FUNDAMENTAL1-11

Indefinite leave to remain



原文歌詞はこちらでご確認ください



僕は道に迷っている
長い間
僕の人生の半分を
費やしたように思える
僕の属している場所を
探すため

ここで君に会う
君は僕の国
これは僕の申し出
希望が欲しい
まともでいさせてくれ
僕に永住許可を
おくれよ

僕が見た
世界中の人々
僕は遠くに行き
まだ君を求めている
表面的に見えるかもしれないけど
僕たちを公認にしてもらえないかい?
希望が欲しい
まともでいさせてくれ
僕に永住許可を
おくれよ

僕の居場所を教えてくれ
君はどんな構想を描くの?
あらゆる方法で
君の決心を教えてくれ
いまが
手続きの時なのか?
僕にチャンスをくれ
僕に必要な身分をおくれ

ここで君に会う
君は僕の国
これは僕の申し出
希望が欲しい
まともでいさせてくれ
僕に永住許可を
おくれよ


Written by Neil Tennant/Chris Lowe


Produced by Trevor Horn

 


ニール:僕らがナポリで書いた、アルバムのためのほかの曲。僕は啓蒙思潮運動のヒーロー、プロシア王フレデリック・ザ・グレートに会ったバッハの本を読んでいた。彼は哲学者のような王だった。1章では、それはバッハのコードの変更に言及した。僕はクリスにそれを読み取るようにプレイして、それで彼はわずかに変更した。だから、それはちょっと賛美歌のコード変更をしたようだ。僕はタイトルを「Indefinite leave to remain (永住許可)」にしたが、僕らの友人のスリランカ人のパスポートは1年内務省にあって、彼はついに「Indefinite leave to remain」のスタンプをもらって帰って来た。彼にとっては意味のある瞬間だ。だって、この国では、彼の身分は不安定だったからね。僕は、とても美しいフレーズだと思った。アルバムのアイデアの一つは、同時代の出来事をベースに書かれているし、収容所に関する全てのこの討論だった。それで、僕はラヴソングを書くことを思いついた。言語は、国にとどまるために医学研修期間を申し込む誰かとほとんど同じだ。ある少年、あるいは彼のガールフレンドが彼と一緒に住むことを望むものはすべてが保護されている、彼女は国のようなものだ。それは好ましい・・・それはまさに冷静な方法で伝えられた熱烈な考えだ。

クリス:面白いことに、拍子記号は、ミドルビットで2倍になって、それを2度繰り返す。

ニール:もともと、言葉も同じようにそうなっていた。

クリス:言葉がない方がいい。僕たちはほとんど全体のパートを取り除いた。それで、僕は思った、”マジで、言葉がない方が音楽を維持できる“と。

ニール:”ヴィザとパスポートが、僕らを別々に管理するだろう“みたいな。

クリス:すごくブロードウェイ・ミュージカルだ。時々、ちょっとスペースがあるといい。

ニール:いいね、僕は、ブラスバンドで始まって、それから信じられないシンセが来るのが好きだからね。僕はアメリカのグループ、ザ・ポスタル・サーヴィスを思い出した。僕らはブラスバンドについて話し合ったね。

クリス:僕なら、ブラッドフォードのような、それかどこかのそのような北部町でそれを組む。そこはブラスバンドがあるけど、さらに多くのアジアの人口なら、2つの文化の対照を得られるだろう。

ニール:お涙頂戴物のペット・ショップ・ボーイズのクラシックものだ。すごく真実っぽい。僕らはいつも、この曲が最後のトラックではない場合、アルバムの終わりに近いだろうと思っていた。

 (以上、2006年「Literally30より)




ニール: 友人のパスポートがずっと申告の役所に行っていて、それはもう長い間で、一時はなくなったりもした。で、やっとのことで返ってきた。それにIndefinite leave to remain (永住を許可するというお役所表現)」のはんこが押されていた。受け取った友人はすごくうれしがっていた。外国人でパスポートもなく明日はどうなるのかと思いながら生活するのは不安だ。それがこのはんこによって安定した生活を保障された。これで外国にも自由にいける。だからこれは彼についての曲なんだ。他にも最近は亡命者や移民問題がかなり問題になっていて、そういった国の状況をまたまたラヴソングに脚色した曲でもある。「Indefinite leave to remain 」という表現には、そこはかとなく美しさを感じるな。詩的というか。

 (以上、2006年「FUNDAMENTAL」ライナーより)

 




★用語・人物メモ★

フレデリック・ザ・グレート(1712-1786)・・・プロイセン3代王フィリードリヒU世。啓蒙専制君主。音楽、特にフルート好きで知られる。バッハの次男がチェンバロ奏者として使えていたため、バッハとの交流があった。LGTBであったとの説もある。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)・・・ドイツ人。近代音楽の父。宮廷・教会音楽家。カンタータ、オルガン曲などが代表的。

ザ・ポスタル・サーヴィス・・・アメリカのエレクトロニック・インディー・ポップ・デュオ。2001年結成。


ブラッドフォード・・・イングランドの北部、ウエスト・ヨークシャー州の市。演劇が盛ん。




永住権は、英国籍の配偶者にももらえるが、2005年から施行された市民パートナー法(いわゆる同性パートナー)でも取得可能だという。市民パートナー法について、PSBはあまり公に多くを語らなかったけど、もしかしてこのラヴソングは永住権と、市民パートナー法をかけているんじゃないかと思う。「表面的に見えるかもしれないけど/僕たちを公認にしてもらえないかい?」のフレーズとかが。まあ、外国人の友人がモデルということですが。
イギリスにはすごく移民が多いんですが、負け組英国人と勝ち組パキスタン人の男性同士の恋愛を描いた「マイ・ビューティフル・ランドレット」って名作映画もあります。



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