ニール:僕らはニューヨークのユニーク・スタジオでこの仕事を始めた。この曲と、「The view
from your balcony」と、「It always comes as a surprise」と、あとは未完成の曲、4曲一緒にやった。サウンドはちょっとマッドネスやザ・ウォーカー・ブラザースの「Yes
in a no kind of way」に似ているかも。僕はこれをスペイン語のフレーズを引用で使ってスパニッシュのレコードにしたかった。スペイン語の中には、何らかのアイデアを僕たちに与えてくれた。僕らはデントンにニューヨークの本屋に行ってスペイン語のフレーズの本を買ってくるように頼んで、この曲を書き始めたんだ。とても妙なコードがあるだろ。クリスはリズムとベース・コードをプログラミングした。
クリス:ニールがコーラス・コードをやった。
ニール:これがコーラスならね。デントンはペンギンの英西辞典とベルリッツのフレーズ本を買って戻ってきて、僕はいいのがあるなって思った「hay unadiscotecaporaqui?(この辺にディスコある?)」ってのが。いいリズムをつけて、歌になった:「Is there a discotheque
near here?」と。それから僕は「tequiero」「entiendeusted?」「digame」「cuantotiempotengoqueesperar?」を作って行った。---つまり「愛してる。わかっているかい?教えて。僕はどのくらい待てばいい?」---。「僕はどのくらい待てばいい?」は、the going-to-the-doctor’s sectionからの引用だ。それ以上の言葉はない。続く4月、僕らは言葉とメロディをベースに入れることを決めた。初めは全体的に違った言葉、チューンも違っていた。僕は、なぜ外国語を入れるのかという全体のコンセプトを作り出すことを試みた。ある国で迷子になるという点で始めてみた。君がどこにいるかわからない。何年か後、僕はそれを変えて、最終バージョンは誰かがHIVかエイズを心配する意味になった。そこにはカタストロフィーの感覚がある。“悪くなっていく何かを心配するかい?パニくっている?ノーマルであろうとふるまい続けるかい?”って言っている。たいていの人がどちらかだろうと思う。メタファーとして外国にする考えを使った。それは突然よく知られていたものがすべて未知のものになる。「私はこの言葉が話せません。この単語の意味がわからない」。そして、コーラスの中で、この歌われている人はディスコに行く。ノーマルであろうとふるまい続けるためにね。全く、冷酷な歌だ。でも音はとても美しい。始まりの、マイナーコードに続く、シークエンス・ラインのクラシカルなペット・ショップ・ボーイズのスタートだ。オリジナル・デモとはいっさい変わっていない。
“where angels fear to
tread”・・・(「The
Sodom and Gomorrah show」から転記)イギリスのゲイの作家、E..M.Forster(1879-1970)の小説タイトル(邦題「天使も踏むを恐れるところ」:1905年)からの引用と思われる。大元は18世紀イギリスの詩人アレグザンダー・ポープの「An essay on criticism(批評論)」の有名な一節「天使も足を踏み入れるのをためらう場所に、愚か者は飛び込む」から引用されている。この原作は邦題「天使も許さぬ恋ゆえに」(1991年)として映画化されている。他に「モーリス」「眺めのいい部屋」「ハワーズエンド」など、フォースターの著作には映画化された作品も多い。 デントン・・・Dainton“the bear”Connell。90年〜01年くらいまで、PSBのパーソナルアシスタント兼ボディガードだった人物。ガタイのいい黒人。アーセナル・ファンでグーナーズ代表。「So hard」「Jealousy」PVやライブ「Somewhere」にも出演している。2007年10月5日、モスクワで急逝。 マッドネス・・・ロンドン・カムデンから出たスカ・バンド。70年代と90年代以降に活動。日本ではホンダの「City」のCMで有名。 ザ・ウォーカー・ブラザース・・・60〜70年代に活躍したロサンジェルスのロックバンド。
ケイティー・キスーン・・・ブラジル人シンガー。DiscoVeryツアーでバックシンガーをつとめた。
ヒューマンリーグ・・・80年代シンセ&ニューウエイブの代表格。女2人、男1人の構成。現在も活動。「Don’t you want
me」(‘81)は最大のヒット曲。ビデオはこちら。 ボビー”O”・・・ボビー・オーランド。80年代ハイエナジー・ミュージックのカリスマ。ディバインなどもプロデュース。1883年8月19日、ニューヨークのレストラン「アップルジャック」で、ニールにチーズバーガーとキャロットケーキをおごられて、PSBの「West end girls」のファースト・バージョンを手がけた。PSBは2003年「Disco3」でボビー“O”の作った「Try it (I’m
in love with married man)」をカバーしている。「Don’t you want
me」とそっくりな「I'm so hot
for you」(’82)のビデオはこちら。
スペイン語の入った、彼らのお気に入りの曲。スペイン語で「この辺にディスコある?」というフレーズとか、面白い音がいっぱい入っている。Stretch and Burnの「I’m alive」の歌詞を引用。気に入ったら何でも取り入れてしまうところとか、子供っぽいまでの音楽へのオタクっぷりが凄い。若いもんみたいにいろいろ勉強して吸収している。そのまま次の曲になだれ込むのもいい。