BILINGUAL*1-2
「Single-Bilingual 」
クリス:言葉遊びさ。明らかにバイセクシャルを意味している
(一言コメント:1999 年)
原文歌詞はこちら でご確認ください
“コミュニティ(共同体)“と呼ばれているものを、
僕は家だと思うことにしている
僕は、一人
空 港に着く
搭乗券をもらい、
ビジネスクラスでフライト
これはゲームという名前
僕は独身でバイリンガル、
独身でバイリンガル
僕は( 株) UKから
この共同体にやってきた
ホテルに着くと、FAXの山に歓迎される
ジュニアスイートに滞在し
そこには応接間もあって
仕事の後、感想を説明する
”Perdoneme me llamo N eil”
( にーるトモウシマス)
僕は独身でバイリンガル、
独身でバイリンガル
ブュリュッセル、ボン、バルセロナ
僕は大忙しで家ではすっかりくつろいで
ドアの向こうから”Adelante ! ”( ドウゾ!)
”Un momentro porfavor “( チョットマッテクダサイ)
これが僕が金を稼ぐ方法だ
”Much as gracias senor ”(アリガトウゴザイマス、セニョール)
僕は、大陸横断ゲームのプレーヤー
無限の開発費用を使う
情報なんて、簡単
パソコンをたたくだけ
これがゲームの構想
僕は独身でバイリンガル
独身でバイリンガル
僕は独身でバイリンガル
独身でバイリンガル
“Hay una discoteca por acqui ? ”
(コノヘンニ、でぃすこ、アリマスカ?)
Written by Neil Tennant/Ch ris Lowe
Produced by Pet Sh op
Boys
ニール:僕らにはこのアルバムを壮大なオープニングにするために考えがあった。この悲しい歌がドラムとシンクロしてとても笑える風刺漫画のような歌に変わっていくのがわかるだろう。ところで、1本のマスターテープにレコーディングしたものがすべてだ。ドラムが2曲にファンタスティックに入っている。
クリス:僕には「サンダーバード」のテーマっぽく聞こえる。あと「キャプテン・スカーレット」にも。
ニール:僕はいつも「ザ・スペシャルズ」に聞こえると思う。ヨーロッパ・コミュニティの一種の風刺だ。一度は僕らはアルバムを「バイリンガル」というように決定した。「シングル・・・バイリンガル」という考えもあった。元々この曲は「Latino 」と呼ばれていて、歌詞だけが「シングル・バイリンガル」だった。僕はバカっぽくて面白いタイトルだと思った。また、いつもEU に関する書類のごみの山があって、僕らはいつも旅をしていて、僕はビジネス旅行のミニチュアについての歌を書いたら面白いんじゃないかって思った。この歌の男は、表面的な自信家だが、本当はまるで絶望的だ。彼は自分をマジで有能でセクシーだと思っている。彼はジュニアスイートに滞在し、ビジネスクラスで移動する。彼は自分の小さな役得をすべて好んでいる。でも、本当は彼は恐いんだ。彼は、洗練されたレディース・マンであるふりをしている・・・彼はシングルでバイリンガルだからね・・・でも、彼は実際にどちらもコミニュケーションしていないし、そして彼自身それを知っている。事実、彼は絶望的で、悲劇で、破壊だ。彼は“大金を稼ごう”(Opportunities) の男に似ている。誰も大金を稼いでない。彼は表面的にはいい思いをしているが、彼はそこでは何も得られない。理解しないからだ。
クリス:短いフライトではビジネスクラスが横領ってことを彼は理解できない。これ以上いい空 間はもらえないよ。
ニール: まさしく。クリスが曲を書いたけど、真ん中あたりは僕が書いた。この歌は僕らがアルバムに求めていたもの--- 英国とスペインを出たり入ったりすることにある。僕らが考えていたほかの理由は、ラテンアルバムはブリットポップに対するリアクションだ。僕らはヨーロッパ的になることが好きだ。事実、僕らはとても国際的グループだから。この歌はそういうのにぴったりだ。僕はいつも歌の中に僕の名前を入れたいと思っていた。マーチン・フライですら「Look of love 」でやったんだ。それから、僕の友人は聞かざるをえないだろう。「マーチン、おそらくいつの日にか真実の愛を見つけるだろう」って。「perdoname me llamo Neil( 私の名前はニールです) 」って、入っている。これはアルバムの3枚目のシングルだけど、シングルとしてリリースするときエヴリシング・バット・ザ・ガールがちょうど「シングル」というシングルをリリースするところだったんで、「シングル・バイリンガル」に名前を変えた。ノエル・ギャラガーは1996 年Q アワードでジョニー・マーにこの曲のことをコメントした。彼は「新しいペット・ショップ・ボーイズのシングルはイカれてないかい?」と言った。僕はそれを最高の賛辞だと取ったけどね。
クリス: その時好きだったかどうかはわからないけど、今は好きだ。時間が経っているからね。
ニール:最後に「h ay una discoteca
por aqui ?( この辺にディスコある?) 」が反復される。彼は文字通りクラブに行けたけど、彼は迷子になり、パニクるんだ。最終的に、アルバムのコードを理解できるだろう。僕らは3 度もこのコードに戻っているし。このコードは「discoteca 」で始まって「It always comes as a surprise 」でもさらに流れる。
(以上、2001 年ブックレットより)
クリス:この曲を作ったとき、あのスコットランドの女の子たちと出会ったきっかけはなんだっけ?
ニール:ストーン・ウォールのショウで会ったんだよ。
クリス: ああ、彼女たちも出演したんだ。あのサンバのリズムが気に入って、来てもらったんだよね。
ニール:グラスゴー出身の、女の子だけのサンバ・バンド。サンバ・ドラムは自作だった。
クリス: そうだっけ。
ニール: “ Da ,
de, dum , da , de, dum ” って、基本的には彼女たちがやっている。
クリス: 名前はなんだっけ。
ニール: Sh ’ boom 。
クリス: この頃、どんな曲にも合うことが分かって、やってきたら効果的だった。
ニール:で、やってみた。
クリス:で、どんな曲にも使った( 笑) 。そういうこと。
ニール: とても激しいドラムサウンドだ。同時期の「Se a vida e 」に相通じるサウンド。これもユーモア・ソングだ。独身でバイリンガル、それはビジネスマンの話。
クリス: ビデオも傑作だった。
ニール: ビデオはコメディで、僕がビジネスマンを演じていて、クリスが警備員を演じた。彼は自分がとてもスマートな男だと思い込んでいるんだ。“すみません。ニールと申しますが ” 。彼もニールって名前。「泊まるのはジュニアスイートで、応接のスペースがあって、仕事の後は今日の感想」。彼はビジネスクラスで旅をし、ラップトップ・コンピューターを持ち歩く。一種の風刺だね。すごくイカれた曲だと思う。正直、人は傑作だとは言わないだろうけど、それには同意できないな。完璧なまでにイカれたシングルで、他の誰とも違う。ドラムスがポール・サイモンに似ているって言う人もいるけど、サウンドと詞のコンビネーションは、むしろザ・スペシャルズを思い起こさせる。でもとにかくイカれた作品だよ。どっちにしろ、僕は好きだ。
(以上、200 3年「POPART 」ブックレットより)
プロモーションビデオ(You Tube)
1996年シングルはUK チャート最高14 位
ニール: コミック仕立ての傑作だ。ハハハ。ユーモア作品に戻って、世間を騒がせたかった。
クリス・ヒース:ああ、そのようだね。
ビジネスマンの生活を描いている。
クリス: 面白い歌だ。
ニール: そう。スタンテッド空 港で2 日間撮影した。
クリス: 心地よさそうだね。ははっはは。あっはっは。( バーで女性をナンパするニールを見て、一堂大爆笑)
ニール: モデルの典型だ。
クリス・ヒース:誰が振り付けを?
ニール: さあ?
クリス・ヒース:アーチスト?
ニール;違うと思う。ああ、ジャッキーだ。
クリス・ヒース:(飛行機の翼の上で踊るダンサーたち)危ないな。
クリス:シャブーンだ。
ニール:グラスゴーで撮影したんだ。
クリス: こういうドラムいいね。
クリス・ヒース:歌詞に忠実なビデオだ。
ニール:旅をするといつも、ホテルでビジネスマンの生活がうかがえる。僕らと無縁の世界だね。
クリス:(戦闘機が2 人の頭上を飛ぶ)このシーンいいね。
ニール:武器の商人みたいだ。
クリス:楽しめたよ。
( 以上、2003 年POPART/DVD コメントより)
PV 監督・・・Howard Greenh algh
★用語・人物メモ★
サンダーバード・・・SF 人形劇の金字塔。65 年イギリスで放送開始。
キャプテン・スカーレット・・・67 年に放送されたイギリスの人形劇。「サンダーバード」と同じスタッフが手がけている。翌年日本でも放送された。
マーチン・フライ
(1958-) ・・・イギリスのニューロマンティック・バンドABC のボーカル。マンチェスター出身。
エヴリシング・バット・ザ・ガール・・・イギリスの、トレイシーとベンのカップル・バンド。
ノエル・ギャラガー(1967-) ・・・オアシスのボーカル。
ジョニー・マー(1964) ・・・ザ・スミスの元ギタリスト。このアルバムにも参加。2006 年からモデスト・マウスに加入。
ポール・サイモン (1941-) ・・・アメリカのデュオ、サイモン&ガーファンクルの目立つほう。(←ニールは「PSBの目立つほう」と呼ばれるが)。PSBと違って、サイモン&ガーファンクルはほぼ喧嘩別れ。けどたまに再結成とかする。
ザ・スペシャルズ・・・スカとパンクをミックスしたイギリスのバンド。メンバーを変え、70 年代と90 年代に活躍。
「Discoteca 」と同じ、スペイン語の喋れない登場人物、続きのような歌。実際「Discoteca 」のフレーズが引き続き使われている。
本来「Single-Bilingual 」というタイトル。まさしくシングル・カットされている。 ” ニール ” という名の ” 独身でバイリンガル ( バイセクシャル) ” のビジネスマンが、出張でビジネスクラスに搭乗したり、クラブでナンパしたり、大活躍するコミカルな歌。サンバ・ドラムが印象的だけど、これを演奏するのは実は寒い国・スコットランド・グラスゴーの女性パーカッション・バンド。PV も冷たいブルーが基調。それにしても、警棒振りまわすクリスの警備員コスプレがエロくてはまりすぎ。ジョージ・マイケルの「Outside 」PV を思い出しちゃったよ。
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