NIGHTLIFE1-6

Vampires


ニール:僕が興奮し、君も興奮する
(
一言コメント:1999)

 

 


原文歌詞はこちらでご確認ください


ブラザー、たいしたことじゃない
シスター、心配いらないよ
言ってごらん
僕が好きなようにしてあげる
君はヴァンパイアだ
僕もヴァンパイアだから

キッチンに差し込む太陽
ボーイ、君はまだ眠っている
おなかがすいたのなら
僕が好きなようにしてあげる
君はヴァンパイアだ
僕もヴァンパイアだから

夜の街
ニュー・オーリンズのおいしそうな子
君はしたいようにすればいい
それから僕も君に同じ事をさせてくれ
君はヴァンパイアだ
僕もヴァンパイアだから
君はヴァンパイアだ
僕もヴァンパイアだから

条件反射さ
ただの条件反射
恐れやセックスと同じ

ブラザー、たいしたことじゃない
シスター、心配いらないよ
言ってごらんよ
僕が好きなようにしてあげる
君はヴァンパイアだ
僕もヴァンパイアだから
君はヴァンパイアだ
僕もヴァンパイアだから

ブラザー、たいしたことじゃない
シスター、心配いらないよ
ブラザー、たいしたことじゃない
シスター、心配いらないよ


Written by Neil Tennant/Chris Lowe


Produced by Craig Armstrong and Pet Shop Boys

 


ニール: これは面白い歌だね。僕は、これはいつも互いを搾取している人々に関するものであると言うけど、それが何に関するかを本当にはわからない。しかし、それは1種類の不思議な方法ですべて僕に意味をなしている。

キッチンに差し込む太陽
ボーイ、君はまだ眠っている
おなかがすいたのなら
僕が好きなようにしてあげる
君はヴァンパイアだ
僕もヴァンパイアだから


僕は、それが本当に気味が悪いのがわかった。僕には、なぜ台所について言及するかという考えは全くないんだ。まったく考えがないんだ。 歌は、全部たいしたことじゃない事が書かれている。ドラッグにすぎない、セックスにすぎない、それは何でもそうだ。僕たちの友人はサイキック・ヴァンパイアの概念に関して語り続けている。サイキック・ヴァンパイアは、君たちからアイデアを吸い取って、自分たちのためにそれを使う誰かのことだ。すごく面白い考えだと思った。一度、この話が持ち上がっていたとき、僕たちは誰かと仕事していて、僕はこの人がその意味でヴァンパイアなんじゃないかと心配したよ。それで、僕はジョークで「あー、OK、僕もヴァンパイアだから。」と言ったんだ。それがこの歌のアイデアかな。

 (
以上、1999Literally21より)


  


P.G Brunelli
(インタビュアー):君たちのアルバムが映画のサウンド・トラックという感じは受けないんだけど・・・。

ニール:サントラっぽい曲だって解釈されるようなものも、何曲かあるんだ。「Vampires」もサントラみたいに聞こえるし。ニューヨークのマンハッタンにある映画のロケ・セットが想像できるだろ?とても暗いところが。

P.G
:それだったら、すごくいいビデオが出来そうだね。

ニール:まだこの曲をシングルとしてリリースするかどうかは分からないんだ。シングルにするべきだって思う人はたくさんいるみたいだけど。僕はこの曲が大好きだし、これはこのアルバムの鍵にもなっている曲でもあるんだ。この曲はアルバムのタイトルにもなっている“NAIGHTLIFE“についての曲だからね。でもこれは文字通りヴァンパイアたちのことを歌っているのではなくて、お互いのアイデアを食い物にしている人たちについて歌ったものなんだよ。
 
P.G
:この曲と「New York City boy」 (ヴィレッジ・ピープルの曲によく似ている)には何か関連があるの?
 
ニール:いや、関連はないよ。この曲は次のシングルになる曲で、僕たちはもうすぐこの曲のビデオを撮ることになっているんだ。ワイルドで怪しいパーティのビデオになるんだよ。ヴィレッジ・ピープルと似ていることは知っているけど、この曲のビデオは古臭い感じにはしたくなかったんだ。その代わり、未来的なビデオになると思うよ。

P.G
:この曲(「Vampires」)ではクレイグ・アームストロングが最高の力を発揮したと思う?

ニール:多分ね。僕がこのアルバムの中で一番気に入っているのは「The only one」という曲なんだ。曲の終盤に、美しいストリングスの部分があるんだよ。クレイグが書くものやアレンジするものは、全て素晴らしいね。「In denial」もエクセレントだ。それに、アルバムを通していろんな楽器のソロがところどころに散りばめられているんだけど、これは全然僕たちっぽくないけど、いかにもクレイグ・アームストロングって感じだよね。

 (
以上、1999年「In Rock」インタビューより:インタビュアー=P.G.Brunelli)

 


*以下はアメリカのファン・マスターWayneさんのサイトの曲説明を訳したものです。
http://www.geowayne.com/psbhtml.htm

 伝えられるところによれば、ニールは、インタビューで、彼の友人がクラブでケタミンをやっているのを見ることによってこの歌の歌詞が一部インスパイアされたと述べた。(ケタミンはクラブのメンバーが、夢見るような「体外離脱」の高楊感引き起こすことができるために使用するのが知られている、現在は主に動物の薬として使用されている危険な麻酔薬である。) 文体上で少しシャッフルされ、歌詞はすごく簡単に思える。彼が話しているナレーターと人物は比喩的な「ヴァンパイア」だ。彼らが主として彼らの人生を夜に生きている(アルバムのタイトルがNightlifeだと覚えているだろう)。「僕はヴァンパイア、君もヴァンパイア。」

 しかし十分にふさわしく、さらに暗い側面がある。それらが彼らの生計を他のモノに頼っているという意味でも「ヴァンパイア」であるならどうなるだろうか。言わば「彼らの血を吸う」なのでは? そうだとすれば、ナレーターは、この事実を認めて、恐らく後悔の念を抱くが、それを迎え入れる・・・「それは恐怖やセックスのように反射的だ」と。 言い換えれば、それはただ彼の存在する方法で、彼がそれに関してできることは何もない。

 ところで、「ニューオーリンズのおいしそうな子」のフレーズはたぶんアン・ライスのヴァンパイア小説「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(ニューオーリンズに設定されている)から始まるによってインスパイアされた。この歌はPSBのミュージカル「Closer to Heaven」で結局使用され、それは著しく異なった出来上がりになった。
 
  



 
 
ライブ(2000年NIGHTLIFEライブ)(You Tube)



 


★用語・人物メモ★

New Orleansニューオーリンズ・・・アメリカ南部の町。フランス移民が多く、「新しいオルレアン(フランスの町の名前:ジャンヌ・ダルク出身の街)」の意味。なぜニューオーリンズかというと、アン・ライスの有名なヴァンパイア小説シリーズ「夜明けのヴァンパイア」(トム・クルーズ主演でニール・ジョーダンが映画化した「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の原作)の舞台がニューオーリンズだからだと思われる。ちなみに「夜明けのヴァンパイア」シリーズは萩尾望の少女漫画「ポーの一族」が原型とされている。




 「ヴァンパイア」は、ゴスッ子やヲタ・カルチャーには欠かせないファンタジー・アイテム。クールでゴス要素の少ない彼らがこの領域に踏み入れるのはとても珍しい。初めてきいたとき、「ヴァンパイア」はセクシャル・マイノリティやマジョリティからはじき出された人たちのことだと思った。だからちょっと涙した。「僕もヴァンパイアだから」という言葉はとても優しい。でも同時に「ヴァンパイア」はとてもセクシーなアイテムだ。



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