ACTUALLY1-3

Shopping



ニール:サッチャー主義

(一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください




君の歴史を売買している
どうやるかは、ミステリーではない
街でチェックして、法を変える
君はなにを期待している?
今の君は物欲まみれ

私たちはお・買・い・物・をする
ショッピングをする

君が情報全てを入手できれば簡単
内部協力があれば、調査はいらない
家に問題はない
ギブ・アンド・テークはない
街はビッグバン
みんな金儲けに夢中

私たちはお・買・い・物・をする
ショッピングをする

私たちの利得はあなたの損失
君が支払う値段
下院でそれを聞いた
すべてが売り物

私たちはお・買・い・物・をする、ショッピングをする


Written by Neil Tennant/Chris Lowe

Produce by Julian Mendelsohn



ニール:僕たち、大のショッピング狂。それで「ショッピング」というタイトルの曲を書こうと思った訳。音の響きもどこか面白いでしょ。でも詞の内容はけっこう辛口でショッピングって言うのは比喩なんだ。今イギリス政府は財政難を乗り切るために続々と国営企業、例えばブリティッシュ・ガスとかブリティッシュ・テレコムなんかを売りに出している。その一方、別の会社を買って金儲けしようとしているんだ。これもひとつのショッピング、って言うのがこの曲のアイデアさ。
 
(
以上、1987年レコードインナー本人解説より)

 

 


ニール: クリスと僕はカメオの「Word Up」がすごく好きだったんで、カメオ・スタイルで何かを書くと決めた。 僕たちは、「そうだ、カメオのラリー・バックモンにこれをプロデュースしてもらえばいいじゃん。」と考えて、彼に会った。彼はツアー中で、彼に曲をプレイしたけど、ハプニングが起こって、できなかった。それで僕たちは、ジョルジオ・モルダーのところで働いてて、ちょうどビリー・アイドルのプロデュースを続けていたキース・フォージーにプロデュースをして欲しいと思ったけど、彼はそれに興味がなかった。 僕はマジに傷ついたね。この曲はジョークで始まる。クリスと僕はオックスフォード・ストリートを「S-H-O-P-P-l-N-G」って歌いながら歩いて、買い物していた。 'SHOPPING'という単語はどこかユーモラスな言葉だ。

クリス: 僕たちはよく、あらゆる所でそれを歌っていたよね。 ボビー'0'の「Passion」の'P A S-S-I-O-N'に似ていた。

ニール: 僕たちが、実際にある日ミラノでショッピングしたことが”Shopping
という歌を書こうと決めたきっかけだと思う。僕は、だれでもそれまでに買い物に関して作詞したことがないと思った。とても一般的な人間の活動であり、80年代には、それは必要に迫られるものではなく、代わりにレジャー的な行動になった。 80年代は売り買いに密接な関わりがある。しかし僕は、その歌詞を、国の徴集兵を売り払う政府の買い物について、面白いズバリの言葉を何も考えられなかった。僕らは明らかにそれに反対していた。 当時、ロンドンで圧倒的だったのが、Tell Sidという政府のガス売却のキャンペーン広告が盛り上がっていた。 このアルバムが出たとき、自分達を含む多くの人々が、サッチャーがだらしないからだとアルバム全体で感じた。この歌を聴けば、国有化された産業があり、「King's Cross」には貧困があり、「It couldn't happen here」にはエイズがある。「Shopping」は「Opportunities」の別の側面がある。それは、ペット・ショップ・ボーイズが皮肉屋であるという神話を創った。それぞれが嫌いな誰かのキャラクターを取った歌だ。 「Shopping」はフルハムかどこかの、ぞっとするシティ・タイプのキャラクターから取った。エルメスのスカーフをショッピングに行くのと同じように、彼らは必須のサービスと国有化された産業をショッピングするというアイデアから取った。僕たちはジュリアン・メンデルソーンと一緒にそれをレコーディングした。 ギターのように聞こえるキーボードはニュー・オーダーへの勝手なトリビュート。

クリス: 「Shopping」はカスタマー・プログラムのときにいつも使われる。

ニール:いまだに使用リクエストがあるよ。

クリス:最終的にはドル箱だ。

 (
以上、2001年ブックレットより)


 
ライブビデオCUBISM(2006)(You Tube)





★用語・人物メモ★

サッチャー(1925-)・・・ファースト・ネームはマーガレット。第71代英国首相、在任期間は1979-1990。保守党。各種国有企業の民営化や規制緩和、金融改革などを断行したが、失業率は最悪、人頭税の導入か否かでもめて辞職した。労働党支持者のニールは特にサッチャー嫌い。

カメオCameo・・・アメリカのR&B/ファンク/ディスコ・バンド。1974年から続くが、ラリー・バックモンのみオリジナル・メンバー。「Word Up」は1996年のヒット曲。ビデオはこちら。

ジョルジオ・モルダー(1940-)・・・シンセサイザーをこの世に広めた人の一人。ディスコの父。

ビリー・アイドル(1955-)・・・パンク・ロッカー。ジェネレーションXのヴォーカルだったが、後にソロに。




 PSBのお金に執着する現実的な面の代表曲。80年代らしい。
 Fundamentalツアーでは、この曲は「Minimal」とミックスされていて、よく似ている。内容は皮肉だけど、けっこう楽しい曲。



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