」という不倫の歌があるのだけど(ボビーOの作品で、ニール作ではないが・・・わざわざカバーしている)、この曲について「あなたは既婚男性との不倫はありますか」という質問に関して、「ははは(笑う)・・・ないよ。僕は独身男性としか恋をしない」とバサっとサクっと答えていたので、ドロドロはなさそうなんですが。
ただ、20代まではニールは女性とも付き合っていたらしい。クリスと出会って、PSB結成して、詩を書くようになって、乙女遺伝子の量が増えて、現在のニールが完成したに違いない。

 

 

 


驚愕のヴォイス

ニールの声は天使みたい。少年合唱団から熟した男まで使い分けている。ささやくような抑えた声も、ちょっとがんばって歌っているときも、もう、驚異的歌唱力。しかも、ライブなんかで見るとかなりクールに歌っている。声が裏返ったりしたのも聞いたことないし。
ワタシが配りまくったCD、本来ならかなり押し付けがましいのだけど、みんなニールの声には抵抗感なく入っていってくれたようだ。みんなそれぞれ音楽の趣味があるけど、PSBは、ほぼオールマイティ!しかも、洋楽になじみのないお母様世代にも非常に受けがよかったんです。優しく包み込むような心地いい声・・・。
ただし、中身はドロドロしてるからねっ!

魅惑の8頭身

若いときは若いときの良さがあるけど、年齢を経てこれほど素敵になって行く男性も稀有だと思う。若い頃のフサフサのブルネットもいいけど、シルバーに見える髪、もっといいじゃない!そして、なんだか魅惑のブルーの瞳がさらにいい色になっているような気がする・・・。「CAN
YOU FORGIVE HER?」に登場する、「YOU」が恋した「青い瞳の君」が、ニール自身に思えてならない。
それ相応にお肉はついているけど(そして本人も常にダイエッターらしいけど)、それがミドルエイジならではのセクシーなのよ。だって、少しくらい太ったって8頭身のスタイルであることは変わらないし。決して人工的にならない、ナチュラルにまかせているところが誠実な彼らしいじゃないですか。心は乙女ですが、外見は乙女にならないで下さいねっ。
自分がセクシーな存在と自覚しているかどうかはわかりませんが、たまにライブなどで見せるニールのコンサバ+カウボーイハットは、とってもそそります。マジでっ。全身カウボーイじゃないのが、英国紳士テイスト。なぜかあれだけ帽子をかぶり倒しているクリスは、カウボーイハットだけはニールに譲っているんだよね。似合ってるってわかっているから。


なんだかんだいって、ワタシがクリスを好きなのも、ニールを通しているからかも・・・。
ニール先生、偉大です。

 

 

 


 

 

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