ACTUALLY2-3

Always on my mind

always


クリス:トム・パーカー大佐がエルヴィスの人生を破滅させたのは、実に悲劇的だったね

(一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はでご確認ください


僕は君にかまってあげられなかったんだね
もっと良くしてあげるべきだった
僕は君を愛してあげられなかったんだね
できる限り愛すればよかった
ほんの少し、言うべきこと、するべきだったこと
時間を取れなかった
君はいつも僕の心の中にいたのに
君はいつも僕の心の中にいたのに

僕は君を抱きしめてあげられなかったんだね
孤独、孤独な時間だったろう
僕は君に話さなかったんだと思う
君が恋人で僕はとてもハッピーだと
もし僕が君を二の次にしていたのなら
気がつかなくてすまなかった
君はいつも僕の心の中にいたのに
君はいつも僕の心の中にいたのに

教えて、君の甘い恋心はまだ燃えているのか
君を満足させるチャンスをもう一度くれないか
満足させる

ほんの少し、言うべきこと、するべきだったこと
時間を取れなかった
君はいつも僕の心の中にいたのに
君はいつも僕の心の中にいたのに

教えて、君の甘い恋心はまだ燃えているのか
君を満足させるチャンスをもう一度くれないか
満足させる

君はいつも僕の心の中にいたのに
君はいつも僕の心の中にいたのに
君はいつも僕の心の中にいたのに
君はいつも僕の心の中にいたのに

僕は君にかまってあげられなかったんだね
もっと良くしてあげるべきだった
僕は君を愛してあげられなかったんだね
できる限り愛すればよかった
僕は君を抱きしめてあげられなかったんだね
いつも孤独、孤独な時間だったろう
僕は君に話さなかったんだと思う
君が恋人で僕はとてもハッピーだと
僕は君を愛してあげられなかったんだね


Written by Thompson/James/Christopher

Produce by Pet Shop Boys

 


ニール:僕たちは、エルヴィス・プレスリーの死後10周年記念日の「ラブ・ミー・テンダー」という番組に、セントラルTVから依頼を受けた。で、訳あって出演することになった。トム・ワトキンスと一緒に働いていた ロブ・ホールデンは、僕たちにエルヴィスのカセットの山を届けた。で、クリスがピックアップした最初のカセットの最初のトラックは、マジック・モメンツ・ウィズ・エルヴィスの「Always On My Mind」だった。

クリス:僕はエルヴィス・プレスリーのファンじゃなかった。僕が好きな唯一の歌が、「Suspicious Minds」と「Always On My Mind」だ。僕は「Always On My Mind」のカナディアン・マウンティのバッキング・ボーカルが気に入っていたけど、僕らのバージョンには入れなかった。

ニール:元々、僕たちは「Baby Let's Play House」という歌のハウス・のバージョンをやるつもりで、いいアイデアだったけど、時間だか何かがなかった。で、僕らはデヴィッド・ジャコブと一緒にスタジオで2日間「Always On My Mind」やり始めた。 クリスはブラス・リフを思いついて、僕はコーラスの終わりに違うBフラットコードを入れた。それはもっとディスコっぽい音にした。僕はすこしだけ歌詞を変えて、文法を無視したものにした。
...should haveの代わりにI didn't treat you quite as good as I shouldにした。もっと限定させたかったから。それから、僕らは番組のために映像を撮りに行った。みんなファンタスティック!って言ってくれたよ。僕たちはそっくりのレザーに身を包み、線路を歩いて行く。このデモ・バージョン(CD2-9)は、日本盤の「ACTUALLY」の7インチ・シングルとしてリリースされた。僕らはこれを「Rent」のB面としてリリースするつもりだったけど、ジル・キャリントンが「ダメ!シングルにすべき!」と言った。シングル・バージョンのため、僕たちはデモを始めて、戦車のノイズを入れた。そのデモはすぐにファード・アウトした。アルバムに入れずにシングルにしたので、アメリカではみんな怒り狂った。それで彼らは「Always On My Mind」の12インチをつけて、アルバムを再パッケージした。プロモーションのためにスカンジナビアを廻ったのを覚えている。EMIに電話をかけてきて、僕らにリリースするのをやめるようにさせた。でも、僕たちはクリスマス・ナンバーワンになるだろう絶好のチャンスだと思ったし、事実、なった。12インチ(CD2-12)は、終わりの方でジョス・アクランドが「Stop the car!」とい叫ぶが、これは僕らの映画「It couldn't happen here」から録った。「Always On My Mind」は映画の中にはもともとなかったけど、映画を製作する間にこれをシングルとしてリリースすることが決まったので、それが入れるように映画の新しいシーンがまるごと書き加えられた。そのシーンの会話はすごく古臭い。ジョス・アクランドは最後に「What have I done to deserve this?」を引用している。すごく愉快だ。映画は「スパイス・ワールド」より良いと言えると僕は思う。僕らはさらに他のミックスをやった。フィル・ハーディングとやった、ドラムのない「Always On My Mind」のショート・バージョン(CD2-13)とか。正直言って、やったのすら覚えてないけど。

クリス:終わり方がいい。

 (
以上、2001年ブックレットより)


 


クリス:いや、エルヴィスを真似たわけじゃないけど、僕はずっと後期のエルヴィス、ラスヴェガス時代のエルヴィスが好きだったんだ。彼のR&B全部が好きだったわけじゃないよ。でも、ラスヴェガスのエルヴィスはすごいと思った。フランク・シナトラ同様、彼も年齢とともにどんどん声がよくなっていったと思うんだ。とにかくこの曲はその時代の作品。きっかけはあるTV番組。彼の没後100年だっけ?タイトル忘れたけど。

ニール:没後10年だよ。

クリス:没後10年。それを受けて、どの曲でもいいからカヴァー・ヴァージョンをやってくれって言われた。僕たちの選曲で・・・。

ニール:選んだのは君だろ?

クリス:あ、そうね。

ニール:クリスはカヴァー・ヴァージョンの選曲が得意なんだ。

クリス:で、僕たち独自の1980年代風ハイ・エナジー・スタイルでやった。僕らに出来るエルヴィス・プレスリーのカヴァー・ヴァージョンは、それしかないと思ったんだ、全てはそのTV番組から始まったんだよ。

 (以上、2003年「POPART」ブックレットより)


 

プロモーションビデオ(You Tube)



1987
年シングルはUKチャート最高1

オリジナルビデオ(You Tube)



 TV
番組のためのフィルム。多分エルヴィスのコスプレのつもりだけど、ハードゲイにしか見えない

CUBISMライブビデオ(You Tube)



 2006
年・メキシコ




PVは映画「It couldnt happen here」のダイジェスト(予告)です。

ニール:
クリス:また車。
―誰が運転を?
クリス:名演技が見れるぞ。
ニール:行き先は?
クリス:えへへへへ。
ニール:大声を出したくなる。
クリス:ぶ〜〜〜っ。はっはっはっ。
ニール:見事な演技だ。
クリス:感動的だよ。
―彼はジョス・アックランド?
ニール:そうだよ。これは映画版から抜粋して作ったビデオだ。
クリス: バーバラ・ウィンザー。TVで活躍中。
―ニールはカツラを。
ニール:ダンサー・・・。
クリス:盛りだくさんだ。
ニール:ホントに。ギャレス・ハント。
クリス:違う名前を言いそうに?
ニール:いや・・・。
―これは映画のハイライト?
ニール:ああ。予告編なんだ。この映画を作るのに6ヶ月もかかったから・・・うーん、シュールなビデオで楽しめるかと。コンサートもなかったしね。好評だったよ。この場所は?
―さあ・・・。
クリス: クラプトンかな
ニール:いや、クラクトンだ。クラクトン、そうそう・・・。映画で、僕らは旅をしている。
クリス:数々の場所をね。
ニール:演技もしている。バーバラは母親役だ。
クリス:ジョスは殺し屋。
ニール:クリスが笑顔を見せるよ。この後だ。
―シュールだ。
ニール:(クリスの笑顔)見たかい?
クリス:最高の笑顔だね。
ニール:うれしいことがあった。・・・第1次世界大戦の兵士だ。クリスが女装している。はははは。
クリス: あはははは。
ニール:中撮影だ。
クリス:今のは有名なダンサーたちだね。
ニール:ペギー・スペンサー・ダンサーズさ。ステーキ・ハウスだ。どこかの街道沿いだ。
クリス:A40とか。
ニール:そうだ。“しかたがない、他の車を探そう”。

聞き手―クリス・ヒース

 (
以上、2003POPART/DVDコメントより)
PV監督・・・Jack Bond

 

 

★用語・人物メモ★

トム・パーカー大佐(1909-1997)・・・オランダ生まれ。エルヴィス・プレスリーのやり手マネージャー。大佐(Colonelというのは愛称。

エルヴィス・プレスリー(1935-1977)・・・伝説のキング・オブ・ロックンロール。60年代のセックス・シンボル。若い頃はめちゃめちゃかっこヨカッタ。「Always On My Mindは1972年のシングル。他にウィリー・ネルソンもカバーしている。「Baby Let's Play House1956年。

カナディアン・マウンティCanadian Mountie・・・固有名詞としてはないが、「
カナダのブリティッシュ・コロンビア州の赤い騎馬警官」。あるいは、カナディアン・マウンティ・カートゥーンというアニメ。

ジョス・アクランドJoss Ackland(1928-)・・・イギリスの俳優。「It couldn't happen here」では、子供のテナント&ロウを引率する盲目の牧師と、彼らをヒッチハイクする牧師姿の盲目を装った殺人鬼の役を演じている。

「スパイス・ワールド」Spice world・・・スパイス・ガールズの映画。1997年。PSBは多分スパイス・ガールズが嫌い。

バーバラ・ウィンザーBarbara Ann Windsor(1937-)・・・イギリスのコメディ女優。映画では、ニールの母親役と、クリスにせまる下宿屋のおばちゃんの2役。

ギャレス・ハント
Gareth Hunt(1942-2007)・・・イギリスの俳優。人気スパイ・テレビ「アベンジャーズ」シリーズに主演した。映画では、クリスの下宿のウザイ住人と、ダイナーに現れた腹話術師の2役。クリスが彼を見てずっとマジ笑いしている。それを見てニールの肩が震えている。

クラクトClacton-on-Sea・・・イングランド南東部、エセックス州の海沿いのリゾート町。

ペギー・スペンサー・ダンサーズ・・・プロの社交ダンサー、Peggy Spencerが率いるチーム。




発表当時、この曲は賛否両論だった。アメリカの象徴であるプレスリーの熱い名曲を、正反対のクールなアレンジでカバーしたことにかなり反発もあったようで、当時PSBを腐す人はたいがいこの曲が酷いと言ったものだった。実際、アメリカのファン離れを起こした原因のひとつとも言われた。でも、現実にはこの曲は1987年のクリスマス週のUKシングルチャートで1位になり、歴史に名を残すことになる。現在でも「UKでクリスマス・ソングといえば?」で筆頭に挙げられるThe Pauguesの「Fairytale of New York」を2位に押さえたことでも語り継がれている。ライブではこの曲の時は盛り上がりMAXであるから、ファンからの支持も熱い。

音楽を印象的に使うアメリカの人気ドラマ「コールドケース」(シーズン2の第1)では、1987年に、高校のプロムパーティでかかっていた曲として、この曲を使用している。

1991
年のパフォーマンス・ツアーで、ニールはプレスリーのような髪型(ウィッグ)で「Opportunities」と「Seriously」を歌っている。

ちなみにシングル・ジャケットの2人はメイクをしているが、これはデビッド・ボウイのグラム時代のメイクでお馴染みのPierre La Rocheの手によるものである。彼らはベタな憧れをひとつずつ叶えていく。



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